IT21(情報通信21世紀計画)プロジェクト


ミレニアム・IT21・プロジェクト/平成14年度評価報告書を踏まえた対応方針

事業名評価報告書における指摘
(改善すべき点)
評価を踏まえた対応方針
インターネット・ソフトウェア分野
1−1 次世代インターネット
(3) 次世代インターネット通信方式高度化に関する研究開発 ○特許などの知的財産の獲得や国際標準化への積極的な貢献が必要。人材補強を検討すべき。
○本研究で開発する通信品質観測技術により既存インターネット技術の問題点を明らかにするだけでなく、明らかになった問題点を克服する新規技術開発も視野に入れ、具体的な研究計画を立てるべき。
○開発項目毎に具体的な作業内容、実施結果と成果の達成度を評価できる検査内容を明確にすべき。
○計測データの公開にあたっては、どういうデータをどう流すか、利用目的に沿った形でのデザインや明確な説明を行うべき。
○測定対象のネットワークの混み具合などの状況と、測定した値との関係、例えば、その信頼性を明確にして盛り込んで欲しい。
○国際標準化に関して、IETFのIPPM(IP Performance Metrics) WGにおいて一方向遅延の計測手法に関する標準化(OWAMP:One Way Active Measurement Protocol)が進行中であり、提案内容を検証する参照実装、本課題で得られた成果の実装等の面で貢献していく。また、15年度にはインターネット計測関連に係る研究者2名を新規に確保しており、これらの人材を活用するとともに、今後も人材獲得に向けて努力する。
○本課題では、インターネット計測分野の技術開発を進めることを目標に設定している。本課題の成果は、平行してCRLで実施中である広帯域ネットワークにおけるトランスポート性能の改善やインターネットにおける精密時刻同期性能向上を目的とした研究開発に活用する予定。
○本課題で設定した各技術開発目標とその達成状況に関しては、インターネット通信品質観測技術の開発については、PCベースで2.4Gbps (OC-48) 相当の帯域のパケット収集、高精度パケットタイムスタンプ装置の実装を完成させており、当初の目標は達成されたと思料。また、観測データ解析およびプロトコル設計については、一方向遅延に関する計測システムの実装を行った。今後、実装したシステムをベースに、研究開発ネットワーク上で実証を進める。更に、次世代ネットワークシミュレーションシステムの構築については、研究開発ネットワークバックボーンと同等の規模のネットワークを構築し、その有効性等を検証する予定。
○ご指摘のとおり、被計測ネットワークを流れるトラフィック情報の取り扱いには慎重な配慮が要求される。情報公開にあたっては、通信内容に係る情報は公開せずに統計情報のみを提供するとともに、一方向遅延等のネットワーク状態の情報に関してもネットワーク提供者との合意に基づき公開すること等が原則である。フローを特定するための制御情報との関連付けが不可欠な状況であっても、端末を特定可能な情報に対して不可逆的な変換を行い、通信者の特定を不可能とする配慮を行うことが最低限必要である。
○計測データの公開については、多くの研究開発ネットワークでは帯域利用度の公開を行っており、片道遅延の変動及び通過経路の情報とこれらを併わせることにより、遅延時間と利用度との関係をより明らかにできると考えている。"
インターネット・ハードウェア分野
2−1 光化技術
(1) 幹線系超高速フォトニックネットワーク技術(旧トータル光通信技術の研究開発) ○得られた成果を適宜実用に移転するための検討も行うべき。
○技術成果としての外部発表、論文が50件と多く、高く評価できるが、これに比較すると特許件数は3件と少ない。国家プロジェクトであるため、国家戦略の点からも、特許、特に外国出願を活発化されることを来年度は期待したい。
○光ネットワークシステムの研究課題として光バーストスイッチネットワークを取り上げているが、他の研究テーマにおいて光バーストスイッチを用いたフォトニックネットワークの研究に広範囲に取り組んでおり、それとの研究の位置づけを明確化しておく必要があろう。
○目標設定の具体的なスペックは不透明。総合的な結果の成果報告を行うべき。
○当研究開発で得られた優れた成果に関しては、委託先に迅速な実用化を促してまいりたい。
○当研究開発は総合的に光通信技術の研究開発を行うことを意図して始められたものであり、世界トップレベルの成果報告も多いものの、システム実験的な性格が強いため、要素技術の研究開発を主とする他の研究テーマと比較して特許になりにくい点もあると認識している。しかしながら、特許出願を重視することは知的財産戦略大綱等政府の計画にも掲げられているところであり、今後は総合実験に向けたシステム構築において、より活発な知的財産の創出を図ることとしたい。
○光バーストスイッチの研究開発については、個別研究課題の最終目標を整理し、当研究開発としての最終目標を明確化する所存。
○個別の研究開発の最終目標を整理し、当研究開発としての最終目標を明確化すべく検討を行っているところ。具体的なスペックを設定した総合実験を実施し、成果報告を行うこととしたい。
(2) アクセス系超高速フォトニックネットワーク技術(旧光ネットワーク技術の研究開発) ○MEMSデバイスを光バーストスイッチとして実用化するには、精度と信頼性を飛躍的に高める必要があるため、これに関する諸技術も今後十分検討してほしい。
○光バーストスイッチングについては「幹線系超高速フォトニックネットワーク技術の研究開発」においても研究しており、相互の位置づけを明確にしておく必要がある。
○MEMSデバイスを光バーストスイッチとして実用化するためには精度と信頼性を高めることが必須であることはご指摘のとおりと認識。本年度実施した通信・放送機構の中間評価において、「最終目標に向けて着実に進んでおり、一定の成果を出している。また、最終目標の設定も妥当」との評価を受けており、関連する諸技術の研究開発を含め、最終目標達成に向けて努力していきたい。
