電子政府の実現プロジェクト

電子政府評価・助言会議(第3回)議事概要



I.日 時:平成13年5月30日(水)10時〜12時

II. 場 所:内閣府地下講堂

III.出席者:(別紙)

IV. 議事経過:

1 礒山議長あいさつ
2 内閣官房から評価報告書案の概略を説明。国土交通省からも補足説明。
3 各委員の発言等の要旨は次のとおり。

(礒山議長)
 建築申請手続について、システム開発の進捗からみて、経費に変動がある筈だが、平成13年度以降の所要経費は同額であり、きちんと検討しているのか疑問。

(国土交通省)
 いわゆるシーリングなどもあり、平成14年度以降については決定されていないということで、不十分な数字だが、一応前年同額の数字を書かせていただいた。

(礒山議長)
 単年度予算の考え方では物事が進まないという発想で、このミレニアム・プロジェクトができたと理解。プロジェクトの全体をみて、効率化効果の検討・判断が必要。

(多賀谷委員)
 地方支分部局を経由する申請手続については、情報が地方支分部局と本省との間を行き交うが、システムの切り分けがうまく機能するか。
 遠隔地申請、ワンストップ等利便性が向上しなければ利用は増えない。建築確認は、電子化されても紙で申請するのと便利さが変わらないので利用が伸びないのではないか。

(国土交通省)
 説明した建築確認は、1000件程度の建築材料の性能評価の認定手続であり、汎用システムを利用。他の件数の多い手続は一部固有のシステムを整備するが、認証は共通。
 百数十万件の建築申請(自治事務)については、早期に標準仕様を自治体に提示したい。

(堀部委員)
 住民基本台帳ネットワークシステムを本人確認、本人認証にどう使うのか。

(総務省)
 地方公共団体は従来から住民票や印鑑登録証明など住民の居住関係の公証を行っているので、電子化に対応した活用方策をシステム面・制度面から検討中。住民基本台帳のネットワークとの連携も議論し、平成15年度までに一定の結論を出していきたい。

(内田委員)
 申請手続等の手数料納付の電子化は共通課題であり全体の基盤。手数料納付の電子化の具体的な方向性、検討状況を伺いたい。

(内閣官房)
 手数料納付を含む歳入・歳出事務の電子化については、日銀と金融機関のシステム整備を前提に、2003年度までにインターネットを利用した納付、オンラインによる振込みを可能とするためのシステムを整備するということで進めている。

(大山委員)
 「国税の還付金振込事務の電子化」について、依然として磁気テープ等の磁気媒体で実施することとされているのはなぜか。磁気媒体方式を維持する方が経費的に高くなるのではないか。特にメディアの安定性とか、技術的な面から見てメリットがあるのか。

(財務省)
 還付金事務は日々大量のデータをやりとりしているわけではなく、磁気テープの方がコスト的に安いため、現時点では磁気テープでやりたいというのが、日銀、民間金融機関の希望。オンライン化については、今後検討したい。

(今井委員)
 ユーザーとシステムの関わりの部分が大切だと認識しているが、国民、住民の視点に立った評価の仕組みが取り入れられているのか伺いたい。
 また、各省庁で行った技術開発(例えば、暗号評価(CRYPTREC))の成果を政府で活用していくという視点が報告書にないのではないか。

(総務省)
 ユーザーの視点は非常に大事。セキュリティは、ユーザーの利便性と相反する面もあり、セキュリティの高さとユーザーの利便性の調和という視点に立って技術開発等を進める。

(辻井委員)
 暗号技術評価委員会の成果の活用は、非常に重要な問題。
 またユーザーの視点に関連して、電子政府については国民には理解されにくい。経費節減額や産業界の活性化の程度など、数値を示すなどして、PRすることが重要。

(山口委員)
 システムは、整備だけでなく、経費面、体制面を含め、きちんと運用していくことが大事。構築、運用は外注が通例だが、委託先のクオリティーを確認し、監査する横断的なシステム、運用体制が必要。
 各省庁がシステム開発や運用をやって得られた知見、特に失敗を蓄積し、共有するメカニズムが必要。ナレッジデータベースの構築等が必要。
 電子政府について、世の中に分かりやすくプロモーションをし、国民に理解してもらう宣伝作戦が必要。

(総務省)
 行政情報化推進各省庁連絡会議の枠組みで、先行認証局の構築で得られた知見の共有や、汎用受付等システムの基本的仕様の作成などに取り組んでいるが、今後とも、御指摘の点も踏まえて対応してまいりたい。
 4月1日から「電子政府の総合窓口」(電子政府のポータルサイト)の運営を開始しており、このPRも通じ、電子政府の姿を分かりやすく理解していただけるよう取り組む。

(山口委員)
 システムの構築、運用を請け負っている企業との関係について、どう考えているか。

(総務省)
 システムの構築、運用は企業に委託していることが多い。しかし、例えば政府認証基盤について、ブリッジ認証局の運用方針・相互認証基準の策定、相互認証に係る判断等は、全て行政情報化推進各省庁連絡会議で決定。
 また、ブリッジ認証局の運用についても、基本的な部分はすべて役所側が決定、対応。

(山口委員)
 役所がちゃんとやるのは当たり前だが、委託先の企業がシステムをきちんと構築、運用しているか等を確認する監査の仕組みが必要。

(総務省)
 例えば、ブリッジ認証局、省庁認証局の立ち上げ作業現場には、必ず運用責任者が立ち合い、作業の記録の検証、チェックを行ったところ。今後、ブリッジ認証局、各省庁認証局の運用方針の中で、監査担当機関等について、ご指摘も踏まえて対処して参りたい。

