教育改革国民会議

教育改革国民会議第2分科会第7回議事録



教育改革国民会議 第2分科会第7回・出席者一覧
(敬称略)
 石原 多賀子金沢市教育長
 上島 一泰社団法人日本青年会議所会頭
 大宅 映子ジャーナリスト
(主査)金子 郁容慶應義塾幼稚舎長
 河合 隼雄国際日本文化研究センター所長
(副主査)田村 哲夫学校法人渋谷教育学園理事長
 藤田 英典東京大学教育学部長
 今井 佐知子社団法人日本PTA全国協議会会長
 草野 忠義連合副会長

教育改革国民会議第2分科会第7回議事次第

日 時:平成12年7月17日(月) 10:00〜12:00

場 所:三田共用会議所2階 第一特別会議室

  1. 開 会

  2. 討 議
    • 「全体の方向性」について
    • 第2分科会の審議の報告について

  3. 閉 会

【金子主査】それでは、第7回最終の分科会を開催したいと思います。

 これまで5月19日からほぼ毎週のように皆様方お集まりいただきまして、今井さん、草野さんには、ほかの分科会のメンバーにもかかわらず何度も来ていただきましてありがとうございました。私としてはこの分科会は家族のような気持ちもしつつ、必ずしも仲のよくない家族というのもあると思いますので。(笑)

 我々は一応大学とか高校の問題も重要だが、時間が限られているので今回は義務教育に限ってお話をしてきました。分科会としては今の状況に対して何か新しいフレッシュなメッセージを出したい。方法論、概念論ではなくて具体的な提案ということでやってまいりました。一部かなり異なった意見があることもございましたけれども、それも踏まえて今回でおしまいにしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 今日は、配布資料は少ないのですが、一応事務局の方からざっと御説明をお願いします。

【銭谷教育改革国民会議担当室長】 本日の配布資料は2点でございます。1つが議事次第でございます。資料2は、委員の先生方より提出されました全体の方向性に関するスローガン (標語) の案でございます。これは前回のものに、大宅先生からいただきました案を加えさせていただいております。それから、資料ナンバーは振っておりませんけれども、「取扱注意」ということで「教育改革国民会議第2分科会審議の報告(主査案)」を併せてお配りをさせていただいております。

 以上でございます。

【金子主査】 泣いても笑っても今日で最後で、これ以上やるということは、物理的にも日程的にも無理でございますので、今日の議論で取りまとめをしていきたいと思います。取りまとめは、正式にはこれは審議の報告という形で全体会に提出をすることになります。そこで主査案ということで、今日6枚のものを用意させていただきました。これは私の責任で書いたものを、先週、副主査とかなり時間をかけて検討したものです。たたき台として今日提出をさせていただきました。今日中にこれをもとに議論していただいて、ここはこういうふうにするとか、私はこういうことを言っていないということがありましたら御議論をいただきまして、最終的には今日の議論を踏まえて、あとは主査の責任で、これを改訂して、それを全体会に提出するということにしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。今日はもちろん十分時間を、2時間を予定しております。

 最初は、1ページずつやっていきたいんですが、今までのA、B、CというところのAの部分、これまで提出をいただいたんですけれども、ほとんど御議論いただけなかったので、そこの部分から初めに御議論いただきたいと思います。資料2に委員の皆様方から提出されましたスローガンの一覧表がございます。これに基づきまして、一応今日何かたたき台がないといけないなということで、私の方で「取扱注意」と書いてあります報告の「第2分科会からのメッセージ」の下のところに、このような形で主査案として提出をさせていただきました。これは今ここで決めるということではないんですが、最終的には1つ選ばなきゃいけないので、最終的には主査に任せていただきたい。皆様方どういう趣旨でこれらの意見を出したのかということをちょっと御議論いただいて、それを踏まえて多少変えるなり、少し言葉を変えるなりということをしていきたいと思います。私が提示したのは「コミュニティで育つ、コミュニティを育てる学校づくり」が主スローガンで、サブタイトルといたしまして、「新しい時代に、新しい学校を」ということにさせていただいております。

 ちょっと説明をします。これは基本的には、石原さん提出の「地域で育つ・地域を育てる学校づくり」というのをもとにしました。我々の議論全体としていろいろな議論がありましたが、やはり学校をどういうふうにつくっていくかということで一つまとまるのかなという気がいたしました。これまでは臨教審の「個性重視」、これは個人の問題です。それから中教審の「生きる力」、これは授業の問題です。第3段階として「学校づくり」ということがきたのかなというのが一つでございます。それからやはり地域ないしコミュニティというキーワードは随分議論の中にでてきました。ただ、地域と言っちゃうと私立が入らなくなる。私立は地域に根ざしているわけではございませんので。コミュニティというのは、住んでいる物理的なまとまり及びある種の関心とか、価値観を共有するまとまりということで、地域よりちょっと広い概念としてコミュニティに置きかえて、このような形にしました。

 副タイトルに関しては、主タイトルがちょっと長いので、スパッと言いたいなということで、こういう形にしました。ただし、「新しい学校」というのは、我々の議論の中では、A、B、CのCの部分にずっと使っていたんですが、Cの部分を「新しいタイプの学校」ということでもう少し具体的にしました。Bのところでは、「全国の学校のバージョンアップ」という言葉を使ったんですが、全国の学校はバージョンアップをしてくれと。それから新しいタイプの学校も提案しようよということで、全体を括る言葉として「新しい時代に、新しい学校を」と、これは制度内外を含めてスパッと言い切るという形で、このような副タイトルにしようというのが私の案です。

 あと、内容に関しては一つ一つ見ていただきながら、御議論いただきたいと思いますけれども、当座はAの部分、全体のメッセージについて御意見、それから皆様方から、私はこういう意図でもって、こういう提案をしたんだということがございましたら、この機会に御議論をいただきたいと思います。最初そっち側から始めたいと思いますので、よろしくお願いします。何かございますでしょうか。

【河合委員】全体的なことですが、片仮名について抵抗がないか。割とあるんですね。「バージョンアップ」なんかはちょっと。コミュニティは今言われたように、なかなか訳しにくいところがあると思いますが、例えばメリットとかというのも。しかし片仮名で言った方がいいところもあるんですが。これをちょっと。

【金子主査】 わかりました。タイトルのつけ方ということですね。最初はもちろん「改善」としたんですけれども、「改善」というとちょっと地味かなという感じもしましたので、検討したいと思います。

【田村委員】これはいろいろ御意見はあるとは思うんですけれども、私としては「バージョンアップ」というのはいいんじゃないかというように思っています。それは「新しい時代に、新しい学校を」と言うこととの平仄を合わせたという意味で、今まで使っていない言葉を使うという方が理解していただけるのかなというふうにも思えるんです。いろんな人が読む文章ではありますけれども。

【大宅委員】ちょっとわかりにくいような気がするな。私自身もよくわからない。

【田村委員】これは要するに、コンピュータを駆使するという年代は、50半ば以降はその対象にならないらしいんです。私などはそれに入るんですけれども、日常的に使っていないから、「バージョンアップ」というのがすっとこないんですけれども、若い人に聞いてみたら何の抵抗もないんです。だから、それでいいのかなと思ったんです。「バージョンアップ」というのはコンピュータのあれでしょう。

【金子主査】 もともとはソフトウエアの用語ですね。

【田村委員】彼らにはスーッと入るんです。でも、影響力があるのは55以下の人だから。

【金子主査】 55以下はこの中に何人いるか。(笑)

【田村委員】55以下はいるのかな。

【金子主査】 います。(笑)

【河合委員】文句を言う人は55以上とか。

【金子主査】 かえってわからなくしておいた方いいんじゃないかという側面もある。

【石原委員】メッセージのところですが、私が提出した「地域で育つ・地域を育てる」ということが「コミュニティ」に置きかえられていると思うんですが、義務教育の中で「地域」というのは、子どもたちが徒歩圏内で歩ける生活圏と非常に密接であり、その生活圏の中の子どもの全入制を担保することにより、すべての国民が教育を受けるという仕組みが基本にあるので、私はこのような表現をしております。「地域」あるいは「地域コミュニティ」というような言い方をしていただけたら、むしろ、わかりやすいのではないかと思います。

 それから「バージョンアップ」という言葉ですが、最近、特に行政では片仮名、つまり日本語で言えないような言葉を使うなということで、福祉行政をめぐっても全部言いかえをするというふうになっております。そういう意味では、若い方にはわかるかもしれませんが、全体的に日本語できちんと言いかえができる方がわかりやすい。やはり国民会議のメッセージはわかりやすいということが一番大事ではないかと思います。

【田村委員】私ばかり発言しちゃいけないんですけれども、そのとおりかとは思いますが、ただ、地域だけということになると私立学校が対象にならないんです。

【石原委員】私立学校も公教育の一つで、全く地域から隔絶しているわけではないんですね。

【田村委員】していないんですけれども、必ずしも、その地域対象だけではないんです。例えば、それこそ独立キリスト教学園みたいに、山奥に全寮制てやっている学校もあるわけです。これは全国から集めるわけです。

【石原委員】それは極めて特別な場合ですね。それは逆に私立だからできるということで。

【田村委員】極めて稀な例ですけれども、ただし、この流れの中で言うと、私立学校がもう少し義務教育に進出した方がいいのではないかという議論の流れがあるわけです。ですから、あえて地域を使わないで、「コミュニティ」というふうに言ったのは、今、主査が解説されたように、物理的な地域概念だけではなくて、それはもちろん入るわけですけれども、それ以外に心を共にするというか、こういうふうにしようよということに賛成した人のつながりをコミュニティと考えれば、両方含める概念になるので、それで「地域コミュニティ」と言わないで、「コミュニティ」と言ったという趣旨なんです。

【石原委員】私学の一つの理念で、地域でなくというのはよくわかるんですが、私ども通常いろんな市民の方にお話しするときには地域または地域コミュニティというのを使っています。私立学校も地域に帰れば、地域の子どもとして育つということが、家庭、学校、地域の連携ということで非常に大事なもので、学校という施設だけで教育するのでなく、そこに住んでいる子どもを次の世代として育てるという意味を学校教育の中にももっときちんと入れていこうという意味で、家庭、学校、地域の連携は基本的なキーワードです。私立の学校に通う子どもも地域へ帰れば地域の子どもとして、子どもたちが育つ仕組み、そういうものがやはりこれからは大事であるというメッセージを入れていただけたらと思います。第1分科会の方でも家庭、学校、地域の検討をしていると思いますが、子どもが学校という教育施設だけでなく、自分の住んでいる暮らしの場でいろんなことを学び、暮らしの場でどう大人たちに育てられていくかということがどんなに大事なことかというメッセージをきちんと21世紀にむけて出していくべきだと思っております。

【河合委員】「コミュニティ」という片仮名は日本語にはなりませんか。

【上島委員】いろいろ考えましたけれども、日本語でこれというのが、なかなかいい言葉がないですね。

【金子主査】 あえていえば「共同体」ですけれども。

【上島委員】共同体とか地域ですか。

【金子主査】 社会学的にはコミュニティは2つあるというふうに言われています。1つは物理的な制約でまとまったもの。普通の地域を含めてですね。それと、テーマとか価値観を共有するものの広がり。この2つです。文化人類学では「想像のコミュニティ」という言い方がされます。想像というのはイマジネーションということですけれども、国家も実は想像のコミュニティなんだという考え方がよく知られています。共同体というと村落共同体の方に引きずられちゃうという面があります。