○光バーストスイッチの研究開発については、個別の研究開発内容は異なるものの、光バーストスイッチという枠組みで見た場合に他の研究テーマと重複する感を与える可能性があるという認識の下に、現在この研究開発について他の研究テーマと連携をとりながら効率的・効果的に研究を進めることを検討している。
(3) インターネットノード全光化技術の研究開発(旧光ルーティング技術の研究開発+超高速光ルータ技術の研究開発) ○平成13年度の指摘に従い、数値目標の根拠を検討している。高密度光波長ルーティング技術においては、波長資源を効率的に運用可能な値として波長パス切り替え速度の目標を100ms以下と設定し、それを達成した。
○AOTFは小中規模の波長ハンドリングに適用領域があり、メトロ系やアクセス系への応用が期待される。それらの具体的システムの試作を進めることが必要である。
○平成15年度以降も適切な研究開発目標の設定及び理由の明示に心がけていく所存。
○AOTFの開発により迅速な光波長制御を実現(40波、100GHz波長間隔)。具体的なシステムとして「光波長を自由に扱える小型・安価な光メトロ・アクセスシステム」を開発したことがマスコミにも取り上げられた。今後は、最終目標に向け、バージョンアップを図る予定。
(4) フェムト秒テクノロジーの研究開発 ○特許等に関する記述が無い。国家プロジェクトとして進められている以上、我が国の国際競争力の向上に貢献する基本特許の外国出願が不可欠である。
○ITシステム技術の適応は、さまざまな要素が入るため、より広範な意見を求めることが必要である。特に戦略性の強い研究であるため、より強力な体制を組むことも必要である。
○研究されたデバイスがキーとなってシステムの性格が変わるくらいのインパクトのある適用例を開発することが望まれる。
○光発生・伝送グループにおいて開発中の光時間多重(OTDM)伝送技術等は、前記プロジェクト「幹線系超高速フォトニックネットワーク技術」で目指しているバックボーンフォトニックネットワーク技術と関連する内容が多いことから、プロジェクト間の技術交流・協力・統合等の必要がある。
○実用化につなげるためには、政府調達を含めた積極的な競争政策を採ることが必須である。
○光伝送システムやフォトニックネットワークの研究を推進している他の事業との交流をより進め、当研究で開発されたデバイスの良い適用例を発見することが必要である。
○特許については海外18件、国内150件の出願を行っており、基本特許と言える重要特許が7件(内、海外出願5件)ある。これらを有効活用して、日本における情報・通信分野の国際競争力向上に貢献する。
○H13年度から開始しているFST(フェムト秒テクノロジー)システム検討委員会等を通じてシステム研究グループやデバイスユーザとの連携を強化して実用化に向けた広範な意見を求め、システム研究者に使ってもらえるデバイス開発を進めている。
○通総研を始め大学、企業の通信システム研究グループとの共同研究等を通じて日本の戦略技術としてインパクトのある適用例を模索中であり、それに応じてデバイス、モジュールのブラッシュアップを図る。適用例の事業化に向けて適宜、事業部門とも連携して行く。
○「幹線系超高速フォトニックネットワーク技術」との連携については、表立っては行っていないが、実態上、幾つかのテーマにおいて、双方の技術を持ち寄り、今後重要となるOTDMや光3R等についての研究を進めている。 
○実用化に繋ぐための体制強化の一環として産総研を中心に次世代光技術研究会をH14年度から発足して超高速技術を含む光通信分野の具体的な推進テーマの検討を進めている。
○最終年度(H16年度)は、システム研究者からのコメントをもとに当面の実用化に向けてデバイスモジュール性能をブラッシュアップする予定である。
2−2 次世代LEOに関する研究開発
 次世代LEO ○搭載衛星の変更により搭載機器の要求仕様が厳しくなり、一部の要素技術については衛星搭載機器の開発は行わないこととしているが、社会環境の変化にも対応できるように技術開発目標を設定し、着実に全ての要素技術開発を行い、衛星ネットワークを確実に実現して頂きたい。
○現方針で研究を進めるべき。
○インターネットプロトコルを前提とした精度および信頼性の検討が必要ではないか。
○ネットワークシステムとしての開発課題が見受けられない。トラヒック条件やプロトコルの目標方針を検討されたい。
○情報通信分野の技術進歩は極めて早いのに対して、衛星の開発、打ち上げ、それによる実証実験にいたるまで長期間を要するので、開発が終了する段階で必要な技術レベルや、ユーザニーズが当初の目標から大きくずれてしまう倦厭が大きい。その例がイリジウムなどの衛星移動通システムの失敗である。本研究がその二の舞にならないように、目標設定や採用技術を常に見直す姿勢が極めて重要である。
○開発費を考慮すると、光衛星間通信技術に関する搭載機器の開発に重点をおくこととなると思われるが、要素技術については、搭載機器の開発に支障が出ない範囲で、衛星ネットワーク技術、アンテナ技術及び端末技術に関して確実に実施していく予定。
○ご指摘の通り、多数のLEO衛星の衛星間通信ネットワークにおけるインターネットプロトコルの本格的なシミュレーションを開始しているところ。また、さらに、QoSを考慮した網容量の検討が必要であると認識しており、今後、検討していく予定。
○ネットワークシステムとしての開発課題としては、LEOネットワーク特有の多発するハンドオーバ時のモビリティ管理の方式の開発を行う予定。また、ハンドオーバ時のトランザクションへの影響を、各種プロトコルを想定してシミュレーションを行うことにより抽出し、それによって現在トラヒック条件を検討中。最終的には、 LEOネットワークと地上系システムがシームレスに接続され、ユーザにユビキタス環境を提供するようなプロトコルを開発していくことを目標としているところ。
