IT21(情報通信21世紀計画)プロジェクト


「IT21の推進」プロジェクト平成15年度評価報告書

 ミレニアム・プロジェクト(新しい千年紀プロジェクト)は、平成11年12月、新しいミレニアム(千年紀)の始まりを目前に控え、人類の直面する課題に応え、新しい産業を生み出す大胆な技術革新に取り組むこととして始まった。具体的には、夢と活力に満ちた次世紀を迎えるために、今後の我が国経済社会にとって重要性や緊要性の高い情報化、高齢化、環境対応の三分野について、技術革新を中心とした産学官共同プロジェクトを構築し、明るい未来を切り開く核を作り上げるものである。

 ミレニアム・プロジェクトの情報化分野に該当する「IT21(情報通信技術21世紀)の推進」においては、かつての産業革命に匹敵する「デジタル革命」の時代を迎えつつあることを踏まえ、我が国としても、情報通信分野に対する積極的な研究開発投資こそが、我が国の経済を再生し、国際競争力を高めていくための重要な鍵であることを十分認識し、産学官の総力を挙げて、革新的な情報通信技術の開発を進めていくこととしている。

 本評価・助言会議は、「IT21の推進」プロジェクトについて評価・助言を行うために設置され、平成13 年5 月17 日に第1回会合を開催し、各評価・助言委員の意見を踏まえ平成12 年度の事業実施状況について、平成12 年度評価報告書をとりまとめた。さらに、平成14 年7 月4 日に第2回、平成15 年7 月18 日には第3回評価・助言会議を開催し、年度ごとに評価報告書をとりまとめた。今般、平成15 年度が終了したことに伴い、平成16 年6 月21 日に第4回評価・助言会議を開催し、平成15 年度事業実施状況について平成15 年度評価報告書を以下のとおり取りまとめた。


I.「IT21の推進」プロジェクトの概要

1.目標
 2005年度までに、全ての国民が、場所を問わず、超高速のインターネットを自由自在に活用して、自分の望む情報の入手・処理・発信を安全・迅速・簡単に行えるインターネット&コンピューティング環境を創造する。
 このため、インターネットに関しては、現在のインターネットの1万倍の処理速度と3万倍の接続規模を有し、利用者を目的の情報に安全かつ的確に導くスーパーインターネットを実現するとともに、コンピューティングに関しては、キーボードといった特定のインターフェースに縛られることなく、安心して、誰もが、高度な情報処理とネットワーク接続を簡単に行える新世代コンピューティングを実現する。

2.個別分野の目標
 本プロジェクトは、「インターネット・ソフトウェア」「インターネット・ハードウェア」「コンピューティング・ソフトウェア」「コンピューティング・ハードウェア」の4つの分野に分かれ、さらに分野ごとに個別の技術開発テーマが設けられており、全体として前項の目標の達成を目指すこととしている。
 分野ごとに、以下のとおり、実現目標を掲げ、個別の技術開発テーマを設けている。

(1)インターネット・ソフトウェア
(目標)
*ギガビットレベルの回線速度(現行の1000倍)の実現
*国民の誰もが1〜数台の情報通信端末をインターネットに接続できるネットワークの実現
*日本において数億を超える機器、世界レベルで兆を超える機器のインターネット接続を可能とするネットワークの実現
*情報家電を始め、あらゆる電子機器へ通信機能が付加され、インターネットに接続
(現在の3万倍以上の接続規模を実現)
(個別テーマ)
1−1 次世代インターネット
1. 次世代インターネットに関する研究開発
2. 情報収集エージェント技術に関する研究開発
3. 次世代インターネット通信方式高度化に関する研究開発
4. 不正アクセス発信源追跡技術に関する研究開発
5. 情報通信不適正利用対策のための電気通信システムの開発
6. 電脳空間(3次元画像)通信方式に関する研究開発
1−2 情報家電インターネット
1. 情報家電向けコンテンツ表現システムの研究開発
2. モバイル・eコマースシステムの研究開発
1−3 スーパーインターネット
1. スーパーインターネットプラットフォームの研究開発
2. IPv6基本ソフトウェア体系の研究開発
3. 短距離無線通信で構築されるネットワークに関する研究開発