【上島委員】主査、ずっと流れの中で「新しい時代に、新しい学校を」の「新しい学校」のところに、「新しい」という意味合いの中に、7回の議論の中で、選択の自由と一つの競争原理みたいなことの意味合いで意見が分かれるところの議論をずっとしてきたと思うので、私が出したスローガンの中に、幾つか「選択と責任のある」とか、「自由と責任のある」とかいうのを入れてあるんです。この上のメッセージの中にいくと、あくまでも従来のコミュニティの中にいくというようなメッセージなので、どう表現したらいいのかわかりませんけれども、選択の自由と、そしてまた競争もこれから起こり得るという言葉が、「新しい」の中に含まれればいいのでしょうけれども。ちょっと言葉を考えたいと思いますが、もうちょっと強くインパクトを出してもいいのかなと思うんです。

【金子主査】 内容を後で見ていただきますと、地域との連携とかということはかなりたくさん書き込んであります。それから選択とか責任あるということも中に書き込んでありますし、いろんなことがあっていいというような、大宅さんが前から言ったようなことも書いてあるつもりです。例えば選択制については、こういう反対意見があったということも並列的に、意見が分かれたところに関してはそのように書いてありますので、後で中を見ていただくと、かなりはっきりとそこら辺は書いた部分があります。

【藤田委員】「コミュニティ」という言葉ですが、先ほど田村先生が言われたような意味を積極的に出すとするならば、たとえ私学でも、地域社会から遊離して存在はできないと思うんです。ですから、地域コミュニティの中で私学も育ち、また、それをつくっていくというスタンスは私学でも必要なことだと思います。そういう意味で、内容的には地域コミュニティと考えていいと思うんですが、ただ言葉として、「地域コミュニティ」、英語だと「リージョナルコミュニティ」でしょうけれども、それを重ねる必要があるかどうかについては、語呂の点でも「コミュニティ」の方がすっきりしているような気もします。内容を検討した上で、メインのタイトルはまた戻ったらいかがでしょうか。

 それで内容についてですが、「学校は、情報を開示し、評価を受け、自ら変わる努力を」という、ここの部分は、選択とセットになるとすれば、仮にこれがこの分科会の基本的な提案になるとすればの話ですが、私は、もっとはっきりと、強い反対意見があったということを書いていただきたいと思います。

 ついでに言いますと、これは「KAPPAN」というアメリカの雑誌ですが、チャータースクールの特集をしていまして、非常に問題があるという指摘がなされていますね。イギリスでもそうですけれども、教育評価というものが成績一元的な評価にどんどんなっていく。これは世界的な傾向のようですが、そういう轍を我々もまた踏むということなりかねない。これまで成績一元的な評価がけしからんと言って批判してきたのに、欧米諸国がやっているからといって導入しようとする。そうした新しい試みも、結果的には、これまで我々が批判してきたものへと収斂していく可能性が大きい。そういうファンクショナルな構造を持っているのに、それをあえて導入しようとする、その意義について、私はもっと検討しなければいけない、問題性を検討する必要があると思うんです。

【金子主査】 強い反対意見があればそう書くことは全然問題ない。全員一致なんていうことは初めから目指していません。情報の開示についてはいいですね。

【藤田委員】情報の開示は私はすべきでないとは思っていません。必要なことだと思っていますけれども。

【金子主査】 評価のところですね。藤田さんが反対しているのは。

【藤田委員】評価の中身・仕方といいますか、1番目のところです。

【金子主査】 もう少し強い反対の表明をということでしたら、それでいいと思います。

【田村委員】それともう1つ、福祉と教育はちょっと違ってもいいんじゃないかと思うんです。福祉の場合は対象は明らかに高齢者中心になってきますけれども、教育はこれからの人のためのことを考えるのが、生涯学習とはいっても、そちらの方が今のところ中心になっていくだろうというふうに思いますので、英語まじりのものを使ってもいいんじゃないかと。「バージョンアップ」なんかはぜひ私は使ってほしいなという感じなんですけれども。

【石原委員】要するに市民がわからない言葉を公が使うなということで、今、書きかえをしていますね。

【金子主査】 石原さんの御意見はよくわかるんですけれども、我々は市民の集まりですから全然「公」じゃないんです。そこを多分誤解なさっているんじゃないかと思います。

【石原委員】そうではなく、やはり国民会議が国民にメッセージを送るときには、国民にとってわかりやすい言葉でメッセージを送るというのは私どもの基本的なことだと思っております。

 もう1つ、福祉と教育は別かもしれませんが、公立学校は、親のいろいろな経済状態、生き方、価値観をそのままストレートに持った子どもたちの教育を担っており、極めて福祉的なものと非常に密接に結びついている状況があります。恵まれた階層の恵まれた親に育てられている子どもばかりでなく、小さいときから様々な課題を抱え、自分の努力ではどうにもならない様々な問題を抱えながら学校に来ている。その子どもたちを学校というところで、どうきちんと受け止めて育てていくかという視点も非常に大事で、これからはさらに福祉的な問題が出てくるのではないかと思っております。

【田村委員】私ばかり話してはいけないんだけれども、日本の国としては、そういう意味で言えば、アメリカでよく言われる成績上位5%の子どもの成績が下がってくるということが、これから下手をすると起きてくると思うんです。それはその国にとってものすごく大変なことなんです。もちろん全体を上げるということは重要なテーマではありますけれども、上位5%を下げないということをどう考えるかということはそろそろ本気になって考えないと、つまり進学率が向上する時期というのは、日本は大学がその典型なんですけれども、それほど学力は下がっていかないんです。ところが、進学率が向上しきっちゃった後、これ以上進学しないよという時期になって、それが安定した何年かの中で、アメリカの例で言えば学力は下がってくる。イギリスも同じような傾向があって非常に危機感を覚えたという時期があったわけです。それがこれから日本で起きてくると思うんです。大学へ全員が入るようになったということになって、そこから何年か経つと上位5%が下がっちゃっている。その意味でいうと、その部分の解消は、福祉的なものももちろん重要な要素ではありますけれども、同時に、上の方をどう伸ばすかという部分も、教育の中にかなり意図的に入れておかないと問題が起きるんじゃないかというように思うんです。つまり、機関車が大事か、全体が電車みたいになって、全体にモーターつけるやり方がいいのか。先頭にうんと力をつけて引っ張っていくようにするのがいいのか。その辺のバランスの問題ですけれども、余りにも今まで先頭に力を入れることをしていなさ過ぎているから。

【河合委員】その意見には賛成なんですけれども、機関車が小学校から頑張っていたら、大学時代になると疲れ果てるんじゃないかと思っているので、頑張る時期というのは、それを日本人は間違って小学校から言い過ぎるから、みんな疲れていると私は思うんです。実際私が知っているすごい人たちは、小学校のときは余りよくなかった人が多いんです。高等学校、甚だしいのは大学出てから頑張ったとか、だから、小学校時代に遊んだり、怠けたりしたことが実は後でプラスになっているわけです。ところが、上位5%を伸ばすという、小学校からバーッと、いわゆる勉強を注ぎ込むという方法は私は絶対反対なんです。上位5%を伸ばすアイディアは賛成なんです。

【金子主査】 今の話は、多分「バージョンアップ」という片仮名を使うことが誰に対してのメッセージかという話の派生で出てきたと思うんですけれども、私としては、「バージョンアップ」という言い方にはこだわっていない。誰にもわかりやすいということと、ある主のインパクトというかメッセージ性のバランスでしょう。聞き慣れない言葉を使うことによって目新しさが出ることもある。最初は「改善」と書いたんですけれども、「改善」というといかにも地味だなという感じで、こういうのにしました。時間の関係で、全体のメッセージ、それから「バージョンアップ」とかタイトルについての議論はそろそろおしまいにして、内容の方にいきたい。ほかに全体のメッセージ、タイトルについて。

【藤田委員】全体のメッセージというのはどの辺までですか。

【金子主査】 標語及び「コミュニティで育つ、コミュニティ育てる学校づくり」と「新しい時代に、新しい学校を」、それから「バージョンアップ」ということと「新しいタイプの学校の提案」という言葉について、内容についてはこれから検討します。

【藤田委員】私、「新しいタイプの学校の提案」については、いいとは思いながらも、ちょっと内容との兼ね合いで引っかかる部分があるんです。というのは、何か新しいタイプの学校なるものをつくれば教育がよくなるという考え方が、やはり幻想だと思うからです。新しいタイプの学校は世界中あっちこっちにいっぱいあります。この百年言われ続けてきて、そして、そういう学校がたくさんあるにもかかわらず、教育はよくなっていないというふうにみんな言い続けてきているわけですから、新しいタイプの学校を何かつくれば、教育がよくなるという発想自体に私は非常に強い疑問を抱くんです。ですから、いろいろな試みをしてみようというのはわかるんですけれども、もちろん、その試みの中に何を含めるかについては若干の議論の余地はあると思います。とにかく、その辺のところで少し違和感があるんです。

【田村委員】さっきの議論のつながりなので、私ばかり発言して申し訳ないんですけれども、つまり、「バージョンアップ」という言葉の中には、多様な学校が出てくるということを提言しているというふうに私は受け止めているんです。つまり、義務教育だから一つのパターンがあって、地域というものをもとにしつつも、一つのパターン全部それでいいんだという発想ではなくて、いろんなのが出てきた方がいいんだ。そのいろんなことの中に、私ももちろん賛成はしていませんけれども、めちゃくちゃに知的なものを注ぎ込むような学校が出てきたって、それは支持されているなら、それはそれでやってみてもいいんじゃないかというぐらいに思っているんです。それを全部押さえちゃって一律に同じような形にするということを、そろそろ考え直した方がいいんじゃないですか。大宅委員がおっしゃっている「いろいろあらあな」という発想なんです。義務教育もいろいろあっていいんじゃないか。それを言うとすると、こういう言い方しかないのかなという発想なんです。

【大宅委員】全部いいかどうかわからないわけです。やってみなきゃわからないというのはいっぱいあるでしょう。やれるんだという心のゆとりみたいなものが大事なんじゃないか。ちょっとアクセルを踏みかけると、そんなことは危ない、危ないとみんなでブレーキを踏んじまって、体験をするということが大事なんじゃないでしょうか。新しいことをやってみて、これはだめだったと食べる前に食べさせないみたいなのは誰が決めちゃっていいわけというのがあるんです。だから、国民の側にそういうニーズが出てきたら、やってみることが可能であるというメッセージを出すことが大事だと思うんです。

【藤田委員】それはわかるんです。ですから、私はやってみることは重要だとは思うんですが、制度というのは一人歩きしますから、やってみてだめでしたという制度をつくっちゃいけない。

【大宅委員】それはやってきたじゃないですか。

【藤田委員】今までやってきたからよかったということじゃないわけですよ。やはり制度というのは、ある種重大な矛盾をつくり出すような制度、あるいは差別を盛り込むような制度を我々はつくるべきではない。ですから、いろいろな試みを可能にする制度である必要はあります。だけど、それが明らかに何らかの差別や矛盾をつくり出すようならば、これはもっと慎重に検討して進めるべきじゃないかと思うんです。

