ミレニアム・プロジェクト 「高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築」
最終評価報告書
平成17年8月
ARGO計画評価・助言会議
目次
1. ミレニアム・プロジェクト「高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築」の概要
(1)ミレニアム・プロジェクト
(2)「高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築」の概要
(3)ARGO計画評価・助言会議の経緯
2. プロジェクトの成果
3. プロジェクトに対する評価
(1) ARGO計画全体についての評価
a プロジェクト終了時の現状分析
b 目標に対する達成度についての評価
c 必要性についての評価
d 効率性についての評価
e 有効性についての評価
(2) 事業毎の評価
1.1 国際協力体制の構築
1.2 中層フロートの展開
1.3 中層フロート以外の観測システム
2.1 全球海洋データ解析・提供システム
2.2 データ品質管理
2.3 データベース
3.1 データ同化
3.2 気候変動予測モデルの高度化研究
3.3 海水温予測モデルの高度化
4. 総括とプロジェクト後の体制に対する評価
5. 評価結果一覧
(1) ARGO計画全体についての評価
(2) 事業毎の評価
ARGO 計画評価・助言会議
別紙 ARGO計画評価とりまとめ表
参考資料1 平成16年度事業実施報告書
参考資料2 成果報告書
1. ミレニアム・プロジェクト「高度海洋監視システム(ARGO 計画)の構築」の概要
(1) ミレニアム・プロジェクト
ミレニアム・プロジェクト(http://www.kantei.go.jp/jp/mille/)は、平成11年12月、新しいミレニアム(千年紀)の始まりを目前に控え、人類の直面する課題に応え、新しい産業を生み出す大胆な技術革新に取り組むこととして、内閣総理大臣により決定された。具体的には、夢と活力に満ちた次世紀を迎えるために、今後の我が国経済社会にとって重要性や緊要性の高い情報化、高齢化、環境対応の三つの分野について、技術革新を中心とした産学官共同プロジェクトを構築し、明るい未来を切り拓く核を作り上げるものである。
環境対応の分野においては、(1)地球温暖化防止のための次世代技術の開発・導入、(2)安心・安全の生活のためのダイオキシン類、環境ホルモン(内分泌撹乱物質)の適正管理、無害化の促進及びリサイクル技術の開発、(3)循環型経済社会構築のための大規模な調査研究の3つのテーマが定められ、(1)地球温暖化防止のための次世代技術の開発・導入に挙げられた4つのプロジェクトのひとつとして、「高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築」がある。
(2)「高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築」の概要
高度海洋監視システム(ARGO計画)とは、中層フロートを全世界の海洋に展開し、気候にも大きく影響する海洋の変動の実態を、リアルタイムで把握する海洋観測システムである。中層フロートは、漂流深度(通常水深1000 m)にて漂流し、約10日に一度2000 mまで降下し、水温、塩分、圧力の測定をしながら海面まで浮上した後、観測値と位置を衛星経由で伝送する測器である。高度海洋監視システムの構築は、全海洋に一様に3000台の中層フロートを稼動させることを目的とした国際ARGO計画の枠組みの中で行われた。高度海洋監視システムは、天候や海域にかかわらず長期にわたって全世界の海洋を観測することのできる、従来にない画期的な観測手段である。
以下は、「ミレニアム・プロジェクト(新しい千年紀プロジェクト)について」(平成11年12月19日内閣総理大臣決定)に記載されているミレニアム・プロジェクト「高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築」の目標である。
1. 目標
2004年度までに、地球規模の高度海洋監視システム(ARGO計画)を構築し、長期予報の精度を飛躍的に向上(70%以上)させる。
2. 各事業に対応した実現目標
【観測システムの構築】
- 2001年度半ばまでに、中層フロート展開技術研究開発、国際協力体制の構築を実施する。
- 2004年度までに、国際協力体制を維持しつつ、各国による貢献とあわせて中層フロートの展開を達成し、地球規模の海洋観測システムを実現する。
- 2000年度に中層フロートのデータを検証・補完する観測システムを整備し、2001年度から運用を開始する。
【観測データ処理・管理】
- 2000年度に観測システムから得られる全球の海洋データをリアルタイムに収集・解析・提供するシステム及びデータベース・システムを整備し、2001年度から運用を開始する。
