IT21(情報通信21世紀計画)プロジェクト

「IT21の推進」プロジェクト平成13年度評価報告書


 ミレニアム・プロジェクト(新しい千年紀プロジェクト)は、平成11年12月、新しいミレニアム(千年紀)の始まりを目前に控え、人類の直面する課題に応え、新しい産業を生み出す大胆な技術革新に取り組むこととして始まった。具体的には、夢と活力に満ちた次世紀を迎えるために、今後の我が国経済社会にとって重要性や緊要性の高い情報化、高齢化、環境対応の三分野について、技術革新を中心とした産学官共同プロジェクトを構築し、明るい未来を切り開く核を作り上げるものである。
 ミレニアム・プロジェクトの情報化分野に該当する「IT21(情報通信技術21世紀)の推進」においては、かつての産業革命に匹敵する「デジタル革命」の時代を迎えつつあることを踏まえ、我が国としても、情報通信分野に対する積極的な研究開発投資こそが、我が国の経済を再生し、国際競争力を高めていくための重要な鍵であることを十分認識し、産学官の総力を挙げて、革新的な情報通信技術の開発を進めていくこととしている。
 本評価・助言会議は、「IT21の推進」プロジェクトについて評価・助言を行うために設置され、平成13年5月17日に第1回を開催し、各評価・助言委員からの意見を踏まえ、平成13年12月に中間評価として、平成12年度評価報告書をとりまとめたところ。今般、平成13年度が終了したことに伴い、平成14年7月4日に第2回評価・助言会議を開催し、平成13年度事業実施状況について、平成13年度評価報告書を以下のとおり、取りまとめた。


I.「IT21の推進」プロジェクトの概要

1.目標

 2005年度までに、全ての国民が、場所を問わず、超高速のインターネットを自由自在に活用して、自分の望む情報の入手・処理・発信を安全・迅速・簡単に行えるインターネット&コンピューティング環境を創造する。
 このため、インターネットに関しては、現在のインターネットの1万倍の処理速度と3万倍の接続規模を有し、利用者を目的の情報に安全かつ的確に導くスーパーインターネットを実現するとともに、コンピューティングに関しては、キーボードといった特定のインターフェースに縛られることなく、安心して、誰もが、高度な情報処理とネットワーク接続を簡単に行える新世代コンピューティングを実現する。


2.個別分野の目標

 本プロジェクトは、「インターネット・ソフトウェア」「インターネット・ハードウェア」「コンピューティング・ソフトウェア」「コンピューティング・ハードウェア」の4つの分野に分かれ、さらに分野ごとに個別の技術開発テーマが設けられており、全体として1.の目標の達成を目指すこととしている。
 各分野ごとには、以下のとおり、実現目標を掲げ、個別の技術開発テーマを設けている。


 (1) インターネット・ソフトウェア


(目標)

  • ギガビットレベルの回線速度(現行の1000倍)の実現
  • 国民の誰もが1〜数台の情報通信端末をインターネットに接続できるネットワークの実現
  • 日本において数億を超える機器、世界レベルで兆を超える機器のインターネット接続を可能とするネットワークの実現
  • 情報家電を始め、あらゆる電子機器へ通信機能が付加され、インターネットに接続(現在の3万倍以上の接続規模を実現)


(個別テーマ)

1−1 次世代インターネット

  1. 次世代インターネットに関する研究開発
  2. 情報収集エージェント技術に関する研究開発
  3. 次世代インターネット通信方式高度化に関する研究開発
  4. 不正アクセス発信源追跡技術に関する研究開発
  5. 情報通信不適正利用対策のための電気通信システムの開発
  6. 電脳空間(3次元画像)通信方式に関する研究開発


1−2 情報家電インターネット

  1. 情報家電向けコンテンツ表現システムの研究開発
  2. モバイル・eコマースシステムの研究開発


1−3 スーパーインターネット

  1. スーパーインターネットプラットフォームの研究開発
  2. IPv6基本ソフトウェア体系の研究開発
  3. 短距離無線通信で構築されるネットワークに関する研究開発


 (2) インターネット・ハードウェア


(目標)

  • ネットワークの全光化のための光ソリトン伝送の実現及び超高速光ルータの開発(現行の1万倍以上の伝送速度の実現)
  • 1兆〜1000兆分の1秒単位での光のON/OFF機能の実現

(個別テーマ)

2−1 光化技術

  1. トータル光通信技術の研究開発
  2. 光ネットワーク技術の研究開発
  3. 光ルーティング技術の研究開発
  4. 超高速光ルータ技術の研究開発
  5. フェムト秒ナノテクノロジー

2−2 次世代LEO

2−3 マルチメディアの高度化1

  1. 映像相互利用技術の研究開発
  2. 映像メタデータ技術の研究開発
  3. 超高精細静止画像入力技術の研究開発
  4. 高度三次元画像映像遠隔表示技術
  5. 空間共有コミュニケーション支援技術の研究開発

2−4 マルチメディアの高度化2

  1. オブジェクト連動データ放送システムの研究開発
  2. デジタル放送用HDTV高圧縮技術に関する研究開発
  3. 次世代放送方式技術の研究開発
  4. ISDB技術の研究開発
  5. 高精細・立体・臨場感コンテント技術の研究開発
  6. ユーザーオリエンテッドマルチメディア技術の研究開発
  7. マルチメディア・ネットワーク対応統合型デジタルケーブルテレビの研究開発