【金子主査】 とりあえず、全体的なメッセージとタイトルについてはこの辺にしまして、内容の方にいきたいと思います。内容をちゃんと読んでいただいてから議論しないといけないんですけれども、時間かかると思いますけれども、まず基本方針のところで何か御異論なり、意見がありましたら。

 ここは特に御異論がないんじゃないかと思いますけれども。

 それでは、「バージョンアップ」という言葉を使うか使わないかは今後また考えますが、ここに7つのポツがございます。全体の構成としては、このポツが小見出しになって、その中に幾つかの論点が入るということになっております。この小見出しを我々のメッセージとしたい。私としては今までの議論をまとめたつもりでおりますが、内容を見ながら小見出しも含めて議論したい。次のページに行きまして、「現状認識」というのがございます。これは実は現状認識という形では今まで議論していなかったので、私が全体としてこういうことがあるというところから始めた方がいいんじゃないかということで書きました。意見の一致がないものは各論の方で書くことがいいんじゃないかと思います。

 大宅さんの発言にあったラーメン屋というのは、ラーメン業界に悪いかと思って「レストラン」にしておきました。ちょっとこういう比喩的な言葉も、公的な審議会の報告書じゃないのでいいかなと思いました。

【石原委員】現状認識の部分だけですか。

【金子主査】 その部分に限ってお願いします。

【石原委員】そうしますと、現状認識の2行目、「という視点をもつ」ですが、それはいじめ、不登校、学級崩壊、その視点を持ったことに対しての、いわば対応するこちら側のメッセージですね、こういうことをすると、いじめや不登校や学級崩壊というような現状が少しでも改善されますというものがないと。ただ、問題を指摘しましたというだけでは、国民会議で指摘しなくてもずっと指摘され続けていることで、それに対しての具体的な提案をどうするかということを、ここでメッセージとして出すということになりますね。

【金子主査】 ええ。実はそのことに対して必ずしも十分議論はできてないと思うんです。今議論した中で、やはりこれは落とせないなというふうに思いましたので、幾つかそれに対すると思われるものを入れてあります。スクールカウンセラーのこと。親の質問にすぐ対応するとか、保護者の参加とか、情報を出すとかということです。よく読んでもらうとこれとこれだなとわかるような形にしてあります。残念ながら、十分な議論はできなかったんで「視点をもつ」という表現にしたというか、少し柔らかくしたんですが、対応策を打ち出すというふうには必ずしも言えないかなと思いました。いかがでしょうか。表現の問題はいろいろとあるかと思います。ここは全体としては合意できた範囲のものと考えております。よろしいでしょうか。

【草野委員】 ちょっとすみません。議論に参加してこなかったんですが、質問なんですが、今のところの下から2行目の最後の黒ポツなんですが、「新しい力の導入」という、この「力」というのはどういう意味合いなんでしょうか。

【金子主査】 「バージョンアップの」中に書いたように評価をするとか、情報を公開するとかそういうこと。あとは新しいタイプの学校をつくり出すということを含めて、何か新しい動きをつくりたいというつもりで書いてあります。

【草野委員】 権力の「力」という意味ではないんですね。

【河合委員】そういうふうに見られる。「力」となると非常に鋭敏な人もおられるから。

【金子主査】 そうすると表現を変えた方がいいということですね。「活力」とか。

【田村委員】そのことにちょっとかかわって、例えば、その上のポツの最後のところに、比喩的に言えば「お客が来ることが決まっているまずいレストラン」でなく、「注文の多い生き生きとしたレストランに」なってほしいとか、その方向性みたいなものを出した方がいいのかなという感じがちょっとあります。

【藤田委員】 もしこれを入れるならば、私はこのままの方がいいと思うんです。

【田村委員】「注文が多い」というのは、要するにコミュニティがつくる学校という意味ですね。

【河合委員】「注文の多い料理店」という恐ろしい話がありますけれども。

【田村委員】このままでいいですかね。

【金子主査】 「力」は権力というふうに間違われるので、「活力」とか「行動」とか別の形にします。他にいかがですか。

【河合委員】気持ちはよくわかります。

【石原委員】黒ポツの3番目の2行目、「公立学校は努力しなくても潰れず」、御趣旨はわかりますが、公立学校は変わっていないというよりも、通学区域も含めて統廃合したり、新しくできたり、人口動態に合わせて非常に動きがある。この20年間をみても続けて3年間同じ学校数があるという方が珍しいくらいでした。

【大宅委員】それは「内からの改革がしにくい」という方にかかるんです。潰れることは幾らでもあると思うんだけれども。

【金子主査】それでは、「潰れにくく」にしますか。

【大宅委員】物理的に潰れざるを得ないというのであって、中身が悪かったから潰れるわけじゃないんです。

【石原委員】 中身というか、これは私学もそうですが、子どもがいなければ公立学校は自然になくなりますね。どんなに努力していっても、その地域に子どもが住まなければなくなるわけですから。

【金子主査】 それは潰れたとは言わないですね。

【石原委員】言わないですね。

【金子主査】 廃止されたというだけです。

【河合委員】そういうふうに言うと、「現在の学校は国民の期待に応えているとは言えない」と言い切るのはちょっと残念なような気がします。私は現場の先生をたくさん知っているから、すごくやっていく人もいるので。確かにこういう面は言いたいんだけれども、といって余り甘いことを書くと力がなくなるし、文章は難しいですね。

【金子主査】 私も自分の学校がありますので、仲間のことを考えたら厳しくはなれません。しかし、それは別のことです。

【石原委員】もう1つ、「教員」と言っていますが、学校は現在の認識では、教員だけでなく、栄養士も、調理師も、事務職員もみんなで学校をつくっていくという時代ですので、教員だけをターゲットにするよりも、今学校のスタッフということが大きい問題になっていますから、むしろ「教職員」にした方がいいのではないですか。

【金子主査】 わかりました。

【藤田委員】私も先ほどから河合先生や皆さんがおっしゃられたことと基本的に同じで、この3番目の黒ポツは趣旨はわかるんですが、表現にもう少し工夫をしていただいた方がいいかなという気がします。それと、もう1つ、ここに書いてある、特に「公立学校」以降のところは、すべて公立学校だけに当てはまることであるかのような文章構成になっていますよね。だけど、私学だって隠したがる体質は同じで、みんな同じだと思うんです。ですから、殊更にこの項で指摘されている問題は、公立学校にだけ当てはまることかどうかという点で、ちょっと内容にかかわって疑問のあるところです。

【金子主査】わかりました。

【田村委員】私立学校がどうして出ないかというと、私立学校は失敗すると潰れるんです。生徒が来なくなりますから。だけれども、公立の場合には失敗しても割当で来るから、そういう意識がないということが問題になっているわけでしょう。

【藤田委員】だけど、その問題は、この分科会で一貫して議論が分かれていたところだと思うんです。潰れるか潰れないかということが、本当に学校がよくなるかどうかを左右する決定的な問題かどうかということは、私はもう少しきちんと議論する必要があると思います。

【田村委員】それは実はものすごい印象を持ったことがあるんです。それはもう昔の話ですけれども、ある都立高校で生徒が殺人事件を起こしたんです。新聞に大きく出たわけです。その翌日、その高校の先生に聞いたら「何かあったんですか」と言われたんです。物すごくショックだったんです。私立学校だったら、それは完全に潰れる事件ですから。その学校は都立高校として今でも残っています。そういう意味で、これは大変なことだと思いました。

【河合委員】そういう点でいうと、僕も私立の高校の教師をしていたんだけれども、潰れないために情報を隠したがるということはあるんです。だから、藤田先生が言われたとおりで、全部に公立学校だけにかけていくのも難しい問題だと思います。

【金子主査】 わかりました。表現の順番を工夫します。私もこれは公立学校だけのこととは思っていない。自分の学校も含めてのことです。学校というある種の権威の砦の中に安住しているというのは、多分公立も私立も程度の差こそあれ、あるかと思います。

【田村委員】「学校は努力しなくても潰れにくい」というふうに表現しますか。

【金子主査】 潰れるか潰れないの議論はこの位にしていただいて。要するに私の意図は、潰れるか潰れないかのみを言っていることではない。お読みいただければわかると思うんです。ですから、そこに関して表現を工夫させていただきます。

【河合委員】後の方が言いたいことですよね。

【大宅委員】改革がしにくいというところに問題があると思います。

【河合委員】そうそう、そこがポイントです。

【金子主査】 潰れないかどうかは一つの要素ですから、そこに関しては少し和らげるなり工夫する。それから公立のみじゃないということも何らかの形で表現の中に入れていこうと思います。表現は私にお任せいただきたい。

 今日、一番議論していただきたいところはこれからの部分です。まず、「全国の学校のバージョンアップ」です。「バージョンアップ」という言葉を使うかどうかは別にして改善策ですね。これに関してはざっと見ていただくと、教員というところと学校というところ、それから学級編成、いわゆる授業方法ということで3つに括ってみました。最初は教員をめぐるところで、大きな○が2つ、学校に関して○が3つ、学級編成や授業方法で○が2つ。これに関しては前回議論したところをまとめたものです。全体に対してお読みいただきながら議論をいただきたいと思います。お読みいただきたいと思います。気がついたところで御意見をいただいても結構ですし、全部読んでからいただいても結構でございます。

【藤田委員】教員の黒ポツの2つ目、3つ目。「一生懸命やっている人や効果を上げている人とそうでない人とを同じに扱わない」。趣旨は私もわかりますし、いいんですけれども、それからその次もいいんですが、ちょっとこの表現、ストレートでわかりやすくていいといえば、そうなんですけれども、何かもう少し書き方がないかなということを先ほどから考えていました。努力に報いることが重要だということは私はそのとおりだと思いますし、そういうふうにいろんな工夫をするということには賛成ですので、基本的に反対じゃないんですけれども、ちょっと。

【金子主査】 表現ですね。

【石原委員】この文章は報告書としてこのまま出るのでしょうか。

【金子主査】 このまま全体会議に提出をします。それで、全体会議の中間報告としてこのまま出すかどうかは全体会議での議論になると思います。私の責任で、我々の第2分科会の議論の報告ということで全体会議に出すつもりでございます。

【銭谷教育改革国民会議担当室長】 マスコミにも公表します。

【石原委員】もしそうであれば、黒ポツの1番ですね。2行目「教員はただ好きなことをしゃべっていればいいのではない」というのは、あまりにも主観的な表現ではないでしょうか。金子先生のおっしゃりたいことはよくわかるんですが、表現を変えた方がよいと思います。教師はただしゃべっているだけじゃないですよという反論も出てくるでしょうし。

【金子主査】 しゃべっているだけだとは言っていないんですよ。すべての教員がしゃべっているだけだとは言っていないです。「しゃべっているだけじゃない」と言っているんですから。

【石原委員】潰すとか、しゃべるとか主観的で、ドキッとするような表現より品格のある表現の配慮も必要です。

【金子主査】 品格ですね。私は品格がないということですね。(笑)

