[この人に聞きたい]
● 妖怪による町おこし (境港市観光協会会長、水木しげる記念館館長 桝田知身) 境港市は、全国で一番人口の少ない鳥取県(約60万人)の一番小さい市 (3万7千人)である。ひところ全国一の水揚げを誇った漁港であったが、 これといった観光資源はなかった。バブル崩壊後、駅前商店街はさびれる一 方であった。 境港は妖怪漫画家水木しげるの生誕地であるが、平成にはいって、「水木 妖怪のブロンズ像設置による町おこし」構想が立ち上がった。当初は反対し ていた地元商店街も、平成5年の「水木しげるロード」(境港駅から約800 メートルつづく駅前商店街ロード)のオープン式典がメディアの大きな注目 を浴びたことから、賛成に転じた。その後の水木ロードのハード、ソフト両 面の整備状況を羅列すると以下のとおりになる。 平成 5年 「鬼太郎列車」運行開始。(ロード入り込み客 2万人) 8年 第一回世界妖怪会議開催。(38万人) 10年 水木しげるロード振興会発足。(46万人) 12年 妖怪神社建立。(61万人) 13年 妖怪倉庫お目見え。(60万人) 14年 「第一回境港妖怪ジャズフェスティバル」開催。(61万5千人) 15年 「水木しげる記念館」開館。この年、ブロンズ像が86体とな り、市はハード事業打ち切りを宣言。(85万人) 16年 妖怪ブロンズ像の全国公募開始。(78万人) 17年 ブロンズ像は86体から120体に"増殖"した。JR境線の「妖 怪路線化」完成。角川「妖怪大戦争」公開。(85万5千人) 18年 隠岐向け「鬼太郎フェリー」就航。「妖怪そっくりコンテスト」 実施。「第一回妖怪川柳コンテスト」実施。「第一回境港妖怪 検定」実施。(93万人) 19年 「妖怪人気投票」実施。ロード沿いの「妖怪街灯」を公募し、 42基設置。松竹映画「ゲゲゲの鬼太郎」公開。新作テレビア ニメも公開。 平成5年に、ロードへの入り込み客はわずか2万人だったのが、15年の 水木しげる記念館開館の年には85万人に増えた。翌16年は78万人に落 ち込んだが、上記のような様々な企画で17年は増勢に転じ、85万5千人 の新記録を達成。18年は93万人。19年は8月20日付ですでに悲願の 大台100万人を突破し、135万人を超えそうな情勢である。いまや、境 港の水木妖怪ワールドは鳥取県ダントツ1位の観光地となった。 また、ひところはロード沿いの約100店舗のうち25店くらいが空き店 舗になっていたが、現在では全部が埋まり、売り上げも当初予想の倍以上と 賑わっている。 今後も、「妖怪の泉」「鬼太郎飛行機の就航」「鬼太郎空港の愛称化」な ど、活性化に積極的に取り組み、この勢いをひきつづきキープしていきたい。 ※ 水木しげるロードも登場する「日本全国お国自慢!地方の活力は国の活 力」を政府インターネットでご覧いただけます。 http://nettv.gov-online.go.jp/prg/prg1306.html