 (3) コンピューティング・ソフトウェア

(目標)
  • 若年者の利用と同等以上の環境が実現できる高齢者用インターフェイス・ソフトウェアの開発
  • コンピュータの実行処理性能を倍増させるコア・ソフトウェア技術の開発
  • ほぼ全ての録画番組を対象として、短時間(現在の15分の1程度)・低コスト(現状の4分の1以下)で自動的に字幕を付与できるシステムの実現のための技術の開発
  • 高齢者、障害者の居場所を10cm単位の精度(現在の1000倍)で検出する技術の開発
  • ソフトウェア・コンテンツ市場創造の鍵となる多機能オペレーティング等ソフトウェア、ソフトウェアの部品化技術、人工知能、論理的三次元画像処理技術等の開発


(個別テーマ)

3−1 次世代ソフトウェア対応

 未踏ソフトウェア開発事業

3−2 アーキテクチャ対応

  1. インタラクティブ情報網基盤技術の研究開発
  2. アドバンスト並列化コンパイラ技術の研究開発

3−3 高齢化対応

  1. 高齢者・障害者のためのコミュニケーションケア技術の研究開発
  2. 福祉支援情報通信システムの開発・展開
  3. 視聴覚障害向け放送ソフト制作技術の研究開発


 (4) コンピューティング・ハードウェア

(目標)

  • 数千万分の1メートル以下(100ナノメートルレベル以下)の精度の半導体の極微細レーザー加工の実現
  • 超高集積LSIの総合設計効率を百倍向上する新技術の開発
  • 毎秒100ギガビットの信号処理を可能とする光・電気複合実装技術の開発
  • 数億分の1メートル(数ナノメートル)以下の精度の材料加工技術の開発
  • 記録密度100ギガバイト毎平方インチの光ディスクの実現を図るための信号処理、ディスク成形、高密度化技術の開発

(個別テーマ)

4−1 半導体

  1. 革新的電子材料技術(強相関エレクトロニクス)の研究開発
  2. クラスターイオンビームテクノロジー
  3. システムオンチップ先端設計技術の研究開発
  4. 次世代強誘電体メモリの研究開発
  5. 超高密度電子SI技術の研究開発

4−2 光技術

 ナノメータ制御光ディスクの研究開発



II.平成13年度事業の実績と評価

A.評価の方針

 本プロジェクトは、「情報の入手・処理・発信を安全・迅速・簡単に行えるインターネット&コンピューティングの実現」というある程度広がりを持った目的のため、多岐にわたる領域の研究開発を進めていくとの位置付けであり、全体としての進捗状況とともに、各個別分野ごとの事業実績を踏まえて評価を行う必要がある。
 また、本報告書における評価が、今後のより望ましい事業実施につながるよう、全体の目的を効率的・効果的に達成するための目標設定や実施体制の在り方、各事業間の連携強化・成果の相互利用の促進に留意することとする。


B.平成13年度事業実績と総括的評価

 平成13年度も平成12年度に引き続き、あらかじめ定めた年次計画に基づき事業が進められた。その実績について、個別テーマごとに、別添の事業実施報告書のとおり報告が提出されており、以下、この事業実施報告書に基づいて評価を行うこととする。
 各分野ごとの目標設定、進捗状況は異なっているが、国際的な研究開発動向を把握し、日本の優位性を生かした特長あるプロジェクトであるかを見極め、今後の展開を検討することが重要であり、プロジェクト又は研究者相互の適切な連携を図ることで、研究開発の効率を高めるとともに、得られた成果が円滑に産業化、実用化されることが求められる。


C.分野別評価

 分野別の評価として、各委員からの意見に基づき、以下のとおり指摘する。


(1) インターネット・ソフトウェア分野

<全般>
(現状)
 ○多岐に渡り急速に増加する要求に対して、必要な研究開発の項目は極めて大きい。評価のメトリックに社会とユーザのフィードバックが重要な分野であり、研究開発のみならずその実証実験と分析、評価までが必須となる。このフィードバックを元にさらに発展しなければならない。
 ○次世代インターネット、情報家電インターネット、スーパーインターネットの3項目の研究については、具体的研究目標を設定し研究を進めている。研究終了後の成果活用見通しが、具体的でないプロジェクトが見られる。
 ○個々の研究開発の推進体制等の詳細は明らかでないが,事業の実施に関しては順調のようである。

(評価)
 ○新世代のインターネット基盤を支えるインターネット・ソフトウェア分野は、その概念の試行錯誤が必要な段階であり、一方この具体的な応用分野の確立が見られる項目もある。こうした背景において、その萌芽的な研究開発に関して、大きな成果が上がっている。
 ○実施報告書の記載のみでは達成度の真の評価は大変困難である。13年度に終了したプロジェクトに対してはより具体的に成果を提示させ、評価する必要があると考える。
 ○年次目標等が明らかでないので,目標達成度についてはわからないが,報告によると計画通り進んでいるようである。


(改善点)
 ○研究成果の評価と分析に基づいた研究方針へのフィードバックが重要な領域であるため、研究項目や方向の微調整が広い知見でダイナミックに行われることが望ましい。
 ○研究終了後の成果活用に関して、抽象的な見通しだけではなく、より具体的活用の例を示すよう要望する。
 ○他の同種類の研究と対比し、各プロジェクトの研究の特徴や新規性をより明確にするよう要望する。
(その他)
 ○インターネット・ソフトウェア分野は、次世代のインターネット環境に関するわが国の先進性とグローバルな貢献への可能性に鑑み、極めて重要な領域である。その研究開発分野には、基盤研究としての継続的な取り組みと、応用研究としての動的な対応とが共存する。これらに対応するために、研究開発を支援する実証実験基盤と、その推進および評価分析と研究開発へのフィードバックへの体制が極めて重要になる。
 ○IPv6に関連するプロジェクト、セキュリティの向上を目指すプロジェクトが複数含まれているが、インターネットソフトウエア分野全体としてのそれらの相互関係を示すため技術マップを作成してほしい。
 ○成果を的確に評価するためには、事前に設定した目標や達成度合をより具体的に記述することや費用についての記述が望まれるが、報告によると失敗無くやっているようである。