【石原委員】そういう意味じゃなくて、子どもから見て学校は子どもがあって成り立つのです。企業のように経営者側の責任だけでなく、潰れれば一番悲しむのは子どもですし、だめな先生がいれば、一番子どもがつらい思いをするので、子どもから見て学校が潰れるとか、潰すとか、そういう話でない子どもの目線を考えた、そういう文書にしていただけたらいいんじゃないかというふうに思います。

【田村委員】私、石原委員の意見には反対なんですが、今、現実に教員をやっている人で、これぐらい言わないとわからない人がいっぱいいると思うんです。私、現場にいますから、これぐらい言わなきゃわからない人がかなりいるなという感覚があるんです。それは多いという意味ですよ。もちろん全員がそうじゃないです。だけれども、これぐらい言った方がいいんじゃないかというふうに思ったので、これは賛成しているんです。潰れるとか、しゃべっているだけがみたいなことを言った方が通じるんじゃないかと思っています。

【金子主査】 「しゃべる」という表現は別にしてですけれども。日常的な表現がいい場合もあります。

【石原委員】ただ、一生懸命頑張っている先生は、これを見てどう思うでしょうか。

【大宅委員】そういうのはいろいろいるに決まっているんです。警察官だって全部ああいう人たちなのか。ただ、その芽がひどくなってきて危ないから、こういうふうにみんなで集まってやっているのであって、そんなことにいちいち「立派なことをやっている人は、そのままでいいのですが」なんて入れていたら何のメッセージにもならないんです。メッセージを出すということは、本当にドカンとびっくりするぐらいのことを出さなければ何の意味もない。お役所が書いたみたいな無味乾燥な、どっちにも目配りして、皆さんからすごい意見がこないように、こちらも大丈夫、こちらも大丈夫とやっては何のメッセージにもならないと私は思います。普通の人が普通にしゃべる言葉で出すことに意味があると私は思います。

【石原委員】このメッセージは教員に対してメッセージを送るということですか。

【大宅委員】これは全部国民だと思います。

【金子主査】 石原さん、おしゃっていることはすごくよくわかるし、僕も日常的に教員と一緒にいますから顔は思い浮かぶんですが、前段階で意欲や熱意や努力は報われるようにというふうに言っているのです。だから、いいと思っている人は、これで報われるんだなと思って、しゃべるという言葉が品がいいかどうかは別にして、それだけじゃないよというと、一生懸命やっている人たちは、やっていない人に対して、これだけのことを言ってくれているんだなと思うから、逆に喜ぶんじゃないか。逆に自信のない人は言われちゃったなと思うし。前の報われるというのがなくて、ただ一方的にだめだと言っているんだと被害者意識を持つかもしれないけれども、全体としては最初に、「意欲を認め、良い点を伸ばす」というふうに言っている。大宅さんの言うように、いい人もいるけれども、悪い人もいると言っちゃったんじゃ、我々が集まった意味がない。改革がわれわれの使命です。

【石原委員】私は「意欲や熱意や努力が報われ反映される体制」、これは非常にいいメッセージだと思うんです。そちらの方をもっと強調できるような、第2分科会としては、先ほどの親の不安、いじめや不登校や学級崩壊に対して国民会議で何とかしてほしいという大きい国民側の期待。もう1つは、様々な問題の先生がいるということに対する親の不満がありますね。ですから、そういう意味では、この点を非常に強調していただければいいとは思うんですが。

【金子主査】 みんないいと言っちゃうんじゃ全然だめですから。

【今井委員】今言われた「個々の教員の努力や意欲を認め」というのは、これは割にどこにでも書いてある文章なんです。私たちが読みましたときに、教員はただ好きなことをしゃべっていて、ただ好きなことというと、ある団体の先生が授業をしているのをふっと思い浮かぶんです。ここはこのまま通していただければ、心当たりのある先生方はハッとお感じになるんじゃないか。こういうところは、先ほどから各先生が言われていましたが、そういうメッセージ性というのは国民会議でぜひ出していただきたいなというふうに思います。

【藤田委員】私は、「教員の評価とフィードバックを・・・意欲や熱意や努力が報われ反映される体制を」ということには異論はありません。非常に重要なことだと思います。その内容として、1番目では、基本的には、意欲を高めるためにも評価をフィードバックし、それに応える教師の構えを要求するということを、もう一度繰り返して言っているわけですね。2番目は、そのためにも努力に応じた処遇をするということ、3番目は、教員の資質向上のための研修やその他のことですね。先程も言いましたように、2番目と3番目は表現を工夫していただければというふうに思います。4番目は、問題を抱えている教師の処遇についてですから、この4つの内容については私は基本的に異論はありませんので、あとは表現上の、そしてインパクトの問題と両方を工夫していただければいいのではないかというふうに思います。ただ最後の点がちょっと。

【金子主査】 3番目の最後の点ですね。これが評価について意見が分かれたというところですので、これについて、藤田委員から強い反対意見があったということならば、そう書きます。

【藤田委員】私は個々の教員の評価についてはやり方の問題だと思うんです。全くしないという時代ではなくなっていると思いますので、ですから、やり方について、協調性とかいろんなものを考慮した最善の方法を考える必要がある。しかし、もう一方で、公表という点には疑問があります。教員に対するフィードバックは1のところで書いてあるわけですから、ここで書かれているのは、そうではなくて、教員の資質や力量を評価し、それを公表するということでしょう。そうだとするなら、これは公表の仕方がどうこうということではなくて、そもそも公表する必要性があることだとは私には思えない。評価結果を個々の教員にフィードバックし、改善していくということは重要なことですが、それを殊更に保護者に対して、個々の先生方はどういうふうに評価されていますと公表する必要もないし、ましていわんや、外に対して公表する必要はないことだと思うんです。ですから、ここの部分の趣旨がわかりにくいんですけれども、公表すべきだという意見があったんでしたっけ。

【田村委員】それはありました。

【金子主査】 そうです。私の理解では、半数以上の委員からは何らかの形で公表すべきだという意見があった。全国にホームページーで公表する必要はないんですけれども、公表の仕方はいろいろありますね。私はアメリカの大学で10年近く学生評価の扱いをやってきました。固有名詞抜きにやるということもあります。必ずしも個人名を出して全国に向けてやることはないと思いますが、内部資料だけにしてはいけないんじゃないかという議論は大分あったような気がします。

【藤田委員】例えば、「KAPPAN」という雑誌の最近号の論文にこういう一節があります。アメリカの最近の教育改革動向を批判的に論じた文章です。"In many schools, tenure forprincipals has been replaced by 'performance contracts,' with 'performance' measured by a single indicator--the aggregation of student TAAS scores in the school"

【金子主査】 アメリカらしいですね。

【藤田委員】でも、私は、教員の評価や校長の評価というのを公表するということの行き着く先は、こういうことになっていくと思うんです。それは制度的に日本の場合、コントラクトとか、市場原理が入っていくということはないかもしれないけれども、親をはじめ情報を公開された側の意識は、教師に対してどういう眼差しで、それを見るようになるかというと、やはりある種の一元的な尺度で教師や校長を見るようになっていくと思います。

【田村委員】藤田先生のお話はよくわかるんですけれども、現場にいて実際にあった話ですから、お話ししてもいいんじゃないかと思うんですけれども、ある地域で先生方の研修参加の回数を調べたら、一定期間に80回行った人と0回の人がいたというんです。それを調べるまで校長が知らなかったというわけです。これはマネージメントのところで出てくるんですけれども、そういう状況がもしあったとすれば、これは当然、そういう状態を税金を払っている人たちに公表すべきだと思うんです。80回行っている人と0回の人がいるよということ。それをどう対応するかはその先の問題であって、そういったことを公表しないということの方がおかしいと思うんです。アメリカの教育委員会を一回見に行ったけれども、こんなことまで公表するのというぐらい公表しています。とにかく公表しています。あと、どうするかというのは、今、藤田先生がおっしゃられたようないろんな心配があるわけだから、その対応は工夫するとしても、原則公表です。私立学校だって税金でやっているわけですからね。その公表の仕方というのを考えたっていいけれども、公表が原則でないというのは考えられないんですけれども。

【上島委員】その中身はプライベートなこととかいろいろあるでしょうから、公表は原則として書いておくべきでしょう。

【金子主査】 今日はまとめですので、評価をしたら公表すべきだという原則論と、それから公表すべきでないという議論が、何対何かちょっとわからないんですけれども、書きます私は学校によってたくさん公表することを売り物にしてもいいし、我々のところは一切出さないよというところがあってもいいんじゃないかと考えています。

【石原委員】学校評価でなくて、教員個々の評価ですね。

【金子主査】 学校についても同じことがあります。

【石原委員】個々の評価というのは勤務評定のことですか。評価というのは誰がすることになりますか。

【田村委員】つまり学校評価の場合には、いわゆる自己評価、自己点検が一つあります。勤務評定も同じだと思います。それから次に第三者評価というのがあるわけです。日本で言われているのは、今のところまだ自己点検、自己評価で終わっているわけです。第三者評価を導入できるかどうかは、まさに日本のいろんな国民性とかいろいろなことがあるから難しいとは思いますけれども、一応そこまで視野に入れてやりたいと思うところはできるようにしておくという提言をした方がいいと私は思っているんです。第三者評価ということになれば、それは公表も何も全部はっきりするわけです。評価のやり方から何から全部そういう意味では公表されて、こういう形で評価しますということを公にして、個々の学校をチェックする。個々の先生に対しての調査をするということです。その際問題があれば、藤田先生の御心配のことはよくわかりますので、当然学校の先生というのはそういう傾向があるから、成績だけで見るみたいな傾向はどうしても出るんです。そこはそこでまたチェックすればいいということを思うんです。そうでないと改革が進んでいかないんじゃないかと思うんです。

【金子主査】 教員のところについてほかにございますでしょうか。

【石原委員】これは教員だけですか。

【金子主査】 職員については、残念ながら、あまり議論しなかった。

【田村委員】学校のところで、マネージメントのところで出てきます。全教職員と、そこで出てきます。構成員全員と。

【金子主査】 本当はもう少し議論しなきゃいけなかったんですけれども。

【石原委員】今、教員以外の方も授業を持っていろいろ教育にかかわっていますね。

【金子主査】 次のマネージメントのところでスクールカウンセラーのスタッフとか、運用スタッフという形で職員に関するところは出てきます。とにかく教員が大事だと最初に言って、教員に頑張ってくれと、しっかりしてくれという形で教員に焦点を絞ったということです。キャリアパスもスポーツ選手という表現も石原さんのアイディアなんですけれども、何でスポーツ選手かということは問わずに、よくわかりやすいので、こういういい方にしました。僕の感じだと、今までにこの手の提言というのはわんさと出ていまして、わんさという表現は品がないかもしれませんが、それよりも踏み込んだ表現がないと、僕としてはこの分科会の存在価値がないんじゃないかと思います。不適当だということがございましたら指摘してください。教員のところはよろしいでしょうか。

【藤田委員】黒ポツの1番目は、基本的にポジティブに教員がそれぞれ自己のキャリアを形成をできるように、選択できるようにというポジティブなメッセージだと受け止めていいんだろうと思うんです。