○ご指摘の通り、目標設定や搭載機器への採用技術に関しては、宇宙使用のリスクを考慮しながら、できる限り柔軟に見直し、開発終了時においても、その技術が陳腐化しないよう配慮していきたいと考えているところ。具体的な応用についての実証については、FTTH等ブロードバンドの急速な普及等を踏まえ、今後検討を行う予定。
2−3 マルチメディアの高度化1
(1) 映像相互利用技術の研究開発 ○色再現については、「ナチュラルビジョンと適宜情報交換をしている」「ナチュラルビジョンはクローズにしなければならない」旨記述があるが、この点は事実と異なっている。より密な交流を図るなどして、より正確な理解を求める。
○ロスレス映像符号化技術の検討では、Motion JPEG-2000との比較を行うべき。
○従来技術から脱却した創造性のある符号化技術研究に取り組むべき。
○企業が受託している研究開発であり、そうした視点から、実用的な課題(アプリケーション)の要求条件を明確にして、研究目標のスペックを明確にすべき。
○目標とする各々の技術については成果をあげつつあるが、今後これらの要素技術が実際にブロードバンドインターネット、デジタル放送、3G携帯などにおいてどのように活用されるのかについては総論的・抽象的な説明。具体的な応用について実証すべき。
○実施報告書に記載のフレーム独立符号化のJPEG2000方式は、Motion-JPEG2000を示しており比較を行っているものであるが、今後明確に記載する。
○トランス符号化においては、符号化データ上での再量子化適応制御及び適応フレームレート削減によりリアルタイム以上の高速性及び既存方式よりも1dB以上の画質改善を実現すると共に、ワンソース・マルチユースを意識した効率化を目指し、1回の変換処理で複数のビットレートへの変換を実現するサイマルトランスコーディング技術を目標とする。
 ロスレス符号化方式の検討では、平成14年度は、基本となるべきMPEGなどに適用の従来型の動き補償方式の性能検証を実施した。
 平成15年度においては、従来の方式に捉われることなく新方式を積極的に追求し、ロスレス及びJPEG-LS(予測符号化)に適した動き補償、動き検出方法を検討し、圧縮効率の向上を図る。
○委託先ではMPEGビデオ、オーディオデータの高速ビットレート変換を世界に先駆けて取り組み実用化に結び付けており、今回の成果を利用したBB-モバイルビデオ変換GWなどによる通信サービスやソフトウェア製品の展開を目指す予定である。
○また、委託先では、色再現管理について色空間管理の国際標準IEC61966、ロスレス符号化方式では国際標準ISO/IEC14495, ITU/T.87の制定において規格案作成、データ収集など主体的役割を果たしてきた。その蓄積技術の発展と応用を図る観点から、正確な色再現、高画質化を必要とする分野(印刷製版、コンテンツ制作、デジタルアーカイブなど)への本研究開発の成果の展開を図る。並行して、これらの分野で切望されている色再現域の広い液晶ディスプレイを中心とした表示装置などのハードウェアの開発の推進、拡張色空間使用環境の整備のための標準化を推進する。
○ナチュラルビジョンとはより正確な理解を得るために、2003/8/4にTAO赤坂リサーチセンターにて技術交流会を実施したが、継続してより密な交流・連携を図る。
 また、関連するハードウエアの開発を推進すると共に、拡張色空間使用環境が整うよう標準化を推進する。
○一つのコンテンツをブロードバンドと3G携帯へリアルタイムで同時配信するようなブロードバンド・モバイル融合サービスや、放送コンテンツのネットワーク適応化などによる通信と放送の融合サービスへの展開、更に開発した技術のSDK化によるソリューション展開を行う。
 また、ロスレス符号化と色再現管理技術との統合化を推進し、正確な色再現を必要としている印刷製版、電子商取引、コンテンツ制作、ディジタルアーカイブ、教育分野への応用を実証する。
 即ち、マスタコンテンツ制作においてロスレス映像符号化と色再現管理の統合技術により高品質に符号化・再現し、コンテンツ配信においてトランス符号化技術によりこれらを放送向け、ブロードバンド向け、3G携帯向けなど、映像メディアに応じて適応化することが想定される。このように、コンテンツ制作から配信に至るフローにおいて本テーマで開発した要素技術が適用されると考えられる。
(2) 映像メタデータ技術の研究開発 ○MPEG-7を用いる有効性、特に実用化時のメリットを明確化すべき。
○知的財産を確保したうえで、対外発表を増加すべき。
○具体的なアプリケーションを明確にし、ブレイクスルーする技術の数値的な目標設定を明確化すべき。
○本研究が実際のAVコンテンツビジネスでどの程度利用可能なものなのか実証すべき。
○想定される利用者との連携を図り、そのニーズを反映すべき。
○MPEG-7はメタデータの標準的なフォーマットを規定することにより、メタデータの相互運用性を確保することが大きな目的であるため、MPEG-7を用いることによってメタデータの幅広い流通、延いてはコンテンツの幅広い流通が見込める。実際の流通系においてはcIDなどとの連携も含め、より実用に即した検討が必要であると認識している。また、メタデータを利用した蓄積型放送方式などでは、機能的には同等であるが記述スキームをMPEG-7よりも簡素化しているものも存在し、本研究課題で検討しているメタデータの変換なども有用である。MPEG-7ではマルチメディアコンテンツに対する汎用的なメタデータを定義しているため、実際の運用には別途規定を設けるなどの必要性が生じるが、その上でも本研究課題のようにある程度メタデータのアプリケーションを特化したり、利用するメタデータを限定することは、今後の実用化を考慮すれば有効である。