<個別テーマ>
1−1 次世代インターネットに関する研究開発

<次世代インターネットに関する研究開発>
(現状)
 ○開発方法、体制は不明。設計試作を行ったとあるがその規模、現状等、評価する可能な記述はこの資料では難しい、具体的なプレゼンテーションを聞く必要がある。
 ○重要な研究開発ではあるが、民間レベルでも活発に研究開発が進んでいる。国家プロジェクトとしてはややテーマが狭い印象。

(評価)
 ○システムの実装と有効性の評価が実施目標となっている。計画通りに進めることができたと報告されているが、客観的なデータの提示はこの資料では困難である。
 ○おおむね良好。

(改善点)
 ○研究成果に対する開示の手段が明確でない。HP、学会研究会など中間状況の報告をする、等の、体制を整える必要がある。
 ○より広範囲(様々なアプリを対象とする)な研究を行うべき。具体的数値目標が見えないので、現状と本プロジェクトの目標を明記すべき。(その他)
 ○ネットワークの障害検知技術の開発は、ネットワーク事業者にとって、極めて必然なテーマである。それには、現状のネットワークの障害状況を確実にかつ、定量的に把握する作業が必要である。また客観的な解析と理論的な体系づけに努力されたい。

<情報収集エージェント技術に関する研究開発>
(現状)
 ○重要な研究課題ではあるが、民間レベルでも活発に研究開発が進んでいる。また実用レベルに達するか否かに若干の疑問が残る。

(評価)
 ○おおむね良好。

(改善点)

 ○本分野はなかなかビジネスモデルが見えない。ビジネスモデルの確立を心がけてほしい。
 ○ビジネスとしてやるのか、標準化にもっていくのか戦略を決定していく時期。様々な応用の場面における開発技術のモデル化、及びそれに対する評価の方法を確立しておくこと(クライテリアづくり)を考えておいた方がよい。

<次世代インターネット通信方式高度化に関する研究開発>
(現状)
 ○平成12年度の助言に従い、本格的な研究陣容体制を組まれていると見うけられる。
 ○重要な研究であり、かつ実証まで含め着実に進捗している。従来方式と比較して1/1000の精度を実現していることは評価に値する。

(評価)
 ○また研究目標の設定も大幅に改善され、具体性がみえるので、おおむね良好と評価できる。
 ○実証試験まで行っており、含め順調である。

(改善点)
 ○研究成果の公表の計画を立てること。また研究目標の設定も大幅に改善され、具体性がみえるので、おおむね良好と評価できる。


<不正アクセス発信源追跡技術に関する研究開発>
(現状)
 ○平成12年度の助言に従い、本格的な研究体制に入っていると評価できる。
 ○ある程度の成果が得られているが、これが実用に十分であるか否かは不明である。

(評価)
 ○順調であると見うけられる。
 ○順調に進捗している。ただし、実用化を考え、さらに精度向上を目指してほしい。

(改善点)
 ○研究成果の中間報告を学会等で積極的に行うことを、期待する。
 ○さらに多様なアタッキングに対する耐性を評価すべきである。


<情報通信不正利用対策のための電気通信システムの開発>
(現状)
 ○[情報収集エージェント技術に関する研究開発]と同じ会社であるが、社内体制としてまったく異なるグループで推進していると理解する、が、手法、目的とするサービス環境など、隣接した技術要素が多い、両方の研究グループがお互いに、連携をすれば、開発目標の視点が高くなり、作業効率も高くなるのではないか?
 ○おもしろい研究(学術的にも実用的にも価値がある)。早期実用化を期待したい。

(評価)
 ○概ね、良好に推移していると見うけられる。
 ○ほぼ進捗どおり。

(改善点)
 ○学術的にも課題が多いが、学術に偏らず実用に重きをおいてほしい。


<電脳空間(3次元映像)通信方式に関する研究開発>
(現状)
 ○大学の協力を得た、意欲的に課題を推進している。
 ○VR関連の研究開発の最大の課題は実用化である。基礎研究自体極めて重要であるが、どのような応用を想定し、低価格化・小型化などを含めどのように実用化してゆくのかも同時に検討すべきである。

(評価)
 ○自己評価の報告によれば、順調に推移しているようにみうけられる。

(改善点)
 ○成果の中間内容を公表することを期待する。

(その他)
 ○心理学者、生理学者等医学の専門の方にメンバーに入って頂くべき。


1−2 情報家電インターネットに関する研究開発

<情報家電向けコンテンツ表現システムの研究開発>
(現状)
 ○参加企業のそれぞれが競争と協調の環境で意欲的に推進しているとみ受けられる。
 ○今後、最も期待されている技術のひとつであるが、その反面、なかなかビジネスモデルが成り立たず、実用化に進まないのが現状である。どこまで実用レベルで浸透するかアプリケーション検討まで含めて議論する必要がある。

(評価)
 ○概ね、順調に推移している。
 ○特許出願、国際標準(MPEGマーク)への貢献など当初のスケジュールに沿って、研究開発が行われている。

(改善点)
 ○それぞれの役割分担を重なりを含めてみえるような中間報告がされることを期待する。
 ○本分野のビジネスモデルの確立を期待したい。
 ○あるモデルの中で基準を設け、当該技術にはこういう効果があるという指標づくりを並行して進めるべき。


