燃料電池プロジェクト

第5回燃料電池評価・助言会議議事要旨


  1. 日 時
     平成16年6月2日(火) 15:00〜17:00

  2. 場 所
     経済産業省別館1111号会議室

  3. 出席者
     柏木議長、飯田委員、太田委員、清水委員、中上委員、山地委員

  4. 事務局等出席者

    内閣府梶原上席政策調査員(笹野参事官代理)
    古金谷参事官補佐
    経済産業省資源エネルギー庁安藤企画官
     省エネルギー・新エネルギー部 政策課師田課長補佐
    実施主体新エネルギー・産業技術総合開発機構名久井部長
    (財)日本自動車研究所渡辺次長
    (社)日本ガス協会藤井部長、大村課長
    オブザーバ農林水産省、環境省

  5. 冒頭挨拶
    (梶原上席政策調査員)
     燃料電池は、小泉首相の案件でもあり、内閣府でも総合科学技術会議の地球温暖化研究イニシアティブにおいて温暖化対策技術の推進を各省連繋で図っており、本ミレニアムプロジェクトに寄せる期待は大きい。平成12年度から開始した本プロジェクトは、今年度で最終年度を迎え、委員にはそれぞれの専門の立場から忌憚のないご評価・助言を頂きたい、関係省庁および実施主体は委員からの指摘を勘案し、燃料電池の実用化・普及を早期に実現できるように事業推進を図るよう要望があった。


  6. 議事概要
    <固体高分子形燃料電池に関する取り組みの現状>
     経済産業省から、今年3月の燃料電池戦略研究会で議論した2030年の導入目標が紹介され、固体高分子形燃料電池に関する取り組み全般について説明が行われた。

    <事業実施報告および事業実施計画の説明>
     実施主体から、全体概要、自動車用、定置用の各々について平成15年度の事業実施報告、および平成16年度の事業実施計画の説明が行われた。

    <質疑応答>
     (飯田委員)
     燃料電池自動車に関係する経済産業省、国土交通省関連の対応を全て、日本自動車研究所が担当している。効率的に事業が進むように配慮が必要である。ISOに標準化案を提出しているが、承認までには、追加試験の要求が予想される。対応できる体制を準備する必要がある。加えて、標準化終了後も、各国からの資料請求への対応などの体制作りも必要である。また、自動車では、燃費測定方法を提案しているが、燃費測定方法と合わせて、燃費測定結果も公表して欲しい。試験データの公表がないと、未成熟な技術であるという印象を国民に与える。さらに、今後、燃料電池自動車の導入普及を進めるのに、何が本当に必要な項目なのか、明らかにする必要がある。
     (経済産業省回答)
     本事業とは別に推進している実証事業で燃費測定を行っています。燃費データに関する開示は強く認識しています。しかし、各社のノウハウに絡むところもあり、各社マターでの測定方法で実施しており、事業内でも統一性が取れていない。まだ、情報開示の段階ではないが、今後、開示できるように務めていきたい。
     (実施主体回答)
     効率的に推進できるように体制作りに配慮します。関係者と相談の上、燃料電池自動車の導入普及を進める上で、効率的に推進できるように、開発項目の選定を行います。

     (太田委員)
     本ミレニアム事業では、完全とは言えないが、燃料電池に関する標準化・基準化に関してのデータ取りは、かなりの部分をカバーできたと評価する。これからが国際標準化作りで本格的な議論となり、特に、今後を期待する。JARI標準セルは、PEFC技術開発で有効である。
     この事業終了後を含め、今後の研究開発にあたり、燃料電池自動車の排出ガス測定等で利用した水素センサーなどの計測機器の要求性能や計測のノウハウなども報告に記載してほしい。セル性能評価においては燃料ガス圧力の影響やセルの大きさについてはインピーダンス測定などの検討結果があるが、データ解析においては、さらに詳細な解析検討が欲しい。少なくとも、材料やセルなどの性能評価で得られた問題・課題点を開示して欲しい。耐久性試験は、普及のためには重要な項目であり、劣化解析の検討を望む。
     (実施主体回答)
     国プロの一環として国際標準化をサポートするという取り組みは、世界的にも注目されている。この領域における国際貢献ばかりでなく、日本がリーダーシップをとって進めるという顕著な成果が発揮できたものと考えます。JARI標準セルについては、本評価・助言会議での御指示に従って取り組んだものです。また、セル性能評価においては、より解析的な評価を行うために、参照電極を用いた半電池を開発中です。極力、計測のノウハウや材料やセルの問題・課題などを報告書に記述します。

