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小泉内閣メールマガジン
 

小泉内閣メールマガジン 第200号 ======================= 2005/08/11-18

★☆ 夏の合併号 次回配信は8月25日 ☆★

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□ 目次

[らいおんはーと 〜 小泉総理のメッセージ]
● 郵政解散 

[特別企画]
● メルマガ200号企画「メルマガ官邸座談会」(前編)

[小泉内閣の動き]
● スペースシャトル野口宇宙飛行士と交信 など

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[らいおんはーと 〜 小泉総理のメッセージ]
小泉総理大臣プロフィール 英語版はこちらから
● 郵政解散

 小泉純一郎です。

 8月8日、衆議院を解散いたしました。小泉内閣の「改革の本丸」と位置
づけてきた郵政民営化法案が参議院本会議で否決され、廃案となりましたが、
私は本当に国民の皆さんがこの郵政民営化は必要ないと思っているのか、直
接聞いてみなければならないと思い、衆議院を解散しました。

 いわば、今回の解散は「郵政解散」です。郵政民営化に賛成してくれるの
か、反対なのか、これをはっきりと国民の皆さんに問いたいと思います。

 今まで、すべての政党が郵政民営化に反対してきました。なぜ「民間にで
きることは民間に」と言いながら、この郵政三事業だけは民営化してはなら
ないと言うのか?私はこれが不思議でなりません。

 郵便局の仕事は本当に公務員でなければできないのか?役人でなければで
きないのか?私はそうは思いません。「大事な仕事だから公務員でなければ
だめだ。」と言う人がいますが、それこそまさに官尊民卑の思想です。それ
は民間人に失礼だと思います。

 郵便局の仕事は民間の経営者に任せても十分できる、むしろ、民間人によ
ってこの郵便局のサービスを提供していただければ、今よりももっと多様な
サービスが展開できる、国民の利便性を向上させる。民間の経営者は、国が
こういう商品を出しなさい、こういうサービスをやりなさいと義務づけなく
ても、国民に必要な商品やサービスを展開してくれると思います。

 私は、「この郵政民営化よりももっと大事なことがある。」と言う人がた
くさんいることも知っています。しかし、この郵政事業を民営化できないで
どんな大改革ができるというんでしょうか。私は、前々からこう言っている
んです。「行財政改革をせよといいながら郵政民営化に反対することは、
『手足をしばって泳げ』と言うようなものだ。」と。

 本当に行政改革、財政改革をやるんだったら、郵政民営化の実現なしには
進められません。郵政三事業には約38万人の公務員が携わっている。私は、
これを民間人に開放するべきだと言っているんです。私は、郵便局は国民の
資産だと思っています。過疎地の郵便局もなくなりません。今の郵政三事業
のサービスは、民間人に任せても、地方においても、過疎地においても維持
される、十分にできます、ということを言っているんです。

 約400年前、ガリレオ・ガリレイは、天動説の中で地球は動くという地
動説を発表して、有罪判決を受けました。そのとき、ガリレオは、「それで
も地球は動く。」と言ったそうです。

 今、国会では「郵政民営化は必要ない。」という結論を出しました。「そ
れでも郵政民営化は必要だ。」と私は思います。私はもう一度国民の皆さん
に聞いてみたいと思います。本当に郵便局の仕事は公務員でなければできな
いのか、民間人でやってはいけないのかと。
  
 そして、郵政民営化についての国民の皆さんの支持を得て、衆議院で過半
数の勢力を得ることができれば、参議院の反対した皆さんも協力してくれる
と思います。選挙終了後国会を開いて、郵政民営化の法案を成立させるよう
に努力していきたいと思います。

     *     *     *     *     *     *     *     *    *     *

 8日の午後には、メルマガ読者の方々に官邸に集まっていただき、メルマ
ガ創刊200号記念の「メルマガ官邸座談会」を開催しました。郵政民営化
法案の否決を受けた衆議院解散の臨時閣議とちょうど時間が重なってしまい、
残念ながら、私は出席することはできませんでしたが、組閣の時に閣僚が並
んで写真を撮る官邸内の階段のところで、座談会を終えた参加者の皆さんと
一緒に記念撮影をすることができました。