<モバイルe−コマースシステムの研究開発>
(現状)
 ○概ね、妥当。
 ○重要な研究であり、この成果が広く実用に役立つことを期待したい。

(評価)
 ○概ね、当初の目標を達成しているようにみうける。
 ○フィールド実験まで順調に進んでおり、当初の目標を達成したと言える。

(改善点)
 ○成果を今後の事業へ活用するとあるが、この成果に対する事業化に対する可能性の参加企業の自己評価を明確にすることを、期待する。
 ○日経新聞のアンケートによると、H12年度は27%のユーザがモバイルe-コマースの利用に期待していたのに対し、H13年度はこれが4%に激減している。魅力的なサービス提供を期待したい。



1−3 スーパーインターネットに関する研究開発

<スーパーインターネットプラットフォームの研究開発>
(現状)
 ○概ね、妥当。
 ○やや具体性に欠ける印象。具体的に何を研究し、ソフトウエアとして何ができあがった(できあがる)のかを明確にすべきである。

(評価)
 ○目標を順調にこなしているようにみうけられる。
 ○若干遅れぎみの印象。

(改善点)
 ○具体的なアプリケーションを想定し研究開発を進めることをお勧めしたい。


<IPv6基本ソフトウエア体系の研究開発>
(現状)
 ○概ね、妥当。
 ○インターネットに関する研究開発では、実証、運用が極めて大切であり、本プロジェクトの成果はその意味で意義が高いものである。

(評価)
 ○概ね、目標を達成しているように見うけられる。
 ○スケジュール通りに進捗している。


<短距離無線通信で構築されるネットワークに関する研究開発>
(現状)
 ○既存の開発済みの、システムの課題を目標にしているようにみうけられる。
 ○課題イ(ひとにやさしいパーべイシブデバイスの開発と応用)について、研究テーマがややあいまいな印象。

(評価)
 ○目標の記述が観念的で、定量的または具体的なスッペックがないので、達成度の評価が難しい。
 ○実施内容は、企業活動としての通常業務の内容が報告されている。

 ○スケジュール通りに進捗している。
(改善点)
 ○事業化するにあたって技術的にチャレンジする内容が見うけられない。この研究事業の成果はなにを目標にしているのか、その内容を客観的に第三者が評価できるようにすることを期待する。
 ○Bluetoothの普及も残念ながらかげりが見えている。

Bluetoothのより一層の普及方策も検討していただきたい


2. インターネット・ハードウェア分野

<全般>
(現状)
 ○インターネット・ハードウェアの分野は、インターネットに応用しうる超高速基盤通信分野と、その応用に必要な基礎技術に分割して考えることができる。光通信技術に代表される前者の分野は優位性が認められる分野であり、そのインターネット分野での展開に焦点を当てることが重要となる。応用分野を支援する領域は、その基礎技術が共通の基盤として発展することが重要である。
 ○光化技術はフォトニックネットワーク技術の急速な進展に合わせて研究プロジェクト体制を見直し、相互の位置づけの明確化を図った点は評価できる。次世代LEOプロジェクトは長期にわたる研究であり、技術の進展に合わせて柔軟に研究目標を見直すことが必要である。マルチメディア高度化分野は全体で12プロジェクトと多数のプロジェクトが通信と放送を対象に進められており、相互の関係や技術の共通性から全体の技術マップを作成してほしい。

(評価)
 ○超高速通信ならびに高精細画像の処理などの基礎技術は、ブロードバンド時代のインターネットにとっての不可欠な技術であり、早期に目標の達成と発展が必要な領域である。
 ○実施報告書の記載のみでは達成度の真の評価は大変困難である。
13年度に終了したプロジェクトに対してはより具体的に成果を提示させ、評価する必要があると考える。

(改善点)
 ○インターネットの特徴である極めて大規模な普及・発展を前提とした研究開発が必要である。
 ○マルチメディア高度化分野については他の同種類の研究と対比し、各プロジェクトの研究の特徴や新規性をより明確にするよう要望する。



 <個別の点>
2−1 光化技術に関する研究開発

<幹線系超高速フォトニックネットワーク技術(旧トータル光通信技術)>
(現状)

 ○推進体制は妥当と判断する。
 ○重要な課題であり、成果を期待したい。ただし技術進歩も早まっているので、数字目標の再考が必要。

(評価)
 ○13年度の実施内容が詳細に報告しており、目標を予定通り達成していると判断する。
 ○順調と考えられる。

(改善点)
 ○数字目標について、より高い目標にできないか再検討頂きたい。特に波長多重数については一桁上を目指されたい。
 ○課題の特徴から多くの事が並行して行われているが、世界に十分貢献できるターゲットを明確に設定して、そのために必要な研究開発をスケジュールを明確にして推進しては如何でしょうか。

(その他)
 ○成果の中間報告の公開を期待する。


<アクセス系超高速フォトニックネットワーク技術(旧光ネットワーク技術)>
(現状)
 ○推進体制は妥当と判断する。
 ○ブロードバンド時代のために、アクセス光化は最重要であるが、経済化に関する検討がおろそかではないか。

(評価)
 ○13年度の実施内容が詳細に報告しており、目標を予定通り達成していると判断する。
 ○経済化に関する検討が進んでいないのは問題。

(改善点)
 ○実力のあるNTTの研究機関として従来から自主的に行っている内容である。本研究助成を受けることで格段の進展が期待出来る内容(研究助成を受ける必要性)を明確にしてください。
 ○世界の本命になるシステムを明確にし、そのシステムに最適なハードウエアを実現する研究開発に集中してほしい。
 ○経済化にかかわる目標設定を明確とし、進捗を管理して頂きたい。