○外部発表については、今年度すでにIEEE等の査読付きの国際学会(採択率40%程度)に2件が採用されており、本研究開発の内容は一定の評価を得ているものと考えられるが、さらに論文発表を進める予定である。特許の出願数が1件/年であることについては指摘の通りであると認識しているため、平成15年度においてより多くの成果発表を行う。
○アプリケーションとしては、例えばコンテンツオーサリングやコンテンツアーカイブにおけるユーザ支援、PVRにおけるパーソナルダイジェストの自動生成などが考えられる。ここでは、コンテンツからある特定のイベントやジャンルだけを集約して編集に用いるような編集加工支援などへの応用が想定され、AVコンテンツの基本的なインデクシングであるショット検出などを用いる場合と比較して、人手による手間を大幅に省くことができる。コンテンツアーカイブからの類似検索などを考慮した場合、低レベルの特徴値を用いるため90〜95%以上の精度を達成すべく検討を行っているが、パーソナルダイジェスト生成などを考慮した場合、高レベルの特徴値を用いることになり、主観への依存性が大きいため定量的な評価は困難であるものの、主観的側面を尊重しつつ事実上の自動生成を目指すこととすることが重要であるため、同様に90%程度の精度を目指すこととする。この精度測定に際しては、まずは一般被験者を対象とするが、必要に応じコンテンツプロバイダなど本技術の利用が想定されるユーザによる主観評価実験なども行っていく。


○また、委託先では、MPEG-7標準化においてサマリ記述方式に関する基本提案を行い、これが採用されている。また、 MPEGデータ上での高速カット点検出等の研究開発を先駆的に進め、ソフトウェアツール等が放送番組アーカイブス等で利用されている。こうした技術的蓄積を踏まえ、本研究開発の成果は委託先でのブロードバンド・モバイルコンテンツ制作システムでの利用、ポストプロダクション等での映像制作支援ツールとしての展開が予定されている。
○本研究の成果は、上記のようにコンテンツ制作や編集加工の支援に利用できると考えられる。これらの分野では、例えば編集ソフトのような関連ツールの高度化は進んでいると考えられるが、制作者の意図を反映するようなインデクシング技術は確立されておらず、未だ手動による制作コストの増加が免れない。本研究ではこのようなコンテンツ制作者を支援するような、様々なレベルでのインデクシング技術を提供することを目標として検討を進めている。また、例えば放送コンテンツなどに高い付加価値を与えるメタデータを生成するようなビジネスも想定され、メタデータプロバイダがメタデータ生成の過程でこれらの技術を利用することも可能であると考えられる。
○想定される利用者はコンテンツクリエータ、コンテンツプロバイダやMPEG-7アプリケーションやPVRの開発者などである。今後事業化に向けて利用者のニーズをヒアリングすると共に、評価用アプリケーションなどを構築して想定される利用者による利用を促進し、フィードバックを採り入れていく。

(3) 超高精細静止画像入力技術の研究開発 ○応用しやすくすることを最後に検討して欲しい。
○本研究成果を標準化にどのように反映するのか、あるいは特許を抑えてビジネスとして展開するのか、明確にする必要がある。
○研究項目の終了目標が明確でない。技術的な条件の下で数値的な達成目標を明確にし、研究推進のシナリオが必要。
○階層的部分伝送のプロトコルなどは、重要な標準化の課題であるので、対応すべき。
○成果応用の容易さは非常に重要であると認識している。タイルサイズ変換ゲートウェイ及びタイル歪軽減エンコーダはパッケージ化も可能である。次項目のビジネス化方策をとると同時に、パッケージ化による普及についても視野に入れて検討する。
○医療系ソリューションにおいて、特にモバイル環境で高解像度画像を利用するためのシステムについて具体的に応用を考えている。また、ブロードバンドサービス関連事業部門とも連携をとり進めていく。
○シナリオとしては、ブロードバンドネットワークを利用したBtoCビジネスにおいて高いリアリティを提供でき、BtoBソリューションや医療系ソリューションにおいて高精細な画像情報を提供できる技術を目指す。現在の航空写真システムの状況とさらなるニーズの拡大を想定し、取扱う解像度としては3万画素×3万画素程度を指向する。さらに、伝送時間においてユーザのストレスを軽減するため、画像解像度と品質を指定して伝送した場合には、画像全体を転送する場合に比べて1/100以下の伝送時間を達成する(ロスレス圧縮画像をオリジナルとし、マルチユースを想定。数百秒→数秒)。またタイル歪軽減については過半数のユーザが主観的な画質改善効果を確認できるレベルまで改善する。
○特に、委託先は、携帯電話から固定電話までの通信サービスを提供しており、携帯電話における高精細静止画像の取り扱いやソリューションビジネスへの適応の研究に実績があり、具体的には、医療情報分野において、PDAによる緊急医療画像伝送システムをソリューションサービスと提供していることから、本研究開発の成果は、伝送・通信機能を含めたサービス全体の高度化に活用される予定である。また、カメラつき携帯電話で撮影された高解像度画像の蓄積・伝送方式への適用を進め、携帯ビジネスへの応用を予定している。
○階層的部分伝送プロトコルなどについては、ご指摘の重要性を常に考慮し、引き続き標準化動向を注意深くフォローしながら、貢献できる部分について積極的にアクションをとっていく。
2−4 マルチメディアの高度化2
(1) オブジェクト連動データ放送システムの研究開発 ○本研究開発が実用化されるためには、抽出したオブジェクト毎の情報の入力手法などについても具体的に検討を進めるべき。
○ユーザからのフィードバックを反映した開発の実施など、応用面への展開を視野に入れた研究開発を行うべき。