【金子主査】 両面です。ポジティブを最初に言って、アメとムチという感じで。

【藤田委員】ムチの部分というか、ネガティブな部分ももちろん入っていますが、もっと積極的にキャリア形成ができるようにという、その準備をする。その中には当然やめていく人もいる、適格性を欠く人は、その人にとってもっと有効な選択、適切な選択ができるようにするという、そういう趣旨だと理解したいと思います。2番目は基本的に雇用形態の多様化だと思うんです。それは私もいいと思います。3番目は教員免許制度のあり方ですから、項目として、この3つを挙げることは基本的にいいと思うんですが、3番目の、「教員になる入り口は多様にしプロセスを」という点については、わからないではないんですが、疑問もあります。もう既に社会人の登用も行われていますから、それはそれでいいとしても、日本の教員免許制度というのは、教員免許をとるのはそんなに大変なことではないというのが実情です。小学校の免許については、中学校もそうですが、介護実習が入ったために難しくなりましたが、とにかく、あえて教員免許がなくてもというふうに言う理由が私にはよくわからないんです。免許制度のあり方とか、採用のあり方とかについてはいろんな工夫の余地、改善の余地があると思うんですけれども。教員免許がなしでもいいというのは例外的にということでいいように思います。

【金子主査】 今でも特別な場合はそうなっていますね。それを促進しろというメッセージのつもりです。一切なくていいということは言っていない。

【藤田委員】「入り口は多様にし・・・」というのは、正規の教員として入っていくプロセスについてだと思ったんですが。2番目の雇用形態が多様になるという点、つまり、学校の中にいろんな雇用形態の人がいるというのは、私はいいと思うんです。だけれども、正規の教員になってくるプロセスが多様になるということについては、もっといろいろな側面を検討する必要があるんじゃないかという気がするんです。

【金子主査】 この点についてはいかがでしょうか。

【河合委員】そうなってくると、教員にすぐになるんじゃなくて、教員補になってからとか、そういうことまで考えないと。パッと簡単に、多様というのが簡単にということになると。次に免許更新制というのもついていますね。だから、これがだめな人は更新できないということになりますから、これをはっきり出してくるんだったらいいですけれども、そうでなくて、安易にすると危ないと思います。

【金子主査】 それは当然ですね。誰でもいいという話ではないですね。

【河合委員】2番目のような場合は、これはまだいろんなことの中で、校長さんとか、ほかの先生の裁量とかサポートがあって可能なんです。ところが、3番目は完全に頼りになるわけですから、ここはちょっと教員免許更新制があれば非常にいいですけれども。

【石原委員】教員免許のところですが、2行目、教員としての適性を決定してしまうんではなく、今の教員免許というのは、単位をとることによる最小限度の資格なんです。その後に、私立ですと、その免許を持った方から採用する。公立ですと、それぞれの都道府県が採用試験をして初めて正規の教職員になるという仕組みですので、適性を決定してしまうんじゃなくて、これは学生がとりたいという意欲の結果、その資格をとるだけのということなので、適性があるかどうかは採用する側が試験をするということになると思います。

【金子主査】 事実上今の制度は教員免許をとってなければ適性はないということを言っているんです。それに即してこういう表現になっています。教員免許さえあれば、必ず教員になれるということではないことは十分わかっています。私も校長をやってますので。教員免許がなければ正規の教員として教えてはいけないということになっている。もちろん今いろいろなやり方で弾力化しておりますが、それは例外処置です。

【藤田委員】私は免許制度の改革じゃなくて、教員採用方法の多様化だったらいいと思うんです。どういうふうにして実際に教員を採用するか。そして、その中には免許のない人が、例えば2の雇用形態の多様化の中で非常勤やパートタイムで入っていくのもいい、そして、その過程で、例えば経験を何年か積んだからとか、あと何単位か足りていなかったけれども経験を積んだからということで、免許を与えるとかいうようなことを組み込むことは構わないと思うんです。だけれども、今日本の教員養成システムというのは開放制になっているわけですから、極端なことを言えば、どの大学に行っていたってとれるわけですから、それをさらに崩す必要は全くないというふうに思うんです。

【金子主査】 わかりました。採用方法の多様化というのはいい提案じゃないかと思います。

【石原委員】私もそう思います。その意味では、最後の「免許更新制も検討に値する」というのは、むしろ採用の多様化の方で。免許更新制というのは、免許をとった人たちの中で何割かが教員になっているんですが、とっただけで、いわば教員にもなっていない方の更新までをすることもできないので、実際には非常に難しい仕組みです。特に大学は今開放制の中で、私学も含めて、どの大学でもきちんと単位をそろえればとれるという、幅広く資格を与えるということですので。先生になっていない方もたくさんいるという現実の中で、必ずしも更新をするといい先生だというわけにもならず難しいと思います。

【金子主査】 わかりました。ありがとうございました。次は学校の方に行きましょう。

【草野委員】 よろしいですか。

【金子主査】 教員についてなら手短かにおねがいします。

【草野委員】 先ほど藤田先生もおっしゃいましたけれども、黒ポツの最初、ポジティブな面と、ネガティブな面とあるんですが、この文書を読むとネガティブ一色みたいな感じがして、スポーツ選手が生涯現役やれる人は誰もいるわけはないので、これを読んでいると。

【金子主査】 これは議論の中で分科会でみんな合意した部分です。

【草野委員】 わかりましたけれども、ちょっとこれだとネガティブ過ぎるんではないかという気がするんです。

【藤田委員】私も1については、もっとポジティブな面を出してもらった方がいいと思います。

【金子主査】 これは実際に議論の中で皆さん同意したものでございますから、私の一存で書いたわけではございません。

【田村委員】本人にとってもずっと現役を期待されるのは不幸だというケースもあろうというふうに書いてあるから、それでいいんじゃないですかね。今の草野さんの御心配はそれで解消できるんじゃないですか。そういう不幸なケースもあろうというふうに書いてある。

【草野委員】 スポーツ選手は一生現役をできるわけはないですね。

【大宅委員】ゴルフはいますよ。七十過ぎて現役ですから。

【草野委員】 それはごくまれな人であって。

【金子主査】 次にいきたいと思います。学校に関してポチが3つございます。評価のところが1つ、先ほどと同じことですけれども、基本的には、教員の問題がそのまま学校の問題となるということで、ある種、入子になっている。ここでは学校のマネジメントとかいうことに、あとは地域への情報開示とか、地域の参加ということに重点を置いて書いてみました。黒ポツが3つございます。

【藤田委員】学校の1番目の第三者評価、それから公表、それから選択制、全部とても賛成できません。私はこれについては、なんとしても反対したい。評価については第三者評価を含めて、そのあり方は検討する必要はあると思いますし、全く必要ないと言い切れるとも思いませんが、しかし、これだけセットになると、私はとてもメンバーとしては賛成できませんね。

【金子主査】 第三者評価自体はどうですか。

【藤田委員】第三者評価も難しいなと思いますが、考える必要はあるかもしれない。ただ、これはやり方次第だと思いますので。

【金子主査】 公表ということですね。

【藤田委員】第三者評価をやるということになれば、事の流れとして公表ということに多分行くと思うんです。ですから、それを考えると義務教育段階で第三者評価というのは本当に必要なのかなと。それよりも、私は学校評議会のようなものをつくって、そこが自分たちの学校を点検・評価しながら、改革をしていくというやり方の方がスマートでいいと思います。しかし、イギリスのような形になるようではとてもいいとは思えません。

【金子主査】 これに関しては2つに分かれています。私の印象では、公平にいって、評価したからには、何らかの形で公表しなければいけないという意見の方が多かったように思いますので、まずそれを書かせていただいて、最後に反対意見もあったということで、そういうふうにしたいと思います。反対意見のところに絶対反対という言い方をするかどうか。また品格がないと怒られてしまいそうですが、藤田委員はこれに関してはどうしても容認できないということだということを入れればいいでしょう。

【藤田委員】そうしていただければ私はありがたいと思います。ただ、私だけが反対なのかどうか。

【金子主査】 河合さんも多少の懸念を持っていますね。

【河合委員】はい。いわゆる勉強の点だけに集中した評価になる。それと序列化、これは日本では一番恐ろしいことですので。

【石原委員】開かれた学校づくりの一環として、地域の方に学校の情報を出すことは賛成ですが、評価というときには、具体的に誰がどのような基準でということが非常に大事なポイントになると思います。特に学校の場合は、地域の様々な状況が学校に反映し、地域の評価にもなるはずです。ですから、評価の基準、評価を誰がするかということは非常に難しい面があります。特に義務教育の場合では難しい問題です。地域の課題が、そのまま学校に反映されている実態を踏まえると、これは国立大学の評価など全国的なものとは違う視点が必要だと思っております。

【金子主査】 読んでいただくと、「実際の評価はローカルに行うのがいい」とあります。「ローカル」というのはちょっとぼかしたんですけれども、「学校の評価は全国一律にやる必要はないだろう。評価の方法については、一つの物差しで序列化されることのないように十分留意すべきだとの意見があった」ということで、ご心配する意見は吸収したつもりです。もう少し強めて書いた方がいいということでしたらば、そういう形で名前を入れるなりして書けばいいかと思います。

【藤田委員】3人が反対しているということは、半々に割れていると考えた方がいいと思いますけれども。

【金子主査】 しかし、地域までは公表しろということは全員賛成ですね。

【藤田委員】評価結果を地域に公表するというのでなくて、学校のやっていることを、地域にいろいろ情報公開することは必要なことですし、反対はしていない。

【金子主査】 どこまで公表するかということに関しては慎重に議論しろということではないですか。

【藤田委員】どこまでというか、何を公表するか。評価をして、それを公表するという意味ではなくて、学校がやっている活動を地域にいろいろ公表するということについては誰も反対していないんだと思うんです。

【金子主査】 それは全国に公表することに反対だということですね。

【藤田委員】全国にする必要は何もないので、誰も見向きもしない。それは地域に対してですよね。これは学校がやっていることを公表するということであって、評価をして、それを公表するという意味では全くありませんから。ですから、これはむしろ分けていただいた方がいいと思うんです。開かれた学校づくりのために学校の活動を地域に公表しよう、公開しようということならば、まず、それは賛成します。だけれども、2番目の大きい問題として評価をするのかどうか。そして、それをどう公表するのかしないのかというのが今争点になっていて、この点については3対幾つで、少なくとも反対3人はあると思いますから、意見は大きく割れていると思います。

【金子主査】 河合さんと石原さんのお二方は評価することにも反対なんでしょうか。議論の中ではそういうふうには思わなかったんですけれども。何らかの評価は必要だということは全員がそういってたはずです。

【河合委員】何らかの評価は必要ですけれども、それが今言ったように序列化、それから外に簡単に出てしまうということですね。それから石原さんも言われましたが、評価の基準というのは非常に難しい。私の知っている例で言うと、我々から見れば非常によい先生は、親から見ると評価が低い場合があるんです。それは勉強に結びつかないとすぐに評価が悪くなるんです。そういう点で評価するということ自体が非常に難しいと思っているんです。

【藤田委員】それと、先ほど石原さんが言われた学校を評価するということは、小中学校では地域を評価するということになりかねない。これは重要なことだと思うんです。つまり学校の活動や教師を評価するだけではなくて、実は集まっている子どもを含めて評価するということになるわけです。そうすると、その子どもたちは、その地域に住んでいる子どもたちであり、それが評価されるということになりますから、これはトータルに見て、そういうことを含んだ評価をして、それを公表するということを我々は本当にやっていくのかどうか。これは慎重である必要があると思います。

