教育改革国民会議

教育改革国民会議の第二回会合

内閣総理大臣挨拶

平成12年4月14日


 私は、去る4月5日に内閣総理大臣に任命されました。「教育改革国民会議」への出席は本日が初めてでありますので、開会にあたり一言ご挨拶申し上げます。

 小渕前総理は、教育改革を内閣の最重要課題に位置づけ、教育改革に全力で取り組んでこられました。そして、社会のあり方まで含めた抜本的な教育改革について議論していただくため「教育改革国民会議」を発足させたものであります。私も、16年前の臨時教育審議会発足時の文部大臣をつとめるなど、これまで一貫して教育の問題に取り組んでまいりました。国づくりの基礎である教育にかける思いと改革への決意は前総理と同様であると考えております。江崎座長をはじめ、皆様方におかれましては、貴重なご経験と学識を生かしていただき、引き続き積極的なご議論を展開していただくことをお願い申し上げます。

 我が国の教育は、戦後の日本の経済発展を担う人材を育てるという観点からは、素晴らしい成果を挙げてまいりました。しかしその一方で、体・徳・知の調和を欠いた知識偏重教育や学級崩壊、校内暴力などの深刻な問題を抱えております。教育の目標は、「学力だけが優れた人間」を育てることではなく、創造性豊かな「立派な人間」を育てることにあると思います。私は教育基本法の見直しを含め、「教育は何のためにあるのか」、「学校は何のためにあるのか」を率直に問い直し議論すべき時期にきていると考えております。

 これからの教育においては、まず第一に、思いやりの心、奉仕の精神、日本の文化・伝統を尊重する気持ちなど、人間として、日本人として持つべき豊かな心、倫理観、道徳心を育むことが必要であると存じます。また第二に、子どもたちが国民としての基礎・基本を培う場である学校を、保護者や地域の方々から信頼されるものとしていく必要があると考えます。更に第三として、グローバル化、情報技術革命など時代の大きなうねりの中で、二十一世紀の我が国を担う創造性の高い人材を育てることが必要であると思います。

 教育をめぐる諸問題は、制度や組織を改革するだけでは解決できません。教育は、国民の皆様一人一人にとって、身近で切実な問題であり、国民的な議論が必要であると思います。このため、今年の夏頃を目途に中間報告をお取りまとめいただき、その後広く国民の皆様のご意見に耳を傾けていただきながら、更なる検討をお願いしたいと存じます。

 また、このたびの、自由民主党、公明党・改革クラブ、保守党の三党派連立政権の発足に伴いまして、新たに保守党の泉信也議員にご参加をいただくことになりました。自由民主党の町村信孝議員、公明党・改革クラブの太田昭宏議員には、引き続きご参加をいただいております。

 私は「日本新生」の実現を目指し、我が国が直面する様々な課題に取り組んでいるところであります。とりわけ、教育改革は「心の豊かな美しい国家」を実現するために、まず最初に取り組まなければならない、最重要課題であると思います。私としては、皆様方のご議論を踏まえながら、可能なものから、できるだけ早期に改革に着手したいと考えております。皆様方におかれましては、趣旨をお酌み取りの上、ご協力を賜りますようお願い申し上げまして、挨拶に代えさせていただきます。