○客観的なスペックの目標を示し、データを取るべき。
○メタデータデータベースにオブジェクトの関連データをデータベース化して必要なときにオブジェクトにリンクすることにより効率性を高めるシステムを開発している。
○既に実施した公開実験において、被験者より動きの激しいオブジェクトの指示の困難が指摘されており、指差ししたときにオブジェクトが停止するシステムの開発を行っている。また、引き続き公開実験等を予定しており、これによるユーザからの意見をフィードバックすることを考えている。
○ご指摘を踏まえ、オブジェクト抽出に必要な処理時間、オブジェクト追跡能力数などについて、客観的なスペック目標を定めデータ収集する予定。
(3) 次世代放送方式技術の研究開発 ○受信ナビゲーション技術については、その重要性に鑑みて、技術の標準化などを行うことで利用の拡大が期待できるため、将来の展開に対しての具体的な目標を検討されたい。
○番組コンテンツのスケーラブル配信・提示変換技術については、放送品質を決める重要な要素であり、技術的な判断基準となる目標数値の明確化、あるいは効果の数値化を検討されたい。
○受信ナビゲーション技術については、番組案内提示情報の範囲、パーソナライズ化対応範囲などの検討を行い、視聴者が、見たい番組やサービスを簡易かつ迅速に受信・享受可能なシステム等の実利用の方策について検討する。
○目標数値の明確化としては、受信形態別の表示精細度、トリミング範囲規定等について検討する。
(4) ISDB技術の研究開発 ○研究目標に対し、成果を定量的なデータで示すことを検討されたい。
○積極的に国際的なアピールを行うなど、注目を集める努力を期待する。
○ブロードバンドネットワークやTCP/IPなどとの融合やすみわけの視点からも検討してほしい。
○システム応答時間やコンテンツ取得遅延時間など、各々の実現条件を具体的に設定し、定量的な評価を実施することとしたい。
○ご指摘を踏まえ、PR等にも力を入れてまいりたい。学術会議に関しては、国内海外を問わず発表を行っているところ。標準化等に関してもITUやARIBでのデータ放送やサーバー型放送標準化、MPEG-21やTV Anytimeフォーラム、ITUでのメタデータ標準化の状況を踏まえて技術開発を進め、新技術については積極的に標準化の場にも提案していくこととしたい。
○本テーマでは、全体的に放送と通信とが連携してコンテンツ配送を行う方式を提案してきていることから、今後も放送と通信の融合方式や、ユーザーに提供するコンテンツの種類の違いによるすみわけを継続して検討していきたい。
(5) 高精細・立体・臨場感コンテント技術の研究開発 ○照明状況の違いの処理については、正確なモデルに基づく手法の検討も必要。
○実際の高速化、処理時間の短縮化を数値で示すなどによる目標の達成度の明確化を検討されたい。
○このような研究分野ではより多くの特許出願が可能であると思われるので、積極的に出願を行うべき。
○各種の材質に対して適用可能な、より正確な反射モデルについて、パラメータの取得法、データ量等について検討する。
○処理時間の短縮は重要な課題と認識しており、実用化に向けてこれまでの成果を生かしつつ新たな手法も検討し、これまでの1/10以下に短縮することを目標としたい。
○ご指摘のとおり、今後できるだけ多く出願するよう努めたい。
(6) ユーザーオリエンテッドマルチメディア技術の研究開発 ○リアルタイムと記載されているが、動画の場合、実際の画像処理は何秒かかるのか、またコンテンツのなかでも、認識をしやすいもの、しにくいものもあるはずである。認識の難しい画像については、今後の課題として新たな対処法の必要性についても検討すべき。
○応用分野とマーケットモデルを明確にして研究開発を進めるために、例えば、一般の方々をモニターとする評価などを行い、ユーザの意見を活用したらどうか。
○本研究では、1)放送局で用いるオーサリングシステム、2)放送を受信する視聴者側で用いる表示制御システムの研究開発を行っている。
 視聴者側での表示制御システムについては、あらかじめコンテンツ情報が重畳してある受信映像の処理時間として、1フレーム(1秒=30フレーム)あたり1/30秒というリアルタイムでの処理を目指しており、動画についても同様である。
 なお、オーサリングシステム側でのコンテンツ認識について、パターンマッチングが一番しやすい人物顔のみの自動認識を可能としたが、それ以外は手動でコンテンツを認識している。その位置データをもとに自動追尾するプログラムを開発し、10秒の映像に対してすべてを手入力すると約25分かかっていた処理時間を5〜25秒程度に短縮することを可能としたが、さらに追尾精度を上げていくことを検討する。また、人物顔以外の自動認識については、その可能性を検討することとしたい。
○本システムや技術が必要とされる状況や使い方に関するモニター評価を実施し、その結果に応じたシミュレーション実験を行うこととしたい。
コンピューティング・ソフトウェア分野
3−1 次世代ソフトウェア対応
 未踏ソフトウェア創造事業 ○わが国のソフトウェア人材育成・発掘のため、継続して展開すべき。本事業の終了後におけるソフトウェア人材育成発掘の展望のため、情報処理振興事業協会(IPA)・プロジェクトマネジャー・開発者・サポート組織からなる体制の問題点の抽出を抜かりなく行って欲しい。
○常に反省点をフィードバックする体制が肝要
○採択されたソフト開発者達が実際にどのように育ち、活躍していくか、今後フォローしていくことが必要ではないか。
○世界的な観点での評価を取り入れるべきである。
○事業成果をさらに拡大するために、得られたノーハウを知識データベース化するとともに、その分析にも着手していただきたい。
○本制度は今後も続けるべきであり、我が国におけるプロジェクトマネジャー制度の確立を目指すべきである。