【金子主査】ほかの方はいかがでしょうか。

【上島委員】評価をして、すぐに地域の子どもたちを評価することにはつながらないです。例えば学校のマネジメントのあり方とか、別にそれは評価といっても、イコールそこにいる子どもたちとか、地域の特色を評価しているとは限らないじゃないですか。

【藤田委員】そうです。ですから、マネジメントの、例えば予算をどういうふうに使っていて、どういうカリキュラムをやっていかということなら構いません。

【上島委員】それも一つの評価ですからね。

【藤田委員】そういうことであれば、やっていることを公表すれば、それで済むことでしょう。何も評価する必要性のないことじゃないですか。

【大宅委員】その公表されたことをやはり評価すべきだと私は思います。

【金子主査】 評価といっても仲間うちで見るだけではしょうがないじゃないですか。

【大宅委員】その評価というのは、子どもの成績が上がったとかそういう話ではなくて、学校のやっていることをみんなにお送りしたら、遠足もやっていないし何もやっていないのねみたいな話、そういうことが評価だと私は思うんです。

【藤田委員】ですから、もしそうであるならば、それは学校評議会のようなものをつくって、そこで、その結果に基づいて自ら評価し、改革をするということをやっていけばいいことで、何も不特定多数の市レベルなり何なりに広げる必要はない。

【金子主査】 不特定多数なんて全然書いていないです。やり方については慎重にしろというふうに書いてあるわけです。

【藤田委員】でも、外部評価や第三者評価ということは、そういう意味を持ってくるんじゃないですか。

【金子主査】 それは読む人による。

【田村委員】私は評価すべきだという意見なんですが、ちょっと言わせてください。現在、47都道府県で学校評価をやっている県というのは9つしかないんです。そのうち2つだけが小中高だけをやっている。つまり残りの7つは全部はやっていないということです。つまり2つしかやっていないんです。2つしかやっていないという中で、実は1つやっているところの実態は、今それをやらなきゃいけないというので、県教委で委員会をつくって始めているんですけれども、その実情を申し上げますと、要するに今、藤田先生がおっしゃったような、学校の中をチェックをするということは実によくできているんです。これは改訂のしようがないというぐらい物すごくばっちりした表ができていて、教員同士でチェックして、校長が見て、それで終わりです。何年もそれでやっているんです。結果がどうなっているかは当事者以外は誰も知らないです。やったことがどういう効果があったということも誰も知らない。何にもならない。そこのところを突き動かさない限り、学校は変わらないと思います。

【藤田委員】だから、そこに学校評議会のようなものを導入することで、そこが責任を持って評価を行い、その評価結果に基づいて改善の提案をするなりすればいいんじゃないですか。

【金子主査】 地域で評価するのはいいんですよね。

【藤田委員】いいんです。だけれども、それは外部評価や第三者評価とは違うんですよ。

【金子主査】 一般には評議会などで評価することを第三者評価と言うんですよ。学校の中の先生が自分たちのことを評価するのが内部評価で、学校の外の独立の団体がやることを第三者評価というのが普通じゃないですか。

【田村委員】実際何もやっていないから、よっぽどちゃんと書かないと。

【金子主査】 すみません。今日終わらないとならないので、先に進みます。皆さんも協力をしてください。

 今の話は、藤田案を少しとりまして、情報の開示と評価については分けて書く。評価に関しては意見が分かれたということで。

【藤田委員】学校選択制については、ますますもって強く私は反対したいと思います。評価とセットにして進めるということに。

【金子主査】 わかりました。

【田村委員】この部分ですね。4つ目の黒ポツですね。

【金子主査】 これも学校選択制は、石原さんは藤田さんと一緒に反対ということになっていましたっけ。選択制はある程度は賛成ですか。

【石原委員】選択制と通学区域の弾力化はちょっと違うと思うんです。私は通学区域の弾力化を今進めている最中なので、その方向をもっときちんと充実推進すればいいという考え方です。

【金子主査】 わかりました。

【藤田委員】私は充実推進よりも、適切にするということだと思いますけれども、適切に運用することが大切なんで。

【上島委員】あえて言っておきます。情報と評価はセットの方がいいと。何のための情報を出すかというのは、評価があるとしておかないと、ただ単に情報を出しますよでは。

【金子主査】 プラス選択ですね。選択まで含めてセットだと。

【河合委員】選択をここまで結びつけるのは、今の現状ではやはり危険だと思いますね。

【金子主査】 わかりました。それを配慮して反映させたいと思います。

 学校についてほかの丸2つポツはいかがでしょうか。残りがあと30分になってきました。

【田村委員】 よっぽとしっかり書かないと現状は全くないんですからね。そこだけ強く。御心配はよくわかるんですけれども、実態は何もやっていないという状況があるということです。

【金子主査】 あれもある、これもあるという報告ではよくない。ただ、反論があったことはしっかり書いておかないと個人の責任問題になります。名前を出すことで構いませんね。今日の議事録を見て、そうさせてもらいます。選択制と評価に関しては。

【藤田委員】だけれども、例えば「評価のための基本的基準は国が設定し、実際の評価はローカルに行う」云々というふうになっている。この文脈から読んでいくと、やはり選択制やそういったものとか、いろんなものと結びつく可能性の大きい評価の方法が想定されていると思うんです。

【金子主査】 文章を切って書くことにします。みんなの意見を入れて曖昧なものになることだけはどうしても避けたいので、切って分割して書くということで、個々のメッセージはきっちりとしたものを出したいと思っています。

【石原委員】情報が結果として開示されれば評価されるということと、評価という機構といいますか、制度をつくるということとはちょっと別だというふうに認識しております。その意味で、後者の部分は、基準とか仕方において配慮すべきこと、また問題点もあると思います。特に義務教育の場合には難しいという認識です。

【藤田委員】先ほどの外部評価について。

【金子主査】 すみません。先に行きたいんですが。

【藤田委員】一言だけ。1分。私の言っている、たとえば学校評議会による評価と、いわゆる大学なんかで今行われている外部評価とでは、重大な点で違いがあります。外部評価委員は、その大学がどういうふうに改革するかについて自ら責任をとることはない。しかし、私の言っている学校協議会は、その学校の保護者や校長も含むと考えていますが、その学校がどうなるかに自らも責任を持っている。そういう主体が評価の結果に基づいて改善勧告を出し、その実現に自らも責任の一端を担う。そういう意味で内部評価なんです。そこのところは基本的に違うと思うのでお願いします。

【金子主査】 わかりました。大学が無責任になりがちということには大賛成です。

 学校に関してほかにございましたら。あと丸が2つあるわけですが、この辺は余り反対意見はなかったような気がします。

【河合委員】そうですね。

【金子主査】今までの議論としてはみ出したところを申し上げます。学校のところの3ページの○の「学校は、保護者・地域の参加を進め」の「日常的な意見や疑問に耳を貸し、すばやく応え、その結果を伝える」という文章を私の判断で入れました。これは多分御異存ないと思います。これは日常的にすごく大事だと思っています。

 それから次の学校のマネジメントのところで、下から2つ目のポチで、「組織マネジメントの発想が必要なのは、学校だけでなく、教育委員会も同様である」ということも、分科会で明示的には出なかったんですが、いろんな形で潜在的に出ていたんじゃないかと思います。学校だけでいいということではなくて、基盤整備という表現だったり、弾力化ということが出ていましたけれども、こういう形で表現をしてみました。

 あと「ムダな会議はやめる」とか。これも少しは言い過ぎは言い過ぎなんですが。

【田村委員】2つ目の黒ポツのところ、「学校改革には全構成員の意識と行動の変革が必要である」という、ここの部分、今の石原先生のお話から考えると、「全構成員」というんじゃなくて、具体的にもうちょっと書き込んだ方がいいのかもしれませんね。

【金子主査】 よければ、次の「学級編成や授業方法」の方に行きたいと思います。ここは前回議論したことをまとめたものでございます。最初の学級編成についても、この間の議論より少し踏み込んで私の持論を多少含めて書いてあります。

【藤田委員】これはどこに書くのがいいかわかりませんが、多分この学級編成のところに書いていただいた方がいいと思うんですが、教員配置数に関して30人学級とかと数字を出した方がいいのではないかという気がします。ただ、この点は、あわせて教員配置の考え方を変えるほうがいいと思っています。今のように、例えば1学年で41人だったら2クラスに分けるというような分け方ではなくて、例えば学校単位で総生徒数をベースに教員数を割り出して、それに加えて学校毎に一定数の教員を配置する。これは多分現状のやり方では、学校によってばらつきが大きくならざるをえないと思うからです。この前も出ていましたように、大都市圏では学級数は大きくなっているわけですから、大都市圏でもっと学級規模が小さくなるような方法を考えるとするならば、多分その定数を下げて、この前に出していただいた資料にも出ていましたように、実質は1人当たり19人ぐらいだとするならば、それに近い、あるいは18人ぐらいになるような教員数を各学校で確保できるようなシステムを考えてもらえればと思うんです。そのためにも30人学級とか25人学級とか、私は国民会議だからこそ、提案内容に、そういうスローガンを掲げていいのではないかと思います。

【金子主査】 いかがでしょうか。上島さんからかなり反対意見が出たという経緯がございました。

【上島委員】25人、30人にしたから、先生を増やしたからといって、決してよくなるという保証がないというふうに。

【藤田委員】教員配置の積算基準を変えるということです。

【大宅委員】41人だから2つというのは確かに変だと私も思います。

【藤田委員】積算基準とその配置の仕方を変える。積算基準については1学級25人とか30人をベースにして、そしてそれにプラス、実際には今は既に十何人に実質はなっているわけですから、25人については一律配分しますよね。それにプラス各学校、大規模校であろうが、小規模校であろうが、必ず必要なスタッフ、例えば校長、教頭とかいるわけでしょう。そうすると、そういう部分は一律配置する必要がありますよね。それに対して、現在のやり方は、実質18人なり、19人なりを実現するために、何かいろんな目的を立てて加配するというものです。例えばティームティーチングをやったら加配する、何とかをやったら加配するというふうに目的別の加配が多いんじゃないかと思うんです。ですから、そうすると加配されている学校はいいかもしれないけれども、そうでない学校は非常に苦労するということになる。

【上島委員】 ですから、これは国民会議ですから、文部行政の部分を入れる必要はないわけですよ。教員の決め方とか文部省が中で自由に改善されたらいいわけですから、ここはもっと、例えば学校に自由度とか、校長先生の自由度によってクラス編成とか、学校のカリキュラムとか、そういうところに強くメッセージを送った方がいいのではないかと思います。

【藤田委員】 25人とかいう数字を出すのが、そういう意味での一つのメッセージになるんではないかと思うのです。趣旨はさっき言ったようなことですが。

【金子主査】 ということは、藤田さんは、教員配置数を増加せよというのではなくて、配置を弾力化し現実に合わせろと、こういう話ですね。

【藤田委員】そうも言えます。弾力化し配置数も改善せよということです。

【金子主査】 ただ増加しろということでは必ずしもないと。ここの編成に関しては必ずしもたくさん時間がとれなかったので、この程度かなという気もしていますけれども、基本的には先ほど上島さんが言ったように、メッセージとしては校長や学校の判断でもっと自由に。ただ勝手にやれということではなくて、学校ごとに特色を出すということでいいでしょう。

