(日時) 平成12年7月19日(水)18時〜20時
(場所) 虎ノ門第10森ビル5階会議室
【中曽根総理補佐官挨拶】
【山下参議院議員挨拶】
【西川衆議院議員挨拶】
(木村主査)本日は、前回に引き続き「職業観、勤労観の育成」についてもう少し御提案、御協議をいただいた後、審議報告書(案)について御議論いただきたい。
【銭谷担当室長より配布資料及び審議報告書(案)「3.職業観、勤労観を備えた人材の育成」について説明】
(草野委員)
外国におけるインターンシップ制度はどのようになっているか。
(江崎座長)
アメリカでは、企業で学生が積極的に仕事をする「サマージョブ」というものがある。
(木村主査)
イギリスの場合、大学入学が9月なので若者にはモラトリアム期間があり、その間に実社会で経験を積むことができる。最近では大学のカリキュラムでも社会経験を積むことを重視しているなど、イギリスの状況も随分変わってきている。
(河野委員)
生徒や学生のインターンシップだけではなく、先生の企業研修などももっと推進すべきではないか。
(田村委員)
我が校には毎年のように、イギリスの高校生が大学入学決定後半年間ほど来るが、日本の高校生に比べてとても大人である。
(クラーク委員)
欧米の子どもは小さな頃から、学校や家庭以外の様々な活動に参加しており、それが日本と欧米の成熟の差を生み出すのではないか。
(牛尾委員)
最近の自然科学系では、「求能力−求職場」のように自分のやりたいことが固まっている学生が多くなってきている。社会科学系でも大学院生になると、自分に合ったものを探して仕事を決めるという者が出てきたものの、依然として、「求会社−求人物」というように、職業や仕事に対する意識なしに会社に入るという傾向が強い。
(木村主査)
理系の学生の方が文系の学生に比べ職業観が確立されている一因として、教師とのコンタクトや学生同士のコンタクトが濃密であるなど、大学におけるトレーニングのされ方が違うことが挙げられるのではないか。
(浜田委員)
企業人が学校で「先生」になるという記述があるが、企業人なら誰でもよいという訳ではなく、「適性のある」という条件を入れてもらいたい。
(牛尾委員)
景気の悪い時に採用した学生は基本的に優秀であり、最近、勤労観・職業観はだんだん良くなってきたといえるのではないか。
(河野委員)
上場企業ではおよそ5人に1人が中途採用であるように、雇用の流動性が高まっている。就職が厳しくなれば自然に職業観は高まるのではないか。
(黒田委員)
ささいなミスによる技術的トラブルが続発しているなど、自分のやっていることが全体の中でどういう位置づけで重要なのかという責任感や倫理観というものが、今非常に問題になっているのではないか。
(浜田委員)
職業観の中に責任感を常にセットで埋め込むような教育をしていかなければならない。楽をして良い結果を得ようとする、失敗しても責任を転嫁する、という価値観の浸透が問題である。
(木村主査)
職業に関する倫理や責任については、普通高校ではほとんど教えていない。インターンシップについても普通高校は7%しか実施していないが、専門高校は相当の数が実施している。産業と社会との連関は、全ての総合学科でカリキュラムとされているが、普通高校では全然教えていないのが実態である。
(牛尾委員)
子どもたちは、道徳を退廃させるようなコマーシャルを小さな頃から見慣れており、それが子どもたちの生き方や生活のスタイルを作っているとも言える。
(クラーク委員)
学校の問題ではなくて社会の問題である。日本の場合、社会に出るのが遅いので、大学を卒業してもまだ大人になれていない。
(木村主査)
イギリスにおける初等・中等教育の目的は、子どもが社会に出て困らないようにするということである。日本はそこに「心」を入れてしまっているから目的がはっきりしない。
【銭谷担当室長より審議報告書(案)「1.独創的、創造的な活動ができる人材の育 成」「2.高い専門性を持った、社会の各分野でリーダーとなる人材の育成」につ いて説明】
(江崎座長)
「子ども一人一人の才能を伸ばす」を「子ども一人一人が持って生まれた才能を見出し、それを育てる」としてもらいたい。
(河野委員)
就職活動の時期が非常に早いので、3年ですべての単位を取ってしまう学生が多い。成績表提出を就職活動の前提にするとしてはどうか。我々企業も心がける必要のあることだが、国民会議で取り上げてもいいのではないか。
(田村委員)
小学校入学を1年早めて5歳からとあるが、一律に導入するということか。
(木村主査)
スコットランドのように親の選択によるオプションとすることでよいと思う。親は自分の子どもを1年早く小学校に入れるか否かを選択する際に、子どもをよく見て、子どもについてよく考える。日本の社会はオプションがなさ過ぎるのではないか。
(草野委員)
オプションにして現在の日本の画一的な考え方を変えなければいけないということはよくわかるが、親の現状を考えると、ほとんどの子どもが5歳から小学校に行って、結局、落ちこぼれだけが残ってしまうという現象になってくるのではないか。
(河野委員)
親の判断だけではなく、学校の判断を入れてもいいのではないか。
(クラーク委員)
年令で機械的にやるのでなく、成熟度で判断すべき。ほかに大学9月入学は、高校卒業後の6か月間を、第1分科会で議論している奉仕活動の時期として活用することも考えられるなど、メリットが大きいので、もっと積極的に推進するよう強調すべきである。
(黒田委員)
大学9月入学の記述に「グローバル化の進展に対応するため」だけではなくて、「モラトリアム期間として」ということも入れておいた方がいいのではないか。
(クラーク委員)
ダブルメジャーは、幅広い教育を受けることができるということ以外に、専門と合わせて語学教育を集中的に行うことができるというメリットもある。
(江崎座長)
ダブルメジャーというのは、現在の日本の大学における専門学科とアメリカでいうメジャーの中間ぐらいのイメージか。
(木村主査)
どちらかというと旧制高校のような形で、例えば理系の人が理・工と取るのではなくて理・文とか、工・文と取ることができればよい。
(江崎座長)
高校で大学のコースを取れるようにするべきということを付け加えてほしい。アメリカなどでは、アドバンス・プレイスメントといって優秀な人が大学を3年間で過ごすための一般的な制度である。
(牛尾委員)
今でも大学の判断で行うことは可能だが、もっと推進せよと言うのも一つの方法かもしれない。
(田中委員)
プロフェッショナル・スクールの教育内容に教員養成も入れた方がいいと思う。
(中曽根総理補佐官)
教員はマスター取得が要件ということだが、教師になるための専門のマスター取得者に限るということか。
(木村主査)
大方は、教員養成のプロフェッショナル・スクールに進むが、そのほかの修士コースを修了した人が教員になることも考えてよい。
(山下議員)
大学教育の充実のところで、大学教員の採用を透明にすることと、教員評価の見直しを挙げてはどうか。いくら学生の成績評価を厳格にしたところで教える側の緊張感がなくてはならない。
(木村主査)
評価は私どもの機構でやらざるを得ない問題である。教官の採用については、公募がほとんどであり、透明性の高い人事をやっているところも多いのではないか。
(黒田委員)
私の大学でも人事は透明性が高く、研究だけではなくて教育に対する抱負というものも評価の対象となっている。
(中曽根総理補佐官)
高専は、就職率100%で、評判も非常に高く、報告書でも言及すべきではないか。
(木村主査)
独創性、創造性を涵養するカリキュラムという点では、高専がとても素晴らしい取り組みをしている。また、インターンシップの実施率も高い。
[文責は教育改革国民会議担当室]
(注)本議事概要の内容については、今後変更の可能性があります。