○毎年度行っている、開発者、サポート組織に対するフォローアップアンケートを継続して実施し、体制、事業に関する問題点の抽出、及び、それらのフィードバックによる改善対応を積極的に行う。また、同アンケートにおいて、事業開始年度からこれまでの開発者全てを対象として現状調査を行うとともに、優秀と認められた開発者については個別ヒアリング等を通じて詳細な調査を行い、本事業で採択された事業者のフォローアップに精力的に取り組む。
○プロジェクトマネジャーについて調査を行い、ノーハウの蓄積及び分析を実施し、その結果を次年度以降に適切に反映することを通じて、本事業の継続及びプロジェクトマネジャー制度の確立を目指す。特に、国外のソフトウェア開発に従事した経験のある研究者について、プロジェクトマネジャーとして積極的に採用し、彼らのノーハウを蓄積・分析することによって、世界的な観点での評価が行われるようにつとめる。
3−2 アーキテクチャ対応
(1) インタラクティブ情報網基盤技術の研究開発 ○グリッド基幹技術および応用技術にかかわる、知的財産権の取得を戦略的に行うべきである。
○重要な項目であり、知的財産確保戦略をしっかりして欲しい。話者トラッキングに重点が置かれているかに見えるが今の目標値では有効性は低そうなので、グリッドセキュリティの方へ力をいれるよう変更を希望する。
○二つのテーマの関連性を明確にしていただきたい。
○研究の達成度を評価できる定量的な目標を明確にすることが望まれる。
○グリッドコンピューティングについても、没入型高精細3次元空間ディスプレイによるコミュニケーションや、話者トラッキング技術についても現在活発に研究開発が行われている研究領域であり、本研究がそれら他の研究との差異や優位性を明確にする必要がある。
○外部に積極的に発表すると共に国際標準を取りに行って頂きたい。
○研究内容の意義づけを明確にしておくことが重要である。
○他のグリッド研究との違いをもう少し積極的にアピールすべきである。
○グリッド技術とヒューマンインターフェース技術は、かなり異なる技術と考えられる。テーマであるアーキテクチャ対応からみると、後者のテーマはこれに合致していないと思われる。
○本課題についてはコンピュータ分野の研究者・技術者ばかりではなく、多くのインターネットやマルチメディア分野の研究者が研究に携わっており、それらの異なる人脈間の相互認識と連携が重要である。
○グリッド技術に関しては、基幹技術は国際標準化を目指すため、オープンソース戦略を採っている。応用技術に関しては特許出願中が3件あり、今後も戦略的に特許取得を優先する。
ヒューマンインターフェース技術に関しては、知的財産確保を成果公表に優先すると考えており、基本的な単願特許出願(8件:国内7件、国際1件)を6月上旬に一段落させた。また、音声インターフェースについては、ソフトウェアのライセンス契約を中心に知的財産確保に努めている。
○プロジェクト終了時を想定して、グリッドとユーザインタフェースを合体させて場合に具体的に何が実証可能かを随時検討し、軌道修正を行って行きたい。ユーザインタフェース部分についての目標値はヒアリングの席で述べたように、必ずしも低い値ではないと考えるが、これも実証をどのような環境で行うかに強く依存するので軌道修正の過程で取捨選択したい。
○ヒアリングの席上述べたように、大動脈インフラであるグリッドと、それに対応する静脈的ユーザインタフェースという位置づけで行っている。ヒアリングでも強調したように一方だけでは、性能の数値目標が妥当かどうかが分からない。トータルシステムとして実効的にどのような性能が出せるのか、を実証すべきと考え二つのテーマを立てる必要性があると考える。単にコマンド入力の代わりのヒューマンインタフェースではなく、大規模コンテンツの表示技術と組み合わせた超高速計算・ネットワーク環境と人間とをつなぐシステムの構築が、インタラクティブ情報網の最終目標である。
○現状では、グリッド、ユーザインタフェースそれぞれの定量的数値目標をヒアリングの席で示した。上記「関連性」でも記したように、トータルシステムとしてどれくらいの数値が可能かは検討すべきと考える。
○グリッドに関しては、本課題では高速なネットワークの利用とスーパーコンピュータを接続した計算環境の構築に必要な技術開発を目指している。ヒューマンインターフェース技術との統合を意図してポータル等のユーザ技術を意識した点が差別項目である。より明確になるよう留意して課題内容を見直す。
 没入型3Dディスプレーは、人間の動き・姿勢検出技術と組み合わせる点に新規性があり、特に球面スクリーンという幾何補正が難しい状況で、視点情報にもとづく違和感のない3次元映像のリアルタイム表示(秒30コマ)ができたのは高い新規性がある。
 話者トラッキング・分離技術については、学術的な要素技術の研究は多いが、これらの技術を統合した、実用化研究は、きわめて少ない。われわれは、ハードウェアの開発も含め、話者トラッキングから音源分離・音声認識までを行う統合システムを研究・開発している。複数の要素技術を統合したシステムでは、個別の要素技術もさることながら、要素技術相互のインタラクションが大切であり、その点において、他の研究に対する優位性があると考えている。
○国内外の学会活動および Global Grid Forum (GGF) という国際標準化団体への貢献を積極的に行っている。
○近い将来グリッド技術がインフラとなり、その先それを享受すべき利用者にとって有効活用されるために、利用技術もあわせてフィージブルなものは何かを検討・開発すべきである。本テーマはそのための研究内容である。
○本研究プロジェクトではグリッド技術およびヒューマンインターフェース技術において一義的にはそれぞれの技術の独創性(ピーク)を出すことに重点を置くことに主眼を置く。