【上島委員】校長先生が特殊なクラス編成ができると書いてありますけれども、この辺が良いと思います。

【田村委員】最後のところで、「一方で、企業はいろいろな努力をして生産性を上げていく」というところですけれども、これは企業のみならず、すべての組織がそうしているんですよね。学校も例外ではないという意味で書かれた方がいいんじゃないでしょうか。

【藤田委員】すべての組織がですね。今、中央省庁も大分やっていますね。

【田村委員】文部省も大変なんじゃないですか。だから、当然のことだという、企業だけではないと思います。

【金子主査】 よろしいでしょうか。

 次のポツでITと英語教育、ITという用語はわかりにくいということがあるかもしれないんですけれども、情報教育というのでしょうか。

【石原委員】従来のいう情報教育とどこが違うことになりますか。今も情報教育というのがありますね。コンピュータ教育ともいいますが。

【金子主査】 全く同じことです。ただ、最近はITとみんなが言うようになっているので、それに便乗したというだけです。こだわっていません。

【田村委員】「量の差は質の差に通じる」という話がありますけれども、情報教育とIT教育というのは、それに近いんですよね。IT教育の方がずっと量が多くなる、つまり私なりの解釈ですけれども、IT技術を教育の中に持ち込むという意味で分量がものすごく増えるわけです。使い方だけではなしに、触れる機会が増えるとか、つまりソフトウエアを学習するとか、そういう話じゃなくて、実際にそれを使っていろんな教科を学ぶという、そういうのがIT革命を基礎にした教育になると思うんです。例えば従来の教科をコンピュータを使ってもらう。かなりこれからは進んでいくというふうに思います。大学はもうそうなるという方向性を出しましたからね。

【金子主査】 この間のG8教育サミットでも、ITじゃなくて、ICTと言っていますね。今までの情報教育は、どちらかと言えば、ハードを整備していくことで国家目標をつくってということでした。それはそれで大事だと思うんですが、コミュニケーションを豊富にするというのでICTとCが入ったと思います。その意味でICTでもいいんですが、今、日本では首相をはじめITとしているので。今までの情報教育というと、コンピュータを1人当たり何台で、1.5 メガをひくかひかないかという。それは着々と進んでいます。それ以上に、ここに書いたように、生のものに触れるとか、コミュニケーションをということで今までの情報教育とはちょっと違うかなという意味も込めてITと書きました。

【藤田委員】言葉はどちらがいいかちょっと判断に迷うんですが、一番上の「小学校段階から」というのはなくてもいいのではないかと思うんですが、「『本物・実物』に触れさせながら促進する」でいいように思うんです。

【金子主査】 これは義務教育のことを言っているから言わずもがなという感じがあります。いりませんね。

【藤田委員】英語教育等については、若干の疑問も出ておりますし、ですから、必ずしもこれはなくても趣旨は十分伝わると思いますので、ITのところでは入れてくださって構わないと思いますけれども、現に始まっていますし、どんどん広まっていく可能性はあるので必要だと思います。

 その後、2つポチの英語のところを小学校からやるかについては、書くか書かないかですよね。石原さんは推進派ですよね。

【石原委員】つまり総合的学習で小学校3年から取り込むことができるという意味では、それをもっときちんと充実させることは大切ではないかというふうに思っています。

【金子主査】 本物に触れるということですね。

【大宅委員】本物の方に強くしてください。下手なのにいっぱい教わってもどうにもならないんです。

【田村委員】藤田先生がおっしゃるように、一番上の「小学校段階から」、これをとればいいです。これさえとれば、あとはオーケーです。

【藤田委員】これをとればいいと思います。ゴシックのところ「小学校段階から」だけをとってくだされば、あとはいいと思いますけれども。

【金子主査】 そうすると、私の意図としては、ITも英語も小学校からと思っていたので、5ページのポツのところに入れるかどうかということに。

【藤田委員】これはなくてもいいんじゃないですか。小学校からととる人はとるでしょうし、やっぱり「小学校から」とどうしても入れるべきですか。

【大宅委員】「コミュニケーションの道具としての英語」と書いてあるんだけれども、「英語は単なる道具である」としていただきたい。どっちかというとニュアンスとして。

【金子主査】 そのニュアンスを強くするということですね。実際、下手な英語を教えるならやらない方がいい。

【田村委員】ゴシックのところの「小学校段階」をとれば、あとはそのままでいいんじゃないですか。

【藤田委員】英語のところはなるべく早い時期からとあるんですから、それでいいじゃないですか。

【大宅委員】「本物」のをゴシックにしていただきたい。

【河合委員】僕はにせものに習ったから上手にならなかった。

【藤田委員】JETのプログラムの送り出し側から見ると、質がどんどん低下しているんです。英語圏の景気がよくなるといい人が来なくなるんですよ。

【金子主査】 問題は学校でネイティブの英語教師の質を判断できる人がいないということです。外国人なら誰でもいいと思っちゃう。

【田村委員】ニュートラルイングリッシュというのがあるんですって。外国人に聞くとそのチェックはできるはずだというんですけれども、そこでチェックすれば全部。

【金子主査】 学校単位ではなかなか難しい。

【河合委員】僕はニュートラルジャパニーズでしゃべれないです。関西ジャパニーズだけだった。

【金子主査】 あと15,6分になりましたので、「新しいタイプの学校」のところに行きます。ここの経緯を少しお話いたします。今まで「新しい学校」と言っていたのを、タイトルに使うのは「新しいタイプ」ということにしました。内容をこれまでよりもうちょっと具体的にしたということで少し意図がはっきりしたと思います。今まで3つの提案がありました。ここに関しては、さっきの選択制とか、評価の公表と同じように、比較的意見の一致が見られなかったところなので、それをあえて書きました。国民会議ですから我々7人で決めるものでございません。今後議論をしようということです。3つの提案とも、私の判断では提案することに関してはメリットがあると思いました。私立学校をつくりやすいようにという提案、研究開発校を地域単位で新しい試みにしようという提案、それからコミュニティ・スクール。コミュニティ・スクールに関してはかなり意見が分かれましたので、「設置する」ということでなしに、「可能性を検討する」ということで今後国民的議論をしていただきたいということにしました。

 もう1つ見ていただきたいのは6ページの一番最後に、前回の議事録を見て、それぞれの委員の反対理由ないし賛成かどうかということを簡単に書かせていただきました。これに関しては、もちろん皆さん方、これは要らないとか、違うよということがありましたら今日言っていただきたい。ただ、ここに関しては、議事録も公表されますので、誰がどう言ったかをしっかりと書いた方がわかりやすいかなと思います。賛成反対いろいろ議論されることが国民会議の一つの大きな目的だと思いますので、このように処理をさせていただきました。

 内容に関しては、今まで出たものそのままです。書き方とか、反論の出し方ということについて確認いただきたい。私の一存ということではよくないので、それだけ確認していただきたいと思います。

 まず、私立学校の部分についていかがでしょうか。これも反論はあったわけです。反論に関しては、後でまとめて書きましたので、そこの部分を含めて御確認いただきたいと思います。

【石原委員】黒ポツの3つ目、国民会議のメッセージとして少し細か過ぎませんか。もうちょっと別のいろんな条件、行政的な法律上の問題がありますから、「行政からの土地などの無償貸与など」、なぜ小学校だけがよくてというような話も出てくると思いますし、その整合性もあるので、つくりやすくするというようなことの検討をしてもらうということを言えばいいのではないですか。借入金とか具体的過ぎるかなというふうに思います。

【金子主査】田村さんの御意見ですと、まさにこういう条件がはっきりしなかったことが問題だったということでした。ということで細かく書いたんですけれども、例えば「大学設置程度に」という言い方はあるかもしれません。大学設置は長期リースとかが認められるようになっています。

【田村委員】具体的に書かないと動かないだろうと思うんです。

【金子主査】確かにちょっとここだけ詳し過ぎる。

【石原委員】途中から急に細かくなっているもので。

【田村委員】大学設置程度ということで結構だと思いますけれども、かなりはっきり書いておかないと結局動かない。もともと私立学校はつくってくれるような奇特な人が少ないものですから、それができることが非常に大事だと思いますので。

【金子主査】大学設置を頭に置きました。取得するとき20%まで借入金もいいということになっていたり、土地の取得には長期リース、20年間のリースでいいようになったと。また、自治体が土地を提供したり、建物を提供するのは、これは昔から大学誘致という形でやっておりました。それらを念頭に置いたので、まとめて大学設置程度に緩和するということならばいいかもしれません。

 あと4つ目のポツは、必ずしもこういう形での議論がなかったんですが、ただ、助成金を増やせというのはどこでも言っていることなので、こういう形にしてみました。前半部分はこれまでも私学はずっと言ってきたことですが、後半部分として新しいタイプ、特に英語教育とか、情報とかいうことを念頭において書いてみました。

 では、私立学校についてはよければ、次、研究開発学校の拡充、これは石原さんのペーパーをほとんどそのままです。「クリエイティブ・スクール」というのは、地域全体をスクールと呼んでいらっしゃるんですか、それとも個々の学校のことですか。そうなると「クリエイティブ・スクール群」ということですね。

【石原委員】そうですね。

【金子主査】そうすると、ちょっと言葉が分かりにくい。地域指定がクリエイティブ・スクールじゃなくて、ちょっとその辺は分かりやすく直さないといけないかもしれません。ということは、丸ポツの3番目で、「総合的な学習の時間」「小中一貫」などというのは、スクールごとにというより「クリエイティブ・スクール地域」でということですね。

【石原委員】そうです。

【河合委員】「クリエイティブ・スクール」という言い方は金沢だけですか。あるいはもっと一般的にですか。

【石原委員】私が勝手につけた名前ですので、いわゆる地域指定研究開発学校という形です。今までの地域指定は、生徒指導と道徳で学校ごとにやりましたが。

【河合委員】そうじゃないと、「クリエイティブ・スクール」と言ったらちょっと。

【石原委員】地域指定の研究開発地域ですね。

【河合委員】そういう言葉にしてもらった方がいいような気がしますね。

【石原委員】余り固有名詞を出すと、こういう一般論にはなじまない。私どもは事業名としてそういうものがというんですが、研究開発学校を拡充して地域単位の新しい試みを促進する。ですから、地域単位として研究開発学校が指定できると、いろんな子どものとらえ方ももっと地域全体でとらえることができるのではないかということです。

【金子主査】ポイントは地域指定ということですね。

【石原委員】はい。

【河合委員】名前だけ「クリエイティブ・スクール」と聞いたら、イメージが全然違うことを思う人がいます。

【金子主査】地域指定ということと、「クリエイティブ・スクール」は余り対応はしていないですよね。「クリエイティブ・スクール」というと、何かアートとか、創造性を伸ばそうというか。

