| 浅利 慶太 | 劇団四季代表 | |
| 今井 佐知子 | 社団法人日本PTA全国協議会会長 | |
| 牛尾 治朗 | ウシオ電機会長 | |
| (座 長) | 江崎 玲於奈 | 芝浦工業大学学長 |
| 梶田 叡一 | 京都ノートルダム女子大学学長 | |
| 金子 郁容 | 慶應義塾幼稚舎長 | |
| 河合 隼雄 | 国際日本文化研究センター所長 | |
| 河上 亮一 | 川越市立城南中学校教諭 | |
| 木村 孟 | 大学評価・学位授与機構長 | |
| 草野 忠義 | 連合副会長 | |
| グレゴリー・クラーク 多摩大学学長 | ||
| 黒田 玲子 | 東京大学教授 | |
| 河野 俊二 | 東京海上火災保険株式会社取締役会長 | |
| 曾野 綾子 | 日本財団会長、作家 | |
| 田中 成明 | 京都大学教授 | |
| 田村 哲夫 | 学校法人渋谷教育学園理事長 | |
| 沈 壽官 | 薩摩焼宗家十四代 | |
| 藤田 英典 | 東京大学教育学部長 | |
| 森 隆夫 | お茶の水女子大学名誉教授 | |
| 山折 哲雄 | 京都造形芸術大学大学院長 | |
| 山下 泰裕 | 東海大学教授 | |
第 10 回 教 育 改 革 国 民 会 議 議 事 次 第
日 時:平成12年11月14日(火) 10:00〜12:00
場 所:内閣総理大臣官邸大食堂
【江崎座長】それでは、ただいまから第10回教育改革国民会議を開催させていただきます。委員の皆様方におかれましては、御多忙のところ御出席を賜りまして誠にありがとうございます。本日は、新たに就任されました福田官房長官が御出席でございますので御紹介申し上げます。
【福田官房長官】福田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【江崎座長】なお、森総理は国会開催中であり、御都合がつけばこちらに御出席いただけるものと伺っております。
第10回会合の開催に当たりまして、一言ごあいさつ申し上げます。皆様方には、去る9月22日に中間報告をお取りまとめいただいた後、引き続き10月以降福岡、大阪、東京、新潟での一日教育改革国民会議に御出席いただくとともに、学校視察にも御参加いただくなど、誠にありがとうございます。今後は国民の皆様からの御意見も踏まえながら、年内の最終報告に向けて更に論議を深めていただくようお願い申し上げます。また、本日を含めて今後4回の全体会議の開催を予定いたしております。年末のお忙しい時期とは存じますが、皆様方におかれましては何とぞ審議に御協力賜りますようお願い申し上げまして私のあいさつといたします。
それでは、議事に入らせていただきます。まず、委員の皆様に御出席いただいた全国4か所で開催いたしました一日教育改革国民会議(公聴会)の概要と、新聞広告等を通じて国民の皆様から募集いたしました教育改革国民会議意見募集の概要につきまして、事務局の方から簡単に御説明していただき、その後、皆様にこれらの意見を踏まえて御議論していただきたいと存じます。それでは、銭谷室長からよろしくお願いします。
【銭谷担当室長】一日教育改革国民会議の概要と、国民の皆様から寄せられました御意見の概要につきまして簡単に御説明をさせていただきます。
まず、お手元の資料の2−1「一日教育改革国民会議の概要」の資料をご覧いただきたく存じます。ただいま座長からお話がございましたように、一日教育改革国民会議は 10月14日の福岡を皮切りに大阪、東京、新潟と全国4か所で開催いたしました。福岡、大阪が各8人、東京、新潟が各10人、合わせて36人の方に意見発表をいただきました。また、各会場6人から7人の委員の皆様方に御出席をいただきました。延べで27人の委員の先生方の御出席を賜りました。一日教育改革国民会議は、まず意見発表者が全員意見発表を行いました後、発表者と委員の間で質疑を行うという形で進められました。
1枚めくっていただきますと、意見発表者の内訳が出ております。職業別構成は教育関係者が約半分、それ以外の学生、会社員、主婦の方などが約半分という割合になっております。性別では男性が75%、女性25%ということであります。年齢別に見ますと、40代、50代が中心となっておりますが、10代の方から70代の方まで、幅広い年齢の方に御意見をお伺いをしたということになっております。なお、意見発表者は公募し、文書で意見をお寄せいただきました方の中から企画委員会で御決定をいただいております。
さらに1枚めくっていただきますと、中間報告に即しまして事項別に意見の概要を整理しております。まず「人間性豊かな日本人を育成する」第1分科会関係では、家庭教育、地域の教育力の向上についての意見がかなりございました。家庭教育の支援方策を示してほしい、地域の教育力の向上が大切であるといった意見が多かったように思います。それから道徳教育についても御意見がありましたが、基本的にはその充実を図るべきだという意見が多かったように思っております。
資料の2ページの奉仕活動につきましては大変意見発表が多くなされました。4会場合わせて14人の方が、奉仕活動について何がしかの言及をしております。意見の中身といたしましては、上から4つは奉仕活動は大変重要な提案であるので、その導入に賛成であるといった観点からの御意見でした。中ほどの6つの意見は、奉仕活動に条件付きで賛成といいましょうか、趣旨としては大変結構なことだけれども、校種に応じた実施方法をよく工夫してほしい、広い意味での体験活動も考慮してほしい、あるいは生徒に選択の機会も与えてほしいといったような傾向の御意見でした。
下の4つの意見はいわゆる奉仕活動の義務化という問題に着目をいたしまして、そのことに若干疑問を持ったり、奉仕活動を皆に行わせる前に条件整備などが必要ではないかといった傾向の御意見でした。その他、奉仕活動につきましては、学校の先生方に奉仕の体験をまずしてもらうことが必要ではないか、学校だけではなくて家庭や地域と協力をして実施するようにしたらいいという御意見が見られたかと存じます。いずれにいたしましても、奉仕活動につきましては意見発表者の方々から活発な御意見が出されたと私どもは受け止めております。
3ページの「一人ひとりの才能を伸ばし、創造性に富む日本人を育成する」第3分科会関係では、一律主義を改め、個性を伸ばす教育システムを導入するという提案につきましてかなり御意見が出されました。全体として、習熟度別の学級編成、小人数教育、基礎知識の習得の徹底といったことをしっかりやってほしいという御意見が多かったように思います。
なお、4ページの大学入学年齢制限の撤廃あるいは就学年齢の弾力化につきましては慎重な検討をお願いしたいという傾向の意見も見受けられたところであります。
4ページの下の大学入試の改善、大学教育の充実、5ページの勤労観・職業観を育む教育につきましては、大学教育の内容改革、大学における教養教育の重視、プロフェッショナルスクールの設置促進、大学における職業訓練教育の充実、大学における出口管理をしっかりやるといった御意見が多かったように思います。また、就労体験、インターンシップの提言については賛成の御意見の発表がありました。
5ページの「新しい時代に新しい学校づくりを」第2分科会関係につきましては、教員の評価の問題につきまして随分活発な意見発表がありました。教員の評価につきましては一部の発表者を除きまして是非それを実施すべきであるという御意見が多かったように思います。それと合わせまして、教育改革には教師の意識改革が必要であるという御意見が多く見受けられたところでございます。
6ページの地域の信頼にこたえる学校づくりにつきましては、地域に開かれた学校づくりが必要であるといった御意見や、学校評価の導入について積極的な御意見がございました。一方で、学校評価につきましてはそのことが各学校の主体性、独自性を失わせるのではないかといったような観点から慎重な検討も必要であるという御意見もございました。いずれにいたしましても、開かれた学校づくり、それから各学校の特色を出すという方向につきましては賛成の御意見が多かったように思います。また、学校に組織マネジメントの発想をとの提案につきましても、校長に民間人からも登用するなど、非常に積極的な御意見が多かったように思います。
授業方法につきましては、習熟度別学級編成、小人数学級、パソコン・英語教育の充実といった事柄につきまして御意見発表がございました。
7ページの新しいタイプの学校につきましては2つほどの意見でしたが、非常に前向きにとらえる意見と慎重な検討が必要という意見が出されました。
最後に「教育振興基本計画と教育基本法」については、まず、教育振興基本計画につきましては、財政支援が教育改革に必要であり、これを是非作成してほしいという御意見と、もう少し具体的な中身を詰めてほしいといったような感じの意見が多かったように思います。
教育基本法について御発言をいただきました発表者の方は7人でした。基本的に6人の方が教育基本法の見直し、改正に前向きの御発言でした。意見の代表的なものとしては、教育基本法の改正が教育改革の起爆剤になる、教育基本法は現代の社会に余り適合しないものとなっているのではないか、あるいは、教育基本法の中に国際協力、国際理解教育の観点が欠けているのではないか、郷土、伝統、自然の尊重という部分が欠落しているのではないか、学校、家庭の役割の明記が必要ではないか、宗教教育について考え直す必要があるのではないかといったような御意見がありました。また、東京会場でしたが、大学生の方が邦楽教育がこれから学校教育で取り上げられるが、日本の音楽教育はそもそも西洋音楽中心になっていて、邦楽教育は先生方もよくわからない。音楽教科が伝統文化の誇りを子どもたちに伝えられる場になるように、基本法に伝統の尊重を加えてほしいといったような御意見がありました。
また、反対の御意見といたしましては、教育基本法の改正は教育の国家主義的な再編成であって反対であるという大阪会場での大学生の方からの御発言がありました。
以上のような御意見が一日教育改革国民会議の場で発表された御意見の概要でございます。
なお、資料2−2は4会場の議事概要ですので、後ほどご覧いただければと思います。
