| 項目名 | 評価・助言 | 評価を踏まえた対応方針 |
|---|---|---|
| 1.現状分析 | 各事業ともに明確な目標の下に計画が作られており、また、研究体制の整備についても十分な進展が見られるなど、全体としては順調に進展している。完全長cDNA解析、このデータに基づく遺伝子領域中心とした標準SNPs解析、使用DNAの少量化等によるSNPsタイピングの高速化・低価格化等の計画は合理的であり、また、バイオインフォマティクスグループ等との連携も行われている。 | 今後とも、疾患遺伝子解析グループ・バイオインフォマティクスグループとの連携を積極的に進めていきたい。 |
| 新規のものと思われる日本人固有のSNPが総数の80%近くを占めるという結果は、外国での同様な解析結果と比べて異常なくらいに高い。これは単に新規性の基準とした既知のSNPsの総数が足りないためなのか、SNPs探索を遺伝子部位に限定したなどのためなのか、今後の解析の結果を待ちたい。 | 新規SNP発見率が高いのは、本計画の対象が遺伝子領域に限定していること、日本人集団に特化していることの複合理由であると考えている。疾患遺伝子解析において、これらの成果は、わが国のSNPs探索技術が諸外国に比して優位に立っていることを示すものであり、この有利な状況を生かし、システマティクなタイピング体制の構築により、知的財産の確保につながる計画作りが期待される。 | |
| 現状では解析自体が目標であるが、標準SNPs、疾患関連SNPsを関連させ、いかに最も効率よくテイラーメイド医療に繋げていくのか、今後の方策について検討すべき。 | 本チームの目標は、疾患・再生・バイオインフォマティクスのための基盤データの産出にあり、2年間で当初の目標は達成して終了することとなっており、テイラーメイド医療に向けて、各プロジェクトへの成果を提供していく予定。 | |
| 2.実施目標の達成度 | 本プロジェクト全体について、予想以上の速度で解析が進んでおり、十分に評価できる。 | 本年度末の目標達成に向けて着実に計画を進めていきたい。 |
| cDNAの取得数は数の上では達成されるであろうが、取得したcDNAから本当にタンパク質が発現するかどうかについては、in vitroでのタンパク質合成等によって実際に確認する必要がある。 | 平成13年9月現在で、新規ヒト完全長cDNAの塩基配列決定数は約2.2万であり、平成13年度中に目標を達成する予定である。塩基配列解析したcDNAについては、平成13年度から、民間部門の参画を得て発現検討を開始することとしている。 | |
| 3.具体的改善点 | 遺伝子多型の高速タイピングに対して重点的に取り組み、他のSNPs関係プロジェクトをサポートすることで、SNPsの技術開発及び研究の進展に対してうまく機能しているので、これを一つのモデルとしてうまく普及させるべきであり、また、収集したデータは、他のプロジェクトの参考データとして活用するべき。 | 収集したデータは、疾患遺伝子解析チームの標準データ等として共有されることになっている。 |
| 理化学研究所遺伝子多型研究センターが行う疾患SNPsの解析とミレニアム「疾患遺伝子プロジェクト」との関係及び連携体制を明確にするべき。また、「疾患遺伝子プロジェクト」の解析過程において、本事業がどういった形で関係しているのかを明らかにすべき。 | 理化学研究所の遺伝子多型研究センターは、SNP解析を疾患解析研究に生かすパイロット的な研究を行うミッションを持ってスタートしており、順調に研究が進んでいる。同センターには、疾患遺伝子研究のための様々なノウハウが蓄積されつつあり、疾患研究や遺伝子研究の推進のため、疾患遺伝子解析チームとの一層の連携・協力を図る。 | |
| 研究成果の特許化に対するシステマティックな取り組みを行い、研究成果が民間に速やかに移転されるようにすべき。 | 研究成果のうち、特許性のあるものは特許を申請し、その後に公開する方針であり、そのための支援(必要経費の計上)も行っているところ。また、特許化しにくいものについては、速やかに公開し、民間でも利用でき、すでに10万以上のSNPs、約9千以上のcDNA配列情報が公開されている。 | |