- 2001年度半ばまでに中層フロートのデータを高精度で補正するデータ品質管理手法を開発し、2001年度後半から高品質なデータセットの作成を開始する。
【モデルの高度化・研究開発】
- 2001年度までに全球の海洋データの高精度な同化を行う手法を開発し、2002年度から高精度な格子点データセットの作成を開始する。
- 2002年度までに海面水温予測精度1℃を、2004年度までに予測精度0.5℃を実現する。
- 2004年度までに気候変動予測モデルの高度化を図る。
(3) ARGO計画評価・助言会議の経緯
ミレニアム・プロジェクトでは、省庁横断的な取り組み等を図るとともに、明確な実現目標の設定、複数年度にわたる実施のための年次計画の明示や有識者による評価・助言体制の確立を図るとの新たな試みを取り入れている。「高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築」においては、外部有識者で構成されるARGO計画評価・助言会議を開催し、プロジェクト終了後に全ての事業項目について、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(平成17年3月29日内閣総理大臣決定)(http://www8.cao.go.jp/cstp/taikou050329.pdf)に従い評価を実施することとした。ARGO計画評価・助言会議は、平成12年5月に第1回の会議を開催して以後、平成12、13、14、15年度のそれぞれの年度の実施事業について評価報告書をまとめ公表した。
本プロジェクトは、高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築推進委員会によって、省庁横断的に取り組み、推進されてきた。平成16年度の事業を終了後、高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築推進委員会は、平成16年度事業実施報告書(参考資料1)とともに、5年間のプロジェクトの成果をまとめた「ミレニアム・プロジェクト成果報告書」(参考資料2)をまとめた。
本最終評価報告書は、主に成果報告書を基に、事業実施報告書等を参考にしながら、本プロジェクトの評価を行うものである。
2. プロジェクトの成果
プロジェクトの成果は、「ミレニアム・プロジェクト成果報告書」(参考資料2)にまとめられている。主要な成果の概要は以下の通りである。
プロジェクトの実施により、
(1) 中層フロートによる全世界的な海洋観測システムを構築した。
(2) 中層フロートが取得したデータの処理・管理システムを構築し、運用を開始、継続している。
(3) 中層フロートのデータを解析することにより海洋・気候研究においても多くの新たな知見を得た。
(4) 海水温予測モデルの高度化を進め、気象業務等の現業面での活用を図った。
これらにより、地球規模の高度海洋監視システムを構築することができ、長期予報精度も、3か月予報の適中率が2002年に40%であったものが2004年に55%となり着実に改善した。
プロジェクトの各事業の実現目標に対応した主な成果は以下である。
(1) 観測システムの構築
中層フロート展開を円滑に進めるために、国際的な協力体制を構築した。国際ARGO計画では国際協力によりグローバルに海洋に展開されるべき中層フロートの数を3,000台としているが、プロジェクト終了時に1,600台に達し、2006年中に目標値に達する見通しが得られた。我が国は中層フロートを378台投入し、国際協力において米国に次ぐ2番目の貢献をした。また、中層フロート展開に必須の各種の基盤的な技術を開発した。
さらに、中層フロートのデータを近傍の係留系によって検証するとともに、中層フロートのデータを補完するシステムとして、海洋短波レーダーによる監視を実施した。
(2) 観測データ処理・管理
国際的な取り決めに基づき中層フロートのデータをリアルタイムで処理・交換するシステムを構築した。気象庁に構築したデータ処理システムは、国際ARGOデータ管理システムにおける日本のデータセンター(DAC)機能を担っている。さらに、海洋データ同化モデルによる解析プロダクトの一般利用者への提供を開始した。
塩分・圧力等の高精度補正を行うデータ品質管理手法を開発し、これまでに取得したプロファイルの可能な全て(約15,000プロファイル)に適用しデータを公開した。さらに、一様な品質管理を実現するための太平洋のリージョナルセンターを米、豪と協力し、海洋研究開発機構内に立ち上げた。
(3) モデルの高度化・研究開発
全球海洋の4次元変分法海洋データ同化システムを開発した。同化実験により、海洋環境再現にARGOデータの効果が大きいことを確認した。気候変動予測モデルについては、短期気候変動の予備的な予測実験を行い、予測精度向上が期待されることを示した。