(多賀谷委員)
 自治体、特に市町村は、システムの企画段階から運用までのすべてを業者に任せていることが多い。特に自治体には個人の生活に関わるような情報があるので、セキュリティは業者任せにせず十分注意する必要。

(今井委員)
 アウトソーシング、調達・運用を外部に委託する場合、セキュリティ確保が非常に重要。

(伊藤委員)
 ITの活用環境を整備していく上で、主体的に企画、調達、運用、予算措置をしていく人材の確保、育成が必要かつ重要である。特に、地方公共団体では地域間の格差やIT活用環境の整備に関する濃淡があり、情報化の中核になる人材の確保、育成が大事である。ITコーディネーター制度を積極的に活用する等、人材のてこ入れが必要。

(総務省)
 個人情報保護については、例えば総合行政ネットワークのシステム運用に当たって外部監査の導入を考えている。
 また、人材育成については、昨年8月の「IT革命に対応した地方公共団体における情報化施策等の推進に関する指針」でも、首長などを中心とした推進体制の整備を要請。
 さらに、中核的な人材問題に関しては、地域自治情報センターの市町村サポート事業をお願いするとともに、本年1月から総務省においてIT推進有識者会議を開催し地方公共団体の格差の問題等について検討しており、7月には、広域的取組・共同監査等の推進等を内容とする報告を出す予定。

(内田委員)
 商業登記に基礎を置く電子認証制度は余り利用されておらず、手数料も年間9万6,000円と高いとの意見もある。電子署名は実印と異なりインターネット上毎回使わないと安心できないもの、電子商取引でも頻繁に使われる使い勝手がよいものとなるよう検討願いたい。料金も一括払い込みではなく、その都度少額で証明書が取れるような仕組みも検討すべき。

(法務省)
 電子認証制度は、これまでのところ実験的な利用に限定されているのが実情。
 国が徴収する手数料は、経費を利用見込件数で割った額とするのが基本。制度が広く各種の手続で利用され、利用見込件数が増えれば、手数料も見直しされる。平成15年度以降料金見直し時期を迎えるが、利用しやすい制度でなければ利用されないことも踏まえて検討してまいりたい。

(礒山議長)
 年間9万6,000円の手数料は、自社の紙の謄本の利用頻度などと比べると、高い、使いやすくせねば宝の持ち腐れとなるというのが率直な印象。

(法務省)
 1通1,000円の印鑑証明書と比較すると少し高いが、例えば、民間の認証サービスの料金などと比べてみても、さほどでもないのではないか。
 登記特別会計全体でこの費用をみるため、手数料を安くすると、他の登記利用者の負担にはね返ることになる。料金の問題は、利用しやすいものでなければ利用が促進されないということは指摘のとおりなので、検討していきたい。

(大山委員)
 電子政府の構築に当たっては、従来のアカウントとパスワード方式か、オンライン・オフライン両方に対応できるPKIをベースとした認証方式にするのか、決断が必要。
 技術の進歩、時間の経過とともに、ソフトウェア、ハードウェアは陳腐化する。電子政府化に当たっては、コンテンツが最も価値があり、ソフトウェア、ハードウェアにコンテンツが縛られないことが極めて重要。基本的な機能仕様を決めて、それに合ったものを各省庁、地方自治体も含めて調達をするということが重要。

(経済産業省)
 コンテンツの流通・共有は重要と認識。総務省の汎用受付等システムの検討会でも、XMLで共通化することにより、システムそのものは少しずつ違っても、コンテンツだけはきちんと流通できるよう、国土交通省と連携しつつ、全省で議論していこうとしている。

(大山委員)
 誰が管理・メンテナンスをするのか等を決めておくことが重要。更に良いものが出てきて次の標準的なものとして取り入れた場合、変換ができるよう仕掛けを作るべき。

(総務省)
 行政情報化推進各省庁連絡会議で汎用受付等システムの基本仕様を6月中にも決定し、それを共通の仕様とする予定。

(IT担当室)
 地方公共団体の取組を支援するという観点から、今年度中に汎用的なシステムの基本仕様をとりまとめ地方公共団体に提示すべく、関係省庁間で議論、検討しているところ。

(辻井委員)
 ICカード化が日本のIT化にとって非常に大事。仏ではICカード化で偽造カードが減少。一方、クレジットカード、デビッドカードの活用は偽造が容易であるため危険。
 さらに2003年の先の話としては、民意を絶えず聞くとか、電子選挙的なことを視野に入れた有資格者認証システムも構築していかねばならない。

(内閣官房)
 ICカードについては、国民の利便性、行政のコストの面から、各行政機関がばらばらの仕様のものを発行するようなことにならないよう、関係省庁で今年度中できるだけ早期に基本的なスペックを策定すべく検討中。

(礒山議長)
 自分たちの言いたいことをできるだけきちっと報告書にまとめたい。今週中に意見をい
 ただいて修正を加えたいが一任いただきたい。構成については、ミレニアムから飛び出す意
 見も敢えてまとめてあるが、これを踏襲したい。
 なお、評価助言報告書については、官邸のホームページで公開する。

4 今後の対応等について
 内閣官房から、評価報告書を踏まえ、全府省挙げて電子政府の実現を目指して取り組むこと、ご指摘への対応は今後報告させていただく旨説明するとともに、既に取り組んでいる措置等について説明した。
 次回については、平成14年度の概算要求が出揃う本年秋を目途に中間報告のための会合を開催することとされた。

(別紙)

(委員)
礒山 隆夫議長
伊藤 正雄委員
今井 秀樹委員
内田 貴 委員
大山 永昭委員
多賀谷一照委員
辻井 重男委員
堀部 政男委員
山口 英 委員

(政府側)
内閣官房
防衛庁
金融庁
総務省
法務省
財務省
文部科学省
経済産業省
国土交通省