電子政府の実現プロジェクト


電子政府評価・助言会議(第6回)議事概要



I.日 時: 平成14年12月16日(月)16時30分〜18時
   
II.場 所: 内閣府地下講堂
   
III.出席者: (別紙)
   
IV.議事経過

 1 礒山議長あいさつ

 2 内閣官房より、ミレニアム・プロジェクト関連施策に係る中間報告について説明。

 3 最新の取り組み状況について、担当省庁より説明。
(1)内閣官房IT担当室より、各府省情報化統括責任者(CIO)連絡会議について説明。
(2)内閣官房情報セキュリティ対策推進室より、情報セキュリティ対策への取り組みについて説明
(3)総務省より、アクションプラン2002について説明。
(4)財務省より、業務の効率化について説明。
(5)総務省及び国土交通省より、入・開札の電子化について説明。
 4 上記説明後の各委員発言の要旨は次のとおり。


 (内田委員)

  • 手数料納付の電子化については、旧総務庁の共通課題研究会においてある程度の方向性を打ち出した。すでに基礎的研究は終わっており、実用化の段階と考えるが、現在の取り組み状況はどうなっているか。
  • 技術的には全く問題はない。ネットワークの組み方や、法的な整備も難しい話ではないと考える。国民の申請・届出の電子化の完結部分でもあり、是非推進していただきたい。
 (財務省)
  • 電子納付システムの導入に当たっては、金融機関との調整が必要。関係機関と事務的な最終的な詰めを行っている段階にきている。
 (内閣官房)
  • 財務省の説明のとおり、日銀や関係金融機関とのシステムの調整を行っているところだが、e-Japan重点計画2002に盛り込んだ当初の予定どおり、2003年度の導入に向け準備が進んでいる。
 (辻井委員)
  • 電子政府の構築に当たっては、医療分野など国民に分かりやすい分野で、「電子化により医療費はこれだけ減ります」と明るい未来が見えてくるようPRすることを提案したい。これだけ一生懸命取り組んでいても、道路などとは違って、国民の目に見えてこないのは勿体ないこと。
  • セキュリティの話は常に政府が責められてばかりだが、例えば、紙の世界では誰に見られたか分からないうちに文書を見られることがある。一方で、デジタル化・ネットワーク化の世界では、見た人の記録を残しておけば、見られる人のプライバシーは守られる。
  • こうした事を皆にきちんと理解してもらい、良い面のPRをうまく楽しくやるといいのではないか。
 (内閣官房)
  • 細田IT担当大臣もキャッチフレーズとして「便利・元気・安心なIT国家」ということを言っておられるように、国民の目に見えるITの利活用を進めて参りたい。これまでも、国民にITの利便性を身近に感じてもらえるよう、無線タグなどITを活用したプロジェクト(e!プロジェクト)も展開しているところ。
  • 医療分野については、e-Japan重点計画2002においても、2006年度までにレセプトの電子化を全病院の7割以上で進めていくことなどが盛り込まれている。
 (堀部委員)
  • 8月の住民基本台帳ネットワークの稼働開始をめぐって、国民等の個人情報やプライバシーに関する懸念が非常に大きかった。
  • 12月13日に閉幕した臨時国会でも個人情報保護法案が廃案になったが、こうした法制をきちんと整備していかないと、電子政府に対する信頼性の確保も難しいのではないか。次期通常国会に法案を再提出するとのことだが、是非推進してほしい。
  • 今年の7月25日にOECDの理事会で、「セキュリティ文化の普及に向けて」と題するガイドラインが策定され、セキュリティ文化の普及ということが謳われている。アメリカはこれをもとに様々な施策を講じているところであり、日本もこうした国際的な動向を踏まえ、さらにセキュリティ対策に積極的に取り組んでいただきたい。
  • ところで、当会議はミレニアム・プロジェクト施策について評価・助言を行う会議であったが、このたびCIO連絡会議が設置され、今後の評価・助言会議の進め方も変える必要があるのではないか。
 (内閣官房)
  • 個人情報保護法案については、政府としてのスタンスは明確であり、是非とも国会で成立させていただきたいという事に変わりはない。
  • 当会議の今後の進め方だが、まず本来任務である関連22施策に対する評価・助言をしっかり行っていただき、かつ、ミレニアム・プロジェクト関連施策に限定せず、政府の電子政府施策全般についても助言等を行っていただくこととしたい。
  • 9月に設置されたCIO連絡会議でも、外部の有識者からどのような形で御意見を頂いたら良いかが検討課題となっている。
 (伊藤委員)
  • 電子政府はいよいよ実用化の段階となってきた。地方公共団体も含め、電子政府の具体的内容について、行政手続の業務指針や国民と役所との関わりなど、国民一般への広報活動を更に活発にやるべき。
  • 情報化人材の育成や情報化管理者の設置等は依然として課題が残っている。特に、地方公共団体の電子化を進めるに当たっては、人材育成の促進、国と地方の連携、必要があれば人材の派遣を考える等、積極的な施策を進めていただきたい。
