教育改革国民会議

教育改革国民会議 第9回議事録



教育改革国民会議 第9回議事次第

日 時:平成12年9月22日(金) 14:00〜14:15
場 所:内閣総理大臣官邸大食堂

  1. 開 会
  2. 教育改革国民会議中間報告の提出
  3. 閉 会

第9回教育改革国民会議・出席者一覧(五十音順、敬称略)
 浅利 慶太劇団四季代表
今井 佐知子社団法人日本PTA全国協議会会長
上島 一泰社団法人日本青年会議所会頭
牛尾 治朗ウシオ電機会長
(座 長)江崎 玲於奈芝浦工業大学学長
 梶田 叡一京都ノートルダム女子大学学長
金子 郁容慶應義塾幼稚舎長
河合 隼雄国際日本文化研究センター所長
河上 亮一川越市立城南中学校教諭
木村  孟大学評価・学位授与機構長
草野 忠義連合副会長
グレゴリー・クラーク 多摩大学学長
河野 俊二東京海上火災保険株式会社取締役会長
田村 哲夫学校法人渋谷教育学園理事長
沈  壽官薩摩焼宗家十四代
浜田  広リコー会長
森  隆夫お茶の水女子大学名誉教授
山折 哲雄京都造形芸術大学大学院長

【江崎座長】それでは、ただいまから第9回教育改革国民会議を開催させていただきます。

 委員の皆様方におかれましては、御多忙中のところ御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。

 本日は、前回申し上げましたように、中間報告を総理に提出したいと存じます。

 中間報告は、前回の議論を踏まえて起草委員が修正させていただきましたので、その主な修正点について副座長の牛尾委員から御説明願います。

 それでは、牛尾委員よろしく。

【牛尾副座長】総理もお見えでありますので、極めて簡単に説明させていただきます。

 前回の全体会議で中間報告の作成につきましては多くの意見をちょうだいして、あと起草委員会に御一任をちょうだいいたしました。

 主な点だけを申しますと、「人間性豊かな日本人を育成する」という提言の関係で「教育の原点は家庭教育であることを自覚する」の提言として「自主的社会教育活動への支援」の項目を立てました。これは沈委員他の2,3名の方の御発言に対応したものであります。

 それから、「奉仕活動を全員が行うようにする」の18歳の奉仕活動に関しては、義務付けを「義務付けることを検討する」というふうに、いろんな御意見ございましたのでやや和らげました。期間を「1年間程度」とする弾力的な表現にしました。

 また、「問題を起こす子どもへの教育」の説明に「不登校や引きこもりの子ども」への配慮を書き加えました。これは今井委員ほか2,3名の方の御提言をそのままちょうだいをしました。

 次に「一人ひとりの才能を伸ばし、創造性に富む日本人を育成する」提言の関係では、「一律主義を改め、個性を伸ばす教育システムを導入する」の提言で、「中高一貫教育」についてその趣旨を書き加えました。これは6ページであります。

 以上が主な修正点であります。

 なお、これから江崎座長から総理に中間報告を提出しますが、中間報告は皆様の御了解の線に沿って10枚程度のわかりやすいメリハリの効いた文章としました。そのため前回も説明しましたように、この中間報告は委員のすべての提言を確実に盛り込んだものではなく、すべての提言の意見の一致を見たものでもないことを終わりの部分でちゃんと記載をし、詳しくは分科会の報告にそういう記述は全部記載をしております。

 今後、国民の皆様の御意見を伺い、最終報告に向けて議論を深めていきたいと思いますので、以上をもって中間報告の修正についての説明にかえます。よろしくお願いいたします。

【江崎座長】ありがとうございました。ただいまからプレスを入室させますので、しばらくお待ちください。

(プレス入室)

(江崎座長より森総理へ「中間報告」の提出)

【江崎座長】それでは、総理から一言いただきたいと存じます。

【森総理】大変御多用の中を、この問題に関しまして、諸先生方に熱心に御議論をしていただきましたことを厚く御礼申し上げる次第でございます。

 ただいま、江崎座長から中間報告をいただきました。去る3月の発足以来の全体会合及び分科会会合における、座長をはじめ、各委員の御尽力に対しまして、重ねて御礼を申し上げる次第でございます。

 今回、中間報告に示されました「教育を変える17の提案」は、いずれもこれからの教育改革の推進に当たりまして、具体的かつ示唆に富んだ提案でございます。更に、年内には最終報告が取りまとめられるということでございますが、今回の中間報告は今後の教育改革の骨格を示すものと思います。今日は大島文部大臣もこの席に同席しておられることでもございますので、皆さんの前でこの場をお借りして、文部省に対して、この報告を十分に踏まえ、教育改革への準備を直ちに始めるように指示をいたします。教育改革は内閣の最重要課題であります。明年の通常国会を、私は「教育改革国会」と位置付け、皆様方の御提言を真摯に受けとめて、教育改革に取り組んでまいりたいと存じます。

 皆様方のまじめなこの真摯なお取り組みについて、各方面から実に熱心なお手紙やファックスを毎日いただいております。昨日は京都の経済同友会の皆様方がお取りまとめになられた御提言をいただきましたし、先般も教育関係の皆様方が各種の書類をこの教育改革国民会議に御参考に願えればということでお持ちをいただいております。まさに国民全体の教育改革に対する期待と関心が大きいということを改めて痛感をいたしておる次第でございます。