次に、9月22日の中間報告公表後、教育改革国民会議として、広く国民の皆様からの意見募集を行いました。参考資料の5にありますように、まず9月24日の日曜日に新聞広告により、国民から意見募集をいたしました。10月に江崎座長に御出馬をいただき、各週刊誌に江崎座長のインタビュー記事を載せていただき、その中でも意見募集を行ったわけであります。11月10日までに2,201 件の御意見が寄せられました。本日御用意した資料3は、そのうち10月31日までにお寄せいただいた御意見、2,086 件の概要をまとめたものであります。今回の意見募集は国民に対して、「我々の17の提案に対して、賛成ですか、反対ですか」という形の意見募集ではありません。提案を見て私はこう思うと書いてきてくれた意見を事務局で、そこに書かれている内容が提案の趣旨を積極的に応援していたり、賛成だと言っているものか、それとも疑問を呈したり、消極的に受け止めておられるものかということから一応の分類をしてみた資料であります。その点は、アンケート調査とは違うということを御理解を賜りたく存じます。
そこで資料3を1枚めくっていただきますと、どなたから意見を寄せていただいたかということですが、年代的には30代、40代の方が多く、性別では男性の方が6割ぐらいで、春の意見募集と大体同じような傾向であります。
資料3の2ページは、寄せられました御意見が何について触れられているのかということで整理したものであります。17の提案ごとに見てみました。なお、お一人の方がいくつもの意見を書いておりそれぞれに数えておりますので、この数を合わせますと2,086の意見の総数よりも多くなっております。そこで最も多かったのは、奉仕活動を全員が行うようにするという提案についての御意見でした。これが697 人の方であります。その次が、学校は道徳を教えることをためらわない。次いで、教育の原点は家庭であることを自覚する。ベストスリーは第1分科会関係でございました。4番目に多いのが、一律主義を改め個性を伸ばす教育システムを導入する。第3分科会関係です。次いで、教師の意欲や努力が報われ評価される体制をつくる。第2分科会関係です。ベストファイブまでに一応各分科会関係の提案が入っております。以下、ご覧いただきますような傾向でございますが、17の提案すべてについて御意見は寄せられております。
そこで、先ほど申し上げましたが、3ページは我々国民会議が出しました17の提案について、どんな感じの意見が寄せられているかを、好意的、積極的な御意見と、疑問を呈したり、消極的な意見というふうに分けてみたものであります。その他はどちらとも判別がつかなかったり、単に言及しているだけの御意見です。これはアンケートではありませんし、数がどのような意味を持つかは即断できませんが、ぱっとご覧をいただきますとおわかりいただけますように、全体的には大変好意を持って受け止められております。ほとんどの提案について積極的な意見の方が多いということであります。例えば番号で言いますと1の(1)(2)(4)(5)、2の(2)から(5)、3の(1)から(5)、4の教育振興基本計画など、積極的な意見が大変多いということであります。2の(1)の一律主義を改め個性を伸ばす教育システムを導入するは、2対1ぐらいの割合でございますが消極的意見があります。ただ、これは大学入学年齢制限の撤廃についてはやや消極的な意見があったということであります。積極的な意見と消極的な意見が拮抗しておりますのは、教育基本法の見直しについて国民的議論をという部分であります。一番意見が寄せられました奉仕活動を全員が行うようにするという提案につきましては、積極的な御意見よりも消極的な御意見の方が多かったということであります。
ただ、奉仕活動についての意見を御紹介いたしますと、5ページに記しております。奉仕活動を全員が行うようにするという部分につきましては、提案全体では積極的な意見が消極的意見を下回ったわけでございますけれども、消極的な意見の代表的な例を御紹介いたしますと、奉仕活動、ボランティア活動の意義は認めつつも、子どもの前に大人が行うべきという意見、自発性を大切にしてほしいという御意見、まずは条件整備が必要だ。すぐ全員にやるのは無理ではないか。こういったような御意見でありました。
奉仕活動を全員が行うようにする提案の中で、小・中は2週間、高校は1か月間の奉仕活動を行うという提言について触れた御意見は、積極的な意見と消極的な意見がほぼ同数でした。それから、満18歳の国民すべてに1年間程度の奉仕活動を義務づけることを検討するという提言については消極的意見が多かったように思います。ただ、いずれも奉仕活動の意義は認識しつつもというような感じの御意見であったということをあえて付け加えさせていただきたいと思います。なお、他の提案につきましてもそれぞれ代表的な意見を紹介させていただいておりますので御参照いただければと思います。
【金子委員】質問なのですが、3ページで一番下に同一文書の葉書による意見が78件あったというのは、これは1票と考えられるかもしれないと思うんです。その場合、5についてというのは教育基本法で上の表だと消極的意見は75と書いてありますね。それで、下については消極的意見は78というのは、その他の32を合わせて78ということでしょうか。
【銭谷担当室長】この78の意見は、印刷された葉書でした。意見は、全部印刷されていまして、差出人のお名前だけを書くようになっていました。明らかに葉書の数ほどいくらでも増えるものですから、これは計算に入れなかったわけでございます。
私からの説明は以上であります。
【江崎座長】ありがとうございました。それでは、審議に入ります前に企画委員会において今後の審議の進め方(案)を作成しております。この案につきまして、副座長の牛尾委員から御説明いただきたいと思います。
【牛尾副座長】2回にわたって企画委員会を開催をしました。それで、今後審議をどういう形でやっていくかというのはかなりいろいろな議論が出ました。
資料4を御参照いただきたいと思います。この「報告の構成・内容について」の前に「今後の審議について」というスケジュールがここに記載されております。この件に関しましても年内はむしろもう一度分科会を行い、これを徹底的に議論をして、最終報告を年を越して2月か3月ごろという案もかなり出ました。しかし、いろいろな議論の結果、やはり中間報告が大変評価が高く、新聞でも頻繁に掲載されていますし、最近はテレビ、雑誌でも教育改革を語らなければ視聴率が上がらない、雑誌が売れないというぐらい、世の中が教育改革国民会議の問題を非常に議論するようになってきておりますので、世間の関心が薄れないうちに中間報告の中身を先に一回報告するという結論が出ました。初めから年末までのスケジュールで最終報告を出したというわけではなくて、かなりそこにいくまでには紆余曲折がありました。その結果、今後の審議日程については今日14日と30日、12月11日、22日という4回の全体会議によって中間報告を更に進めて最終報告にしたいと思います。
(1)の方に「報告は中間報告を元に取りまとめる」ということに決まりました。ブルーの皆さんのお手元にある教育改革国民会議中間報告を軸にして報告をする。この第1ページ、3ページにある17の項目というのは大変にわかりやすくて、従来の行政の報告形式に比べて非常に理解しやすいのでこの形は残しまして、4ページ、5ページの「今なぜ教育改革か」ということについて第1分科会、第2分科会、第3分科会をそれぞれ通して、今回の教育改革国民会議が目指す教育改革とは何かということをもう少し端的に書きましょう。それで、第2次世界大戦の後の戦後の教育体系、戦前の教育体系というものに比べて21世紀を目指す今回の教育改革はどこに大きなポイントがあるか、どういう考え方を持つかということを、主に今回の国民会議の報告は具体的にやれることを報告するとなっておりますので、1、2、3の別々の部分と総括の部分でやはり2ページぐらいのものを書こうと考えています。それで、分科会別にそれぞれ議論をしまして最終結論がこれから出るわけですけれども、第1分科会に関しては曾野綾子先生の名文はそのまま引き続き本文に載せようという御意見もあります。第2、第3はそれぞれの具体的な提案の底流に潜む考え方を、分科会の冒頭にもそれぞれ5行ぐらい書きますが、この教育改革とは何かというところにもきちんとまとめて書こうということが第1のポイントであります。
第2番目の「人間性豊かな日本人を育成する」という第1分科会、「一人ひとりの才能を伸ばし、創造性に富む日本人を育成する」という第3分科会、「新しい時代に新しい学校づくりを」という第2分科会の提言については、これは中間報告では2ページになっております。それで、このブルーの中に書いてある各分科会報告はそれぞれ第1、第2、第3と文体が違うものを中間報告で出しましたが、最終報告ではこの分科会報告を添付しないので、それぞれの分科会報告を2ページから3ページぐらいにまとめて、しかも今回のこの中間報告のあった2ページと重ねて大体4、5ページのものにまとめることにしましょう。しかし、基本的な具体性については中間報告の姿をできるだけ崩さないようにしようと考えております。
同時に今、銭谷室長から御報告がありましたように、公聴会での大変貴重な御意見や、またいろいろなところから2,000何通にわたる意見書、そして新聞や雑誌やテレビにおける各種の論争、この中のメンバーの方もしばしば顔を拝見したわけでありまして、大変皆さん活発な御意見を展開されました。それに対して国民会議部内の人がまたさまざまな意見を展開をされております。こういうことを十分参考にしながら報告書の作成に当たろうと考えております。主に作成の段取りは企画委員が起草委員会になって、しかも3つの分科会の起草に当たられたメンバーの方の意見をそれぞれ主査の方が御意見を聞きながら最終的にまとめていこうと思っております。
それで、本日はこの中の第1分科会についての議論を行い、11月30日には第2分科会、第3分科会に関する議論を1時間ぐらい行い、その後、冒頭の2ページの基本理念の部分と教育基本法、これは前回問題を提起するという形になっておりますが、もう一歩踏み込んで切り口を示すとか、もう少し考え方を示すとか、環境の変化についての状況認識を示すとか、その辺のものを突っ込んで議論をしたい。また、同時に教育振興基本計画についても議論をしたいというのが第2回目になっております。今日と第2回目の議論を踏まえて第3回目の12月11日の第12回全体会議において全体の構造をつくった上で第1、第2、第3についてそれぞれ再度議論をして12月22日に報告を取りまとめる。
