教育改革国民会議

教育改革国民会議の第九回会合
平成十二年九月二十二日

内閣総理大臣挨拶




 ただいま、江崎座長から中間報告をいただきました。去る三月の発足以来の全体会合及び分科会会合における、座長をはじめ、各委員の御尽力に対しまして、厚く御礼申し上げます。
 今回の中間報告に示された「教育を変える十七の提案」は、いずれもこれからの教育改革の推進に当たって、具体的かつ示唆に富んだ提案であります。更に、年内には最終報告が取りまとめられるということでありますが、今回の中間報告は今後の教育改革の骨格を示すものと思います。大島文部大臣も同席していることであり、この場をお借りして、文部省に対し、この報告を十分に踏まえ、教育改革への準備を直ちに始めるよう指示いたします。教育改革は内閣の最重要課題であります。明年の通常国会を「教育改革国会」と位置付け、皆様方の御提言を真摯に受け止め、教育改革に取り組んでまいります。

 私は先日、テレビ電話で埼玉県深谷市の小学生と話をいたしました。その小学校では、子どもたちがアルミ缶を収集し、収益でネパールに学校を建てる活動をしています。このような日常的な体験を通して、子どもたちは、他者を慈しむ心を育み、助け合うことの大切さなどを学んでいると感じました。私もかねてより、知識偏重でない、「全人教育」が重要であると考えておりまして、学校教育に奉仕活動や自然体験活動を積極的に導入することが極めて大切であると考えております。
 それとともに、人間と人間との人格的なふれあいの場である学校が、国民や地域の信頼に応えたものとなるよう、教師や学校、教育委員会の在り方について見直すことが求められていると存じます。
 また、子どもに対する有害情報の問題を含め、IT革命の光と影を踏まえながら、インターネットなど教育における情報通信技術ITの活用に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 教育基本法につきましても、制定後、半世紀を超え、新しい時代に対応した抜本的な見直しが必要であると考えております。

 教育は、心豊かな日本を築くための礎となるものであり、国民的な議論を踏まえながら教育改革に取り組む必要があると思います。
 委員の方々におかれましては、今後公聴会などで国民の御意見を伺う予定であると承知いたしております。それら各方面での議論も踏まえながら、最終報告に向けて、更に議論を深めていただくようお願い申し上げまして、挨拶に代えさせていただきます。