● 無医村の解消(厚生労働大臣 坂口力)
医療保険料を支払いながら、近くで医療の恩恵を受けられない人がいるこ
とは看過できない問題である。一番厳しい例は無医地区と呼ばれる地域で、
現在日本全体で914カ所存在する。そこに住む人々は20万人に達する。
このように完全な無医地域でなくとも、小児科医がいない、産婦人科が存在
しないといった地域を加えれば、そこに住む人口は数え切れないし、こうし
た市区町村も医療過疎地域と呼ぶことができる。日本の医師数は増え、医師
過剰を叫ぶ人も居るが、その医師達が均衡に日本に存在するかといえば、決
してそうではない。
なぜ医師達が地方に行かないのか、幾つかの理由がある。1つは、閉鎖さ
れた地域で医療に従事すると、日進月歩の医療に遅れていくという不安があ
ること、次に子供の教育に支障をきたすという思いがあること、その他には
すべての医療に精通していないという診療に対する漠然とした不安があるこ
と、などが挙げられる。この医師達の不安に応える体制が必要だ。
来年度予算に向けて次のことを主張したい。
* 各都道府県に「ドクターバンク」を設置。県の職員として採用する。ま
た、公的病院の医師は僻地医療を兼務する。
* 僻地や離島に1〜2年勤務をすれば、その後半年〜1年の長期自主研修
期間を与え、大規模病院での勤務も可能にする。
* 月に1、2回土曜、日曜などの交代要員を派遣する。また、週1〜2回
専門医を交代で派遣する。
* 常に相談できる大規模病院の支援体制を整備する。ITを整備して大学
病院などと連携を行い、常に助言を受ける体制を作る。
以上の点は、すでに長崎県や北海道などでも一部実施されている。国とし
ての支援を明確化したいと決意している。
私にも僻地医療に従事した経験がある。30キロ四方の中に医師は自分一
人しかいないという責任感と孤独感、どんな患者が来るかも知れないという
不安感は、その場に立たないと解らないものだ。どの医師も全科に精通して
いるわけではないからだ。夏の夕方、ひぐらし蝉が鳴き始めると、漠然とし
た不安感と淋しさに襲われたことを憶えている。
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[特別寄稿]
● 「美しい国 日本」(東洋大学助教授 白石真澄)
「逝きし世の面影」(1998年発行)には、かつて来日した多くの欧米
人が、「素朴で絵のように美しい国」と、日本の古き良き風景を絶賛した様
子が紹介されています。英国商人のクロウは明治初期に木曽御嶽に登り、「
かつて人の手によって乱されたことのない天外の美」と感銘を受け、同国の
詩人アーノルドも「その景色は優美で、地上で天国にもっとも近づいてる国」
と日本を評しました。もし、彼らが現在の日本を見たなら、その変貌ぶりに
嘆き悲しむことでしょう。
近代以降、私たちの周囲から美しい景観が急速に消え失せてしまっていま
す。その昔、日本橋界隈は細かい水路が縦横に通り、魚河岸や蔵や商店が建
ち並んでいました。水路が全国各地から物資を集め、経済を支えただけでは
なく、舟遊びも盛んに行われ、人々の憩いの場となっていました。
しかし、東京オリンピック前年の1963年に建設された首都高速道路が
多くの水路を埋め立て、陽の当たらない澱んだ水面に変え、川を生活から遠
ざけてしまいました。また、街なかには不揃いな高さのビルや看板、標識が
たちならび、かつて遊んだふるさとの海岸はコンクリートの消波ブロックが
投げ込まれ、見るも無残な姿に変わっています。
豊かな自然や美しい都市景観は、人を和ませ、私たちの心を癒し、多くの
芸術や物語を生むのではないでしょうか。いったん壊してしまうと再生は難
しく、長い時をかけて先人たちが守ってきた文化や歴史を守る意味でも、私
は「美しい国 日本」を大切にしていかなければならないと思います。貴重
な自然を残し、美しい街並みの形成をめざす「景観法」の制定にむけての動
きも、ようやく始まりました。
今、約500万人の外国人観光客が日本を訪れていますが、かつてのクロ
ウやアーノルドのように「美しい日本」を堪能して帰っていただくことがで
きたらと思っています。小泉総理、是非、美しい日本のためにリーダーシッ
プを発揮してくださるようお願いいたします。
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[特別企画]
● 第1回政策アンケートの結果について
5月20日から30日まで行った「第1回政策アンケート」には、読者の
皆さんから14,300件の回答をいただきました。ご協力ありがとうございまし
た。
小泉内閣が進める構造改革の中で、これからの日本にとって特に力を入れ
て取り組んでほしい施策については、「教育」「年金制度改革」「治安」の
3つの施策に8,000を超える投票をいただきました。以下、「行財政改革」
「産業再生」「雇用」「子育て支援」「環境」「医療・介護」「税制改革」
にも数多くの投票をいただいています。アンケートの結果については、以下
のページをご覧下さい。
※ 第1回メルマガ政策アンケート結果
http://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2004/OA040520kekka.html
また、「自分ならこうしたい」という具体的な内容について、4,900件も
のご意見・ご提案をいただきました。次週以降、代表的なご意見をメルマガ
誌面上でご紹介します。
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[小泉内閣の動き]
● アラブ各国大使と懇談(04/05/28)
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumiphoto/2004/05/28chutou.html
中東や北アフリカなどアラブ諸国の大使らを官邸に招き、6月末に予定
されているイラクの主権移譲やイラク復興などについて意見交換
● 知的財産推進計画2004」を決定(04/05/27)
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumiphoto/2004/05/27tizai.html
知的財産戦略本部において、模倣品・海賊版対策の抜本的強化や特許審
査の迅速化の推進などを柱とする推進計画2004を決定
● 日朝首脳会談の記録(ビデオ)(04/05/22)
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumivideo/2004/05/22saihouchou.html
平壌で行われた金正日国防委員長との会談の模様と会談後の記者会見の
模様をビデオで紹介
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[編集後記]
曽我ひとみさんにお会いするために、生まれてはじめて佐渡へ渡りました。
「荒海」は波静かでした。
数奇の運命にもてあそばれた曽我さんの特徴のある円らな黒い瞳は澄んで
いました。初対面に等しい私との出会いにはじめは緊張しておられましたが、
だんだんと和んでゆかれ、ポツリポツリと心境を話してくださいました。一
時間ほど私はもっぱら聞き役でした。
「北朝鮮には戻らないし、戻れない」
「全く知らない国で、身寄りのない者どうし、何かの縁で一緒になり、家
族ができた」
「娘たちはもう二十代になろうとしていて、一番難しい年頃で母親に頼り
たい時期」
「今度会ったら、二度と別れ別れになりたくない」
「いつかは最後には佐渡で一緒に暮らしたい」
何としても曽我さんの願いが叶うようにしなければならない、とつよく思
いました。(せいけん)
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総編集長:内閣総理大臣 小泉純一郎
編集長:内閣官房副長官 杉浦正健
発行:内閣官房内閣広報室(〒100-8968 東京都千代田区永田町1-6-1)