(2)インターネット・ハードウェア
(目標)
*ネットワークの全光化のための光ソリトン伝送の実現及び超高速光ルータの開発
(現行の1万倍以上の伝送速度の実現)
*1兆〜1000兆分の1秒単位での光のON/OFF 機能の実現
(個別テーマ)
2−1 光化技術
1. トータル光通信技術の研究開発
2. 光ネットワーク技術の研究開発
3. 光ルーティング技術の研究開発
4. 超高速光ルータ技術の研究開発
5. フェムト秒テクノロジーの研究開発
2−2 次世代LEO
2−3 マルチメディアの高度化1
1. 映像相互利用技術の研究開発
2. 映像メタデータ技術の研究開発
3. 超高精細静止画像入力技術の研究開発
4. 高度三次元画像映像遠隔表示技術
5. 空間共有コミュニケーション支援技術の研究開発
2−4 マルチメディアの高度化2
1. オブジェクト連動データ放送システムの研究開発
2. デジタル放送用HDTV高圧縮技術に関する研究開発
3. 次世代放送方式技術の研究開発
4. ISDB技術の研究開発
5. 高精細・立体・臨場感コンテント技術の研究開発
6. ユーザーオリエンテッドマルチメディア技術の研究開発
7. マルチメディア・ネットワーク対応統合型デジタルケーブルテレビの研究開発


(3)コンピューティング・ソフトウェア
(目標)
*若年者の利用と同等以上の環境が実現できる高齢者用インターフェイス・ソフトウェアの開発
*コンピュータの実行処理性能を倍増させるコア・ソフトウェア技術の開発
*ほぼ全ての録画番組を対象として、短時間(現在の15分の1程度)・低コスト(現状の4分の1以下)で自動的に字幕を付与できるシステムの実現のための技術の開発
*高齢者、障害者の居場所を10cm単位の精度(現在の1000倍)で検出する技術の開発
*ソフトウェア・コンテンツ市場創造の鍵となる多機能オペレーティング等ソフトウェア、ソフトウェアの部品化技術、人工知能、論理的三次元画像処理技術等の開発
(個別テーマ)
3−1 次世代ソフトウェア対応
未踏ソフトウェア創造事業
3−2 アーキテクチャ対応
1. インタラクティブ情報網基盤技術の研究開発
2. アドバンスト並列化コンパイラ技術の研究開発
3−3 高齢化対応
1. 高齢者・障害者のためのコミュニケーションケア技術の研究開発
2. 福祉支援情報通信システムの開発・展開
3. 視聴覚障害向け放送ソフト制作技術の研究開発


(4)コンピューティング・ハードウェア
(目標)
*数千万分の1メートル以下(100ナノメートルレベル以下)の精度の半導体の極微細レーザー加工の実現
*超高集積LSIの総合設計効率を百倍向上する新技術の開発
*毎秒100ギガビットの信号処理を可能とする光・電気複合実装技術の開発
*数億分の1メートル(数ナノメートル)以下の精度の材料加工技術の開発
*記録密度100ギガバイト毎平方インチの光ディスクの実現を図るための信号処理、ディスク成形、高密度化技術の開発
(個別テーマ)
4−1 半導体
1. 革新的電子材料技術(強相関エレクトロニクス)の研究開発
2. クラスターイオンビームプロセステクノロジー
3. システムオンチップ先端設計技術の研究開発
4. 次世代強誘電体メモリの研究開発
5. 超高密度電子SI技術の研究開発
4−2 光技術
ナノメータ制御光ディスクの研究開発


