教育改革国民会議

教育改革国民会議第3分科会(第4回)・議事概要



(日時) 平成12年6月23日(金)12時〜14時

(場所) 虎ノ門第10森ビル5階会議室

(木村主査)
 本日は、主として高等教育までにおいて「独創的、創造的な活動のできる人材」をいかに育成するかについてご議論いただきたい。
 東大の後期入試は、ペーパーテスト+面接+小論文試験であり、この試験の導入に期待していたが、短期間で多くの受験生の合否を出すことは困難であり、結局、後期試験での入学者は1割にとどまっている。全体的に見ると入試は変わってきてはいるものの、上位の大学の入試はあまり変わっていない。多様な入試が必要である。

(クラーク委員)
 多摩大学の入試は、ペーパーテストが3分の2、推薦、面接、小論文等が3分の1であるが、入学後の成績から判断すると、ペーパーテストが一番信頼できる。また、入試科目は欧米並みに増やし、全面的能力を試すべき。

(木村主査)
 推薦で入学した学生のほうが優秀である大学もあり、各大学により異なる。

(草野委員)
 過去20〜30年間に大学入試システムは随分変わり、受験生やその親は振り回されてきた。大学入試システムの定着が必要である。

(牛尾委員)
 子どもの数が減る一方で、大学はどんどん増えており、大学間の競争が質を高めるチャンスである。大学側も序列を付けられることに対する恐怖を取り除かなければならない。
 大学院を重視し、質を高めるということであれば、子どもの早熟化を考慮して、大学は3年間でもよい。大学に飛び入学する者、飛び入学して3年で卒業する者など、多様な入学・卒業の制度を思い切って議論するべき時期にきている。優秀な人を待たせる必要はなく、どんどん先に進ませればよい。大学入学の年齢制限は外した方がよい。
 大学が増え、誰でも入学できることになるなら、成績の悪い者は落第させるなど、出口管理をし、成績が悪ければ、少なくとも大学院には入学できないというようにするべきである。

(木村主査)
 大学入学の年齢制限撤廃について、本分科会で異議はないようだが、小・中学校段階の飛び級についてはどのように考えるか。

(クラーク委員)
 飛び級を行うならば、キャッチ・アップが早い小・中学校段階の方が望ましい。小学校入学を早くするのもいい。大学での授業についていくためには、高校では3年間きちんと勉強したほうがよい。

(牛尾委員)
 現実の子どもの成熟度と学校制度との乖離があるので、きちんと調整しなければならない。子どもの早熟化に加え、ほとんどの子どもが幼稚園や保育園に通っている現状を踏まえれば、義務教育9年間を5歳から14歳までと1年間前倒しすることを考えてもよい。

(田中委員)
 入試の方法だが、現行のセンター試験を達成度試験に変え、その後各大学による個別試験を行うようなAO方式に変えていってはどうか。もし、AO入試を充実・拡大していくとするならば、専門職の育成や専門機関の設置も不可欠である。
 基準を多様化することに対する反発は強く、AOに対しても恣意的だという批判があるが、各大学の裁量で今までのような画一的入試文化を変えていかなければならない。
 また、卒業生の品質保証をしっかりするため、キックオフ(落第)制度などの出口管理も考えるべき。

(クラーク委員)
 大学における独創性、創造性の育成ということを考えると、入試よりも、大学でのゆとりのない教育が問題である。一つのテーマを深く突っ込んで学ぶには、大学での124単位は多過ぎる。だから取りやすいものに集中する。単位数を各大学に自主的に任せることはできないのか。

(木村主査)
 日本の大学にゆとりがないことはない。単位についての大学の裁量は大きい。問題は、いかに学生に勉強させるかということであり、単位の問題を考慮しつつも、勉強させる仕組みや教科内容の充実を図る方策を考えることが重要である。

(浜田委員)
 単位数と卒業生の質との因果関係は明確でない。大学全入時代を迎えるに当たって、抜本的な改革が必要であり、徹底した自由化を行うなど、思い切って踏み込むべき。

(クラーク委員)
 大学を評価する基準が偏差値しかなく、大学の質が不問になってしまっている。外国のように、民間による客観的な評価をやるべき。

(黒田委員)
 大学評価は増えており、結果もきちんと公表されている。学内でも、学生をはじめ、教官、卒業生に対するアンケートなど、外部評価も行っている。

(牛尾委員)
 国民会議の役割は、今後50年を見据えた抜本的な改革案を提示し、発想の転換のきっかけを作ることである。徹底的な自由化ということを考えてもよいのではないか。
 会社にしても何にしても格差があるのは当然なのだから、格差を認めていかなければならない。世論と時代の流れを背景に議論をし、良いことはそのままにして、悪い習慣はやめていく方向を示すのが国民会議の役割ではないか。

(田中委員)
 文系の独創性、創造性についても考えなければならない。文系は文系、理系は理系、という発想はやめて統合化し、異なる分野を2つ専攻するダブル専攻のような制度で、独創性、創造性が生まれるのではないか。

(河野委員)
 高校入試についても、ペーパーテストだけでよいのか、ボランティア経験なども考慮していくのか。

(牛尾委員)
 大学入学までの間に試験が多すぎるのは事実である。中高一貫についての議論もしていきたい。

(木村主査)
 中高一貫については推進活動が行われているが、なかなか進んでいないのが現状である。中高一貫校をはじめ、多様な学校の中から選択できるようにしていくこと、選択して合わないようだったら他の学校に移れるシステムを用意しておくことが重要。

(田中委員)
 9月入学を推進する理由の一つとして、4月に卒業してからの半年間にボランティアなどをすることができるということが挙げられる。海外の大学との互換性もある。

(牛尾委員)
 高校卒業後、大学入学までの半年間を空白とするということに対しては、議論が百出すると思う。

(クラーク委員)
 高校段階での卒業試験をしないから、入学試験がますます決定的になってしまう。

(河野委員)
 教師の数や質について特段の配慮をした上で、少人数教育を推進することについては反対がないだろう。ぜひ実現してもらいたい。

[文責は教育改革国民会議担当室]

(注)本議事概要の内容については、今後変更の可能性があります。