【河合委員】発想がクリエイティブなんですね。ちょっと誤解されると思うんです。むしろ地域指定ということが非常に大事だと思うんです。

【金子主査】じゃ、クリエイティブ・スクールという名前はとりましょう。多分その方がメッセージは伝わりやすいですね。要するに現制度を地域に適用するということですね。よろしいでしょうか。

 では3番目、これは私が提案して、この間さんざん議論をしたものでございますが、これに関しては一応私の主張を書き、必ずしも分科会全体が合意した提案ではないということと、更なる議論をしてくれということでもって処理をしております。

【藤田委員】基本的に私はあえてこれ以上反対意見を言うつもりはないんですが、ただ、この場合の教員、あるいは校長の身分はどうなりますか。

【金子主査】詳細はもちろん今後のことですが、私が今考えているのは、現在教員をしている人をリクルートした場合にはそのままですね。新しい人は年限を切って任期制の公務員とする。非常勤の場合には公務員でなくていい。これは現制度の弾力化の拡充というふうに私は考えております。

【藤田委員】ただ、それがどうなるかによって、この内実は変わってくるように思うんです。現行の教職員としてどこかにいる人がアプライしてきて、そこへ移行するというだけであるならば、今までの制度の中で、実は校長にこういう裁量権を与え、そしてそこでの実践を試みるためにも在任期間を保証するということをやれば、それでできることなんです。制度的に言えば、私はそう思うんですが。

【金子主査】私は全然違うと思っています。

【藤田委員】それに対して、そうでないスタッフが入ってくるということに校長を含めて大きな違いがあって、そこが私学との境界が非常に曖昧になる理由だと思うんです。ですから、ちょっとその点が。

【金子主査】教員の身分に関してはっきりした方がいいんじゃないかという御意見ですね。それがポイントになってくるんじゃないかと。

【藤田委員】ええ。そして、そのこと自体が実は学校というものの存続とかかわってきますので、それで私はこのアイディアを現行制度の中でやる方が、実験校としてやる方がまだいいのではないかという気がしてずっと反対をしていたんですけれども、それは学校の、あるいは校長の裁量権限を拡大するというような趣旨のことですけれども。

【石原委員】「コミュニティ・スクール」というのも一般的な名称ではないですね。ここで使っている、ここだけの固有の名詞ですね。またこれも、一般に「公立学校はコミュニティ・スクールです」というふうによく言っていますね。公立学校をまたつくるというとわかりにくいです。入学式などで祝辞に、「コミュニティ・スクールとしての学校は、地域と連携し」というごあいさつなどがよくあり、一般的に言いますね。そうすると、そこが違うんだということの、もし違うなら違うというわかりやすさを。

【藤田委員】それと、全体のメインの見出しが「コミュニティで育つ、コミュニティを育てる」と出てきて、最後に「コミュニティ・スクール」と出ると、何かこれはつながってくるようなニュアンスがある。「コミュニティ・スクール」という言葉にも、そういう意味で、この特別の内容に「コミュニティ・スクール」という言葉を使ってしまうことの抵抗感がありますね。

【金子主査】その辺は工夫して括弧つけるなり何なりということで。

【石原委員】チャータースクールという意味ですか。

【金子主査】違います。チャータースクールはコミュニティ・スクールの一つの可能な形態としてあるかもしれないですね。

【石原委員】1行目「地域独自のニーズに基づいて市町村が設置し」と書いてありますが、市町村そのものは設置の義務があります。地域のニーズじゃなくて、地域の子どもの全入制を担保するために設置の義務があるのですが、それとは別の観点から設置するということを意味していますね。

【金子主査】当然それも含めてです。

【河合委員】これはやはりもっと違う名前に、わかる名前にしてもらわないと、言ってみたら、地域でつくっているんだから、確かに今のスクールはみんなコミュニティ・スクールですよ。これはもっと独自なものでしょう。

【金子主査】特定の「コミュニティ・スクール」です。

【河合委員】だから、これはスペシャル・スクールですよ。

【金子主査】呼び名に関しては少し工夫をさせてもらいます。一般名詞ではないということで。

【藤田委員】もう1つ、これは、私前々から言っていたことですが、実際には議論できなかったことですから、今の段階でつけ加えることは難しいと思いますけれども、金子先生がここで地域学校協議会を設置するという形で提案なさっているわけですが、この学校協議会あるいは学校評議会、言葉はどっちでもいいんですが、金子先生の「コミュニティ・スクール」とは別に本当は入れたほうがいいと思っています。3ページの「学校評議員制度などによる学校運営への保護者や地域代表の参加を進める」、これは現行制度の中で既に具体化しているものをさらに促進するということなんですが、私はもう一歩踏み込んで、学校評議会なり協議会なりを設けて、そこが学校の実質的な運営にかかわっていく、それこそ「コミュニティ・スクール」なんだと思うんです。どうしてそっちの方向にいかないのかというのが疑問なんです。私はむしろ国民会議の提案としては、それが具体化するかどうかはともかく、そちらの方向へ進んだ方が妥当なのではないかという気がするんです。

【河合委員】これは実験校みたいな感じですね。「よし、やろう」と。

【金子主査】 そうです。全国全部やれという話ではないです。

【河合委員】だから、そういうふうな名前にされた方がいいんじゃないですか。

【大宅委員】「地域独自校」、地域独自のニーズとここに書いてある。

【金子主査】呼び名は再検討いたします。一般名詞でないということで。

【河合委員】それと、藤田先生が言われたように、見出しが「コミュニティで育つ、コミュニティを育てる学校づくり」で、こうすると、この学校をつくらなきゃいかんと急に短絡されると困るということがありますね。

【大宅委員】1つやると全部という発想があるんですね。ちょこっと風穴だけというのがなかなかいかなくて、これがいいとなると全部一斉にやる。総とっかえとか。

【金子主査】 一斉にやるのとは発想は逆なんです。

【石原委員】これを3つ並べたら私立学校の設置主旨と、ここでいうコミュニティスクールとバッティングはしないですか。

【田村委員】非常にそれで迷っているんですけれども、つまり仮にこの新しい学校が身分は公務員のままやるとなると、失敗したら公務員のまままたもとに戻るという話になりますね。そうするとその責任は誰がとるのか。私立学校の場合は失敗したら自己責任ですから、今の法律で言えば学校の財産は全部国に没収されるんです。そういう意味で自己責任をとっているわけです。そこのところの境目をどういうふうに考えたらいいのかなというので、ちょっと考えにくいという面があるんです。ただ、新しい可能性を、大宅委員がおっしゃったように風穴を開けるという意味では提案する意味はあるなと思うんだけれども、実際やるとなるとその問題が最大のネックになる。藤田先生が教員の身分という話をされたけれども、やるなら自己責任でやった方がいいと思うんです。公務員の身分を離れて、だめだったら責任をとるというふうにしないとおかしいと思います。

【金子主査】 それはかなりのディテールですね。

【田村委員】ただ、その際問題だと思うのは、税金を使って運営して失敗したときに、どこが責任をとるのかという話です。公立の場合、自分が身分を離れたから、それでいいんだということにならないでしょう。実際にやる場合どうしたらいいのかなというので迷っているんです。

【金子主査】 時間がちょうど12時になりましたので、今日いただいた意見を踏まえまして、一方主張が薄まらないように、しかし、文章を切って、なかなか難しいと思いますが工夫してみます。最後にもう一言だけ、最初の1ページに返って、こういうメッセージでいいかということだけ確認させていただいて、あとは私にお任せいただきたい。

【藤田委員】1ページのバージョンアップの丸ポツの3つ目、「学校は情報を開示し、評価を受け、自ら変わる努力を」というのは、これを2つに分けていただいた方が私としては有り難い。それで評価については。

【金子主査】 ここで賛成反対があったと書くのはちょっとしんどいですね。

【藤田委員】書けないんです。自己評価・内部評価は必要だし、自ら変わる努力も必要だし。

【金子主査】 「一定の評価を」と書きますか。

【藤田委員】「評価を受け」じゃなくて、「評価を踏まえ」にしましょうか。「受ける」というと誰かが評価する。外部の第三者なり誰か。だけれども、「評価を踏まえ」なら自己評価・内部評価も含まれます。

【金子主査】 わかりました。じゃ、その方向で。

 私の考えは、これで議論が終わるものではなしに、いろんな考えを出していって、それこそ公聴会もあったり、講演会、シンポジウムもあると思います。反対賛成があってもいいと思います。どうもこういう報告書というのはまとめすぎる傾向にあると思います。まるく収めるのではなく、こういう意見があったし反対もあったということで、まさに国民会議にふさわしいんじゃないかと思います。今日の意見は十分に踏まえ、あとは評価を受けることになります。

【藤田委員】全体会の前に、その案ができたところで一度配っていただけますか。

【金子主査】もちろん配ります。

【藤田委員】それで場合によっては適当なコメントを。

【金子主査】 もうこれ以上の調整はしたくないと思います。あとは私にお任せいただくということでいかがでしょうか。

【藤田委員】ただ表現上ここはぜひ、例えば、こういうふうにしてほしいという要望を。もちろん全体会でまた議論するわけですから、いいといえばいいんですが。

【金子主査】 これは全体会への報告で、もちろんマスコミに出ますが、中間報告にどう盛るかは当然全体会で議論してからです。このまま出るのか、それとも3つをあわせるのかということについては何回か議論することになるでしょう。

【藤田委員】だから全体会に出る段階で、既にマスコミには出るわけですね。

【金子主査】 第2分科会の報告としては出るわけです。

【藤田委員】もちろん、そんな大幅な変更とかいうことでは多分ないと思いますけれども、微妙なところで、例えば今の表現のように、「受け」を「踏まえ」にしてほしいとかという程度の微調整であるならばいいんじゃないでしょうか。

【金子主査】それをやりますと、もう一回部会をしなきゃいけないことになりますので、今日の意見をなるべく踏まえて私の責任でやらせていただくということでいかがでしょうか。

【石原委員】前にFAX等でお送りいただければありがたいと思います。

【金子主査】 それでは、そのようにさせていただきたいと思います。どうも長い間ありがとうございました。

【銭谷教育改革国民会議担当室長】事務局からでございますが、今日、御議論のベースになりました第2分科会審議の報告は、今のお話のように、もう一度主査のところで最終案文をつくりますので、今日の資料はぜひ取扱注意ということでお願いしたいと思います。今日この後、主査から記者に対するブリーフは行いますが、そのときにも、この資料は使わないで、口頭で主査の方からお話ししていただくことになると思います。その点よろしくお願いいたします。

 なお、マスコミへの公表、日程のセットはこれからでございますが、今、金子主査からお話しございましたように、公表の前には、もちろん各先生方に、この案で公表しますということはお送りしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【藤田委員】ほかの部会の案も送っていただけますか。

【銭谷教育改革国民会議担当室長】ほかの部会は、第1は明日が最終回、第3は7月26日が最終回でございます。3分科会そろって発表するのかどうかは最終の詰めをすることになりますが、概ね各分科会とも、月内には発表することになると思います。もちろん発表いたしましたほかの分科会の報告書はきちんと先生方にはお送りをさせていただきたいと思っております。

 なお、全体会は、8月20日過ぎの週から再開することを予定しております。できるだけ前広に全体会の日程を決めまして、早目に御連絡をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【金子主査】 ありがとうございました。お疲れさまでした。