  • 現在、認証システムを中心にバックアップシステム・運用体制の評価・セキュリティ対策等が具体的に進められているが、これから立ち上がってくる全てのシステムについても同じように、運用に対する万全な配慮が必要となるので、十分配意していただきたい。
 (総務省)
  • 総務省としては、各地方公共団体における人材育成・確保を支援するため、これまでも、全国各地でセミナーの開催等を行ってきたところ。
  • また、来月初めより2ヶ月間、各団体3名程度の情報担当者を対象に、e−ラーニングを利用した情報セキュリティ研修を全国規模で実施するとともに、来年1月には、情報セキュリティ集中セミナー等の開催を予定している。
  • 御指摘の点は、今後とも十分配意して参りたい。
 (山口委員)
  • 財務省から説明のあった業務効率化だが、定型業務の効率化については、多くの民間企業で行われ、既にノウハウが蓄積されている領域なので、積極的に外部の知見を活用することが必要。
  • 定型業務の効率化に当たっては何をインデックス(指標)にするかが重要。職員が早い時間に帰宅できるようになることなのか、人員削減なのか、あるいは経費削減を指標とするのか。明確な数値目標が設定されなければ、いつまでたっても人も減らない、経費も減らないという訳の分からない状態となってしまう。
  • 実は、役所の仕事の多くは非定型業務ではないか。ここに踏み込まないと本当の意味での業務の効率化にはつながらない。定型業務に関しては効率化をどんどん進め、作業の前倒し・加速が必要である。
 (今井委員)
  • 先ほども話に出たが、国民の啓発が重要と考える。電子自治体でうまくいっているところは、草の根レベルでうまく取り組んでいるところであり、こういう自治体では住民の抵抗も少ない。ただ、PRするのではなく、実際に体験してもらうことが大事である。
  • セキュリティの問題はCIO連絡会議でも扱うことになると思うが、従来のセキュリティ対策推進会議との切り分けはどうなるか。
 (内閣官房)
  • CIO連絡会議の当面の検討課題として、個人情報を含む情報の保護措置を掲げているが、基本のところは、やはりセキュリティ対策推進会議が主体となって取り扱うこととなる。
  • 他方、CIO連絡会議においても検討のスコープには入っており、対策推進会議と調整を図りながら進めていくこととしたい。
 (今井委員)
  • アメリカではThe Department of Homeland Security(国家安全保障省)を設置してセキュリティに関する行政を一元化している。これは、セキュリティ対策の一貫性の確保と情報の共有のためである。
  • 日本の場合、省庁の独立が強い面があるが、是非一貫した情報セキュリティ対策が取れるような方向で考えていただきたい。そのためには、CIO連絡会議との連携も大事にして欲しい。
  • セキュリティの研究者としては、センターは信用できると考えられていることは心配。もちろん、内部性等はセキュリティーポリシーなど運用で対応していくということだが、内部不正にも対応できるようなシステム設計や技術的対策を考えていく必要があるのではないか。
 (総務省)
  • センターシステムは信頼できるということで考えているが、例えば、仮に、認証システムにおいて鍵が危殆化しても、一日で別の鍵のシステムを再構築し稼動させるという対応を考えている。今後も御助言を賜りながら対応して参りたい。
 (大山委員)
  • 1996年に制度見直し作業部会にかかわっていた者から見れば、このたび電子政府関連3法案が成立したことは大変喜ばしく、隔世の感がある。
  • 法案が通過したことで、制度的な面は目途が付いたが、電子政府はまだ幾つか課題が残っている。今井委員のおっしゃるとおり、今後、例えばセキュリティについては欧米依存のままで良いのだろうかと考える。
  • 電子政府・電子自治体の基盤となるPKIを日本ほどの大規模で進めているのは例がなく、何かあれば世界の笑い者になってしまう。現在のPKI技術はソフトウェアに依存し過ぎていないか、あるいは、システム構築・運用等を含め現在のシステム全体に脆弱性がないか等々、しっかり自ら考えていく必要がある。
  • 行政手続きの手数料は、電子化によって一時的に高くなるかも知れないが、国民・利用者の観点から考えると、必ず料金を下げていくという意思を明確にすることが重要。
  • CIO連絡会議のメンバーは必ずしもITに長けた人ばかりではない。いろいろ勉強されていると思うが、「自分が分かっていないことを分かる」ことも大事。ミレニアム・プロジェクトは終わっていくが、その後の措置も必要になってくるのではないか。
 (礒山議長)
  • 各省庁は、委員の御意見を十分踏まえた取り組みを今後も進めていただきたい。
  • 本日欠席の委員から後日御意見をいただいた場合には、事務局を通じて担当省庁に送付するので、対応をよろしくお願いする。

4 今後の対応等について

  • 次回は、年度終了後の来春に、各省庁からの事業実施報告を踏まえ、各委員より評価・助言をいただき、当会議としての年度報告を取りまとめることとされた。


(別紙)

 (委員)

礒山 隆夫議長
伊藤 正雄委員
今井 秀樹委員
内田  貴委員
大山 永昭委員
辻井 重男委員
堀部 政男委員
山口 英 委員

 (政府側)

内閣官房
防衛庁
金融庁
総務省
法務省
財務省
文部科学省
経済産業省
国土交通省