ただ、議論がなかなか収斂しない場合には、普通最終回に当たる全体会議は御苦労様でしたという会議になる場合が多いのですが、それをしないで議論することもあり得るという余地を残そうと考えております。そういう形で、今後の審議会の進め方について企画委員会でおおむねこの方向を出したので皆様に御了承をお願いしたいと思います。以上です。
【江崎座長】それでは、今、牛尾さんが既におっしゃいましたが、企画委員会(案)のように審議を取りまとめていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
ありがとうございました。それでは、承認いただいたものといたします。
審議に入りたいと思いますが、もう既に牛尾副座長がおっしゃったように、本日及び30日の全体会議は最終報告に向けて自由に論議していただきたいと思います。本日はまず第1分科会関係の「人間性豊かな日本人を育成する」に関して議論をいただきたいと思います。
これから、その分野の司会につきましては、私は12月に海外出張が予定されておりまして、実はノーベル賞受賞に招待されておりまして、12月の後半、中ごろは欠席させていただきますので、最終報告起草に関して日本で中心になっていただく牛尾副座長にお願いしたいと思います。それでは牛尾さん、よろしくお願いします。
【牛尾副座長】それでは今、申しましたように第1分科会を中心とした「人間性豊かな日本人を育成する」関連につきまして今日議論をしたいと思います。できるだけ多くの方に第1、第2、第3分科会の所属に関係なく議論をしてもらうつもりでありますが、御発言御希望の方は大変わかりにくいので目の前の立て札を立てていただき、発言は3分ぐらいにしていただきます。
今、配りました「人間性豊かな日本人を育成する関係の議論のポイント」、これは事務局が企画委員会の議論も網羅した上で、こういう論点があるのではないかということを書いた参考までに議論をしやすいように整理されたものであります。確かに、教育の原点は家庭であることを自覚するということの提言に関しては賛成も多いのでありますが、最近は非常に働く女性が多くなってきて、男女共同参画型社会において家庭というものが幼稚園や保育園や、あるいは地域社会、地域の教育抜きに本来の家庭教育をゆだねることが非常に増えてきています。そういう問題についても、一言やはり議論すべきではないかという議論が出ました。
それから、学校は道徳を教えることをためらわないという提言は、「ためらわないとは何か」という御意見で、言葉になっていないという消極的と言えば消極的でありますし、またわかりづらいと言えばわかりづらいという議論もありました。
奉仕活動に関しては奉仕あるいは自然体験、社会体験といった活動に関しては大部分が賛成ですが、それを事務的にやるとか、全員一緒にやるとか、毎年やるとか、そういう議論に関してはさまざまな議論が出ておりまして、第1分科会でも最も賛否両論、寄せられた意見に関してはかなり批判的な意見も多かったです。しかし、これはアンケートではありませんので、反対する人が参考に書くことが多かったということも言えるわけです。アメリカでは大体賛成する人が手紙を書く人が多いのですが、日本の場合は反対する人が手紙を書くことが多いという国柄であります。しかし非常に議論が多かった。だから、第1分科会の議論のお陰で第2、第3分科会に関してはまずこれを誉めておいて第1分科会だけは問題があるというような論文が多いので、第2、第3分科会は非常にいい思いをしたという気が私はしており、第1分科会の特に曾野さんには感謝をしております。
それから、問題を起こす子どもへの教育をあいまいにしないということは非常に積極的に支持する意見が多かったが、出た後はどうするんだという議論は本当に書かなくていいのかとか、有害情報から子どもを守るということに関しては非常に問題になっております。これをもう少し具体的に番組名、スポンサー名、有害情報の内容等を頭に入れつつ、やや問題にした方がいいのではないでしょうか。このようなことをきちんとすれば、インターネットの方にこれが響いてくるわけです。そういう点でプライバシーの問題も議論が出ました。
これは単なる参考までに議論いたしましたので、これから皆様から賛成、反対、追加等を含めて3分間スピーチを、1分500 字ぐらいですから3分1,500 字程度でお話しください。原稿を書いていらっしゃる方は大体要領がわかるはずですので、是非御協力をお願いいたします。では、御意見をちょうだいします。
【草野委員】最初に御提案があった進め方についてちょっと絡むかもしれませんけれども、基本的にはこれで結構だと思うんですが、必要な追加というのがここにありますね。これはどの辺まで追加するといいますか、基本的にはこの中間報告でまとめた17の内容からほとんど逸脱をしない範囲で議論をするのか。例えば短大の問題とか高専の問題とかあるんですが、私が言いたいのは幼児教育について少し触れた方がいいという意見が大分あったように思いますし、もう一つは今、企業ではいろいろなリストラその他がある中で生涯教育というものについての触れ方がちょっと足りないので、その部分を議論するのか、もうこの中間報告の範囲内で終わりにするのか。その辺はいかがなのでしょうか。
【牛尾副座長】これは企画委員会で議論がしばしば出まして、それは、今回の国民会議の中間報告は百貨店方式ではなくて専門店方式にしましょう。だから、抜けているものは山ほどあります。また、将来、まだ抜けたものが非常に重要になったら、2年後に第2次教育改革国民会議をつくるのも一つの方法だという議論もありました。
しかし、やはり現内閣が2年後に存在しているかわかりませんので、2年後とは、すぐではございません。そうなりますと、今のうち出た議論の中で17の項目で吸収できるものはその中で書いたらどうかということと、しかしそれはどうしても吸収できない。しかし、これはやらなければならないというものがあれば、最終報告が終わった後、国民会議はしばらく残ることになっておりますので、そこで3、4か月間希望者を集めてプロジェクトチームをつくって、全員参加というともう勘弁してくれという人がきっと半分以上いらっしゃると思うので、なおかつ情熱のある人を集めて、例えば幼児とか、生涯教育とか、特に前から出ている体育をプロジェクトチームとして来年若干やることになるかというようなことは最終回の議論を見たところで判断をしたいと感じます。
【沈 委員】ポイントというものもいただいたのですが、家庭教育について働く女性への支援方策が必要である。男女共同参画社会時代になってくると女性の進出が目覚ましいんです。そのために、保育所に預けられた子どもは年を追って増え、10時間拘束です。幼稚園でも5時間、しかも拘束されています。そうすると、こんな子どもたちに対する三つ子の魂は親ではなくて保育所や幼稚園において行われるとすれば、私たちは個々の幼児教育の現場の教育について十分考慮しなきゃならぬだろうと思います。
それともう一つ、公聴会の意見の中にも家庭教育への支援方策を具体化してほしい。具体的に示せと言ってあります。家庭は聖域であるということで、ほとんど行政が50年間手をつけてきませんでした。そのためにと言っては悪いんですが、相当惨憺たる結果になっております。見かねて文部省が家庭教育手帳とかノート等を各家庭に配給して、お互いの考える基礎を提供してきました。一部の評論家によっては、くだらない夢みたいなことを言っているとか、いろいろなことを言う評論があります。私は、70数か所に友達の手助けを得て調べてみました。みんな高評しております。1億人全部に直接適用するような、そういう家庭教育ノートは難しい。ただ、やはり一つの夢を掲げていく。その夢を基に具体的に下ろして各PTAで討論して、しかも小さな本になってポケットにも入れられる。こういう支援サービスを更にきめ細かくやってもらいたいという声が非常に強かったので、あのノートをつくった文部省の方々も是非自信を持って家庭教育への支援をやってもらいたいと思います。
【牛尾副座長】ありがとうございました。それでは藤田さん、お願いします。
【藤田委員】1つは先ほどの草野委員の質問とも関連するのですが、17の提案の中で、特に異論や反対意見のあったものをどう扱うのかという点です。例えば、先ほどの寄せられた意見の分布を見ましても、奉仕活動・共同生活などについては、賛否両論たくさんの意見が寄せられていますが、とくに批判的な意見をどう考えるのでしょうか。私も17の提案の7つほどについては、いろいろ異論や反対意見を述べてきましたけれども、特に第2分科会の提案の中で、学校選択の自由化でありますとか、学校を評価し、それを公表するとか、それから中高一貫校を約半数程度にするというような提案については、制度的に非常に重大な初等中等教育の改革になりますから、私自身は今でもこれを盛り込むことに反対なんですが、その点について最終報告での取扱いはどうなるのでしょうか。多くの委員の先生方が賛成すればそれはやむを得ないとは思いますけれども、そういう反対意見の扱い方についてお聞きしたいと思います。
それから、これらの提案については必ずしもたくさんの意見が寄せられてはいないようですが、私はこれこそ専門的な判断が問われる実質的に非常に重大な問題だと思いますので、次回でも構わないと思うんですが、全体会でもう少し詰めた議論をしていただきたいと思います。
もう一つは、先ほど牛尾さんの御説明の中で言及された奉仕活動についてですが、小中学校で2週間、高校で1か月という提案になっていますが、私はそれぞれ1回、合計で3回のつもりなのだろうと思っていました。しかし、もう一方で毎年やるということなのかなと思うこともあって、どちらのつもりなのだろうと思いながらも、どちらにしても大変なことだと思って、多分に批判的ないし消極的な意見を述べてきました。もちろん趣旨はわからないではないので、先ほどの制度改革の場合とは違って、全く反対ということではないのですが、毎年なのか合計3回なのかという点については、特にここで明確にする必要がないのかどうかを御検討いただければと思います。
【牛尾副座長】はじめの方の御趣旨の問題に関しては企画委員会でも議論はしました。それで、例えば今の第2分科会の件に関しては次の時に行いますけれども、やはり議論をしてほとんど大勢が原案どおりでいいんじゃないかという時はそれは採用していただく。しかし、若干の数のある、あるいは非常にもっともだという場合には少数意見として併記をするというふうに考えたいと思います。