II.平成15年度事業の実績と評価

A.評価の方針
 本プロジェクトは、「情報の入手・処理・発信を安全・迅速・簡単に行えるインターネット&コンピューティングの実現」というある程度広がりを持った目的のため、多岐にわたる領域の研究開発を進めていくとの位置付けであり、全体としての進捗状況とともに、各個別分野ごとの事業実績を踏まえて評価を行う。
 この際、本報告書における評価が、今後のより望ましい事業実施につながるよう、全体の目的を効率的・効果的に達成するための目標設定や実施体制の在り方、各事業間の連携強化・成果の相互利用の促進に留意することとする。

B.平成15年度事業実績と総括的評価
 平成15年度も平成14年度に引き続き、あらかじめ定めた年次計画に基づき事業が進められた。その実績について、個別テーマごとに、事業実施報告書が提出されており、以下、この事業実施報告書に基づいて評価を行うこととする。
 各分野ごとの目標設定、進捗状況は異なっているが、国際的な研究開発動向を把握し、日本の優位性を生かした特長あるプロジェクトであるかを見極め、今後の展開を検討することが重要であり、プロジェクト又は研究者相互の適切な連携を図ることで、研究開発の効率を高めるとともに、得られた成果が円滑に産業化、実用化されることが求められる。
 総括的評価として、各委員からの意見に基づき、以下のとおり指摘する。

(現状)
一部を除いて、おおむね着実に進展している。
それぞれの要素技術と応用技術という点では、実用化に向けた考察がなされている。
全体としては順調。個々に見て、応用先の要求条件に対する考慮が低いものがあるので、その点強化が必要である。
昨年度の評価に基づき改善点を示している点は評価できる。プロジェクト発足から4年が経過しているが、依然として基礎的な研究が多い点が残念である。基礎的な要素技術の開発に比べ、システム化、実用化への研究が増加するように望む。
全般的に、研究手法の内容が平板で具体性がなく、担当者の分担内容項目に対応して機械的に必要人数を確保し、所定の作業をこなす体制を取っているものが目立つ。優れた研究課題は卓越した知見を持った研究者のリーダシップに委ねられることが成否の鍵と考えられるが、そのような個性のあるテーマを設定するのは、仕組みの上で困難なのかもしれない。
全般的にデバイスの開発などのハード系に対し、ソフト系の研究が低調である。わが国の将来を考えると、ソフト系からコンテンツなどのより上位のIT関連研究も強化すべきである。
(評価)
概ね目標達成。
設定されている目標はおおむね達成されていると判断するが、複数年の研究開発を行っている間には、研究のボトルネックや将来性などに関する予想を得ていると思われる。これらについても、報告書などに記載することが望まれる。
研究目標・体制・姿勢において次の3通りに分類できる。
1)観念的な課題設定をし、その必要性を述べているものの研究の最終目標が明確でない課題で作業報告に過ぎないもの。数値目標や最終仕様が具体的でないため達成度の評価が曖昧になりやすい。
2)国際標準化会議などで課題となっているテーマをほぼそのまま課題とし、一般的に誰でも行うであろう作業の報告に重点があるもの。チャレンジする具体的な手法の独自性が表現されない傾向にある。
3)素材・材料・装置などの開発課題で、新しい現象や技術を足がかりにして目標設定を行っているが、製造手法や測定データのチャンピオンデータを競っているもの。
全テーマに共通していえることであるが、テーマの目標については明確であるが、具体的な数値結果の記述が少ない。また、終了したテーマについては、今後のビジネスモデルを記述したほうが良いと考えられる。
特許に関する出願件数及び報告事項が昨年度より増加した点は評価できるが、依然として少ない。国家プロジェクトであるため国内だけでなく終了したテーマに関してはもっと海外への出願があっても良かったのではなかろうか。
それぞれの要素技術と応用技術という点では、実用化に向けた考察がなされている。全体的に、おおむねそういった目標が達成されているが、ミレニアムプロジェクトの本来の目的は、ビジョンを持った研究である。個々の研究ビジョン、方向性をはっきりさせた上で進めていくことが重要だった。特に基礎研究をどのようにその重要性について表現するかということが重要であり、その明確化が少し足りなかったという点がそれぞれの課題として残る。
(その他)
研究課題の設定の意味や目的と、実際の成果や作業の内容に乖離があると見えたものは中間段階で指摘され、改善されている。中間段階での評価は意味があり、重要ではあるが、卓越した研究者リーダシップがある場合はスケジュールやプランに対し長期的にかつ柔軟に見守ることも必要と考えられる。
報告書に関して、テーマの目標だけでなく、各プロジェクトにおける目標達成後の波及効果についての記述があっても良いのではないか。
報告のフォーマットを統一し、知的財産権の確保状況及び研究組織の将来の取組姿勢を必ず記述させるべき。
同一組織が、多くのテーマあるいは似たようなテーマを実施している例が見受けられるが、その必然性に関する説明が無い。これらについては、IT21とその他の同様な支援テーマとの関係を明らかにすることが必要と考えられる。