     (清水先生)
     国際標準ISO/TC22/SC21では、日本はミレニアム事業において早期からデータ取りなどの対応しており、評価が高い。ただし、事業での対象が幅広く、これから、本格的な標準化作業では、もっと細かい議論になったときの対応が懸念される。国での事業としてのバックアップを期待する。また、燃料電池自動車からのパージ方向の検討や爆発の試験などでは、実際の利用環境条件を漏れなく考慮した条件設定をして欲しい。
     (実施主体回答)
     本ミレニアム事業での実際の試験データを基に標準化に貢献する取り組みは、海外でも好評をえており、SC21議長からも高い評価を頂いています。また、水素放出の方法については、想定される代表的な条件での試験を実施してきましたが、今後は、自動車メーカの方々と条件について協議をし、大臣認定取得車を使用した試験を実施する予定です。

     (中上委員)
     本ミレニアム事業の開始時には、燃料電池の国際標準化で、全項目を取るぐらいの勢いで進めるように進言したが、正に直実に進捗しており評価できる。燃料電池の普及推進に向け、一般の利用者に理解しやすい情報を流して欲しい。特に、安全性に関しては、もっとかみ砕いた説明が必要である。広報活動も考える段階ではないか。
     (実施主体回答)
     国土交通省、消防庁、高圧ガス保安協会、自動車工業会、燃料電池実用化推進協議会、水素エネルギー協会、自動車技術会など関係の省庁、団体、学会などへは積極的な情報提供を実施してきました。一般の利用者への情報発信については、これら関係各位と相談しながら、燃料電池の普及促進に向けて、前向きに対応していきます。

     (山地)
     本事業は着実に成果が得られ、着実に進捗している。特に、定置用については、規制緩和に対応して成果を出してきており、評価に値する。定置用における負荷追従試験やパターン負荷試験の活用方法の検討も必要である。また、自動車用の水素性状の規格作りにおいて、今後の燃料電池技術の発展との調整が必要である。
     (実施主体回答)
     規制緩和の対応は、本ミレニアム事業で最も高い優先順位で実施し、今回大きな成果を挙げることができ、定置用PEFC導入に向けて大きく前進した。定置用における負荷追従試験やパターン負荷試験では、横並びでの性能評価の実施にあたり、性能比較できる性能測定試験方法の手順を決めたい。自動車用の水素性状の規格は、まだ提案段階にあり、セル性能への影響という観点で結果を取りまとめている。今後は、供給側の技術レベル、品質管理のための分析コストとの兼ね合いなどを考慮し、協議していきます。

     (柏木議長)
     日本のISOへの貢献では、燃料電池ほどリーダーシップを取ってリードしている分野はない。今後とも、主導権を握って欲しいが、国際標準では、一人勝ちはあり得ないので、今後は他の参加国との協調も考えて欲しい。本事業では大変膨大なデータを収集し、それを基に標準化に貢献しており、成果も順調に得られており、高い評価を与えられる。
     (実施主体回答)
     予算面のサポートにより試験データの収集を円滑、効果的に進めることができています。また、毎年の評価助言会議によるご指導により、成果活用への道筋を示すことができ、的確に効率的に推進できました。米国自動車技術会(SAE)とも試験データを共有化し、試験方法、モデル作成など相互の意見交換を行っています。今後も海外との協調を踏まえて取り組んで参ります。

    <個別評価報告書について>
     事務局にてできるだけ早い段階で案を作成し、委員の確認をとった上で、議長により年次報告書を取りまとめる事になった。