それから、奉仕の問題に関しては今日議論をしまして、どういう表現にするかという表現方法にかかってくると思うし、これは教育基本法にも裏腹に絡むような話でありますので、今日と次の会で十分議論をして、なおかつここは大事だという問題に関しては3回目まで議論を持ち越したいと思います。この中でまとめる視点も大事ですが、国民に向かってわかりやすいような表現をしないといけないと思います。我々国民会議ですから、最終的なポイントは国民にどう語りかけてどういうふうに思ってもらうかということが一番大事です。そのような点を考えつつ修文をしたいと考えています。以上です。
【田村委員】先ほど、沈委員から発言された保育所の教育内容というのは私も全面的に非常に重要なことだということでコメントする必要があると思いますが、同時にそういうところに預ける家庭のいろいろな財政的な支援と言いましょうか、そういうこともやはり視野に入れざるを得ないのかなと思いまして、現状を考えながら男女共同参画社会が成り立つような意味で、その点についてのコメントを是非付け加えていただいた方がいいんじゃないかというのが1点です。
もう一点なんですが、これはクラーク先生は前回おっしゃっておられましたことで、実は中学校の見学会の時にお伺いした話ですが、奉仕活動あるいは職業体験活動みたいな活動をする際に学校外に出るものですから、現場が一番気にしているのは学校の場合の常なんですが、事故に対する補償なんです。これは現状では基本的にはないわけですから、それぞれの教育委員会とかその場その場でやっている、あるいは保険に入るとかしてやっているようなんです。そのことについてやはり条件を整えるという条件整備の問題だとは思いますが、決定的に影響があるような感じがありました。現場の校長からその要望も出ましたので、それを御報告しておきます。
【クラーク委員】習志野の中学校に見学に行きましたけれども、たった1日だけの体験教育のために分厚い資料も用意して、けがになるとどうなる、学校の責任になるとか。2日だけ夏休みに磐梯山に登る。そのためにガイドさんをたくさん募集して、万全を期する。これは確かに日本の文化なんです。
日本は几帳面な反面、過保護社会なんです。ただ事故の問題はうちの大学も同じ問題があったんです。夏休みに奉仕活動に参加させたかったんですけれども、万一の場合にけがをしたら学校の責任だという声が強くて、規模を小さくした。もし奉仕活動がそんなに大事であれば、私は賛成なんですけれども、けがのリスクを、誰が買うか考えなくてはならない。文部省が賛成している奉仕活動とか体験教育とか、あるいはボーイスカウトにおいて。特にこれはボーイスカウトにとっては大きな足かせなんです。日本のボーイスカウトの活動内容はなまぬるいんです。外国だったらすごいワイルドです。必要があれば野宿させるんです。日本では全くできないんです。いずれにしても何かこの国民会議の方から、あるいは文部省でもいいんですけれども、もし奉仕活動がそんなに必要だと思えば、国がそのリスクの負担をすれば、何か保険制度を導入してはいかがでしょうか。
【曾野委員】どういう頻度とか期間でやるかということは、私は実は現場でないのでこれはある程度現場にお任せして御意見を伺おうと思っていたのでございますけれども、私の中のアイディアは小・中・高、それぞれ小6、中3、高3の1回のみです。しかし、継続して2週間ならば2週間、1か月ならば1か月ということです。それもできるだけ夏休みの続きの、ある意味でだらだらした後のまだ学業に入る前の段階とか、それは適切なところを専門家にお選びいただきたいという考えです。
目的は、それまでそれぞれの教育段階において子どもたちは与えられることのみをしてきました。その2週間なり1か月において、初めて与える側に回ります。そして、それを勲章としてというか、「はなむけ」として送ってやりたいと思います。そして、それによって自信をつけて大人に近づいていくということです。大人というのは受けて与えるものです。その状況に近づいてまいります。
そしてその中で、これは極めて具体的になりますけれども3つぐらいあります。禁止してある種の禁欲的な生活に耐えさせるようにする。1つは携帯電話の禁止、テレビの時限的視聴、これは全然認めなくてもいいんですけれども、どうしても見たいものがあればそれだけしか見せない。暑さ寒さに対する、あるいは食事に対するある程度の忍耐です。食事はもちろんちゃんと栄養的に計算したものですけれども、質素なものを食べさせる。暑さ寒さも、はい冷房を入れますなどというのではなくて、それぞれに今は寒ければ寝袋があります、暑ければうちわがあります。そういう生活に耐えさせるということです。そのようなことをやれることによって、自分はどのような人生にも耐え得るのだという自信をつけて、それをはなむけにしてやりたいということです。
【牛尾副座長】今の田村さんのリスクの問題はどう考えられますか。
【曾野委員】本当を申しますと、リスクのない人生はないんです。ですけれども、それは暴論でございますから。これをしなくても自殺したり殺したりしてもうリスクは起きているわけですね。ですけれども、今クラーク先生がおっしゃったようなことができればよろしいと思います。しかし、校長先生がそのことしか考えないという反応は非常に悲しいことです。
【河野委員】二点申し上げます。一つは、一番最初に書いてある「教育の原点は家庭である」というところで、結局、家庭と地域、学校という連携が大切だということですね。この役割ということを、もう少し具体的に書かなくてはいけないのかなと思います。それから、平成10年の中教審で9月ですか、学校運営の改善、教育委員会と学校との関係の見直し、学校裁量権限の拡大、学校の自主的自立的な確立、地域の教育機能の向上と地域コミュニティの育成などの答申というのが出ているんです。それで事務局に質問ですが、これとの関係を文部省では、今までどういうふうに整備してきたのかを教えていただきたい。
次に二点目ですが、奉仕についていろいろ意見が出ているんですが、全体として先ほどのお話のように、基本的には賛成ということなんですけれども、私はやはり「ボランティア」というのと「奉仕活動」を明確に区別すべきなんじゃないか、また、やはり奉仕活動の理念を明確にする必要があるんじゃないかと考えます。その趣旨では、私はある意味では強制も含んで奉仕活動はやるべきであろうと思っています。ただ、それには国民の理解というものが必要なんだから、例えば戦争中のことを思い出して滅私奉公とかすぐ思い出す人がいるのであれば、「社会奉仕活動」とか、「社会体験学習」とか、こうした言葉でもいいのかなということです。それから、18歳で将来的に義務づけるというところは、なぜ18歳なのかというのが、余り明確ではないのかなと、答えは私は持っておりませんので、その辺を論議したらどうか。この2つでございます。
【銭谷担当室長】今の河野先生からお尋ねの平成10年9月の中教審の答申でございますが、答申の内容は必要な法律の省令改正などによりまして実施されているわけでございますが、顕著な例で申し上げますと、例えば校長先生、教頭先生の資格要件の緩和とか、民間の方から校長先生になれるようになったわけです。それから職員会議というのが学校にありますけれども、これが今までどうも位置付けが不明確でしたので、職員会議の位置付けをきちんと明確化したということでございます。それから、学校評議員制度を導入したといったような内容が既に実質的実施済みでございます。
【牛尾副座長】ありがとうございました。それでは金子さん、黒田さん、山下さんの順にお願いいたします。
【金子委員】先ほどの事故の話ですね。私も校長なので日々そのことは心配しているんですけれども、そのことと奉仕活動の義務化について反対意見が多かったことに関してお話をしたいと思います。
慶応幼稚舎ではイギリスのドラゴンスクールというプレップスクールですけれども、そこと長年提携しておりますが、そこは毎年父兄同伴でアフリカに旅行して、野宿どころか水もないようなところに数日間ぐらい教員と父兄が子どもを連れて行くということもやって、大変それは効果を上げている。幼稚舎の方はアフリカどころか、イギリスとアメリカの施設がきちんとしているところしか行っていません。
一方で、この間幼稚舎の運動会があったんですが、そこでは騎馬戦とか棒倒しとか激しい競技をしますが、終わればまたみんな仲良くなります。
そういう一連のことを考えますと、事故が起こるかどうかについていろいろな分厚い資料を作るとか、だれが責任を取るかということ、ないしは国が補償するとか教育委員会が補償するとか、保険をかける。これは大事だと思います。やった方がいいのですが、やはりある種の信頼関係があるかないかで全然違う。実はそのことが教育じゃないかと思います。ですから、全然知らないところに子どもを連れていってばっとやって何か事故が起こったということと、普段から地域の老人ホームでもいいし、いろいろな施設でもいいし、演劇とか芸術の活動でもいいんですけれども、普段からやっている。その中でもし万が一不幸にして何か起こった場合には、保護者もそれなりに理解をする。学校の方もそれなりの責任を取るというようなことこそがここの鍵ではないか、教育委員会は何かしろとか、文部省が補償するからということで全国の校長先生を安心させるというのは実は逆じゃないかと思います。
ですから、私は曾野さんの言うように与えることに喜びを感じるということを本当にみんなに知ってもらいたいんですが、教育改革国民会議が義務化というと、何か国が補償してくれるんじゃないかと思ってしまうのではないか。やはり学校が普段から地域といろいろなところといつも交流を持ち、その中で多少のことがあっても、それはみんなでもってカバーし合うというようなことを自分でやるというようなことを是非とも学校、校長も含めて、それは地域との連帯ということもあるから第2分科会とも関わるんですが、その辺のことをもう少し表現できれば、多分いろいろな誤解というのがなくなって我々の真意が通じるのではないかというふうに思います。
【牛尾副座長】国民にそれを訴えないといけないですね。どうもありがとうございました。それでは黒田さんどうぞ。
【黒田委員】2点ございますが、1つは奉仕活動についてでございまして、前から申し上げていたんですが、小学校で2週間といいますが、小学校の低学年と高学年とでは全然違うんだと。それで、小学校の時は何も家庭の外で共同生活をしなくても家の手伝いをするとか、親と一緒に地域の清掃とか、ボランティア活動を親と一緒にやるという方がよほど重要ではないか。2週間、外で無理矢理、共同生活をするということはまた別の、体験という意味では重要だと思うものの、人のために働く、何かすることの喜びというのはちょっと違うんじゃないかと考えております。
