| 平成12年10月21日(土) 於:MIDシアター
開会14:00 ・ 閉会16:30 |
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(油谷雅次)
公民館での活動を機に教育活動に関わりを持ち始め、大阪府教育委員会の「企業出前講座」事業を実施した経験から、地域社会の教育力の向上が非常に重要な課題と考える。そのために、@地域の公民館活動(社会教育活動)A企業による教育への積極的な取り組みB学校教育と社会教育の融合C地域社会の教育力を高めるため公民館、学校、企業、地域の垣根を越えて活動できるコーディネーターの育成が重要である。
(岡本喜代治)
教育基本法を改正し、新たな時代に必要な要素を加えた内容のものとすべき。教育改革の起爆剤になるものと思う。教育の平等主義は、個性の芽をつみ創造性を阻害する結果となっており、見直すべき。個々の能力に応じた指導ができるよう、習熟度別学習、エリート教育と学習につまづく子供のための学力養成機関の設置、生涯学習を推進する必要がある。教員任用を改革し、転職・免職制度や業績評価制度を導入することが必要である。
(株本正貴)
子供たちを尊重できるよう、学習内容を子ども達を中心にしたものに改革する必要がある。奉仕活動は義務付けるのではなく、チャンスとして選択できるだけのメニューをそろえるべきである。コミュニティスクールは多様な教え方、学び方を可能にするものであり、教育改革に最も即効性がある。すぐにでも始めてほしい。
(川田長夫)
幼児は遊びや体験学習を通じて生きる力を学ぶものであり、知識を教えることを中心とした小学校での学び方とは異なる。幼児期の3年間は人格形成に必要な様々な経験をする大切な時期であり、5歳児就学には反対する。就学前幼児教育を含めた新しい学校制度を検討するため、幼児教育改革会議の設立を提案する。
(新保真紀子)
小学校1年生の学級が機能しない「小1プロブレム」は育ちそびれた子供の学級未形成の問題である。原因としては、遊ぶ仲間、時間、空間がなく、人間関係を学ぶトレーニングの不足、孤立した家庭教育をカバーする地域や大家族の教育力の欠如、就学前教育と学校教育の連携不足、座学中心の学校教育文化などが考えられる。問題解決のため保幼小中の教職員の交流、異年齢交流、地域の社会人講師、職場体験等の取り組みから、子供の豊かな育ちのためには、奉仕活動の義務化よりも地域に支えられた体験活動が重要であること、家庭教育の支援が重要であることを実感した。今後は地域ぐるみの子育てが急務であり、それを裏付ける財政的支援や積極的な事業の打ち出しをお願いしたい。
(鈴木由衣子)
受験勉強や今の詰め込み式の教育によって、学問追求のための想像力が奪われ、自分の人格が相当に歪められてきたと感じている。中間報告の17の提案は、能力のある者は伸ばし、そうでない者は切り捨てるという能力主義を前提としており、より一層の人格破壊につながる。競争主義の導入を止めるべきである。また、我々の世代を育ててきたのは今の大人世代であり、教育者や官僚自身が自らを問うべきである。奉仕活動の義務化や教育基本法の改正は教育の国家主義的な再編成であり反対である。
(土屋敏明)
松原市では、「いきいきフェスタ」という行事を通じ、地域連携・幼小中連携の取り組みを行っている。こうした活動を通じ「地域の教育力」のすばらしさを実感した。地域と学校と家庭の三者の連携と協働こそが教育の基本であり、21世紀の「新しい時代の新しいタイプの学校」の姿を示している。教育振興基本計画の策定等を通じ、こうした取り組みへの財政的な支援をお願いしたい。
(森本光展)
現在の学校現場では、教員、カウンセラーや養護教諭等による様々なカウンセリングの取り組みがバラバラに進められている。それぞれが連携と分業をはかりながら、生徒を支えていく体制を整備する必要がある。また、治療的カウンセリングのみならず、すべての生徒を対象にした人間関係トレーニングやストレス・マネジメントなどの予防開発的カウンセリングが必要である。このために、人間工学・心理学を導入した生徒を育む環境の見直しも必要である。
【金子委員】
指導要領は弾力的な指導を認めているが、画一的な指導をやってしまうのはなぜか。
(岡本喜代治)
指導計画を作成し、落ちこぼれをつくらないように指導を行おうとするのは教師の本質である。しかし、現場は時間の制限もあり、柔軟に対応をしていくことは難しい。
【勝田委員】
教育基本法の改正について詳しくお話を聞かせていただきたい。
(岡本喜代治)
家庭教育、学校教育、地域の教育の役割を国民全体で考え、明確化する必要があると考えている。
【江崎委員】
日本にカウンセリングがなじまない原因は何か。
(森本光展)