海水温予測モデルの高度化を進め、開発したモデルを気象業務に導入した。東部太平洋赤道域の水温予測精度が向上し、最大誤差は0.94℃となった。
3. プロジェクトに対する評価
(1)ARGO計画全体についての評価
a プロジェクト終了時の現状分析
海洋観測は、中層フロートの展開によって飛躍的な進歩が見られた。それにより、船舶観測ではできなかった、長期間継続したリアルタイムの全世界の海洋観測が可能となった。国際ARGO計画の観測システムは、今後2〜3年以内に実現する明るい見通しが得られ、その国際共同研究に、我が国の果たした役割はきわめて大きい。
中層フロートが取得したデータの処理・管理システムが構築され、観測データは一般にも公開されている。
海水温予測モデルの精度向上等、中層フロートのデータを活用した成果があった。
推進委員会等によるプロジェクトの推進体制は適切であった。
b 目標に対する達成度についての評価
プロジェクトの主目標は、国際ARGO計画に積極的に参加し、海洋観測システムを構築することであったが、中層フロートの投入数においても、測器の較正・検定などの基盤技術の確立においても、データの処理・管理に関する国際組織体制の構築においても十分な成果をあげ、目標を上回って達成した。
長期予報の精度向上については、それがプロジェクトの実施のみに依存するものでなく、また国際ARGO計画が未完成な段階で論ずるのは尚早であるが、目標に向けて着実な進捗があった。
c 必要性についての評価
全世界の海洋の状態を長期間継続して把握することは、これまでの地球観測における空白域を埋めることであり、科学的、社会的意義が極めて大きい。科学的には、海洋観測システムの構築により海洋学における研究のみならず、気候学、地球環境学など広い範囲へ貢献する。社会的にも、海洋観測結果の利用により長期予報の精度を向上させる基盤として価値が高い。国際社会において、気候や地球環境についての理解を深めることは、重要な課題となっていることから、地球観測システムの不可欠な構成要素となりうる高度海洋監視システムの実現を図ることは、国として取り組むべき課題である。
これらのことからプロジェクトの必要性は非常に高かった。
d 効率性についての評価
実施体制に官庁の縦割り的な構造が反映され、プロジェクトの全体像を把握しにくい面もあったが、推進委員会を設置したことにより、大学、研究機関、関係省庁などが連携し、人事交流も行われ、既存の施設・設備・人員を活用しながら、各機関は効果的・効率的に施策を実施した。推進委員会は、毎年の評価・助言会議の評価と助言を真摯に受け止め、事業の適切かつ効率的な推進を図ってきた。
海洋観測システムの実現を目標としたために、科学的な解析より技術開発の側面に重点がおかれてきたのはやむを得ない。費用のおよそ半分が中層フロートの作成・展開に費やされたが、中層フロート自体が研究開発段階であるためで、業務化が推進されれば中層フロートの低価格化が促進されるだろう。プロジェクトは国産中層フロートの実用化にも貢献し、有効な投資効果があった。
これらのことから、プロジェクトは効率的に行われた。
e 有効性についての評価
従来の船舶を主とする観測では困難であった、海域・季節・天候にかかわらない、全世界的・継続的な海洋観測を、中層フロートの展開によって実現しようとする国際ARGO計画に、大きな貢献をした本プロジェクトの成果は、海洋学のみならず、気候学など地球科学の進歩に極めて有効である。この海洋観測システムによって得られるデータは、研究調査に利用されるばかりではなく、日常の関係諸業務にも広く活用される。
海洋観測システムのデータを利用することにより得られる海洋循環に関する知見などについては、現時点ではまだ成果が少ないが、今後、国際ARGO計画の進展にともないデータが充実することにより、それを利用した研究成果が多く得られると期待される。
これらのことから、プロジェクトの有効性は優れていた。
海洋学・地球科学の進歩にプロジェクトの寄与が大きいことを、国民にわかりやすく解説する等の一層の努力を期待する。
(2) 事業毎の評価
【観測システムの構築】
1.1 国際協力体制の構築
国際会議への積極的参加、国際会議の東京での開催、島嶼国等への啓蒙普及活動等、国際協力体制の構築における貢献は大きく、目標を上回る成果が得られた。
ARGO計画は国際協力なくして成し得ないものであるので、引き続き国際協力体制の構築に我が国が指導的役割を果たすことを期待する。太平洋島嶼国研修は、当該各国の周辺海域における科学的知見の各国にもたらす効用を理解してもらうことなど、さらに強化すべきである。
1.2 中層フロートの展開
中層フロートの展開数では、国際ARGO計画の目標には至ってはいないが、プロジェクトの目標とした展開数を越える中層フロートを投入し、米国に次ぐ世界2位の貢献をしたことは高く評価できる。北太平洋、南太平洋、インド洋、南大洋に、関係機関の船舶の協力を得ながら中層フロートの分布が粗になる海域にも積極的に投入した。センサー精度の検証、中層フロートの投入手法等の、中層フロート展開に必要な基盤的技術の開発、中層フロートの回収手法の確立、さらに、国産中層フロートの開発にも成果をあげている。これらの成果により、中層フロートの展開について目標を上回って達成した。