 具体的にはグリッド技術に対して本課題ではメタコンピューティングと呼ばれる技術で、世界規模に分散した高性能コンピュータを高速ネットワークで接続して、これまでに実現できなかった高い計算性能を創出する挑戦的な試みを行う。他のグリッド研究が研究基盤の構築やビジネス応用を目指しているのと異なる。また、国際的な協力が不可欠であり、大規模な実験は年に1度ないし2度程度しか実施できない。しかし、実験から得られる他のグリッド研究に対する波及効果は大きい。今後は、計算性能だけではなく、大容量データを同時かつ高速に処理することを目指す。
 一方ヒューマンインタフェース技術における複数人物動作インタフェース技術開発では、複数人物の動きをネットワーク分散カメラでリアルタイムに追跡し、認識率95%を目指す。また高品位3次元表示システムの開発においては、3次元描写性能として現在の卓上ディスプレイ程度(96dpi以上)の解像度で情報を提示可能とする。音声認識技術の開発では発話位置について95%以上±5°以内の精度で単語認識率90%以上を目標とする。
 これらの研究目標は本研究課題で実施するグリッド技術およびヒューマンインタフェース技術についてのピークを狙う研究であると捉えている。さらに、我々は二つの技術は相互によい利用者であると考えており、まずはグリッド技術と高品位3次元表示システムとの統合可能性を検討する。さらにグリッド技術と複数人物動作インタフェース技術の統合の可能性すなわちバックエンドで大規模計算が動いているという実装方式が可能かどうかの検討を行う。
○グリッド技術は必ずしも科学技術計算に特化されるべきものではなく、一般利用者も視野に入れたトータルシステムとして実用システムとなりうるのかを検討すべきであると考える。「アーキテクチャ」といったとき応用システムを想定しないわけにはいかないと考える。その候補が大量マルチメディア情報とヒューマンインタフェースである。
○グリッド技術に関しては APAN や SuperSINET 等のネットワーク利用を通じてインターネットコミュニティとの積極的な情報交換、意見交流を実施しており、今後も連携を強めていく予定である。
 ヒューマンインターフェース技術に関しては、実際にコンピュータ分野の研究者のみではなく、画像、音声、両者の融合、画像生成等マルチメディア分野を専門とする研究者と、産総研の人的ポテンシャルを最大限活かして、連携して研究を行っている。
3−3 高齢化対応
(2) 福祉支援情報通信システムの開発・展開 ○福祉支援にフォーカスさせるためには、現場とのより密接な連携が必要。
○被験者の数を増やし、ネットワーク負荷を増大させた場合の予想される問題点の抽出と対策を行う必要がある。具体的なアプローチ及び目標に対してどの程度の達成が出来ているのかなどの評価を行うべき。
○開発の目標に対して、実際に福祉・介護に役立つ事項とが一致していないので、技術課題を明確化すべき。
○目的を整理し、既存の技術は使い、研究すべきものを絞ることが必要。
○今後は、安全確認(監視)とプライバシーの関係に的を絞って活動すべき。
○本年度に導入するシステム上で、アンケート形式による嗜好情報を収集することにより、現場サイドとの連携を図る予定。
○被験者の実数を増加することは経費的な制約もあり困難であるため、仮想的な検証を検討予定。
○開発の目標と実際に福祉・介護に役立つ事項を合わせるため、メッセージ情報の登録や履歴閲覧をWeb上でメンテナンス可能なシステムを構築してシステムの有効性を検証するとともに、アンケート調査等の実施を通じて被験者のニーズやシステム評価を的確に行い、より被験者に密着した支援システムを構築する方向で技術課題を整理する予定。
○ご指摘を踏まえ、ペットロボットの機能向上の追及する観点から既存技術の活用のあり方、目的や研究課題の整理に努めたい。
○被験者の人体検知履歴や日々の操作履歴状況をWeb上で閲覧可能な機能による動態監視の機能・効果を検証するにあたり、プライバシーとの関係も整理しつつ、見守りシステムとしての完成を目指したい。
(3) 視聴覚障害向け放送ソフト制作技術の研究開発 ○アジアでの応用を今後の検討にいれられないか検討すべき。
○研究成果の具体的な応用可能性を最重点に開発し、その成果に対する放送業界など利用者側のフィードバックのメカニズムを確立すべき。
○本年6月に開催した字幕制作技術の国際ワークショップにおいて、韓国から参加があったところ。また、本研究開発の字幕制作技術で採用しているNAB形式のフォーマットをアジア各国の字幕放送システムのフォーマットに適合させることや、字幕の要約・同期・整形を行う自動処理を使用言語に合わせること等のカスタマイズをアジア各国で行って頂き、本研究開発のシステムを構築してもらえることが期待されるため、字幕制作技術の情報提供に積極的に取り組んでまいりたい。
○本研究開発は、実用性を最重点に設計及び開発を行っているとともに、放送局と字幕制作会社から構成される「設計評価ワーキンググループ」を設置して研究開発を検証・評価を行っているところ。また、現在、いくつかの地方民放局で実用モデルのシステム評価を実施しており、放送局等の利用者側のフィードバックを可能としている。
コンピューティング・ハードウェア分野
4−1 半導体
(1) 革新的電子材料技術(強相関エレクトロニクス)の研究開発 ○研究開発を達成するために必要な要素技術の最終目標及び年度目標値を数値化した一覧表を作成し、成果を書き込んでいただくと、より成果が明確になり議論しやすい。
○国際的な評価を通じた研究成果の展開をめざすべきである。
○ご指摘に従い、研究開発を達成するために必要な要素技術の最終目標及び年度目標値を数値化した一覧表を作成した。
○国際的な評価に関連しては、本評価委員会をはじめ、産総研での外部ユニット評価委員会において、国際的基準から見ての研究成果について評価を受けており、特に、産総研での外部評価では、高い評価(2年連続で産総研全ユニット中第一位)を得ている。さらに、本プロジェクト担当の強相関電子技術センターでは、毎年、国際ワークショップを開催し、ノーベル賞受賞者を含め、国際的に著名な 研究者との討論だけでなく、同時に研究活動の評価・提言もしていただいている。