(その他)
 ○事業化の目標を立てるにあたり、基礎的な指針を明確にすることを期待する。


<インターネットノード全光化技術の研究開発(旧 光ルーティング技術の研究開発+超高速光ルータの研究開発)>
(現状)
 ○IP放送のためには最重点課題で期待したい。技術進歩が早くかつストリーミングが主要とすると、動的配置50ミリ秒以下は、例えば5ミリ以下とすべき。

(改善点)
 ○数値目標の精査と見直しが必要。根拠を明確に。


<フェムト秒ナノテクノロジー>
(現状)
 ○技術的には見るべきものがあるが、応用分野が不明なので有用な研究かどうか不明。

(評価)
 ○応用分野を考え、その状況に合わせた研究が必要。


(改善点)
 ○有力、魅力的応用事例を見出し、チューニングした研究に入るべき。


2−2 次世代LEOに関する研究開発

(現状)

 ○大変多くの組織が参加している、各組織の役割分担が明確でない、複数の大学の参加の目的・役割、通信事業体の役割、製造業者の役割、事業団、通信総合研究所、通信・放送機構の役割など、を分かりやすくすることが期待される。
 ○データ系に主点を置くことは大賛成。

(評価)
 ○目標が変化しつつあるので、判断ができない。

(改善点)
 ○多くの組織が参加しており、その役割分担が明確でないので、組織別の貢献の度合いはばらつきがあると想定できる。
 ○技術要素別に詳細に実施内容が報告されており、総合的には、目標が順調に達成されていると判断できる。
 ○地上ファイバー網の進展が目ざましいので目標設定を基本的にやり直すべき。プロジェクトの必要性は明確なので、じっくりと腰を据えて検討して頂きたい。


2−3 マルチメディアの高度化に関する研究開発

<映像相互利用技術の研究開発>
(現状)
 ○概ね、妥当である。
 ○やや新規性が薄い印象。

(評価)
 ○技術要素の内容は細かい内容を誠実に報告されているが、目標設定がされてなく、研究作業手順がエンドレスになって、目標達成の指標が無い。

 ○やや遅れている印象。
(改善点)
 ○標準化作業から派生した技術開発要素は専門的な視点で評価すると意味が無いとは言えないが、大掴みにブレークスルーする技術目標を設定することが必要。
 ○応用を明確化することが必要。
 ○国際標準化への寄与なども考えられる。それらの外部活動も活発化すべき。


<映像メタデータ技術の研究開発>
(現状)
 ○国際標準化作業におけるMPEG7の課題で取り上げている内容と多く重なっている。MPEG7の課題との対応の検証を整理することで、本課題の位置づけがいっそう明確になると考えられる。
 ○圧縮された映像コンテンツから特徴量抽出を行う考え方はユニークである。本技術が実用レベルに達すれば様々な応用が考えられる。

(評価)
 ○目標の定量的な設定が明確でない。機能的は一応の目的が達成されていると評価できる。
 ○詳細はよく見えないが、やや遅れている印象。

(改善点)
 ○目標設定を定量的にすることが必要。
実用化レベルで考えた時、本方式をどのように普及させてゆくか検討する必要がある。


<超高詳細静止画像入力技術の研究開発>
(現状)
 ○現状では、担当者1名と補助者1名で開発できる内容で、大学における修士論文研究でも行われているテーマである。JPEG2000の普及に対処する開発とすれば、事業体としてのビジネスプランの戦略的な目標をたて、事業化グループとの開発体制を組むことが望まれる。
 ○学術(基礎研究)的観点からも、実用(応用研究)的観点からもやや中途半端に感じられる。

(評価)
 ○通信事業体としての開発行為を明確にし、定量的な目標設定を行う必要がある、学術論文を書く上でのアルゴリズムの開発が目標設定であるならば、一応の目標は達成されている。
 ○やや遅れている印象。積極的な外部発表、国際標準化活動を展開するべき。

(改善点)
 ○通信事業者としての開発目標をたて、システム体系のイメージを持ったビジネスモデルを明確にする必要がある。
 ○学術的、実用どちらかに特化すべき。学術ならば最低でも100,000×100,000画素程度を指向し、JPEG−2000タイル機能などを使わず独自アルゴリズムを検討するべきである。応用ならば、なぜ30,000×30,000画素なのか、アプリケーションが何であるのかについて説明が必要である。


<高度三次元動画像遠隔表示技術>
(現状)
 ○本テーマは撮影・視差補間処理や生理学的測定などの総合的研究を推進している、これらの技術要素の内容は正確に報告されているが、参加組織が通信・放送機構となっているだけで、推進体制の実態が明らかでない。担当者の顔が見えない。
 ○重要な研究である。ただし、実用レベルに達するか否かは疑問が残る。

(評価)
 ○試行錯誤を含め研究目標の設定は妥当なものであり、目標を達成している。
 ○残念ながら実用レベルには達していない印象。

(改善点)
 ○成果の中間報告の公開を行うことを期待する。


<空間共有コミュニケーション支援技術の研究開発>
(現状)
 ○3大学の担当者による研究チームである。研究環境を含め大学院学生の研究者としての協力が、期待されるが、そのような記述が無い。大学が研究担当になる特徴を生かした積極的な体制が組まれることを望む。
 ○雄大なターゲットで評価できる。
 ○ユニークな研究ではあるが、アプリケーションが見えない。