| 4.その他 | 標準SNPs事業は高い達成度を上げており、他の事業の基幹となるものであることから、他の事業との連携強化を期待。ただし、海外のベンチャー企業がSNPsに取り組んでいることを考えると、ナショナルプロジェクトとしての存在意義を明確にすべき(日本人集団ということの意味を含めて)。また、その機能解析については、海外のデータとの連携も視野に入れるべき。 | 疾患遺伝子解析チームとの連携は緊密に進んでいる。ナショナルプロジェクトとしての意義は、本事業が組織等を越えた能力結集により進められてきており、十分な役割を果たし得たものと考えるが、本事業は2年間の事業であり、その成果を今後他チームで活用されることを期待したい。 |
| タンパク質機能解析について、発現分布や遺伝子導入等との従来の方法のみならず、新しい解析法の試みが積極的になされることを期待。また、機能解析が現実に進展している(或いは可能性が高い)という具体例を示すべきではないか。 | 完全長cDNA構造解析事業の成果である塩基配列データは、バイオ・インフォマティクスプロジェクトにおけるタンパク質機能解析プロジェクトにおいて利用されている。 |
| 項目名 | 評価・助言 | 評価を踏まえた対応方針 |
|---|---|---|
| 1.現状分析 | コメント無し | |
| 平成12年度は2度実施会議を開いて、サブチーム間の連絡を密にした。今後も、定期的に実施会議を開催し、連携を図っていく。 | ||
| 各疾患サブチームで検討した診断基準・対照集団・サンプル数等について、さらにサブチームリーダー会合等で専門家を含めて議論する。その際、日本人標準SNPsの頻度など、議論に必要な情報も積極的に導入していく。 | ||
| 2.実施目標の達成度 | コメント無し | |
| コメント無し | ||
| コメント無し | ||
| 3.具体的改善点 | 平成12年度は2度実施会議を開いて、サブチーム間の連絡を密にした。今後も、定期的に実施会議を開催し、サブチーム間、及びサブチーム内の連携を図っていく。 | |
| 5大疾患のそれぞれについて、罹患率や死亡率が高く、有効な予防法・治療法が確立していない疾患・病態を選んで焦点を当てることを原則とするが、比較的稀な疾患や病態の解析から重要な研究の突破口が開かれることもあることに留意して対象疾患を選ぶ。 ぜんそくの発現解析については、初年度はベッドサイド応用、すなわち少量の血液試料で短時間に解析する方法を優先し検討した。細胞集団の違いによる発現遺伝子の違いについても検討している。 | ||
| 5大疾患のそれぞれについて、サブチームが選んだ約200例を対象に、ヒトゲノム多様性プロジェクトが、平成12年度末までに日本人集団について同定する約10万カ所のSNPsのタイピングを行うこと、参照群データとしては、日本人標準SNPsデータベース等を用いることとが決まっており、疾患ごと又は、タイピングを行うSNPsごとに分担することを予定している。国立がんセンターのタイピングセンターは、作業を進めており、組織としての立ち上げを早急に行う。 | ||
| サブグループ間の調整は、今後もサブグループリーダー会合を随時開催し、柔軟に対応していく。遺伝子解析研究に付随する倫理問題等への対応は、研究計画書や説明・同意文書作成の段階から情報交換に努めて効率性と整合性を確保する。 | ||
| 4.その他 | 各疾患サブチームで検討した診断基準・対照集団・サンプル数等について、引き続きサブチームリーダー会合等で専門家を含めて議論し、意思統一を図っていく。 | |
| 今後も引き続きサブグループリーダー会合等を通して技術的な情報・意見交換に努める。また、今後疾患関連候補遺伝子が同定されるに従って、疾患動物実験チームとの具体的な共同研究の計画を進める。バイオインフォマティクスグループとの協力関係については、研究者同士の情報・意見交換の場をさらに増やして有効な共同作業に努める。 | ||
| コメント無し |
| 項目名 | 評価・助言 | 評価を踏まえた対応方針 |
|---|---|---|
| 1.現状分析 | ||
| 2.実施目標の達成度 | ||
| 3.具体的改善点 | ||
| 4.その他 | ||
| 項目名 | 評価・助言 | 評価を踏まえた対応方針 |
|---|---|---|
| 1.現状分析 | 基礎研究の成果を円滑に医療応用に結びつけるという基本コンセプトの下、ES細胞、幹細胞等を用いた分化誘導などの基礎から応用まで、総合的な研究から実験治療に向けての体制の確立と方向性が明確になされ、これに対する組織の構築も進みつつある。 | |