 今回は、読者の方々と直接お話しすることはできませんでしたが、これか
らも、できるだけ読者の皆さんからのメールでの質問などにお答えしていき
たいと思います。

 小泉内閣発足当初から始めたこのメルマガも、今回で200号。最初は、
ここまで続けられるとは思っていませんでした。ここまで続けることができ
たのも読者の皆さんの暖かい応援や励まし、あるいは率直なご批判のおかげ
です。本当にありがとうございます。

 これからもメルマガを応援してください。

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[特別企画]

● メルマガ200号企画「メルマガ官邸座談会」(前編)

○杉浦官房副長官(編集長)

 小泉内閣メールマガジンがスタートいたしまして、小泉内閣が発足してか
ら、3か月ぐらい準備期間をおいて、今週号で200号を迎えることになり
ます。週刊でございますから、小泉内閣が発足して1500日でございます
ので、長い間発行されていることになります。

  読者は、今もなお160万人を超えておりまして、それから双方向性がご
ざいまして、反応が非常に敏感にございます。小泉内閣と国民の対話と申し
ましょうかね、コミュニケーションを図るメディアとして、本当に有意義な
機能を持っておるといっていいと思います。

  私も総理も皆さんから来る反応については、目を通させていただいており
ます。総理に肝心な点は少し大きくして、特に厳しい意見で総理に知っても
らった方がいいと思うようなことは見ていただくようにしておるわけでござ
います。これはもう本当に、皆さん方のご協力と申しますか、お力添えのた
まものでございまして、今日は残念ながら代表して、全員お呼びするわけに
いきませんものですから、15名の方にお越しいただいたんですが、皆さん
方に心からお礼を申し上げたいと思う次第でございます。

  今日は、200号記念の座談会ということで、自由に皆さんに語り合って
いただきます。ご出席いただいているのは、寄稿をしていただいた方の中か
ら、もうご存じのイラク復興業務支援隊長、第1陣ですね、大活躍されまし
た佐藤正久さん。

 それから主婦業をこなす傍らウエディングドレスの制作会社、いわゆる一
円会社ですか、立ち上げられまして、今はもう大分資本も多くなっておられ
るようですが、粕谷尚子さん。

  それから、今、児童の虐待が問題になっておりますけれども、児童の養護
施設で、今もなお日夜大勢の子どもたちの成長を見守っておられ、陣頭に立
って指揮をしていただいております深澤清美さん。

  読者の代表15名の方々からは、このお三方に対するご質問をしたいとお
っしゃる方を選ばせていただきました。10代の方もいらっしゃる。車いす
の方もいらっしゃいます。暑い中、本当にご参加いただきまして、ありがと
うございます。私3代目になりますが、編集長として大変うれしく思ってお
る次第でございます。


<佐藤さんと読者とのやりとり>

○佐藤

  皆さんこんにちは。佐藤です。本物です。ヘルメットをかぶって、迷彩服
を着ているイメージが多いと思うんですけれども、ヘルメットを脱ぐとこん
な感じになります。

 実は向こうに行くために、このひげを伸ばしました。イラクの方では、多
くの男性がひげを伸ばしておりますので、とりたててひげの佐藤とかひげの
隊長と言われないですけれども、7カ月ぶりに日本に帰ってまいりますと、
佐藤というよりもひげの隊長とか、もうひげが一人歩きしていまして、もう
お前のひげは国有財産だから価値がなくなるまでそのままにしておきなさい
と、上司から言われたりしております。今でもなぜこのひげを伸ばしている
かと言いますと、イラクの友人から時折メールが来まして、その中で「佐藤
は今でもひげを伸ばしているか」というものがあります。

○司会者

 チェックされているわけね。

○佐藤

  はい。彼らから見ますと、ひげを伸ばしている間は佐藤はサマーワを忘れ
ていないと判断材料にしているようなんです。今、我々の仲間がイラクの方
で、人道復興支援に邁進している間は、少なくともこのままでいようと思っ
ております。今日は、率直に皆さんの質問に答えたいと思います。よろしく
お願いします。(拍手)

○司会者

 佐藤さんたちの活動のおかけで、自衛隊の人道復興支援活動が何なのかと
いうことを国民の皆さんによくご理解いただけるようになったと思います。
感謝しております。それでは、懇談に入らしていただきます。

○読者(東京都・30代・女性)

 小さいころにレバノンとエジプトに住んでおりまして、小学校もエジプト
でした。アラビア語には日本語にないニュアンスがたくさんあります。アラ
ビア語で印象に残っている言葉がございましたら、教えていただきたいと思
います。