ただ、今の曾野委員の発言では奉仕活動が高学年に限られるということですと、私の今申しあげた意見はちょっと違うかなと思うのですが、できたら共同生活ということだけではなくて、人のために何か一生懸命やることに対する喜びを感じるために、小学校低学年でもそれこそ幼稚園も含めてですが、家庭の中で、あるいは地域で何かやるというようなことを入れていただくとありがたいなと思います。それが第1点です。
それから第2点は、教育の原点は家庭である。全くそのとおりだと思うのですが、先ほどから出ている働く女性の支援策が必要であるということ。それから、沈委員がおっしゃった保育所、幼稚園で非常に長い時間子どもの教育に大きな影響を与えるところがちょっとおろそかになっているということも全く賛成です。提言というのはできるだけ具体的にということになっておりまして、例えば3番で企業は年次有給休暇とは別に新教育休暇制度を導入するということになっているんですが、余りその具体的な内容というのは、私は第1分科会にいないからなのかもしれませんが、具体的に本当にどういうことをやろうとするのかというのは見えていない。それと、働く女性の支援あるいは長時間働かなければいけない男性も含めて、具体的にどうなるかというのはもう少し踏み込んだ方がいいような気もしております。以上の2点です。
【牛尾副座長】今の黒田さんの御質問に第1分科会の方でどういう意味か、御説明できる方はいらっしゃいますでしょうか。
【森 委員】それは、従来の有給休暇のような、家庭で子どもと一緒に過ごす休暇ではなくて、学校教育への参加の休暇なんです。PTA活動とかその他ですね。そういう休暇制度を設けてほしいということです。これは企業にお願いするしかないんですが、あるいは政府の方でそういう立法化してもらってもいいんですけれども、なかなか難しい問題かと思いますが、一つの戦略的な提言です。ですから、具体案はまだ煮詰めていません。
【黒田委員】例えば、子どもが小さい時には早く帰ってもいいというようなことまで考えているんですか。あるいはちょっと労働時間が短くても構わないとか。
【森 委員】そういうフレックスタイムのようなことですか。それも選択肢として考えられるかもしれませんね。
【牛尾副座長】では、山下さんどうぞ。
【山下委員】長らく欠席しておりまして申し訳ありません。牛尾さんの方から先ほど体育の問題がありましたけれども、まずそれについて少し発言させていただきたいと思います。
私自身、ここに参加させていただいて初めに体育、スポーツありきではない。やはり何を目指していくのかがそれこそ大事であって、それを具体的にどうやって青少年に認識させていくのかというところで、やはりスポーツ、体育の役割というのは出てくるのでないか。ですから、今までそういうことについて余り発言をしてきませんでした。
しかし、人間性豊かな、あるいはたくましい思いやりのある子どもづくりとなってきますと、体育・スポーツは不可欠ではないかと思っています。果たせる役割があると思います。本来の肉体的たくましさだけでなくて、相手を思いやる心とか、それから協力、我慢、勇気、決断力、礼儀、こういったものというのはやはりスポーツの中で本来は培っていけるものだと思うんです。あえてここで本来という言葉を使いますのは、スポーツの中でも、今見ていますと余りにも勝ち負けだけにこだわった今の社会の結果至上主義と同じような勝利至上主義に傾き過ぎている部分もありますし、スポーツを通して青少年を育むという視点が欠けている指導者も多いところはあります。それはこれから是正していかなければいけないのではないかと思っています。
それから、青少年だけではなくてスポーツというのは今の利便化した社会の中で生涯を通して我々大人も生き生きと生きていく上でも不可欠ではないか。ですから、具体的に実行していく上で体育あるいはスポーツの果たす役割があるのではないかと思っています。
それからもう一つ、スポーツと離れまして曾野さんの与える喜びですけれども、これはやはり人生の生きがいに非常につながっていく。生きる喜びにつながっていくと思うんです。子どもたちに与える喜びというものを学ばせる、感じさせる、これは非常に大事じゃないか。我々大人でも得ることだけ、得る喜びは知っていても与える喜びを知らない人が多いです。私は得る喜びよりも与える喜びの方がずっと大きいんじゃないかと。私自身が恥ずかしながらそのことについて感じて知ったのはここ5年ぐらいじゃないかと思うんです。そういう意味から言いますと、自分がだれかに与える。あるいは、だれかの役に立つ。これを子どもたちに早い時期から学ばせる、感じさせる。これは私は非常に大事なことじゃないかと思っております。
【牛尾副座長】ありがとうございました。続きまして河合さん、木村さん、浅利さん、今井さん、田中さんという順で2回目の発言はちょっと待っていただきます。
【河合委員】まず道徳教育でございますが、これは初めに言い出した時と比べまして、最近では先生方も非常に肯定的な人が増えてきたと、私は現場の先生と接して思っております。ただ、どうもどういうふうに教えたらいいかということで戸惑いがあるような感じがするんです。だから、道徳教育をどうしたらいいかという研修とか、そういうことをもっといろいろ考えてくださったら先生方ももっと熱心になられると思います。それが第1点です。
それから次は家庭教育の問題です。これは黒田さんの言われたこととも関係しますが、実は労働省の方で「長期休暇制度と家庭生活の在り方に関する国民会議」というのがありまして、私は座長をしていたんですけれども、つまりもっと男性が休暇を思い切って取って家族で何かするということをもっとやろうじゃないかというので、大分そういう提言もしておりますので、そういうところとも関連して、もう少し企業の方で家庭教育、家庭で一緒に行動する休暇を奨励していただきたいと思っております。
それから、体育のことでございます。私も非常にこれは大事なことだと思っているんですが、山下さんが今度こういうことをもしされるのだったら絶対にしてほしいのは、強い選手だけが試合をして、弱い選手は常に応援をして忍耐力を養うというのを少しやめていただいて、野球でも学校を代表して戦うチームもあるけれども、その他に2部も3部もある。そうでないと、極端なことを言うとずっと応援ばかりしている選手がいるんじゃないか。だから、それは2部で頑張り、3部でも頑張る。これは野球だけではございませんが、いろいろなところですべての人がいろいろな対抗試合などにどんどん出られるシステムを考えてもらえるといいんじゃないか。これは実はラグビーの平尾さんがそういうことを非常に強調しておられますので、考えていただきたいと思います。そうでないと、私は弱かったから覚えがあるんですが、ずっと出られないという感じになりますのでよろしくお願いします。
【牛尾副座長】道徳教育というのはどんな先生を頭に浮かべていらっしゃるんですか。
【河合委員】これはすべての先生が道徳教育をやることになっていまして、小学校の先生などもやろうとするんだけれども、やはり副読本にしても決まり切ったようなものが多い。そうすると、みんな昔の修身教育が頭にありまして、これは嫌だと思うんですね。ところが、必要なことはみんなわかっているわけです。そうすると、どう教えたらいいか。
ここにも一つ提言が出ていますね。社会的にいろいろ経験した人に来てもらって話を聞く。これは大分始まっております。しかし、先生がされる時にもうちょっと副読本の内容を考えるなり。
【牛尾副座長】このマニュアルというのはだれが書くのですか。
【河合委員】副読本は教科書会社がいろいろやっているし、文部省もちゃんとやっていますが、ちょっと我々から見ると副読本はだれが見ても答えがすぐわかるというふうなことで面白くないので。
【牛尾副座長】反面教師がいっぱい出ている方がいいですね。
【河合委員】その辺で、ではこういうのもあるじゃないかとか、こんなやり方もありますよということで今、研修は非常に盛んになっていますけれども、もっといろいろやってくださればと思います。
【中曽根補佐官】道徳教育の副読本の問題は大変な大事な問題で、子どもたちが自分でしっかりと読んで、学べる、あるいは、家庭で親がそれを教材にしながら子どもに道徳的なことを教えられるものが必要との観点から、平成14年4月から全国の小中学生全員に道徳の教材を作成して配布することを、平成13年度予算で要求しております。副読本は各教育委員会などでいろいろ作成していますけれども、文部省で作成する教材についても、内容についてはいろいろ御指導いただければと思います。
【木村副座長】少し話題を戻すかもしれませんが、金子先生が先程御発言になった点についてコメントしたいと思います。私も心情的には事故の問題について金子先生の御意見に賛成です。私の友人に北海道で長い間、都会の子どもたちを呼んで林の中で生活体験をさせている人物がいます。最初の頃は親御さんから「死んでもいい」という誓約書を取ったというので有名な人でありますが、その後、強い信頼関係が出来、プロジェクトは実にうまくいっています。
ただ、このような試みを、全国規模でやろうとした場合にはやはりクラーク先生が言われたように、国や大きな団体でやらないとだめだと思うんです。私は私のおりました東工大でインターンシップの実施にずっと関わってきましたが、10年ぐらい前に一時完全に頓挫したことがあります。それは保険の問題です。事故が起きましてどうにもならなくなった。そこで、全国の大学の関係者が集まって保険会社に働き掛けまして、良い保険をつくってもらいました。その後は順調に進んでおります。やはりそういう国あるいは団体による仕掛けが要るのではないかと思います。
それと最近知ったのですが、インターンシップ、これは厳密に言うとコープと云うべきなのですが、アメリカで非常に盛んです。アメリカは1968年に法律を改正してコーププログラムのある学校に対して7.5 万ドルの補助金を出すことを始めています。我が国でもそういうふうな国としての施策が必要ではないかという気がいたします。もちろん個人的な信頼関係が前提になるべきではありますが、なかなかそれだけでは処理し切れないと思います。大学については訴訟事件が起きたケースもありますので、その辺のことも考えると国として何とかする必要があろうと思います。