| 基礎から臨床応用にわたる、余りにも多くの領域の研究をカバーしているため、評価が困難な側面があるが、本プロジェクトの目標が実際の治療に役立ち、研究の現状が多くの解決すべき問題を抱えていることを考慮すると、総合的に他方面の分野を対象として進めざるを得ないのは理解できる。 | ゲノムプロジェクトは決して診断中心ではなく、高齢化社会における新たな医療全体を構想するものでなければならない。事実、ゲノムプロジェクトは、新たな創薬の可能性に直結しているからこそ、製薬企業等の期待を帯びている。ただ、治療全体をかんがえる時、これまでほとんど不可能であった様々な細胞を治療手段として利用する治療法の展開は、現在最も重要な領域となっている。加えて、ゲノムプロジェクトは必然的に細胞や個体の理解へと統合されていくことを考えると、発生や再生は医学応用のみならずゲノムプロジェクトが将来試される最も重要な場である。 | |
| 2.実施目標の達成度 | 欧米では分散した形で研究が行われている中、我が国において研究展開の方向性が明確にされているという点は評価できる。また、準備も着々と進んでいる。 | 研究の集中化、効率化とともに、大学や既設の研究組織、医療機関での幅の広い研究振興の重要性も認識しており、両者の適切なバランスにより研究が進められていくことが適当である。 |
| 本プロジェクトの性格上、達成度の量的な評価は難しいが、時間軸を尺度としてどこまで完成したかを基準として評価するのはどうか。また、本プロジェクトは特に医療応用との関係が深いにも関わらず、臨床サイドからの研究の進展がほとんど報告されていないのではないか。 | それぞれの施設で既に行われている日本発の治療法等も進展しているので、次回には報告する。最初にあげた5疾患の実際の治療までの到達度マップを作成する。
造血細胞移植の分野(骨髄、末梢血、臍帯血、donor leukocyte infusion:DLI)では、年間2000例を越える移植が実施され、血液難病、癌、膠原病等の患者を、良好な治療率、社会復帰率をもって救済しつつあり、本プロジェクトの成果により、その成功率供給率はさらに向上してきている。 |
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| 3.具体的改善点 | 本プロジェクトが対象とする発生、分化、再生は未だに基礎研究が必要な分野であることに十分配慮し、基礎研究を重視した展開を図るべき。また、基礎研究を重視するとともに、臨床・医療の場での成果を把握し、この分野の成果がいかに実際の医療に役立っているのかも明確にすべき。 | この点は、最も留意している点であり、todays science, tomorrows medicineを常に意識したプロジェクト運営を行う。 |
| 個々のプロジェクト間の有機的な関係を再構築し、各プロジェクト横断的な目標を再設定するべきではないか。 | 本年度から、いくつかの重要な細胞治療について基礎から臨床まで全員が集まった報告会を行う。今年度は血管について行う予定。 | |
| 4.その他 | ES細胞の研究が全世界的に容認される方向にあり、我が国でもES細胞に係るガイドラインがまとまりつつある中で、できるだけ早くスタートすべきである。 | 役所の協力、研究者のモチベーションともにうまく進んでおり、ガイドライン策定後速やかに推進体制をとることができる。 |
| 研究成果を実用化するためには、基礎研究、トランスリレーショナルリサーチ、医療への応用というシステムが必要。 | 関西地区において、基礎から臨床、そして産業と言う大きなコンプレックスを準備しており、例えばCPCなど必要に応じて臨床応用に必要な施設は着々と整備している。一方、関東地区においては医科学研究所を中心とした独自の取り組みがそれ以前より進んでおり、それを未来開拓、理研との連携等で積極的に支援をしている。
特に、造血幹細胞移植による血管の再構築や心筋の再生等は、一部臨床応用が可能になってきている。 |
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| 骨、血液、神経、皮膚、血管と多くの目標を設定しているが、相互に利用可能な基盤研究は利用しあうべき。 | 本分野が対象とする臨床応用は、多様であるが当然幹細胞研究としての共通性が存在している。例えば、ES細胞を用いた細胞の調整、或いはリプログラミングの問題等は全てに共通な重点項目として推進しているところ。 | |