(評価)
 ○目標は順調に達成している。
 ○もともと難しい課題であるから、この程度の達成度でも相当に評価できる。
 ○やや遅れている印象。

(改善点)
 ○ソフトウエアだけで現在は進めているが、ある程度アルゴリズムができあがったら、専用プロセッサを制作して進めた方が研究が加速されるのではないか。
 ○どこまでリアリティを上げられるかが重要である。研究の幅を広げるよりは深さを追求する方向での検討をお願いしたい。


<オブジェクト連動データ放送システムの研究開発>
(現状)
 ○概ね妥当。
 ○重要かつユニークな研究である。成功を期待したい。

(評価)
 ○目標の設定が抽象的であり、定量的でない、実施内容の現状の報告があり、技術的要素の成果として評価はできるが、達成度の評価は難しい。
 ○初年度は要求要件の洗い出しで順調に進捗している。

(改善点)
 ○技術要素としてブレイクスルーする目標の設定を明確にする必要がある。
 ○複数視聴者に対し、どのように動作するのか等も研究開発課題に含めてほしい。


<デジタル放送用HDTV高圧縮技術に関する研究>
(現状)
 ○概ね妥当。
 ○動画像データ圧縮は永遠に重要な課題。
 ○なぜ既存MPEG−2と互換性が維持できるか不明瞭である。

(評価)
 ○概ね、目標を達成していると評価できる。
 ○MPEG−2技術で従来の2倍圧縮の目標に対し、達成度は判断しかねる。
 ○順調に進捗している。

(改善点)
 ○技術要素としてブレイクスルーする目標の設定を明確であるが具体的なアプローチ(解決手法)の方針、手順または作戦を明確にして推進することを期待する。
 ○高度前処理、符号化歪み低減、人間の感性にもとづく画質評価はいずれもきわめて重要。種々の手法が存在する分野であるから、具体的に各手法間の差を明確にしながら研究を進めて欲しい。
 ○既存アルゴリズムではMPEG−2の2倍の符号化率の実現は難しいのではないか。


<次世代放送方式の研究開発>
(現状)
 ○妥当。
 ○重要かつユニークな研究開発課題である。

(評価)
 ○順調に推移していると評価できる。
 ○やや遅れているとの印象。

(改善点)
 ○成果の中間報告を公開することを期待する。
 ○ソフトウエア開発を急ぐとともに、外部発表、特許出願を増やす方向で動くべき。


<ISDB技術の研究開発>
(現状)
 ○研究開発の視点が10年前と同じである、通信技術におけるISDNの連想でこのテーマは当時それなりに新鮮味があった、ブロードバンドネットワークの環境にシフトした視点が欲しい。
 ○研究テーマとしてはやや小粒の印象。実用レベルでどれだけ効果があるかが今ひとつ不明。

(評価)
 ○目標の設定が抽象的であり、定量的でない、実施内容の現状の報告があり、技術的要素の成果として評価はできるが、達成度の評価は難しい。
 ○順調に進捗している。

(改善点)
 ○技術要素としてブレイクスルーする目標の設定を明確にする必要がある。

<高詳細・立体・臨場感コンテストに関する研究開発>
(現状)
 ○概ね妥当。
 ○重要な研究課題。成功を期待したい。ただし、実現はそれほど容易ではない印象。

(評価)
 ○概ね目標を達成している。
 ○順調に進捗している。

(改善点)
 ○処理時間なども含め、実用性に若干の疑問が残る。このあたりも解決して頂きたい。


<ユーザーオリエンテッドマルチメデイア技術の研究開発>
(現状)
 ○研究体制の組織の顔が見えない、開発方針や手順が不明確。
 ○目的実現(不快な映像をユーザから隠蔽する)のためには様々な手法が考えられ、本提案技術が必ずしも最適だとは思わない。ニーズオリエンティドかシーズオリエンティドなのか明確ではない。

(評価)
 ○研究の視点はよく分かるが、目標の設定が抽象的であり、定量的でない、実施内容の現状の報告があり、技術的要素の成果として評価はできるが、達成度の評価は難しい。
 ○順調に進捗している。

(改善点)
 ○技術要素としてブレイクスルーする目標の設定を明確にする必要がある。
 ○不快な映像をユーザから隠蔽するためには、より多様な手法が考えられるのではないか?本方式以外にも検討してほしい。


<マルチメディア・ネットワーク対応統合型デジタルケーブルテレビの研究開発>
(現状)
 ○参加企業の役割分担が明確でない。
 ○ブロードバンドネットワーク時代に必須の技術
 ○やや新規性が薄い印象。課題(2)双方向伝送技術は重要であり、是非成功させていただきたい。

(評価)
 ○目標の設定が抽象的であり、定量的でない、実施内容の現状の報告があり、技術的要素の成果として評価はできるが、達成度の評価は難しい。事業化の目標などの見通しが欲しい。
 ○まだ達成度を議論する段階にない。
 ○遅れている印象。

(改善点)
 ○技術要素としてブレイクスルーする目標の設定を明確にする必要がある。
 ○ターゲットを明確にして、そのターゲット実現のために必要な具体的開発課題を明確に記述して進めて欲しい。
 ○課題(1)(2)とも(特に(2))目標となる数値目標を立てるべきである。