○佐藤

  私はどちらかというと行動で向こうの人と触れ合う。あいさつ程度しかア
ラビア語はわかりません。交渉はほとんど英語でやっておりました。ただ、
私が好きな言葉は、「シュワイヤ、シュワイヤ。」ちょっととか、ゆっくり
ゆっくりとか、そういうときに使います。中東の方もせっかちな方が結構お
りまして、なかなか我慢できないというときに、交渉の合間に、手を細める
しぐさをしながら、シュワイヤ、シュワイヤと言うと、その場がほぐれるこ
とがよくありました。

 よくイラクで使ったのは、シュワイヤ・シュワイヤ・イズ・ザ・キー・オ
ブ・ザ・サクセス。「ゆっくりゆっくりが成功の鍵ですよ」。向こうもゆっ
くり時間をかけて考えながらやるのが大事だとわかってはいるんですけれど
も、今までの政権では、泣かない子どもにはミルクは要らないという雰囲気
があったために、もう無理だとわかっていてもとりあえず言わないといけな
いという習性が出てしまうと正直に言う方もいます。今のイラクにとっては、
シュワイヤ、シュワイヤと焦らずにゆっくり足元を固めて、将来に向かって
いくのがいいのではないかなと。そういう意味で特に印象に残っている言葉
です。

○司会者

  急がば回れというような感じですかね。

○佐藤

  はい。

○読者(岡山県・50代・男性)

 子どもは本来かわいいものなんですけれども、大変残酷な一面もあると思
うんです。そういう点も含めましてイラクの子どもたちについてお話いただ
ければと思います。

○佐藤

 私が見た南部のシーア派の地域の子どもということで答えさせてもらいま
す。私がいたサマーワというところは、部族社会の影響が色濃く残っていて、
宗教よりも、あるいは政党よりも親戚とか家族をものすごく大事にする雰囲
気があります。しかも、イラクの中で一番貧しい県で、はっきり言って田舎
なんです。田舎で家族の、部族の中で育った子どもということもありまして、
日本の子ども以上に純粋な子どもが多いというのが我々の印象です。あいさ
つもすばらしいし、ものすごくきれいな笑顔をします。

 ただ、かわいそうなのは、貧富の差がかなりあります。田舎の方が非常に
貧しい子どもが多くいる。そこは日本のメディアでは、なかなか映らないん
です。学校に行けない子どものほとんどがはだしで、もう着ているものもみ
すぼらしかったり、学校が少ないために学校に行けない、読み書きができな
い。家が貧しいがゆえに1日1食ぐらいしか食べれない。朝はあまーい紅茶、
チャイを1杯飲んで終わりと。折り紙を教えようと思っても、もうふらふら
という子供もいるのが事実です。しかしながら、気持ちは非常に純粋な子ど
もが多いと言えます。

  そういう面では、日本の学校とか家庭で起きているような事件というもの
は、なかなか起きにくい。サマーワの人が日本に来て、日本の子どもが虐待
で亡くなったり、友人から川上に捨てられて死んだという記事を見てものす
ごく驚くと。逆に日本の方が治安が悪いと、彼らは言うぐらいです。

○読者(神奈川県・10代・女性)

 イラクの子どもたちのために使わなくなった教材、例えば、リコーダーや
クレヨンなどを譲ってあげられればと考えました。それについて、佐藤さん
のお考えをお聞きしたいのが1点と、実際に今おっしゃっていたこと、彼ら
が必要としているものに対して、私たちに何かできることはないか。それを
お聞きしたいです。

○佐藤

  教材等をイラクの子どもたちにあげるということは可能です。ただ、その
ための手続とかいろいろありますが、簡単にはやっぱりできません。向こう
まで持っていくための手段とか、あるいは向こうでどういう形で配るかとか
いろんなものがあります。

  我々も1つ500円の文房具セットを1万セット現地で配りました。でも、
いい面と悪い面がありまして、少ないものをいかに公平に配るかと。これは
難しい問題です。十分な数がないと不公平感が生まれてしまいます。物をあ
げる援助というものは当初の間はいいんでしょうけれども、そういうものだ
けではなくて、もっとこれからどういうものが欲しいかと。実は彼らが一番
欲しがっているのは、やっぱりIT関係、コンピュータ関係にものすごく関
心があります。子どもたちが。本当にどういうものが欲しいのかというのを
踏まえた上で、やるなら十分な数をあげるというのも一案なのかなと。ただ、
手続とか輸送の問題、費用の問題、いろいろありますので、そこはしっかり
と検討しながらやらないといけないのかなという気はします。無理やりな押
し付けというのは逆にマイナスになってしまうということもあります。