| 倫理面や社会面での広報活動は、本分野の研究を将来実用化するために不可欠。 | 広報活動についての重要性は認識しており、新しいIRBのあり方を理研で試みたり、産業化の問題も含むscience communicationのあり方や、ベンチャー育成等に向けての普及活動は、ミレニアムの重点課題、特にプロジェクトリーダーの課題として進めていく予定である。 |
| 項目名 | 評価・助言 | 評価を踏まえた対応方針 |
|---|---|---|
| 1.現状分析 | イネゲノムの解析については一定の成果を上げているが、シンジェンダ社によるドラフトシークエンスの完成との報道も踏まえ、本事業を今後どのように展開していくのか、すなわち、次の段階である遺伝子の機能解明の一層の加速化^をどのような方策で行うのか議論すべき。 | 本年1月のシンジェンタ社からの公表を受けて2月に国際コンソーシアムが解読の加速をアピールし、3月に日本が第1染色体の解読終了を公表した。6月には国際コンソーシアム主要6カ国会合が開かれ、2002年中に重要部分の解読を終了することを確認した。並行して我が国では、外部有識者によるイネゲノム有識者懇談会(座長:榊佳之東京大学医科学研究所教授)を開催し、新たな情勢変化に対応した今後のイネゲノム研究の報告と方策を検討した。報告書では、全塩基配列の解読と完全長cDNAライブラリーの早期終了、遺伝子の機能解明の加速、そのための産官学の一層の連携、成果の利活用の促進等が示されており、今後はこれらの方向と方策をイネゲノム研究の指針として推進していく。 |
| トウモロコシ等穀物関係植物のゲノム解析の過去の状況を踏まえ、本プロジェクトの意義についての説明が必要。ややもすれば、イネゲノム解析それ自体が目標のようにも取られるおそれがあるので、その実用化を含めた目標を明確にすることが必要ではないか。 | イネは我が国を代表する農作物であり、また世界の穀類作付け面積の8割がイネ科作物によって占められていることからも、イネを研究対象とすることは我が国農業への貢献度の観点、また世界の食糧事情の改善等への貢献度の観点からも重要な選択である。
イネ科作物については、遺伝学的研究も含めてイネのほかトウモロコシや、ムギ類についての各種研究が各国で行われてきた経緯があるが、いずれもイネに比較してゲノムサイズが大きく、また塩基配列の構造が複雑であること等から、ゲノム研究に用いることが最適な作物としてイネがクローズアップされる。また、我が国には、100年以上に及ぶイネ育種・栽培関係研究データの豊富な蓄積があり、全国的に研究体制が整っており、本研究の成果の波及効果の点からもイネを研究対象として選択することが重要である。 また、イネゲノムの解読は他の穀類ゲノム解析に広く応用でき、植物生命科学の発展に寄与できるとともに、得られる遺伝子等は食料・農業の発展はもとより、機能性食品の開発、環境浄化植物の開発、医薬品等有用物質生産等に広く利用できる研究として意義付けている。 さらに、ミレニアムプロジェクトでは、ゲノム解析、有用遺伝子の機能解明の目標とともに、高血圧等の生活習慣病予防、アレルゲンフリー等の機能性作物・食品の開発、化学農薬を50%削減できる病害虫抵抗性作物の開発等も目標としている。 |
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| 2.実施目標の達成度 | イネゲノムの解読が前倒しされ、完全長cDNA 解析は予定よりも早く進展しており、初年度としては十分に目標を達成している。ただし、シンジェンダ社がドラフトシークエンスを完成したとの報道を踏まえ、こうした世界的な研究開発の動向にも留意すべきではないか。 | 世界の研究開発が加速していることから、イネゲノムの解読についても一層の加速化を図っていくとともに、完全長cDNAライブラリーの整備も着実に進め、有用遺伝子の機能解明の促進につなげていきたい。 |
| 本プロジェクトは研究のバランスとともに、スピードが要求されるものであり、国際競争が激化している中で国際的な主導権を握るためには、ゲノム解析のみならず、有用遺伝子の単離・機能解析、作物への応用等についても一層のスピードアップが必要。このためには、各研究についてスピードを抑制する律速因子を明確にするべきではないか。 | 有用遺伝子の機能解明等については、完全長cDNAを活用したタンパク質レベルでの機能解明研究の強化など拡充を図るとともに、大学や民間機関が得意としている分野、課題について連携し研究を行う等により、効率化を図り、一層のスピードアップを図ることとしている。農業上の重要遺伝子の単離・機能解析については、マップベースクローニング、ミュータントパネル等の活用により、先端的研究水準を維持しているが、今後、cDNAの活用、特に発現遺伝子解析(DNAマイクロアレイ) の研究を強化し、これらの連携を強化することにより、加速する予定である。 | |