国際ARGO計画の観測システムの実現のために、中層フロートの展開を継続する必要性は非常に高い。中層フロート展開に必要な技術については、国際的に評価が高いので、今後も大いに期待される。予算的に厳しい状況があるが、必要最低限の体制の維持を検討されたい。中層フロートの展開は、同化モデルの結果を利用して効率的な運用を検討する必要がある。中層フロートの回収について、さらに努力して国際的な回収体制の提案も検討すべきである。
1.3 中層フロート以外の観測システム
中層フロートの検証を海洋気象観測船CTDデータ、係留式測流システムにより行い、また、中層フロートを補完するシステムとして海洋短波レーダーを整備し運用した。それぞれの特色を生かした成果をあげ、当初の目標は達成された。
中層フロートのセンサー精度の長期的推移については、貴重な成果をもたらしたが、もう少しサンプル数を多く設定すべきであった。センサー精度の検証は今後も継続して実施されたい。
係留式測流システムを利用した検証は妥当であった。自前の係留系だけではなく別の係留系でのデータも利用すると、信頼性も高くなったと期待される。
海洋短波レーダーにより黒潮変動をとらえた結果は興味深い。短波レーダー観測は、他の海洋観測と連携した研究の発展が期待されるので、今後も観測を継続して実施されたい。短波レーダーの精度の検証は十分でないので、今後検証観測を充実し精度を向上することを期待する。短波レーダーの観測データは、インターネットで公開されているが、より積極的な公開を検討されたい。
【観測データ処理・管理】
2.1 全球海洋データ解析・提供システム
ARGOデータの業務的利用に関しては、大きな成果をあげている。同化モデルによる解析プロダクトの一般利用者への公開も開始した。適切な推進体制のもと、当初の目標は達成された。
観測データにリアルタイムで品質管理を施しデータ提供することは、社会的重要性が高く、また、我が国として応分の貢献は必須であるので、事業継続の必要性は高い。データ同化モデルによるARGOデータのインパクト評価をより組織的に行う必要がある。解析プロダクトは、一般国民の関心も得られる形でのデータ提供が望まれる。
2.2 データ品質管理
品質管理手法を開発しデータセットの配信は順調に実現され、当初の目標は達成された。ARGOデータの客観的な品質管理体制が確立できたことは評価できる。遅延品質管理手順が、国際的に標準化されていないことは問題である。
データが充実してくるのに伴い、業務的に実施する体制の確立が望まれる。今後は、データ同化システム等との連携が必要であり、それにより、品質管理アルゴリズムの高精度化が期待できる。
2.3 データベース
データベースの作成、データの提供は当初の目標どおり達成された。さらに科学的プロダクトの提供も行っていることは評価される。インターネットを通じてデータを配布する目的は十分達せられた。
データの使い勝手の改善や、インターネット以外でのデータベース存在のアピール等にも配慮が必要である。
【モデルの高度化・研究開発】
3.1 データ同化
4次元変分法海洋同化システムの開発は順調に進んだ。中層フロートのデータの効果が予想以上に大きいことを確認した。データ同化についての研究開発の当初の目標は達成された。
推進体制については、マンパワーの関係で少し脆弱に感じられる。実用に耐える海洋データセットの作成には、引き続き研究開発が必要である。国際的な関係機関との連携をさらに推進する必要がある。
3.2 気候変動予測モデルの高度化研究
海洋変動予測モデルの段階では、ARGOデータの意義・有効性が示されたことは高く評価できる。しかし、本課題にはプロジェクトにおける予算措置がなく、マンパワーも不足していたため、当初の目標に対して達成度はやや不十分である。
現段階では、当初目標としていた気候変動予測モデルが完成していないので、今後、モデルの一層の高度化を図ると共に、ARGOデータの有効利用、ARGOデータの気候予測へのインパクト分析を行っていく必要がある。
3.3 海水温予測モデルの高度化
海水温予測モデルには顕著な進捗があり、予測精度の向上が図られたことは評価できる。数値目標の意義が不明確ではあったが、目標に比すると本課題の達成度はやや不十分であった。
予測精度向上を目指した熱帯太平洋の海面水温は、ARGOデータよりもブイデータのインパクトが大きいこと、モデル自体の問題が大きいことなどの知見が得られたことは評価できる。
これまでの成果は、未完成の国際ARGO計画の中間結果であり、今後の進捗を期待する。気象予測等への影響が大きいことから、今後もモデルの精度向上を目指した研究が必要である。
4. 総括とプロジェクト後の体制に対する評価