  2番目の質問については、今、我々も力を入れているのは、女性に対する
教育支援。これから復興を考える上で女性の社会進出も少しずつ広げていか
ないといい発展はできない。女性に対する教育支援については、いろんなア
イデアが出てくるのではないかなという感じはしています。


<粕谷さんと読者とのやりとり>

○粕谷

  粕谷でございます。私は一円起業ということで、起業させていただきまし
たが、別にとりたててすばらしい仕事をしているわけではなく、佐藤さんの
ように世界の平和のために日本を代表してお仕事をしていらっしゃる方とか、
深澤先生のように、心を傷つけられた、一番愛されなければいけない親から
も虐待されるという、そういうお気の毒な子どもさんたちのために一生懸命
働いていらっしゃる方と、同席させていただくのはとても恥ずかしいんです
が、私は、花嫁さんを最高に美しく、美しいドレスで飾ってさしあげるとい
うことで、感動を分かち合うということが私の使命だと思って、今、一生懸
命頑張っております。今日はどうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

○読者(新潟県・60代・男性)

 実は私も起業したいと思いまして、色々と講習に出たりしたんですけれど
も、やはり最終的には起業して果たして失敗しないかとか、先にそういう不
安があるものですから、なかなか決断できないと。起業を決断するに当たっ
ての不安を払拭する何か心構え、そういうものがありましたら、お教え願い
たいと思います。

○粕谷

  私はあまり不安というのはなかったんですね。ずっと35年間洋裁をやっ
てきまして、アルバイト的に自営業でウェディングドレスの会社から外注で
型紙をつくるという仕事をずっと続けていまして、それがどんどん増えてき
て、もっとたくさんやってもらえないかという状況になりました。

 そのときにたまたまインターネットと出会ったんですが、そこでメールマ
ガジンでビジネスのお勉強とかいろいろ始めまして、全く初心者でビジネス
に関してはもう1年生なんですけれども、その先生のセミナーがあるという
ことで出かけていったんです。

 そこでとにかく一歩踏み出すことが大事だということを教えていただいて、
私はもうとっても単純に、一歩踏み出せばいいんだという感じでやってしま
ったんです。

 失敗する不安って何かと言うと、お金をかけてそれが全部なくなっちゃう
とかですね。そういう意味では、私の仕事は資本がなくてもできる仕事なん
です。10万円という資本金で会社を始めたんです。インターネット上に起
業支援ホームページがありまして、手続も全部やってくれるところがあるん
です。私は手続とか法律的なことを知りませんので、お願いして全部やって
いただいたんです。印鑑をつくったり、すべて含めて50万ぐらいでできた
んです。

  50万というお金は、私にとって失敗してもすべてを失うものじゃなくて、
またすぐやり直せる金額ですし、何も失うものはないと思ったんです。やら
ないで後悔することが、私にとっては一番嫌なことで、とにかくやってみれ
ばいいんだという形ですごく単純にやってしまったんです。

  そうしましたら、本当に世界が変わったんですね。新聞や雑誌やテレビの
取材をお受けするようになったりとか、小泉メルマガに寄稿させていただい
たりとか。私がすごくびっくりしたのは、小泉首相の所信表明演説の中で取
り上げていただいたんです。これは本当に行動したから起きた現実なんです。

  何かお仕事をこれからやるときに、自分がすべてを失ってしまうんじゃな
い状況をおつくりになれば、とにかく一歩踏み出してごらんになった方が人
生明るくなるんじゃないかと思います。

○読者(大阪府・30代・男性)

 私は最近会社を起こしたのですが、会社を経営する中で一番しんどかった
こと、苦しかったこと、よかったことなど、あれば教えていただきたいと思
います。

○粕谷

  苦しかったことって本当にないんですよね。やる前はもっともっと忙しく
なるということに対して恐怖はあったんですけれども、今、毎日ものすごく
忙しい状況であることが逆にうれしくて、わくわくして、もう寝る時間が少
なくなっても、それが何もつらくないんです。自分が好きなことを目標を持
って一生懸命やっているということは、そんなにつらいことじゃないんです。
逆に楽しいんです。