| 3.具体的改善点 | 海外の研究動向について現状分析を行い、厳しい競争状況の下で日本の独自性をいかに発揮するかについて慎重に検討すべき。具体的には、@本プロジェクトを継続することでシンジェンダ社に対抗できるのか、Aシンジェンダ社が研究成果を公表した場合に本プロジェクトはどのような方向性で進めるのか、B公表されないにしても特許等による知的財産権の取得を考慮に入れて本プロジェクトに投資効果があるのか、といった点について、早急に専門家委員会を立ち上げて今後の対応方策を検討すべきではないか。 | 1.ンジェンタ社のデータは99.9%の精度と公表されているが、地図情報との関係は不明である。有用遺伝子の単離・機能解明を推進する観点からは、国際コンソーシアムが進めている、99.99%の高精度解読と正確な地図情報が効果的であり、今後解読を加速化し、早期に解読を終えることとしている。また、ミュータントパネル等生物研独自の研究材料を活用し、遺伝子の機能解明の促進に取り組んでいる。今後は民間企業の参入や国際共同研究の開始も検討したい。
2.現状ではシンジェンタ社のデータは自由に利用できるものではなく、国際コンソーシアムの情報の早期公開が望まれているところである。もし、データの公表が行われた場合は、当然評価をおこなう予定であるが、現在の情報では国際コンソーシアムのデータを凌駕するものではないと考えており、塩基配列の解明を加速し高精度解読を進めることが必要である。 3.ミレニアムの目標である100個以上の遺伝子の機能解明・特許化を行い、機能性を有する作物の開発、病害虫抵抗性を強化し農薬の使用量を50%削減する作物等の開発が達成されることにより投資効果は十分にあるといえると考えている。 なお、農水省内でも新たな状況を受け平成13年5〜7月に「イネゲノム有識者懇談会」を開催し、高精度解読による塩基配列の解読の早期終了とポストゲノムシーケンス研究への重点の移行等の報告を得ており、今後その方向と方針に沿って研究を推進する予定である。 |
| イネゲノムの全塩基配列の解析について、我が国に存在する他の大規模塩基配列解析機関と協力して、配列のスピードを上げるべきではないか。また、完全長cDNAライブラリーの整備が順調に進む中で、これを有効に活用した有用遺伝子の特許化の促進を図るべき。さらに、イネの交配実験から得られたデータをイネcDNAと関連させて解析すれば、品種改良にも有効に活用できるのではないか。 | 全塩基配列の解読については、農水省関連機関のみならず解読能力のある民間機関等の協力を求めて加速化する予定である。
また、完全長cDNAライブラリーが充実してきたことからこれらを活用した遺伝子の機能解明、タンパク質の立体構造解明等を進め、特許化を図ることとしている。 さらに交配実験から得られたデータをイネcDNAなどのゲノム解析データと関連させるために、我が国に長年にわたり蓄積されているイネ栽培実験や交配実験等の世界最高水準のデータのデータベース構築も進めており、各種ゲノムデータとの相互リンクを計画している。 また、イネの交配実験等から得られるデータの活用については、「イネゲノムシミュレーターの開発」プロジェクトにおいて他の多様なデータベースの作成とそれを基にした交配シミュレーションモデルの作成を計画しており、仮想イネを用いたイネ育種の効率化を目指す予定である。 |
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| 4.その他 | 本プロジェクトはイネの品種改良の問題なのかどうか、具体的な目標とグランドデザインを示すべき。 | イネゲノム研究の目標は、食料・農業問題、環境問題の解決や新産業の創出、植物生命科学への貢献である。ミレニアムプロジェクトの中で具体的な目標として2004年度までに、