3. コンピューティング・ソフトウェア分野

<全般>
(現状)
 ○世界に貢献できるソフトウェア研究開発の推進と、その役割を担う人材の育成はわが国の重要な課題である。こうした研究開発分野の体系的な支援体制の確立が急務である。
 ○未踏ソフトウエア創造事業は明確な目標とユニークなプロジェクト推進方式をとっており、成果が期待される。インタラクティブ情報網基盤技術では欧米で強力に推進されているGRID研究の中で如何にこのプロジェクトが特徴を出すかが重要である。アドバンスト並列化コンパイラ技術では、インターナショナルアドバイザリーボードを設置して評価を受ける体制をとっている点は評価できる。高齢化対応事業は実際に成果を高齢者・障害者に利用してもらい、そのフィードバックを研究に活かす体制が必要である。
 ○個々の研究開発の推進体制等の詳細は明らかでないが,事業の実施に関しては順調のようである。
 ○この分野の研究は重要であるにもかかわらず、テーマが非常に少ない。怠ると取り返しのつかない領域である。また企業はこれを今やる余裕に欠けている。

(評価)
 ○達成度を判断する具体的な評価基準を一意に定めることは困難だが、それぞれの評価をどのような視点と体制で行うかということに関する新しい取り組みは評価に値する。
 ○実施報告書からは当初の目標を概ね達成しているように見受けられる。しかし、真の達成度はより詳細に見る必要があり、14年度など早期に終了するプロジェクトを重点的にヒアリングするなどの対応が必要である。
 ○年次目標等が明らかでないので,目標達成度についてはわからないが,報告によると計画通り進んでいるようである。

(改善点)
 ○長期にわたる研究テーマに関しては、中間時点での評価の重要性と、そのフィードバックに基づいた研究項目の改善が柔軟に達成できることが望まれる。
 ○実施報告書では具体的改善点を指摘する段階には至っていない。
インタラクティブ情報網基盤技術については、同種類の研究が外部で行われていると想定されるが、これらとの比較、特徴、新規性など、を明確にしてほしい。
 ○基礎/基盤のテーマをあと2つ程立てて着実に進めるべきである。

(その他)
 ○個々の分野・領域の「技術開発の目標」や「事業概要」の記述は,あまりにも抽象的であり,いくらの予算でなにを何処までやるのかがわからない上,「平成13年度の実施内容」では,それらの内の何が何処までできたかということがわからない.「実施内容」や「自己評価」を読む限り,すべて目標どおりにうまくいっていることになっており,従前どおり,この国家プロジェクトにも失敗がないようである。「未踏ソフトウェア創造事業」は我が国におけるプロジェクトマネージャ制度の確立に向けての重要な事業であることから,更なる拡充が望まれる。



<個別の点>
3−1 次世代ソフトウエア対応

<未踏ソフトウエア創造事業>
(現状)
 ○新しい試みの事業で評価できる。

(評価)
 ○プロジェクトごとに若干差があるものの全体としては順調である。

(改善点)
 ○本制度は今度も続けるべきである。


3−2 アーキテクチャ対応

<インタラクティブ情報網基盤技術の研究開発>
(現状)
 ○GRIDとヒューマンインターフェースの研究であるが、これらは直接には関係がない。2つを分けて推進した方がよいのではないか。
 ○グリットコンピューティングの基盤構築は重要。目標方向は良いが、設定数値の見直しが必要。数万台規模?スループレット30フレーム秒?でよいか。

(評価)
 ○両テーマとも達成度が見がたい。ソフトを作ればそれだけでよいのか、また、アルゴリズムを開発すればそれでよいのか。この辺りそうであれば、その出張/根拠を守って欲しい。
 ○順調と思われる。

(改善点)
 ○目標のより技術ポイントに踏み込んだ明確化が望まれる。
 ○実際への応用を強く想定し、それに合った数値目標かどうか検討を深めて欲しい。

(その他)
 ○GRIDは大切であるが、それを進めるとき世界に伍する為の戦略が欲しい。ヒューマンインターフェースは永遠のテーマであるから、単によい物を求めて基礎研究をやるよりも、その時その時に応じて「とんがった」取組みとした方がアピールし易いのではないか。


<アドバンスト並列化コンパイラ技術の研究開発>
(現状)
 ○「アドバンスド並列化コンパイラ」のみが対象であるが、これは重要な基礎研究である。進展もまあまあである。
 ○応用例の想定なしに1/2という目標設定は疑問。応用例を想定し、もっと詰めて欲しい。並列コンパイラ客観評価は重要。

(評価)
 ○困難な目標に対して、よい性能の出る成果をあげつつある。
 ○順調と思われる。

(改善点)
 ○この成果をベースに世界の人々が用いて更に優れたソフトウェアを築いてゆくためのデファクトとなるべく努力してもらいたい。
 ○応用例の想定を明確として、数値目標を検討されたい。ベンチマークについては大変な成果なので強力に進められたい。


3−3 高齢化対応

<高齢者・障害者のためのコミュニケーションケア技術の研究開発>
(現状)
 ○アイデア的には面白いが本分野の価値はあくまで「高齢者・障害者に役に立つ/立たない」で決めるべきであろう。その意味で本研究開発の価値がどこまでなのかは実証実験を通じてないと判定できない。

(評価)
 ○順調に進捗している印象。

(改善点)
 ○可能な限り大規模な実証実験を行い、その結果をシステムに反映していただきたい。


<福祉支援情報通信システムの開発・展開>
(現状)
 ○技術的要素が見えない。単なるプロトタイプ実装か?

