ミレニアム・プロジェクト(新しい千年紀プロジェクト)について
ミレニアム・プロジェクト(新しい千年紀プロジェクト)の
基本的な枠組みと構築方針について
T ミレニアム・プロジェクトの基本的な考え方
新しいミレニアム(千年紀)の始まりを目前に控え、人類の直面する課題に応え、新しい産業を生み出す大胆な技術革新に取り組むこととし、これを新しい千年紀のプロジェクト、すなわち「ミレニアム・プロジェクト」とする。具体的には、夢と活力に満ちた次世紀を迎えるために、今後の我が国経済社会にとって重要性や緊要性の高い情報化、高齢化、環境対応の三つの分野について、技術革新を中心とした産学官共同プロジェクトを構築し、明るい未来を切り拓く核を作り上げるものである。
この度、ミレニアム・プロジェクトとして、以下の通り、各分野におけるテーマを定めることとするが、今後、年末までの間に、内閣内政審議室のとりまとめの下に、関係各省庁が更に強固な連携体制を構築し、民間部門の参画を求めて、産学官のプロジェクトの体制や事業内容の詳細を構築していくこととする。
更に、「21世紀の科学技術」をテーマに広く意見を募るとともに、革新的な技術開発について研究者から提案公募を実施することとする。
U 各分野のプロジェクトのテーマ
1 情報化(−誰もが自由自在に情報にアクセスできる社会を目指して−)
(1) 教育の情報化
- 2001年度までに、全ての公立小中高等学校等がインターネットに接続でき、すべての公立学校教員がコンピュータの活用能力を身につけられるようにする。さらに、2002年度には、我が国の教育の情報化の進展状況を、国際的な水準の視点から総合的に点検するとともに、その成果の国民への周知を図るため、国内外の子供たちの幅広い参加による、インターネットを活用したフェスティバルを開催する。
- 2005年度を目標に、全ての小中高等学校等からインターネットにアクセスでき、全ての学級のあらゆる授業において教員及び生徒がコンピュータを活用できる環境を整備する。
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【プロジェクトの概要】
○全国の全ての学校におけるインターネット環境の整備
- 公立小中高等学校を対象とした校内ネットワーク(LAN)機能の整備の支援等。
○コンピュータ環境を十分活用し得る体制整備
- 公立学校教員の研修。
- 質の高い教育用コンテンツの総合的提供の推進。
【プロジェクトの構築方針】
- 教育用コンテンツの開発・普及については、民間事業者の創意工夫を活用するものとする。
- 技術開発については、必要不可欠なものに限る。
(2) 電子政府の実現
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2003年度までに、民間から政府、政府から民間への行政手続をインターネットを利用しペーパーレスで行える電子政府の基盤を構築する。
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【プロジェクトの概要】
- 民間から政府、政府から民間への行政手続の完全電子化実現のための共通基盤(政府認証基盤、標準的システム、セキュリティーなど)の構築。
- インターネット等のネットワークを利用した政府へのペーパーレス申請の先導的システムを実施。
- 国の施策との関連において必要な実証実験を行い、地方公共団体の取り組みを先導。
【プロジェクトの構築方針】
- 各省庁横断的な制度基盤・技術基盤の構築を中心とするとともに、各省庁のシステム整備のうち、民間とのインターフェイスとなる部分について特段の配慮を行う。
- 技術開発については、必要不可欠なものに限る。
- システム整備に当たっては、行政の効率化、国と地方との役割分担にも十分配意し真に必要なものかどうかを精査すること。
(3) IT21(情報通信技術21世紀計画)(仮称)の推進
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2005年度までに、全ての国民が、場所を問わず、超高速のインターネットを自由自在に活用して、自分の望む情報の入手・処理・発信を安全・迅速・簡単に行えるインターネット&コンピューティング環境を創造する。
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【プロジェクトの概要】
<インターネット分野>
- 現在のインターネットの1万倍の処理速度と3万倍の接続規模を有し利用者を目的の情報に安全かつ的確に導くスーパーインターネットの実現。
<コンピューティング分野>
- キーボードといった特定のインターフェイスに縛られることなく、安心して、誰もが、高度な情報処理とネットワーク接続を簡単に行える新世代コンピューティングの実現。
【プロジェクトの構築方針】
2 高齢化(−活き活きとした高齢化社会を目指して−)
(1) 高齢化社会に対応し個人の特徴に応じた革新的医療の実現(ヒトゲノム)
豊かで健康な食生活と安心して暮らせる生活環境の実現(イネゲノム)
2004年度を目標に、
- 痴呆、がん、糖尿病、高血圧等の高齢者の主要な疾患の遺伝子の解明に基づくオーダーメイド医療を実現し、画期的な新薬の開発に着手するとともに、生物の発生等の機能の解明に基づく、拒絶反応のない自己修復能力を利用した骨、血管等の再生医療を実現する。
- 疾患予防、健康維持のための植物の高品質化によるアレルゲンフリー等高機能食物及び農薬使用の少ない稲作を実現する。
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【プロジェクトの概要】