1. 高血圧性疾患等の生活習慣病や痴呆症の予防、アレルゲンフリー等の機能を有する作物の開発 2. 化学農薬の使用を50%削減できる病害虫抵抗性作物等の開発を産学官の研究者が一体となって行うこととしている。 また、イネゲノムは他の穀類と強いシンテニーをもっていることを明らかにしてきた。このため、イネゲノムの解明は単にイネの改良のみを目的とするのではなく、イネ科作物さらには作物全体の改良の共通材料を提供することに大きな意義がある。これらの観点から、塩基配列の解読と同時に有用遺伝子の単離と機能解明の研究に取り組んでいる。さらに、DNAマーカーを用いた効率的な育種技術の開発に資するため、イネ科作物、果樹、野菜等のDNAマーカーの開発にも力を入れている。 |
| ゲノム解読の完成まで、あと2、3年かかるという想定だが、この数年間の時間的ギャップが問題。この間に外国勢はさらに先行して特許の独占をすることで、我が国によるイネゲノム研究の実用化が困難になる事態も予想される。これに対応するためには、下記の二つのオプションを検討すべきではないか。
一つ目のオプションは、外国の有力ゲノム解析機関にイネゲノム解析を依頼し、その情報に基づいて品種改良等の次のステージに一刻も早く参入する。 二つ目のオプションは、イネゲノム解析を継続するが、@現在のイネゲノム解析国際コンソーシアムを効率性等の観点から体制強化し、A塩基配列決定については国内機関への外注の実施によるスピードアップを図り、B外注では困難な配列決定については、イネゲノム固有のインフォマティクスを強化し、C全ゲノム解析完成に向けた責任あるタイムスケジュールを明確にすること。いずれにせよ、いわゆる後追い研究に国費を投入べきではない。 |
イネゲノム塩基配列の解読は平成14年度中に重要部分を終了する予定であり、その段階でシンジェンタ社を凌駕する情報が自由に利用できるようになる予定である。また、その間にも順次情報が公開されるため(平成13年10月現在、43%公開済み)、それらを利用して機能解明・特許化を目指す研究者数も順次増加することになる。
我が国では、国際コンソーシアム参加各国の協力のもとイネゲノムの塩基配列の解明に取り組むとともに、そこから得られる塩基配列データをもとに、有用遺伝子の単離・機能解明については我が国の研究者勢力で取り組んできたところであり、平成12年度から16年度までの5年間に、有用なイネ遺伝子を100個以上単離・機能解明し、特許につなげていくことを目標にしている。 塩基配列の解読は、99.99%の高精度で進められており、一つ目のオプションに従って外国の有力ゲノム解析機関に依頼するとしても99.99%を確保するためには迅速な物理地図作成が必要であり、結局生物研/STAFF研の経験ある高度な専門技術をもつ技術者に頼らざるを得ない。イネゲノム研究の特長は、遺伝地図情報(マーカー)、物理地図情報(PAC、BAC、YAC)ともに我が国が主体的に貢献してきたところにある。これらの情報がなければ、意味のある全塩基配列解読は進まないと考える。また、シンジェンタのデータと国際コンソーシアムのデータとでは精度が大きく違う。 2つ目のオプションについては、@については、まず国際コンソーシアムの枠組みを維持していることで、米国NSF等から高い評価と全面的な協力の申し出を受けており、同時にモンサント社から無償で同社の解読データを国際コンソーシアムに寄贈させる等の影響力を持っている等我が国にとってもメリットがあるものである。このためコンソーシアムの体制については、このメリットを生かしつつ、さらに効率的になるよう我が国としても積極的な提案を行っていきたい。Aの国内機関への外注の実施Bのインフォマティクスの強化は実施していきたいと考えている。また、Cのタイムスケジュールの確定については10月末に開催される国際コンソーシアムの2001年中間会合で議論し確定することとしている。また、先に述べたようにシンジェンタとは解読の精度が大きく違うため決して後追いではない。 |
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| 植物ゲノムの研究において、イネゲノムとともに、既に全塩基配列の解読が終了したシロイヌナズナ・ゲノムの解析成果は、植物全体の現象の解明に大きく貢献するものであることから、世界の植物研究をリードするために、今後両者の連携の強化を通じて、効率的かつ積極的な研究の促進を図るべき。 | 有識者懇談会でも示されているところだが、植物ゲノム研究を発展させ、世界をリードしていくためには、イネとシロイヌナズナの相違等を考慮に入れた上で双方のゲノム研究が連携していくことが必要であると認識しており、データ交換、共同研究を含め密接に研究交流を行い、研究を促進していきたい。 |