 私は先日、テレビ電話で埼玉県の深谷市の子どもと話をしたのです。その小学校の子どもたちは、6年間アルミ缶を収集しまして、その収益でネパールに学校を建てることになったということをやってくれた子どもたちなんです。たまたま私がネパールへ参った際に、ネパールの学校建設に政府としてお手伝いをいたしました。その報道を車の中で聞いたといって、その子どもは大変感激して、私のところに手紙をくれました。お母さんから「この子がぜひ総理に会いたがってますから、できたら深谷小学校へ来てください」という添書も付いておりましたが、行く機会がなかなかありませんでした。お母さんのお手紙には、「校長室にテレビ電話があるから、もしお見えにならないなら、そのテレビ電話で総理、話してやってくれませんか」とありまして、それで私は官邸からお電話をいたしました。本当に子どもたちが喜んでくれましたし、その翌日すぐ土屋知事から我が県の子どもに直接電話をしてくださって大変ありがたかったと、そういうお電話もございまして、子どもたちの積極的にそうした奉仕をしていこうという自然な気持ちを、できるだけみんなで生かしてあげることが大事だなということを改めて痛感をいたした次第でございます。

 また、もう一点、子どもに対する有害情報の問題がございまして、これもぜひIT革命の光と影を踏まえながら、インターネットなど教育における情報通信技術ITの活用に積極的にこれも取り組んでまいりたい、このように考えています。

 教育基本法につきましても、制定後、半世紀を超えておりますので、新しい時代に対応した抜本的な見直しが必要ではないかと考えております。

 教育は、心豊かな日本を築くための礎となるためのもので、国民的な議論を踏まえながら教育改革に取り組む必要があると思います。

 委員の皆様方におかれましては、今後公聴会などで国民の御意見を伺う予定であるということを承知いたしておりますが、それら各方面での議論を踏まえながら、最終報告に向けて、更に御議論を深めていただくようにお願い申し上げまして、御礼のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

(拍 手)

【江崎座長】どうもありがとうございました。

 ただいま、総理から本中間報告を真摯に受けとめていただく旨伺いまして、大変感謝いたすとともに心強く感ずる次第でございます。

 本国民会議は、3月27日の第1回会合以来、各委員の御努力に対しまして、深く感謝申し上げます。皆さん奉仕活動をしていただきまして大変ありがとうございます。それから、26人の小人数学級でもあるわけでございます。

 今回の審議に当たり、私たちは、何らの固定観念や制約にとらわれることなく、非常にフレキシブルに日本の教育について考えることを心がけました。その上で、骨太でわかりやすい報告を目指し、具体的で建設的な提案を行うよう努力してまいった次第でございます。このため、中間報告には、委員から出された提言のすべてを盛り込んではおりませんが、今後更に議論を重ねてまいりたいと存じます。

 教育には非常に多面性があり、様々な意見が出てまいりました。私自身も皆さんの意見をいろいろ聞かせていただきまして、教育されたのではないかと思う次第でございますが、こういう多様性を認めるということが教育ではないかと考えております。今回の中間報告の一つをたたき台と考えて、国民的な議論を行うことが重要であると思います。

 もう既に総理もおっしゃいましたように、教育についてかなり国民的な盛り上がりを見せておるということは、我々大変うれしい次第でございます。

 日本の教育に困難な問題があることは事実です。しかし、私には非常に希望があります。日本の教育に改革すべき点が非常に多いということは、それだけ日本が将来に伸びる余裕を持っているということでございます。個人の能力を最大限に発揮できる教育をつくれば、必ず日本は繁栄し、世界に貢献できると確信しております。私たちは、日本の教育に大きな希望を抱きつつ、国民の皆さんの意見にも耳を傾けながら、最終報告に向けて更に論議を進めてまいりたいと存じます。委員各位の今後の一層の御協力をお願いする次第でございます。

 どうもありがとうございました。

(拍 手)
(プレス退出)

【江崎座長】今後のスケジュールにつきましては、10月以降公聴会を開催するとともに、国民の皆様から意見募集を行い、11月に全体会を再開し、本年中に最終報告をまとめたいと思います。

 それでは、今日はこのくらいとさせていただきたいと存じますが、事務局の方から何かございましょうか。

【銭谷担当室長】私から、公聴会につきまして、御連絡をさせていただきます。公聴会は、既に御案内をしております10月14日の福岡、10月21日の大阪、10月28日の東京に加えまして、大変御要望も多いことから、11月4日土曜日、新潟でも開催をすることを予定いたしております。本日、お手元に資料を御用意させていただいております。

 福岡・大阪・東京の公聴会につきましては、既に御出席いただける委員の方には御連絡をいただいておりますが、新潟につきましても、速やかに御都合をお伺いしたいと存じますので、お忙しいところ恐縮でございますが、よろしくお願いを申し上げます。

 また、11月以降の全体会の再開につきましても別途、事務局から御連絡を申し上げたいと存じます。

 事務局からの御連絡は以上でございます。

【江崎座長】それでは、皆様、本日は御多忙のところありがとうございました。私、心から皆さんに御礼申し上げます。

 総理もお忙しいところありがとうございました。