(評価)
 ○やや遅れている印象。

(改善点)
 ○目的・技術課題を明確化してほしい。


<視聴覚障害者向け放送ソフト制作 技術の研究開発>
(現状)
 ○応用は極めてわかりやすいが、技術面でどこに新規性があるのか見えない。

(評価)
 ○どこまで成果が出ているのか不安がある。

(改善点)
 ○放送用途ならでは、あるいは文字認識と音声認識を組み合わせたことによる相乗効果を用いた技術開発が行われることが望ましい。


4.コンピューティング・ハードウェア分野

<全般>
(現状)
 ○ハードウェア分野の研究開発には、強い指導力と強力な推進体制が必要となる。また、試行錯誤を許容した推進体制を確立したい。
 ○実施報告書では概ね当初の見込み通りの進捗を達成しているように見受けられるが、真の達成度は早期に終了するプロジェクトから重点的にヒアリングなどを行い、より詳細に評価を行う必要がある。
 ○幾つかのデバイス技術開発が進められており、それは大いに推進すべきテーマである。しかし、こういう分野で主となるべきプロセッサやシステムのテーマが全くない。

(評価)
 ○基盤性を持った重要な領域と高い要求があるにも関わらず、十分な研究開発体制が整備されているとは言いがたい。こうした中で一定の成果をあげることは評価できる。

(改善点)
 ○極めて大きな研究リソースを必要とする本分野においては、目標領域の焦点を定め、国際的に優位性のある成果を達成するための諸外国の先端環境に遜色のない研究開発環境を準備すべきである。
 ○少なくとも将来を見込したハードウエアシステムのテーマが要るのではないか。

(その他)
 ○成果の活用には設計手法のデファクト化や標準化が必要なものがあるが、それをどのように推進するかの見通しを説明してほしい。


<個別の点>
4−1 半導体

<革新的電子材料技術(強相関エレクトロニクス)の研究開発>
(現状)
 ○超高速の新機能素子実現が目標であるが新しく見い出てきた現象と機能素子との関連を明確にしながら研究する必要あり。
 ○目標設定は良さそうに見えるが、何故それが必要かという応用に根ざした説明が必要。

(評価)
 ○判断できる状態にはない。
 ○順調と思われる。

(改善点)
 ○種々の特性をどこまで向上させるとどういった機能を有する新機能素子実現につながるかを明確にすること。
 ○研究開発加速の見込みが出てきたらとあるが、人的体制は十分なのか。世界との競争で負けないように。


<クラスターイオンビームテクノロジー>
(現状)
 ○比較的順調と判断する。
 ○産業化も進められているので大変結構。

(評価)
 ○1mAに対して0.5mA程度
 ○平均粗さ0.5mmに対して3mm
 ○5000kg/mm2に対して4000kg/mm2

(改善点)
 ○まだ目標に遠い。それぞれの目標に至る具現化手段を明確にすること。同時に実用化を考えて、装置価格、処理価格の目標を明確にするべし。
 ○次代産業基盤の一翼に早く仕上げて欲しい。


<システムオンチップ先端設計技術の研究開発>
(現状)
 ○Vコアベース設計システム、Vコアデータベース及び開発支援ツールともいずれも極めて重要。
 ○目標値は良いが、中間段階でどのようにクリアして行くかが不明。2005年目標までのステップ、年間目標を明らかとされたい。

(評価)
 ○計画どおり進んでいると判断する。
 ○自己評価は順調とあるが、2005年目標に対し、13年度到達点はやや低くないか。

(改善点)
 ○関係者にデモンストレーションできるようになった意義は大きい。重要性を認識している関係者に使ってもらってその重要性をよく受け入れること。
 ○年度計画をもう少しきめ細かく、管理して欲しい。


<次世代強誘電体メモリの研究開発>
(現状)
 ○半導体集積回路の将来にとって、極めて重要。積極的に推進すべき。
 ○目標ならびに到達点は妥当を考えられる。ただし、速度についての目標設定がないのか問題。

(評価)
 ○1μm以下、機能分離型メモリ、10年間データを保持する機能、これも見通しが得られている。
 ○順調と思われる。

(改善点)
 ○もともときわめて難しい課題である。新しい材料、新しい製膜方法(装置)を積極的に活用すべき。
 ○読み書き速度に関する目標設定が必要。
 ○強誘電体を我々はCMOS上にのせられるという道が開けたということで、ものす
ごく期待している。


<超高密度型電子SI技術>
(現状)
 ○(1)20μmピッチ、3層以上の超LSI積層技術、(2)5dB/cm以下、100Gb/sec、光・電気複合実装、(3)10μm電磁界プロービング、電磁干渉低減最適配線、いずれもきわめて重要。
(評価)

 ○各々計画どおりに進行していると判断されるが、実用化可能な技術か否か分からない。

(改善点)
 ○超高性能システム実現に不可欠な技術開発である。難しさは十分理解するが、実用可能な技術への着実な開発を。
 ○特にないが、目標値の妥当性についてだめ押しされたい。
 ○新しいプラスチック材料が出ていますので、ぜひ入れて評価して頂きたい。低消費電力化の最大の障害であるプリント基板プラスチックボードの特性抵抗の低さを高い方、高い方へもっていって頂きたい。



4−2 光技術

<ナノメータ制御光ディスクシステムの研究開発>
(現状)
 ○ネットワーク・マルチメディア時代にきわめて重要な技術。
 ○超精密ピット描画技術、ピット計測技術は特に重要。応用範囲を拡大できないか、検討されたい。

(評価)
 ○各々計画どおりに進行している。

(改善点)
 ○光ディスクシステムが目標であるから、ディスクの記録密度向上を図りながら、10msec以下の高速読み出し用ヘッドの超精密位置決め精度も同時に実現する。
 ○世界をリードできると考えられるので、応用先について深い考察をお願いしたい。
 ○ハードディスクのようにならないように日本の優位性を確保して頂きたい。光ディスクシステムはリーダ/ライタのドライブまでの開発では不十分。
 ○最終報告の際には実用化に向けての取り組みを具体的に報告して頂きたい。