教育改革国民会議

教育改革国民会議の第五回会合
内閣総理大臣挨拶

平成12年8月28日



 教育改革国民会議の第五回会合の開催に際し、一言ご挨拶申し上げます。
 去る七月二十六日、教育改革国民会議の「分科会審議の報告」がとりまとめられました。報告を拝見いたしますと、各分科会からは大胆な提言がなされており、私の従来より考えていることと軌を一にしている内容も多く、かねて申し上げていたように、制約なくご議論いただいたものと思っております。
 今後、全体会において更に議論が深められることを期待いたしておりますが、まずもって、五月の分科会発足以来、精力的にご審議いただいたことに対しまして、厚く御礼申し上げます。

 最近の青少年をめぐる様々な問題を見ても、今、教育に最も必要なことは、知識に偏重した教育ではなく、「全人教育」を推進することであると思います。分科会の審議でもこの点は強く意識され、奉仕活動や自然活動について提言されているのも、その表れであると考えております。
 教育とは、人間が人間を全人格的に教えると言うことでありますから、教師に課せられた使命は益々重いものになります。使命感に燃えた優秀な教師が、子ども達のためにあらゆる情熱を傾け、教育現場を担っていくということにならなければなりません。そしてこのために何をなすべきかを考える必要があります。
 分科会で議論されました、教員や学校への評価システムの導入も重要な課題であります。更に、教育委員会のあり方についても検討を加え、使命感をもった教師が存分に腕を振るえるような仕組みを作っていくことも必要ではないかと考えます。
 また、IT革命の進展は、教育を取り巻く環境を大きく変化させ、教育自体のあり方にも影響を与えるものであります。教育における通信情報技術ITの意味を十分に考えていかなければならないと思います。
 制定して半世紀となる教育基本法についても、抜本的に見直す必要があると考えております。

 教育改革国民会議につきましては、新たに与党三会派から、自由民主党の中曽根弘文議員、公明党の山下栄一議員、保守党の西川太一郎議員にご参加いただくこととなりました。

 二十一世紀を目前にして、私たちは、心豊かな日本を築くべき時に至っていると考えております。そのためには、国民的な議論を踏まえながら、思い切った教育改革を推進することが不可欠であります。
 皆様方におかれましては、趣旨をお酌み取りの上、中間報告に向けて、さらに闊達な議論をなされるようお願い申し上げまして、挨拶に代えさせていただきます。