カウンセリングの定義が違うことが問題である。日本ではカウンセリングというと、教育相談も含めて、個室で1対1で行う古典的カウンセリングをイメージするが、これが日本の集団主義的な土壌に合わず、頓挫していった。また、臨床心理学が未発達であったことも影響している。さらに参加体験学習なども集団カウンセリングでありカウンセリングの一種であるが、日本でいうカウンセリングのイメージとは異なっている。アメリカでは学校カウンセリングは進路指導、学習支援などであり、そうした本来の学校カウンセリングを広めていく必要がある。
【田中委員】
5歳児就学の問題についてのご意見をお聞かせ願いたい。
(新保真紀子)
たっぷり遊びこんで体験することが必要という川田さんの意見に賛成である。今欠けているのは「体験」であり、人間関係のトレーニングをする場所が必要である。また、我々のアンケートの結果、就学前教育の問題点に関する認識についても、幼稚園は保護者が過干渉である、保育園は保護者が放任しているなど両者にずれがあることが分かったが、こうした認識の違い等を考慮しないまま5歳児就学とすれば、現場が混乱する。
(川田長夫)
同年齢の児童が2つの異なった施設にいること自体が問題であり、その見直しが必要。
【大宅委員】
受験競争や詰め込み教育で人格をゆがめられたというが、それをいつ頃自覚したのか。
(鈴木由衣子)
受験の最中から感じてきたが、それを大学生活を送る中で捉え直してきた。
【大宅委員】
我々も、今までの教育はよいとは思っておらず、全ての者に責任があると考え、それをなんとかするためにはどうすればよいか議論してきた。そして、今までの平等主義を考え直し、人は一人一人違うものであり、それぞれのよいところを伸ばしていけばよいのではないかと考えてはどうかと提案した。能力別というのも、弱い人を切り捨てるのではなく、その人に合った教育をした方がよいということである。そうした考え方については賛同できないか。
(鈴木由衣子)
平等主義が子供の荒廃を招いたと言うが、今までの政策が子供の荒廃を招いてきた。そうした政策を点検しないと、平等主義を改めただけでは現状は改善されない。
【大宅委員】
100%の改革はないのであり、逐次やっていくしかない。地域の教育力も低下しているし、子供も意志を持つ事すらできないほどの状況になってしまっている。そうした状況を改善するためには何かを意図的にやらなくてはいけないと思うが、何からやっていけばよいと思うか。
(鈴木由衣子)
教育という形で上から教えても、現実はそのようにはならない。競争社会がその原因であり、それを変えていかない限り現状は変わらない。
【森委員】
小1プロブレムについては、少しくらいの段差はむしろ活性化につながるのでよい。また、入学したばかりの学級は未形成なのが当たり前で、それを形成していくのが学校。その役割を幼稚園や保育園に負わせるのはどうかと思う。
我々の提案する奉仕活動は2つある。学校教育に奉仕活動を取り入れることと18歳の奉仕義務の2つは区別して取り扱ってほしい。
(新保真紀子)
段差があること自体はよいと思うが、今はあまりにもそれが拡大しすぎているのが問題である。それを縮小していくべきであると考えている。入学時の学級未形成は確かに当たり前であるが、以前は数ヶ月たてば学級らしくなったし、多少やんちゃな子も数人であった。今はそうした子がたくさんおり、集団になれない期間があまりにも長期化しているのが大きな問題である。
【草野委員】
小学校4年生〜6年生の精神的・肉体的な発達度合から見て、現行の6・3・3制についてはどのように考えるか。
(土屋敏明)
我々は、中学生と小学生の間で先輩・後輩の関係づくりができるよう、小学6年生を中学校の授業や運動会に招待するなどの取り組みを行い、段差の縮小という意味で大きな成果を得ている。こうした取り組みに対するバックアップをお願いしたい。
【金子委員】
地域の活動は、地域の土地柄によってできやすいとかできにくいといったことがあるのか。また、企業の誰かがやろうと言えばできるものか、それとも積み重ねが必要なものか。
(油谷雅次)
地域の特色をどう生かすかを誰が見据えて実行するかが重要。一番大切なのは親や地域の人であり、教育改革より親の改革が必要。そのためにも、親がもっと教育に参加できるような体制づくりを考えてほしい。
(株本正貴)
家庭に問題があるから、学校を考えなければならない。本来学校がコミュニティの中心であるべき。一斉画一授業はこれまでの時代では成功したが、その役割は済んだ。一人一人の多様な学び方、教え方があるような本来の教育の形に戻るべきである。体制整備はいまだ不十分であるが、遊休施設の利用など様々な取り組みを工夫していく中で、本当の学校と地域の連携も生まれるのだと思う。
[文責は教育改革国民会議担当室]