教育改革国民会議

2000年 9月 5日

教育改革国民会議
座 長  江 崎 玲 於 奈 殿

連 合  副会長 草 野 忠 義



教育改革国民会議全体会議への意見について


 標記の件、前回お送りした意見書に引き続き、下記の通り意見を申し述べますので、よろしくお願いいたします。

1.家庭及び社会の役割について

 次代を担う世代の育成に向けて、「家庭」、「学校」、「地域社会」のそれぞれの役割と責任を明確にし、相互の連携をはかるとともに、教職員、保護者、地域の人々が協働して子どもの教育に関われるように環境整備を進めることが重要だと思います。
 特に、核家族、共働き、少子化が進展するなど、乳幼児期の子どもと親をとりまく環境は大きく変化したことで、保育と就学前教育のあり方が大事になっています。子どもが少なくなっているだけでなく、親もまた同じように子育て中の他の親と話し合う機会がない、といった場合が少なくありません。乳幼児期の子どもたちが、遊びと生活、自然と社会の中から人間関係の基礎を養い、また、親も互いに集うことで子育ての知恵を学びあう、そういう場が必要です。
 幼稚園と保育園の子育て機能を強化して、就学前の子どもたちが何歳からでも選択的に通園できる、教職員・保母・保護者・子ども・地域住民などの参加する子育てネットワークの機能を構築すべきだと思います。

2.職業観・勤労観、社会人としての責任感・使命感の育成について

 各学校段階に応じて職業体験、職場見学などの体験学習を導入することが必要だと思いますが、これは「仕事探し・自分探し」という自己実現を重視する意識と無関係に実施したのでは意味がありません。同様に社会奉仕活動も、積極的な参加を促すことは重要だと思いますが、職業体験の場合と同様、主体的な参加意識の醸成が大前提だと思います。
 その点で、第1分科会報告が「奉仕活動」を取り上げた考え方には賛成ですが、取り上げ方には、やや違和感があります。
 社会奉仕活動も自己実現を重視する個人の意識に支えられていることに変わりはありませんから、非営利活動も含めたより幅広い進路選択を展望して、多様な体験学習の機会を子どもに与える、その中から子ども自身に選択させる、そういうことを学校教育に取り入れるべきだと思います。
 また、道徳教育も、漠然と抽象的な徳目を説教するようなやり方では、社会人としての責任感や使命感を単なる知識でなく自ら血肉とするような教育は期待できないと思います。
 重要なことは、教育者として適性のある職業人や奉仕活動家が学校で、自らの体験を、職業や社会奉仕活動の現実を、その矛盾をも含めて、実際の様子を子どもたちに伝えることです。具体的には、民間の諸団体が教育者として適性を持った人材のデータベースを地域ごとに作成して教育委員会に提供するような仕組みを整備するところから始めるべきだと思います。

以 上