(1) 総括
高度海洋監視システムの構築は、平成12年度から平成16年度まで、おおむね計画どおりに実施され、多くの個別事業で目標を上回る成果をあげ、プロジェクト全体の目標に対しても目標を上回る成果をあげたと結論できる。
プロジェクトの成果から、ARGO計画の重要性が確認され、国際的な協力体制も構築されていることから、今後もプロジェクトの内容を継続する必要性が非常に高い。今後は、観測データを利用した研究を、さらに強化していくことが望ましい。観測システムを長期間維持するためには、業務的体制への移行が望まれるが、それまでに、中層フロートの高性能化・長寿命化・低価格化、中層フロート展開の合理化、観測データの利用研究を含む開発研究がさらに必要である。
(2) プロジェクト後の体制
プロジェクトの実施にあたっては、高度海洋監視システム(ARGO計画)の構築推進委員会が、大学、研究機関、関係省庁が連携してARGO計画の諸施策を効果的・効率的に実施するためにその機能を発揮した。プロジェクトの終了後も、適切な措置を講じてARGO計画を継続できるようにすることは、評価・助言会議でも提言してきたところである。
観測データ・研究成果の利用機関を追加した、新たなアルゴ計画推進委員会を設置し、国内・国際協力体制を強化することは適切である。推進委員会では、縦割り的構造でない横断的な体制を構築し、最終的な目標を明確にした実質的な議論を行い、計画の全体像が容易に把握できるようにすべきである。
5. 評価結果一覧
最終評価では前章までの評価結果をまとめると共に、評価の各視点についてA〜Eの5段階の評価付けも行った。以下に、評価・助言会議の委員による評価付け結果をまとめる。
これらの図は、評価・助言会議の委員それぞれが、項目毎にA〜Eの評価付けを行ったものから、各A〜Eに投票した人数を集計し、○の数で示したものである。
(1) ARGO計画全体についての評価
「プロジェクトの目標」に対する達成度
| A | 目標を大幅に上回った | | |
| B | 目標を上回った | | | ○ | ○ | ○ | ○ |
| C | 当初の目標通り | | | ○ | ○ |
| D | やや不十分 | | |
| E | 不十分 | | |
プロジェクトの必要性(科学的・技術的意義、社会的価値の創出、国費を用いた研究開発としての妥当性等)
| A | 必要性が非常に高い | | | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| B | 必要性が高い | | |
| C | ある程度必要 | | |
| D | あまり必要性がない | | |
| E | 必要性がない | | |
プロジェクトの効率性(計画・実施体制の妥当性、費用対効果の妥当性等)
| A | 非常に優れていた | | | ○ |
| B | 優れていた | | | ○ | ○ | ○ |
| C | 普通 | | | ○ |
| D | やや劣っていた | | | ○ |
| E | 劣っていた | | |
プロジェクトの有効性(プロジェクトによる直接の成果の内容、効果や波及効果の内容等)
| A | 非常に優れていた | | | ○ | ○ |
| B | 優れていた | | | ○ | ○ | ○ | ○ |
| C | 普通 | | |
| D | やや劣っていた | | |
| E | 劣っていた | | |
プロジェクトの展開や次の施策形成の必要性等
| A | 必要性が非常に高い | | | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| B | 必要性が高い | | |
| C | ある程度必要 | | |
| D | あまり必要性がない | | |
| E | 必要性がない | | |
(2) 事業毎の評価
【観測システムの構築】
国際協力体制の構築
目標達成度と成果
| A | 目標を大幅に上回った | | |
| B | 目標を上回った | | | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| C | 当初の目標通り | | |
| D | やや不十分 | | |
| E | 不十分 | | |
発展の必要性
| A | 必要性が非常に高い | | | ○ | ○ |
| B | 必要性が高い | | | ○ | ○ |
| C | ある程度必要 | | | ○ |
| D | あまり必要性がない | | |
| E | 必要性がない | | |
中層フロートの展開
目標達成度と成果
| A | 目標を大幅に上回った | | | ○ | ○ |
| B | 目標を上回った | | | ○ |
| C | 当初の目標通り | | | ○ | ○ |
| D | やや不十分 | | |
| E | 不十分 | | |
発展の必要性