【浅利委員】2つ申し上げたいと思います。1つは企画委員会でも出ましたけれども、教育の原点は家庭にあるということならば、働く女性がどうやって子どもたちを教育していくかという問題は非常に重要になってきます。今、極端にそういうことの手当が国の政策として遅れています。牛尾さんは前におっしゃっていらしたように保育費が非常に高いので、働いている人の給与の7割8割が保育費に消えるというような状態になるケースもあります。この保育費に対する免税とか、控除とかというふうな具体的な提案、これは本来だったら大蔵省などの委員会で言うべきことかもしれないけれども、あえて教育改革の国民会議で踏み込んでしまっていいんじゃないか。最終報告に、働く女性のための控除という問題を取り上げたらどうかと思います。
それからもう一つは、さっき山下さんもおっしゃっておられましたけれども、最初は体育・スポーツあるいは文化・芸術活動というものは重視されるべきという議論が出たんですが、報告書には載っていないんです。それで、一般の方々から一生懸命やったわりにはあなたの専門のことは何も書いていないねと言われて私は少し口惜しい思いをしているんですが、山下さんもオリンピックで御多忙なおりに中間報告が出てしまってお気の毒だなと思います。
ひとつ例をお話ししますと、数日前にロンドンに3日ほどいまして4つ芝居を見たんですが、全部客層が違うんですね。一番知的なレベルの高い劇場はちょうどこの会議に御出席の方々くらいの年齢層です。
日本ではこの層の方のシアター・ゴアーズはとても少ない。イギリスは若い人も行くし、大人のインテリも行くし、企業家も他の人々も劇場に行く。その理由は、学校教育の段階で演劇が教科に取り入れられているからです。その中で劇の楽しみ方を知る。年を取ってもいろいろな芸術を探しては楽しむ、そういう習慣があるんですね。これは、ただ単に子どもの教育の問題だけでなく、その国の芸術文化が長期的に発展していくかどうかの問題でもあります。同じことがスポーツ活動でも多分言えるだろうと思います。
【牛尾副座長】ありがとうございました。それでは、続きまして今井さんどうぞ。
【今井委員】1点目は家庭教育について働く女性ということなんですが、今、浅利先生は仕組みのお話をされたのですが、私は意識として働いていようと働いていまいと子にかかる責任は一緒という先輩のPTAの方から言われた言葉がとても心に残っていて、それから子どもに対する責任という意識が変わってきたところがあるんです。まず私たち自身が今回の人間性豊かなというところで自分の足下を見直すことが一つとても大事ではないかと思います。ですから、働く女性でも子どもを持っていれば子どもに対する責任があることと同時に、男性も同じことです。例えば20世紀は社会的に成功することがある意味で家庭を無視していても成功ということになったかもしれませんが、やはり21世紀は「良き企業人は良き家庭人」というか、自分の足下がしっかりしていて、いろいろなトラブルがあってもそれに対して自分自身が対応できていることと、またそれが企業での成功と結び付いていくような、そういう方向性を一つ持っていただきたい。
それから企業に対する家庭教育の支援ということで、先ほどからも学校関係、それからPTA活動など子どものことに関わる教育活動に対しての優先的な休暇等についてはシステム的に考えていただきたいと思います。
それから、奉仕活動を全員が行うようにするということは、基本的には小・中、今の6・3で2週間ということ、厳しいやはり体験、共同生活による奉仕活動というのはとても大切だと思います。それに加えまして、先ほどからも親子でというお話がありましたが、修学時に親子でそういう何らかの奉仕活動を少し学べるようなことがあってもいいんじゃないか。そこで親として奉仕活動を行う時の意味合いとか、それからそういうことに一緒に関わっていく時の親としての当事者意識とかを自覚する機会がもう一つ小学校に入る時点のころにあるといい。
それから有害情報から子どもを守るということなんですが、私ども日本PTAではマスメディア委員会の方で子どもに見せたくない番組の調査をして、それを今まで業界の方にお願いしておりましたが、業界の申入れだとほとんど番組改善までしていただけなかったんですが、昨年はスポンサーの方々まで私たちはこういう番組のこういうところはよくないとお話をしましたら、スポンサーの方が番組改善をしないとスポンサーを下りるという話がありました。ですから、そのように提供する側と使う側というのが同じ土俵に立って青少年団体と話ができるような土俵というのがあればいいなと思いました。
【牛尾副座長】有害情報の問題はこれまで議論が出ませんでしたけれども、企画委員会の中でもスポンサーのトップそのものが有害情報のスポンサーをしていることを知らないという事実もある状態ですから、これは何らかの形で提言することが大事かもしれません。続きまして、田中さんどうぞ。
【田中委員】奉仕活動の点なんですが、趣旨は非常によくわかるので学校教育の問題から少し離れるかもわからないんですけれども、将来的に云々という表現ですが、全般的に満18歳で画一的に奉仕活動を義務づけるということに非常に批判が強いようですが、18歳で画一的にというのは、他の点でできるだけ弾力化していこうという方向と少しずれているところがあります。奉仕活動を支援するとか、奨励する、そのためのサポート体制を充実するということには大賛成ですけれども、義務づけるということについてはもう少し何かいろいろ工夫が要るのではないかと思います。
例えば国民年金の保険料の支払いですけれども、18歳から22歳、場合によっては生涯にわたって、例えば土日とか夏休みに、お金ではなくて、実際に介護活動を行って払っていくという方式などで、そういうことは大事なんだということを体験させる仕組みとか、何か工夫しないと。18歳で1年間奉仕活動を義務づけるというのは、法律的な観点から見ても一体どうして義務づけるんだと考えていくと非常に難しいので、この表現のままでは、将来的にも実施しにくいんじゃないかという感じがいたします。
【牛尾副座長】続きまして、山折さんお願いします。
【山折委員】私は今度、中間報告に盛り込まれました奉仕活動の義務化という問題は非常に大きな提言だと思っています。賛成ですし、大体曾野さんのお考えと私も同じように感じています。
その理由の一つは、この問題はひょっとすると教育基本法の改正問題と表裏一体の関係を成しているほどに重要な問題であり、提言であると実は思っているのでありますが、この提言をどのようにして国民の皆さん方に伝えていくか。説得力ある言い方でどのように伝えるかということが、実は非常に大きな問題だろうと思っております。そのことにつきまして、私は2つぐらいの考え方が必要ではないかと思っておりますので、それを申し上げたいと思います。
1つは、この奉仕の義務という問題は、本当のことを言うとまず大人がやるべきことなんです。大人がやる体制をつくり、大人がやるぞという覚悟を示すことによって初めて子どもたちを、汝らも奉仕の義務に従えと言えるんだろうと思うんです。そういう点では、今度の提言の中にこの国民会議のメンバーをも含めて大人たちもこの精神に基づいてこれからやっていくんだという、その気持ちをにじませるような表現、これがまず第一に必要だろうと思います。私は、そういう点では国民会議の提言というものを国民の前に示す時に、我々が裸にならなければいけないのではないかということが1つです。
第2番目の問題でありますが、いろいろ奉仕活動についての御議論を伺っておりまして、それぞれに意味のある非常に考えさせられることばかりだったのですが、全体としてみますと非常に短期的な意義というものを考えて議論されていたようなところがあるように思います。私は、この奉仕という問題はもっとそれこそ長期的な展望にわたって、今後の我々の日本人の生き方をいろいろな形で方向づけるような重要な目を持った提言だと思っております。その上で申し上げますと、長期的な展望あるいは理念と言ってもいいんですけれども、それをまず国民の皆さん方に示すということがどうしても必要であろうと思っておりますが、ではその理念とは何か。これはこれだけで非常に大きな問題になるかもしれないのでありますけれども、私は奉仕という考え方の基礎に犠牲とか、献身という考え方が横たわっているだろうと思っております。その点で、ボランティアとは全く質的に違うものだろうと思います。その犠牲とか献身という考え方が国民の間に定着するまでには30年、50年の時間が必要だろうと思います。まず大人がそれをやる。そして、社会のリーダーたちがそのことを体現するということが10年、20年あってはじめてそれは一般の人々に説得力のある形で波及していくものだろうと思います。
犠牲と献身と言いますと非常に堅苦しい考え方になりますけれども、大和言葉には「痛み分け」という言葉があるんです。この痛み分けの感覚が戦後50年の教育によって非常に稀薄にさせられてしまったということを非常に強く感じます。そういう長期的な展望に立つ表現といいますか、言葉がやはり必要ではないかという気がいたします。以上です。
【牛尾副座長】大変深いお話をちょうだいしたわけですが、奉仕活動を全員に行うようにするというのが重大な提案の一つとして挙がっているわけですが、それとは別に今、先生のお考えはむしろ今なぜ教育改革が必要かという部分のところでそういう思想が同時にきちんと表現されなければならないというような気持ちがいたしました。
では、続きまして河上さんどうぞ。
【河上委員】「問題を起こす子どもへの教育をあいまいにしない」という点について、もう少し具体的な何かが書けるといいかなという気がしています。
1つは家庭がそういう子どもたちを育てることが非常に困難な状況になっていますので、多分文部省ではなくて厚生省の管轄になると思うんですけれども、そういう子どもに共同生活を行わせるような施設ですね。そういうものを用意する必要があるだろうということがあります。単なる教育ではなくて生活をする場を保障するということがないと難しいようです。自立支援施設というのを現在厚生省は持っていますけれども、入所が極めて困難です。定員が非常に少なくて、うちの学校辺りでも入った方がいいだろうと思う生徒が仮に希望を出してもかなり難しい状況があります。ですから、文部省と厚生省がタイアップする形で、福祉と教育を合体するような形の場をつくるというようなことを書いていただけるといいかなと。