(2) クラスターイオンビームプロセステクノロジー ○知的財産権の確立強化のためにプロジェクトとしてのあらゆる面を再検討願う。知財部門の人的補強。また、予算措置など。
○国際的な評価を通じた研究成果の展開をめざすべきである。
○本技術の基本特許やその応用特許に対し、これまでプロジェクト期間内も含め62件の特許出願を行ってきた。これらの特許の中には、すでにライセンス供与しているものもある。応用特許や周辺特許も含め今後さらに特許戦略を推進するために、昨年度より技術戦略委員会を設置し、知的財産件の強化を図っている。
○これまで国内外での会議における発表や共同研究を通じて、積極的に本技術のアピールを行ってきた。これにより、本技術が日本発信であり現在も研究開発においてリードしていることが国際的にも認知され、多くのイオン関連の国際会議で、クラスターのセッションが設置されるまでなった。これらの活動をさらに強化し、本技術の研究開発における我が国の指導的立場を強め、産業力強化に資するよう努めていく。
(4) 次世代強誘電体メモリの研究開発 ○引き続き、次世代型強誘電体メモリの実現に向けて、強誘電体膜の膜質改善、さらには機能分離型新メモリの提案という様に、材料と構造の両方から改善を図ることが重要と考える。材料に関しても、新材料の探索・開発を精力的に行い、さらに強誘電体膜の膜質を改善する新プロセス技術の開発を積極的に行うべきである。
○実用化につながる努力をお願いしたい。
○具体的な応用性とその成果が期待できるため、目標設定の前倒しが考慮できないか検討してほしい。
○強誘電体の新材料の探索については、シリケート添加強誘電体膜について、デバイス応用に向けた組成の最適化を行っている。また、減圧仮焼成による膜質の改善により高性能化の推進を行っている。
 さらに、超臨界CO2による新しい成膜プロセスについても積極的に開発中である。超臨界CO2中に溶かし込んだゾルゲル溶液を大気中に噴出させることにより、良好な強誘電体膜が形成できるところまでは確認できた。現在、ステップカバレッジの改善を模索中である。
○当プロジェクトは東工大での集中研方式のため、8社から研究員の派遣を受け、研究開発を行っている。プロジェクト終了後、各企業に研究員が戻り、材料、プロセス装置、FeRAMの実用化開発を推進して頂くことにより実用化に繋げたい。特に、1T型ならびに1T2C型FeRAMは、本プロジェクトで開発の強誘電体材料の特性をそのまま用いて高集積化が可能であり、2,3年後から企業で本格化する1Tならびに 1T2C型FeRAMの実用化研究開発へと引き継がれると予想される。
○最終年度でもあり、マンパワーを成果の期待できそうなテーマに集中させているが、障壁が高いこともあり、目標設定の大幅な前倒しは難しい。
(5) 超高密度電子SI技術の研究開発 ○(超高密度3次元LSIチップ積層実装技術)LSIチップを積層化した場合、放熱の問題が顕在化する。放熱について十分検討していただきたい。
(電磁干渉を低減する最適配線構造設計技術)プリント基板配線からの不要電磁輻射低減は重大な課題である。複数の主な不要輻射発生要因に対してその対策を明らかにし、可能であればそのクライテリアを反映したプリント基板自動設計ツールを開発していただきたい。電磁輻射はプローブを用いて計測しなくても電磁界シミュレーションにより正確に把握できる。開発した磁気光プロービング技術を、どのように応用し、実用化に結びつけるかが重要。用途によっては、帯域1GHzでは足りないのではないか?
○特に、電磁干渉を低減する最適配線構造設計技術開発に関しては、技術的シーズはよいがターゲットの有用性が明確に伝わってこない。日本の経済競争力を高めるために貢献できる製品開発に目標を絞り、その実用化のために必要な技術開発を計画的に進める必要があるのではないか。
(超高密度3次元LSIチップ積層実装技術)
○LSIの放熱に関しては4層積層時のチップ間熱抵抗をシミュレーションした結果、チップ間にサーマルバンプを設けて搭載基板に熱抵抗の小さい材料を使用することにより0.1deg/W程度になることを確認しており、開発モジュールにもこの結果を適用し開発する。
(電磁干渉を低減する最適配線構造設計技術)
○自動設計ツールを開発するためにはEMIの発生メカニズムを十分理解して「設計指針」を作ることが最優先課題であり、本プロジェクトでは当初より研究開発の範囲を「設計指針」の作成に限定している。指針は既存にある設計ツールへの折り込みが可能となるため、 今後は民間企業等での「設計指針」の普及に努める。
○電磁界シミュレーションは不要電磁輻射源が明確になっている場合はかなりの精度でシミュレーションできるようになっているが、輻射源が特定し難い複雑な構造の実用基板では使用が難しい。 本プローブを開発することにより、簡単に輻射源が特定できる利点を活かして対策が急がれる実際の現場で発生源特定に活用する予定。
○磁気光プローブの実用化に関しては、現在国内の有力テスターメーカより、プロービングによる磁界分布への影響が大きい従来の磁気ループ方式のプローブに変えて、磁気光プローブの実用化を検討したいとの引き合いがあり、今後更に内容を詰めて実用化を図る方針。 周波数特性に関しては現在2.5GHzまで測定できるようになっており、更に10GHzを目標に改良を実施中。
○現在の実装設計は高周波化が進み、CADで設計した基板でEMIと思われる動作不良が多発するようになっており、この対策に多大の労力と時間を必要としている。 この不良が低減できる設計指針、解析手法は電子機器の設計、早期製品化に大きく貢献できる技術との観点で更にデータの蓄積を行う。
(論文・特許数の累積実績)
論文:40件、特許数(出願含む):120件