 やりたいことを思う存分やらしてもらっていて、それはとても豊かな人生
じゃないかと思うんですね。経済的にはもうそんなにたくさんもうかってい
るわけではないんですけれども、その人生の豊かさを与えられているという
ことはものすごく感謝しているんです。

  つらいことは、つい最近ですけれども、作業を効率化させようと思って機
械を入れようと思ったんですが、私が欲しいと思った機械は400万ぐらい
なんです。私もいつどうなるかわからないのに、そういうお金を借りるのも
と思って、やっぱり無借金経営というのを貫こうと、やめにしたんですね。
お金がないためにできないのはつらかったかもしれない。

 でも、全体的に見て、全然嫌なことはないし、毎日がすごく楽しいので感
謝しています。成功事例に必ずなるぞと決心して頑張っているんです。

○読者(香川県・60代・女性)
 
 会社を設立され、成功に導かれたきっかけは何だったんでしょうか。どの
ようにすれば人に感動を与えるものがつくれるのか。主婦であっても一生主
婦で終わる方もいますし、企業を興される方もいますけれども、その違いは
どこにあるのでしょうか。

○粕谷

  成功というのが私は何かよくわからないんですが、目標を達成することな
のか、それとも自分が幸せを感じられることなのか。私は今、毎日がすごく
幸せだということは、もしかしてこれが成功なのかもしれないと思う部分も
あるんです。経済的にものすごく豊かになったかと言うと、そうではないん
ですが、私が求めているものはそれじゃないなというのもあるんです。

 主婦ということで考えたときに、私は主婦というのは立場であって、職業
と一緒にされるものではないと思うんです。私は一応主婦ですけれども、主
婦としての仕事を完璧にやっているかというと、全然そうじゃない。今は主
人がリタイアして家にいますので、見るに見かねていつの間にか主人が主婦
の仕事をするようになって、ごみを捨てたり、掃除をしたり、洗濯したり、
洗い物をしたりしてくれています。

  主人が支えてくれるから、これだけ仕事がたくさんやらせてもらえている
と思って、すごく感謝しています。家事というのはみんながするべきものだ
と思います。できる人がする。一人で住んでいる場合は当然自分でしなけれ
ばいけないことですし、それは職業とかということとちょっと違うんじゃな
いかなと思います。

  私は自立というのは、やっぱり経済的な裏づけがあっての自立だと思うん
です。やっぱり依存した生活じゃなくて、自立した生活をしたいという気持
ちが強いので、収入を持つということは、すごく自分にとって必要なことの
ように感じているんですね。そういう人間なんですが、それはすべての人が
そうである必要はないと思うんですね。依存する形でもそこに幸せがあれば、
私はそれでいいと思うんです。私は母親とかだれだれの奥さんとかだけでき
ていることがやっぱり寂しかった。私自身である部分がすごく欲しかった。
それがやっぱり今の起業したりするきっかけになったのかもしれないと思い
ます。


<深澤さんと読者とのやりとり>

○深澤  

 初めまして。「未来に寄せて」の深澤でございます。私は、これといった
趣味はございませんが、人との出会いを唯一の楽しみとしております。この
たびは、このような出会いが実現してしまったことに驚き、大変感謝してい
ます。立ち話は得意とするところですが、「座・談会」というのは初めての
体験でして、かなり緊張しております。いざとなったら立って話そうかなど
と考えたりもしておりますが、そうならないように頑張りたいと思います。

  今は、私はいろいろと回り道をいたしましたが、ご紹介いただきましたよ
うに、児童養護施設で施設長をさせていただいております。施設長というよ
りも、ケアワーカーとしての体験の方がたくさん持っておりまして、30年
近く子どもたちと一緒に過ごしてまいりました。精一杯元気にしております
けれども、実はよれよれのいっぱいいっぱいでございまして、バーンアウト
寸前というようなところで、踏ん張っている私でございます。山梨からまい
りました。よろしくお願いいたします。(拍手)

○読者(北海道・40代・男性)

 私は、高校2年生の男の子を筆頭に4人子どもがいます。甘やかすだけで
はいけないと思うので、ときにはしかることも必要だと思うのです。肉体的
な暴力はいけないと思って、言葉できつく言ってしまい、後で失敗したなと
思うこともよくあります。子どもの心を傷つけないようなしかり方、どこを
注意したらいいのか、教えていただきたいと思います。