<ヒトゲノム分野>
- 痴呆、がん、糖尿病、高血圧等の遺伝子情報等の解明及びヒトゲノムの多様性解明。
- 遺伝子情報を利用した新薬、診断・治療法の確立など実用化に向けた技術開発。
- 細胞機能の解明・利用のための研究・技術開発。
- バイオインフォマティックス技術による遺伝子情報の分析・活用。
<イネゲノム分野>
- イネゲノムの有用遺伝子解析及び実用化に向けた技術開発。
<安全性の確保>
【プロジェクトの構築方針】
- ヒトゲノムについては、国際的に見てもこの分野で優れた研究業績を有する東京大学医科学研究所等を中心とし、様々な研究者が共同することにより、集中的な研究開発体制を構築すること。
- 成果の実用化にあたっては、倫理面にも配慮し、安全性を確保しつつ、官民の役割分担に十分配意すること。
(2) 高齢者の雇用・就労を可能とする経済社会の実現のための大規模な調査研究
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2001年度までに、高齢者の作業適性に関する調査を実施し、将来の勤務・作業形態、高齢者対応機器等のあるべき姿を解明する大規模な調査研究プロジェクトを実施する。
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【プロジェクトの概要】
- 高齢者の作業適性に関する調査の実施。
- 高齢者の雇用・就労に関する世界のベスト・プラクティス(模範例)の調査研究。
- 高齢者の雇用・就労が経済社会に対して与える影響に関する調査研究。
【プロジェクトの構築方針】
3 環境対応(−循環型社会の構築を目指して−)
(1) 地球温暖化防止のための次世代技術の開発・導入
- 2005年度までに、燃料電池自動車、住宅等における燃料電池コジェネレイションシステムの導入を図る。
- 2002年度までに、画期的な超高速船(テクノスーパーライナー)の運航を開始し、海上輸送へのモーダルシフトを推進する。
- 2003年度までに、二酸化炭素等の温室効果気体の直接観測を可能とする成層圏滞空飛行船(成層圏プラットフォーム)による観測を実施する。
- 2004年度までに、地球規模の高度海洋監視システム(ARGO計画)を構築し、長期予報の精度を飛躍的に向上(70%以上)させる。
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【プロジェクトの概要】
<燃料電池>
- 次世代燃料電池実用化技術の開発。
- 次世代燃料電池の商業化に向けた基盤となる標準、基準の整備。
<テクノスーパーライナー>
- トラック輸送に対する競争力を有するテクノスーパーライナーのトータル・サポート・システム(最適運航支援等)の開発。
<成層圏プラットフォーム>
- 成層圏プラットフォーム技術の開発、成層圏において温室効果気体を直接採取するための滞空観測の実施。
<高度海洋監視システム(ARGO計画)>
- 国際的な協力の下、高度海洋監視システム(ARGO計画)を構築。
【プロジェクトの構築方針】
- 技術開発については、必要不可欠なものに限る。
- 官民の役割分担に十分配意すること。
(2) 安心・安全の生活のためのダイオキシン類、環境ホルモン(内分泌撹乱物質)の適正管理、無害化の促進及びリサイクル技術の開発
- 2002年度までに、ダイオキシン等総排出量を約9割削減するとともに、環境ホルモンについては、優先的に取り組むべき物質について、リスク評価を実施する。
- 2005年度までに、中小企業者の保有するPCBの5割を無害化するとともに、処理困難廃棄物等のリサイクル・リユース技術を開発・導入する。
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【プロジェクトの概要】
- ダイオキシン関連技術開発等のダイオキシン類削減策等(超臨界水酸化施設の整備等)。
- 環境ホルモンのリスク評価、適正管理技術の開発。
- 処理困難廃棄物等のリサイクル・リユース技術の開発・導入。
【プロジェクトの構築方針】
- 廃棄物のリサイクル促進等の法整備を行うとともに、原因者負担原則を踏まえた方策を構築すること。
- 技術開発については、真に循環型社会の形成等に寄与すると考えられるものに限る。
(3) 循環型経済社会構築のための大規模な調査研究
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2001年度までに、大量生産・大量消費・大量廃棄型の現行の経済社会システムを静脈産業(循環型経済社会を支える産業)という新たな視点から見直すため、産業経済構造、技術開発、技能普及、関連産業の育成等に関する大規模な調査研究を実施する。
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【プロジェクトの概要】
- 産業経済構造、技術開発、技能普及、関連産業の育成等に関する大規模調査研究の実施。
【プロジェクトの構築方針】
V 国民参加のプロジェクトの形成
1 「21世紀の科学技術」についての意見の募集
新しい千年紀を迎えるにあたって、「21世紀の科学技術」をテーマに、幅広く意見を募集し、優秀なものを表彰する(10月中にも応募要領を公表予定。)。
2 革新的な技術開発の提案公募の実施
次代の産業の未来を切り拓くとともに、21世紀の我が国の経済社会に明るい夢と希望をもたらす革新性の高い技術開発案件を、提案公募の形式により研究者から募り、優秀な提案を採択し、助成措置を講ずる(11月中にも応募要領を公表予定。)。