それからもう一つ、不登校や引きこもりの子どもたちに配慮するということについても、もう少し具体的な何かを出さないと。一説によると卒業した生徒の中で80万とか100 万ぐらいの引きこもりがいるというような話を聞いているんですけれども、具体的な調査もないようです。ですから、そのことについてももうちょっと具体的なことが書ければいいと思っています。
【牛尾副座長】どうもありがとうございました。2回目の方にお話を願うのですが、誠に申しわけありませんが、今度は2分ぐらいでお願いしたいと思います。順番から申しますと、藤田さんからどうぞ。
【藤田委員】私は15分ほどで退席しないといけないので申しわけありませんけれども、2分以内でやります。
1つは今、曾野さんあるいは山折さんが言われたことに、私はその理念的な議論はわかるつもりでおりますし、そしてまた、インパクトとして奉仕というふうに書くことの意義は大きいと思いますから、これを削除すべきだとか、あるいは変えてほしいということではないんですが、基本的な考え方として2つの方向があるように思います。寄せられた意見でもそうですし、ここでの議論でもありましたけれども、奉仕活動というふうに狭く考えるのか、それとも社会体験、職場体験等を含めて考えるのかということで、原理的な点で考え方に違いがあると思うんです。先ほどから、与える側の心や構えの重要性、あるいはまた犠牲や献身ということの精神やその重要性がわかるようにするための体験として、今回ここでは議論されてきたと思いますが、もう一方で社会との接点や自分自身を社会とのつながりの中で発見していくということも重要だと思うんです。もちろん両者重なっている部分がありますが、そのどちらを重視するのかによってこの提案部分はかなり違ったものになると思うんです。
欧米諸国では、もちろん前者のような部分もあるとは思いますが、どちらかとうと社会や自然との接点の中で自分自身や他とのつながりを見つけていくという方向で考えられていて、したがって多様な経験を認めるという方向でプログラムは組織されていると思うんですが、その点についての考え方を少し議論をしておく必要があるように思います。少なくともそういう2つの考え方があり、両方の意見があったということは議事録にとどめておく必要があると思いまして発言しました。
もう一つ、家庭教育等についていろいろな御意見が出ておりましたが、例えばオランダでは日本で言えば学童保育や保育所のような役割を学校で放課後やっております。地域との連携や家庭との連携を促進するという意味も含めて、これは検討に値すると思います。もちろん何も教師がやる必要はないのであって、地域の人たちや誰かが、ボランティアでも有給でもいいと思いますが、放課後に学校の施設を使って保育をするというようなことがあってもいいのではないかと思います。他にもありますが、このくらいにしておきます。
【牛尾副座長】わかりました。次は、沈さんどうぞ。
【沈 委員】この中間報告を見てずっと考えていたことがあります。それは、いつも舞台を大人がつくって、そしてそこに青年を誘い込んで演劇に仕上げていくという感じですけれども、それだけでいいのだろうかという気がするんです。今、若い人の目標は入学試験だけです。青少年に人間としての目標を与えてやる必要があるのではないか。彼らが自分で努力して人間としての道を歩いていく。青年自身で達成するテーマを、子どもに人生の目標として示す必要があるのではないか。
鹿児島の小さな集落では、18になったら必ず桜島まで往復して泳いで来い。8キロです。それから、一人で霧島の山の中にテントを張って一人で寝なさい。それから、外国語を1か国語、必ず身につけなさい。それは、空港とホテルで通じるぐらいでもよろしいからやって来いという3つのテーマを青年にあてがって、達成した子どもに対しては地域社会でささやかなパーティーを開いて、彼は泳ぎ切ったと言うし、彼は山から元気で帰ってきたという、何かそういうものをそれぞれの地域でテーマはあるでしょうけれども、自分で青年が歩いて行く目標と達成感を与える必要があるのではないか。大人が絡まなければできない教育というのは、所詮限度があると思います。以上です。
【森 委員】17の提案でありますが、私は提案には2つあると思うんです。1つは戦略的な提案、もう一つは戦術的提案、それで奉仕というのは今までに余りない提案ですからそういう意味では戦略的な提案だと思います。家庭教育については家庭教育が原点である、出発点であるというのは臨教審、中教審も言っていますから、ここでは具体的に戦術的な提案をすべきだと思います。それが全般に関わることであります。
それから、個別的にいろいろな御意見をいただきまして、全くそのとおりだと思うんですが、家庭教育についてはそういう意味では私は家庭教育手帳とか家庭教育ノートをもっと改善、活用すべきだということを書くべきだと思うんです。いろいろな御意見、財政的な問題とか、労働条件の改善のような家庭教育への支援が出ましたけれども、そういう外的な条件よりも私は大事なのは働く女性を通じての教育的なノウハウといいますか、シングルマザーはどういう教育に注意した方がいいとか、そういう内的な支援をやるのが国民会議であって、労働条件の改善というものも大切ですが、教育改革ですからそちらの方が大事なんじゃないかということが1 つ。それから、幼児教育については家庭教育の中に含めてもいいんじゃないかと思います。
次に奉仕の問題ですが、私は奉仕は縦軸、横軸で考えないと全部イメージがクリアにならないんじゃないかと思います。つまり、縦軸では学校教育での奉仕の問題と18 歳での奉仕義務という問題、これを区別して論ずべきだと思います。横軸で奉仕活動の法律論と教育論があると思うんですが、それも混同されているんじゃないかと思います。法律論というのは義務化するかどうかという問題で、これは大人がやるべきだということなんですが、大人でさえやっていないから憲法15条2 項ですべて公務員は全体の奉仕者であるとわざわざ書いているんです。それを受けて国公法、地公法でも全体の奉仕者として職務に専念する義務があると、義務とはっきり書いているんです。そう書かれなければいけない現実を踏まえると、学校教育で奉仕活動を教えなければいけないのは当然だと思います。
そこで教育論が出てくるんですが,子どもの発達段階から奉仕の教育論を見ますと、子どもというのは遊びを通じて学ぶんです。まず「ごっこ遊び」で学びますが、八百屋さんごっことか、車掌さんごっことかありますが、奉仕ごっこというのはないんです。これは大人がやっていないから、つまり大人が奉仕の日常化で日常的に奉仕活動をやっていれば子どもは奉仕ごっこをしましょうというんですが、そういう遊びの経験のない子が学校でどうして奉仕にアクセスできるんですか。だから、学校で奉仕体験学習として教えなければいけない。
しかし、最初から体験学習というと、それがまた拡散化されて水増し、手抜きになりますので、やはりここは奉仕活動と言っておいた方がいいと思います。学校で奉仕体験学習をした者が社会へ出て初めて奉仕活動ができる。長期的にはそういう戦略でいいんじゃないかと思います。
そこで、なぜ18歳かなんですけれども、18 歳に選挙権をというようなことも言われておりますから、私は社会に出る入社式の意味もあると思います。それから、曾野さんが勲章とおっしゃいました。私も賛成なんですが、私は滅私奉公ではなくて立私奉公、自分を立てるというような感じになれば一番いいので、これは先ほど山折委員が痛み分けとおっしゃいましたが、自己犠牲と自己実現が重なるような生き方であります。そういう意味では、義務というのは新しい義務観に立てば、自分が自分に課する義務があってもいいんじゃないか。そういう義務観に到達するような意識改革も、国民会議の教育改革ではないかと思います。
最後に時間がきましたので道徳教育に触れますが、私は道徳教育が大事だ、大事だと言われながら効果が上がらないのは、家庭でも学校でも地域でもやらなければいけないとただ言っているだけだからだめなので、家庭でしかできない道徳教育、しつけ、学校でないとできない道徳教育、地域でないとできない道徳教育ということを少し考えた方が道徳教育において効果があるのではないかと思います。
その他意見はたくさんありますが、第1分科会でまとめるに当たっていろいろ参考にさせていただきたいと思います。以上です。
【梶田委員】今、森先生がおっしゃったことに付言といいますか。第1分科会関係で今日いろいろと御意見を出していただいて、これでまとめていくわけですが、やはり具体的なこともさることながら、今なぜ教育改革かという最初のところに具体的な提言をつなぐ赤い糸みたいなものをもう少し書いておかないといけないのかな、と思いながら皆さんの御意見を伺っておりました。
例えば、横並びの画一的な教育制度を変えなきゃいけない。これはあと全部につながるものですが、このポイントは1つあります。しかし、同時にやはり豊かで寛容になった社会の中でどこか自己責任ということが忘れられたとか、自己犠牲ということが忘れられたとか、あるいは自分自身をコントロールすることの大事さを忘れられたとか、もっと言いますと真、善、美というような1つの理想を目指して頑張るみたいなことが忘れられたというようなところがあります。これが結局今のような状況をもたらしていると私は思うわけです。そういうことを思いますと、家庭教育とか道徳教育とか奉仕活動の背景にある1つの大事なモチーフといいますか、こういうことを提言するのはこういう認識があるからですよというような形で、何とかこの辺を書いていかなきゃいけないのかなと思いまして、ちょっと付言をさせていただきました。
【クラーク委員】道徳教育の問題ですけれども、少しだけ欧米社会の経験から申し上げれば、学校の中でやるのはますます難しくなるんです。子どもたちはますます反発する。逆効果的な面があるんです。お説教になりやすいんです。むしろ道徳はアメリカだと教会、宗教、あとは家庭です。
しかし、それよりも社会の奉仕活動こそ一つの道徳教育なんです。その傘の中に入れるべきだと思います。それで奉仕活動の話は、いろいろ体験学習とか体育とかボーイスカウトとか、具体的に全部入れるべきではないかと私は思います。奉仕活動というよりも社会活動ですか。社会とのぶつかり合いは、子どもの全面的な教育に非常に大事ではないかと思っています。