○深澤  

 少子化の時代に4人のお子さんをお育てになっているという、すばらしい
なというか、うらやましいな、大変だろうなと共感するところでございます。

  言葉というのが身体的暴力以上に子どもの心に深い傷を与えてしまうとい
う危険性があるということは絶対に忘れてはいけないと思います。お前はだ
めなやつだとか、ばかとか、おれの子じゃないとか、おまえは生まれてこな
ければよかったというふうな、子どもの人格や尊厳を傷つけるような言葉は
絶対に慎まなければならないと思います。そして、なぜしかるのかという理
由を明確に伝えることが肝心だと思っています。

  もう一つ、私はしかった後のフォローにとても心を遣っております。きつ
くしかったけれども、あなたの人格を否定したわけじゃないし、あなたを拒
否しているんじゃないよ、ということを後でフォローしておく必要がござい
ます。そのことは、多分深い関係にある親子でも必要なことではないか。そ
れで、私みたいに血のつながりのない子どもたちと暮らしておりますと、そ
のことが養育者としての責任だというふうに私は考えております。

  子どもを受け止めるということですけれども、いい子だったり、かわいか
ったり、いいことをしたときに受け止められるのは当たり前です。悪いこと
をして、きつくしかるとき、例えばスーパーからガムを取ってきてしまった。
そのことをきつくしかります。それから、けんかもするでしょう。100点
もいつも取れるわけじゃありません。そんなあれやこれやある。そういう子
どものありのままを受け止める。そういうときに、初めて子どもは自分が受
け止めてもらったんだという思いになれる。こんなふうに感じます。

  悪いところも全部子どもがさらけ出せる関係が必要です。そして悪いとこ
ろも、あんなところもこんなこともある子どもを受け止めていく。そういう
あなたが大切、そういうあなたのことを大好きというサインを送っていくと
いうことです。

○読者(大分県・30代・女性)

 私は現在、病院で看護師として小児科の病棟で働いていて、時に虐待と思
われるようなお子さんを見たことがありました。夜になるとずっと泣き続け
るお子さんもいるんです。慣れない寂しい入院生活を少しでも楽しく安心に
過ごしてもらうために、そういったお子さんにいかに受け入れてもらうこと
ができるかということについて、アドバイスが聞けたらと思います。

○深澤  
 
 児童福祉施設ですとか、先生や看護師をしていて最前線で子どもと向き合
っていらっしゃる方は、子どもの様子が変化したということにいち早く気づ
かれて危機感を持っていらっしゃると思うんです。私も傷つきながら毎日過
ごしてきた子どもたちとずっと付き合ってまいりまして、特効薬がないので
すね。それをまずお伝えしなければなりません。

  その子どもたちは親との関係ができなかったり、親を含めた他者との関係
につまずきのある子どもたちです。そういう子どもたちは、新しい環境に順
応したり、人間関係をスムーズにつくるということに、とりわけ困難を抱え
ている。そういうことを理解することがまず大事だろうと思います。理解す
ることで、その子との付き合いが変わってくる。こちらの気持ちがですね。

  だからといって、すぐ関係がつくれるわけでもありません。やはり長い時
間、寄り添う時間が必要になります。医療や看護という痛みとか苦しみが伴
う仕事に携わっていらっしゃる方は、私どもよりももっと困難な課題を抱え、
克服するのは大変だろうなと推察します。

  ただ、見方を変えれば、あなたの命を守ります、あなたを大切にしますと
いうメッセージを強烈に与えることのできるお仕事に就いていらっしゃるわ
けですので、そのことを武器にして、痛かったり苦しんだりしていることに
共感しながら声をかければ、優しさが必ず功を奏すると私は信じております。

  私たちは、生活がフィールドなんです。日常生活のすべての場面を子ども
とのやりとり、依存関係、共感関係をつくる手段とか材料にいたしまして毎
日子どもと関わっています。依存関係や共感関係をつくりながらあなたは大
切な存在なのですよということを伝えていくのが仕事なんだということを仲
間同士で確認し合い、それから叱咤激励し合って頑張っていると。こんな様
子です。

○読者(東京都・40代・女性)