| A | 必要性が非常に高い | | | ○ | ○ | ○ | ○ |
| B | 必要性が高い | | | ○ |
| C | ある程度必要 | | |
| D | あまり必要性がない | | |
| E | 必要性がない | | |
中層フロート以外の観測システム
目標達成度と成果
| A | 目標を大幅に上回った | | |
| B | 目標を上回った | | | ○ | ○ |
| C | 当初の目標通り | | | ○ | ○ | ○ | ○ |
| D | やや不十分 | | |
| E | 不十分 | | |
発展の必要性
| A | 必要性が非常に高い | | | ○ |
| B | 必要性が高い | | | ○ |
| C | ある程度必要 | | | ○ | ○ | ○ |
| D | あまり必要性がない | | |
| E | 必要性がない | | |
【観測データ処理・管理】
全球海洋データ解析・提供システム
目標達成度と成果
| A | 目標を大幅に上回った | | |
| B | 目標を上回った | | | ○ |
| C | 当初の目標通り | | | ○ | ○ | ○ |
| D | やや不十分 | | |
| E | 不十分 | | |
発展の必要性
| A | 必要性が非常に高い | | | ○ |
| B | 必要性が高い | | | ○ | ○ |
| C | ある程度必要 | | | ○ |
| D | あまり必要性がない | | |
| E | 必要性がない | | |
データ品質管理
目標達成度と成果
| A | 目標を大幅に上回った | | |
| B | 目標を上回った | | | ○ | ○ |
| C | 当初の目標通り | | | ○ | ○ |
| D | やや不十分 | | |
| E | 不十分 | | |
発展の必要性
| A | 必要性が非常に高い | | | ○ |
| B | 必要性が高い | | | ○ |
| C | ある程度必要 | | | ○ | ○ |
| D | あまり必要性がない | | |
| E | 必要性がない | | |
データベース
目標達成度と成果
| A | 目標を大幅に上回った | | |
| B | 目標を上回った | | | ○ |
| C | 当初の目標通り | | | ○ | ○ | ○ |
| D | やや不十分 | | |
| E | 不十分 | | |
発展の必要性
| A | 必要性が非常に高い | | | ○ |
| B | 必要性が高い | | | ○ | ○ |
| C | ある程度必要 | | | ○ |
| D | あまり必要性がない | | |
| E | 必要性がない | | |
【モデルの高度化・研究開発】
データ同化
目標達成度と成果
| A | 目標を大幅に上回った | | |
| B | 目標を上回った | | | ○ |
| C | 当初の目標通り | | | ○ | ○ |
| D | やや不十分 | | | ○ |
| E | 不十分 | | |
発展の必要性
| A | 必要性が非常に高い | | | ○ | ○ |
| B | 必要性が高い | | |
| C | ある程度必要 | | | ○ | ○ |
| D | あまり必要性がない | | |
| E | 必要性がない | | |
気候変動予測モデルの高度化研究
目標達成度と成果
| A | 目標を大幅に上回った | | |
| B | 目標を上回った | | | ○ |
| C | 当初の目標通り | | | ○ |
| D | やや不十分 | | | ○ | ○ |
| E | 不十分 | | |
発展の必要性
| A | 必要性が非常に高い | | | ○ |
| B | 必要性が高い | | | ○ | ○ |
| C | ある程度必要 | | | ○ |
| D | あまり必要性がない | | |
| E | 必要性がない | | |
海水温予測モデルの高度化
目標達成度と成果
| A | 目標を大幅に上回った | | |
| B | 目標を上回った | | |
| C | 当初の目標通り | | | ○ | ○ |
| D | やや不十分 | | | ○ | ○ |
| E | 不十分 | | |
発展の必要性
| A | 必要性が非常に高い | | | ○ |
| B | 必要性が高い | | | ○ | ○ |
| C | ある程度必要 | | | ○ |
| D | あまり必要性がない | | |
| E | 必要性がない | | |
ARGO計画評価・助言会議
| 議長 | 浅井 冨雄 | 東京大学名誉教授 |
| 木本 昌秀 | 東京大学気候システム研究センター教授 |
| 久保田 雅久 | 東海大学海洋学部教授 |
| 田宮 兵衞 | お茶の水女子大学文教育学部教授 |
| 西野 伊史 | アサヒビール株式会社常務取締役 |
| 松山 優治 | 東京海洋大学海洋科学部教授 |