18歳の1年の奉仕活動に関して、もちろんできれば大賛成なんですけれども難しいんです。ただ、第3分科会提案の中で大学の学年は9月からスタートです。そうすると、6か月の間、余裕が出てくるんです。その6か月の間でできれば奉仕活動とか、海外旅行とか、アフリカの野宿とか何でもいいんですけれども、推進すればどうですか。強制的は難しいんですけれども、例えばアメリカのように一流大学に入りたければ奉仕活動をやらないとマイナスになる。就職も例えば同友会、経団連、みんな関係のある会社に指示を出して、人を採用する時ちゃんと奉仕活動をやっているかどうか考慮する。いかがでしょうか。
最後は例の事故の問題、保険問題です。私は野外研修センターの持ち主なんです。これはイギリスから導入したプログラムですが、社会人でさえも保険の問題は、万一の場合のけがなどで、大変な問題なわけです。子どもを入れたかったんですけれどももうあきらめちゃったんです。雨に降られれば風邪を引いても責任になっちゃいます。文化の問題で、イギリスだったら弱音をはかないんですけれども、日本人はみんな弱音をはくんでリスク管理が大きな障害になる。この問題を克服するために、国の方から積極的なゴーサインを出せば、国が全面的にバックアップすれば、これは国民会議にふさわしい一つの提案ではないかと思います。以上です。
【曾野委員】私は今、黒田さんがおっしゃいましたことで、いろいろな保育設備をつくるのは大賛成なんですけれども、総体子どもの持っている母親を少し早く帰せとか、そういうことを言うと逆効果だと思います。私は早く帰るような人を雇えません。我が家のような小さな企業でもそんな面倒臭い人は雇わない。ですから、そうではなくて家庭教育の間、一度引退していただいて、そして再就職の道を開いておく。うちはみんなそれをやっています。十何年たちますと秘書が歴代戻ってくるんです。その方が家庭教育の間、母親は家にいるという期間があって、そしてまたその母親が再教育できる方法をもお入れいただきたいと思います。
【田村委員】先ほどクラーク先生がおっしゃっていただいたので、大事なことはそれで済んでいるんですが、実は今回の中間報告を現場でいわゆる子どもを持っている家庭のいろいろな方と話をする。それから、公聴会あるいは学校視察等で、結局一番反応があるのは奉仕活動なんです。その奉仕活動をどうするかという扱いが非常に注目されているわけで、それはどうしてかということをずっと考えているんですが、このことは先ほど梶田先生もおっしゃっていましたけれども、今までの日本の教育の中で触れていなかった部分が触れられているということが非常にはっきりあるわけです。
具体的に言いますと、例えばこれは帰国生徒の親から言われたんですけれども、アメリカの学校に行くと第1次大戦、第2次大戦で戦死した人がちゃんと学校の中に名前が顕彰されている。つまり、奉仕活動の一つであるミリタリーサービスが社会で認知されているという状況があるわけです。そのないところで突然奉仕活動が出てきているから非常に戸惑うし、どうなっているんだというような気分が慎重論につながるということをいろいろな父兄からも聞きました。私もそんな感じが、いろいろと話し合ってみて出てきています。ですから、戦後の教育を見直すということで、それこそ自前の教育ということを考えた時、これからの教育はどうあるべきかということを最初にきちんと書いた上で、それにつながることとして奉仕活動をきちんと書く。これは、外国の奉仕活動はもちろん考え方としてあるわけですけれども、日本はこうなんだと。今、憲法があるわけですから、憲法の中でミリタリーサービスがどうこうというわけにはいきませんから、それは除外してこういう考え方だとか、そういうものをはっきり書いた方が世の中の理解が得られやすいんじゃないかという感じを持ちましたので、最初のいまなぜ教育改革かというところにそれを触れていただきますと大変ありがたいと思っています。
【草野委員】既に出された意見なので30秒で終わります。2つありまして、1つは奉仕活動について基本的な考え方、それからそれをベースに据えるということについては大賛成なんですけれども、奉仕活動の枠をもう少し広げて先ほど藤田先生が言われたような感じにした方が現実的に進むのではないかというのが1つです。
2つ目は、18歳のところは将来義務を検討するということで一応中間報告で出しましたが、先ほど田中先生もおっしゃったし、クラーク先生もおっしゃったけれども、もう少し工夫した表現をしないと、このままですとちょっと受け入れられないのかなという感じがいたします。以上です。
【河上委員】先ほどクラーク先生の発言に関連してなんですけれども、道徳教育については2つあります。
1つは、学校で道徳教育が非常に難しくなっているのは、大人のというか、世間の道徳がかなり地に落ちているということがありますから、教師が言っても生徒はばかにするわけです。ですから、先ほどから大人の側がどうするかということが問題になっていますけれども、そういうことをひとつ書いた方がいいんじゃないかということがあります。
もう一つは、道徳教育だというとすぐ単純に副読本を使って文章教材でというような考え方が非常に強いんですけれども、クラークさんがおっしゃったように体験学習というか、社会活動とか奉仕活動とか、そういうものとの関係で道徳が具体的に教えられるということがあるので、そこを重視した方がいいと思います。
【牛尾副座長】それでは総理があと1、2分でお見えになりますので、最後に森さんどうぞ。
【森 委員】1分で終わります。第1点は、奉仕活動で今、学校で行われていないような誤解もあるかと思うんですが、現に学習指導要領には社会奉仕、奉仕活動と出てくるのでやっているんです。無人駅の掃除をやっている学校もあります。ただ、もっと活性化しようということで、私は高校の学習指導要領の総則の中に教育課程の編制方針で奉仕という言葉が入っているのはいいと思いますが、小中には入っていないんです。だから、道徳のところには奉仕という言葉がありますから、現在もやられているんだけれども、それをもっと活性化する一つの方法だということが1点です。
もう一つは先ほどちょっと申し落としましたが、公聴会の方に出たんですけれども、奉仕活動はまず教師からやれということなんですが、教師も公務員は当然全体の奉仕者ですし、教育公務員特例法にも書かれておりますし、教育基本法で何と第6条に、法律に定める学校の教員は奉仕者であるということが書かれているんです。だから、私立学校の教員も奉仕者なんです。それを我々が実行していないから、国民会議でもまず教師がやれと言われているんだという反省はあるのではないかと思います。以上です。
【牛尾副座長】今日は、ルールを決めれば日本人はきちんとやるという典型のような会議でありました。教育改革国民会議もルールを提案すれば日本の教育はうまくいくと思います。
本当に短い時間を区切りながら深い議論、幅広い議論を頂き、大変多彩であったと思います。特に、今なぜ教育かというところに使えることが、特に家庭、道徳、奉仕に関してはほとんどこれからの教育改革の基本になると思いますので、梶田さんもおっしゃいましたけれども、その辺をきちんとおやり願いたいと思います。今、第1分科会と、今なぜ教育改革かという基本の問題について出席者の方からほぼ35通りぐらいの御意見をいただきましたが、大体の方向が決まったところで総理がお見えになりましたので、ざっと申しますと今日は公聴会の報告を聞き、そして第1分科会と今なぜ教育かということについての討議をし、次回の30日に第2、第3分科会の討議と教育基本法、教育振興基本計画について議論をして、そして第3回目にまとめて第4回、12月22日を目標にこの計画を上げるということになっております。
そういう状況の中で総理がお見えになりましたので、お言葉をちょうだいしたいと思います。
【森総理大臣】教育改革国民会議全体会合の再開に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
委員の諸先生方には、去る9月22日に中間報告をお取りまとめいただいた後、引き続き全国4か所で一日教育改革国民会議を開催するなど、種々御尽力を賜っております。お忙しい皆様方の大変な御熱意に対しまして感謝を申し上げまして、改めて厚くお礼を申し上げる次第でございます。
私といたしましても中間報告をいただいた際、中間報告を十分に踏まえながら教育改革への準備を直ちに始めるように文部大臣に対して指示をいたしたところでございますが、年内に予定をされております最終報告を受けて内閣を挙げて教育改革の推進に取り組んでまいる所存でございます。
さて、最近オリンピックやパラリンピックでの日本人の活躍、ノーベル賞の受賞など、すばらしい報に接しますが、こうした方々のお話を伺いますと、ここまでの過程にはいずれも厳しく苦しい練習や研鑽の時期があったと思います。そして、そのような厳しい道を踏み越えた体験が人間を大きく育むのだと改めて感じております。科学技術文明が進展する中で、日本の文化、伝統を大切にしながら、知識偏重でない体・徳・知のバランスのとれた全人教育を推進することがますます必要になると強く感じております。委員の方々におかれましては、年内の最終報告に向けて更に議論を深めていただきますようにお願いを申し上げまして、お願いのごあいさつに代える次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【牛尾副座長】それでは、第1分科会関係の議論はおおむね終了しましたので、ここで司会を江崎座長にお返ししたいと思います。
【江崎座長】それでは、どうもありがとうございました。時間の関係もございますので本日の議論はこのくらいにさせていただきたいと思います。
次回は11月30日、この月の最終日でございますが、第11回全体会議におきまして今後の審議の進め方でお諮りしましたように、第2分科会、第3分科会関係の事項、基本理念、教育基本法及び教育振興基本計画につきまして議論を行いたいと存じます。事務局の方から何かございましょうか。
【銭谷担当室長】江崎座長から御説明がありましたとおり、第11回の会議つきましては11月30日午後4時から6時の開催を予定いたしております。詳細につきましては改めて私ども事務局から御連絡させていただきます。
それから本日の資料でございますが、大変多く恐縮でございますが、茶封筒に入っておりますのが各団体からお寄せいただきました御意見あるいは新聞記事等でございますので、ご覧をいただきたいと思います。以上でございます。
【江崎座長】それでは、皆様本日は御多忙のところありがとうございました。これで終了したいと思います。