 私は教師ですが、子どもに対する虐待が大変大きな人権問題になっている
ということで、7月に高校1年の現代社会の授業で、取り上げたばかりです。
深澤先生のご体験から、教育において人間の心というものを育てていくには
どういうことが大事だとお考えですか。そして、これから学校ではどんな工
夫が必要だと思いますか。

○深澤  

 虐待が子どもに与える一番大きなダメージは、大切な存在ではない、かけ
がえのない存在ではないということを伝えてしまうこと。そういうメッセー
ジを送ってしまうことだと感じています。そのことは、自尊感を失わせてし
まうものだと言われております。そのことが最も人権を大切にしないことな
のではないかと、私はそんなふうに思っています。

  人間の心の教育ということですけれども、私は人間の心というのは同調と
か共感をすることのできる知性というふうに考えています。そして、同調・
共感する知性というのは、受動的な知性、親や養育者の働きかけがあって、
初めて育つことのできる知性と言われています。

  私は、そこが心だというふうに感じておりまして、「三つ子の魂百までも」
という言葉が日本にあります。それから、今、脳の研究が大変進んできてい
るようでして、多少いいかげんなことを申しますけれども、心をつかさどる、
同調や共感をつかさどる部分というのが前頭葉の何とかという辺りにありま
して、これが0歳から5歳までにそのベースがつくられることがわかってき
たという話を聞いたこともございます。

  子どもたちの受動的な知性は、できるだけ0歳から5歳までの間にそのベ
ースをつくっておくということが必要なんだということを深く感じています。
それで授業でも例えば同調や共感を共有しようとする場面、例えば悲しみや
喜び、それから厳しさや温かさなどを伝えよう、共有しようとする場面では、
やはり常にあなたを大切にしていますよというメッセージを一緒に伝えると
いうことが大切だと思っています。


* このあと引き続き、特別寄稿者と読者の対話を行い、最後に特別寄稿者
 からメッセージをいただいています。その模様は次号に掲載します。

※ 「メルマガ官邸座談会」の模様
  https://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2005/0811a.html 

※ 特別寄稿者の寄稿とプロフィール
  https://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/backnumber/2005/0714b.html 

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[小泉内閣の動き]

● 長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に参列(05/08/09)
  https://www.kantei.go.jp/jp/koizumiphoto/2005/08/09nagasaki.html 

● 小泉内閣総理大臣記者会見[衆議院解散を受けて](05/08/08)
  https://www.kantei.go.jp/jp/koizumispeech/2005/08/08kaiken.html 
<ビデオ>https://www.kantei.go.jp/jp/koizumivideo/2005/08/08kaiken.html 

● 広島市原爆死没者慰霊式・平和祈念式に参列(05/08/06)
  https://www.kantei.go.jp/jp/koizumiphoto/2005/08/06hirosima.html 
<ビデオ>https://www.kantei.go.jp/jp/koizumivideo/2005/08/06hirosima.html 

● スペースシャトル野口宇宙飛行士と交信(05/08/04)
 https://www.kantei.go.jp/jp/koizumiphoto/2005/08/04vipcall.html 
<ビデオ>https://www.kantei.go.jp/jp/koizumivideo/2005/08/04vipcall.html 

● ものづくり日本大賞内閣総理大臣表彰(05/08/04)
  https://www.kantei.go.jp/jp/koizumiphoto/2005/08/04monodukuri.html 
 
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[編集後記]

 8日、郵政民営化法案の否決、衆議院の解散という緊迫した最中、「メル
マガ官邸座談会」が開かれました。佐藤さん、粕谷さん、深澤さんの温かく
て誠実なお人柄と、読者を代表してお集まりいただいた15人の方々のあふ
れる熱意に支えられ、創刊200号にふさわしい素晴らしい会となりました。
この場を借りて厚く御礼申し上げます。来週は休刊とさせていただき、次号
は8月25日に配信します。座談会後半をお楽しみに。(せいけん)

杉浦内閣官房副長官プロフィール杉浦内閣官房副長官
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[ご意見、ご感想]

 おんらいん読者感想
  ※メールマガジンの登録者が対象です。(8月21日まで)
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[小泉内閣メールマガジン]

<バックナンバー・配信先変更・配信中止>
  https://www.kantei.go.jp/jp/m-magazine/

総編集長:内閣総理大臣 小泉純一郎
編集長:内閣官房副長官 杉浦正健
発行:内閣官房内閣広報室(〒100-8968 東京都千代田区永田町1-6-1)