C.分野別評価
 分野別の評価として、各委員からの意見に基づき、以下のとおり指摘する。


1.インターネット・ソフトウェア分野

1−1 次世代インターネット

<次世代インターネット通信方式高度化に関する研究開発>
(現状)
 ○国際標準に結びつく重要な技術で、実証実験・学会・標準化活動が順調に進んでいる。世界的な水準で精力的に行っていることは評価できる。
 ○ギガビット/秒クラスのインターネット通信品質観測技術・解析技術を大規模広域ネットワークで実証検証や開発されたツールおよび解析結果を広く公開し標準化における地位を確立するとともに,他の研究開発に資する情報提供を実施している点は,事業推進手法として評価できる。
(評価)
 ○開発とそれにともなう成果の標準化、学会活動を含めた展開、将来性に関する計画、いずれも順調に進んでおり、設定されていた実施目標についてはおおむね達成されており、評価できる。
 ○通信品質観測技術の開発に関しては、オーソドックスではあるが堅実な成果を出している。
 ○観測データ解析及びプロトコル設計に関しては、一応の目的を達している。
 ○インターネット通信品質観測技術・解析技術開発に関しては、ツールの開発、大規模ネットワークでの実証検証、タイムスタンプ精度を向上させる技術開発などで実績を挙げており、評価できる。評価・解析技術においては、それを十分に活用する段階まで到達することが期待される。
 ○ネットワークエミュレータ構築に関しては、ネットワークプロセッサを用いた柔軟性の高いシステムを構築しており、評価できる。
 ○次世代ネットワークシュミレーションシステムの構築に関しては、ギガビット帯域までの対応可能なエミュレータを実装したとあるが、データや計測ツールの公表など今後の課題としている問題認識の端緒を掴んだに過ぎない。
 ○インターネット計測技術に関して手法自体の利点や欠点把握が不明確。
(その他)
 ○今後、これらの技術を駆使して,大規模ネットワークの評価を進めるとともにその結果を広く公表する作業は継続し、さらにそれらの評価をベースにギガビット/秒クラスのインターネットに潜在する問題点を明らかにするとともにそれらの問題点を克服する新規技術開発を継続して実施すべき。
 ○国際的な活動が与えた影響を記述すべき。
 ○本テーマの内容は、国が推進すべき段階が終わり、民間で加速して実施すべき時期。
 ○インターネット基盤の安全性、信頼性の向上のためには、制御情報、品質等のネットワーク関連情報の収集分析が不可欠であり、本研究開発の成果である分析手法等については、研究者のみならず、事業者等により活用されるよう幅広く公開すべき。
 ○収集された各種ネットワーク関連情報が幅広い関係者の間で共有されるよう、事業者との協力体制等、国として適切な仕組みを検討すべき。


2. インターネット・ハードウェア分野

2−1 光化技術

<幹線系超高速フォトニックネットワーク技術(旧トータル光通信技術)>
(現状)
 ○これまでの研究開発は、順調に進展しており、評価できる。特に重要と思われる長距離超高速光伝送技術に関しては、具体的な新しい知見(実験データ、新現象)が多く得られてきたことが高く評価できる。
 ○光技術に関する研究は重要な分野であり、推進体制、実験その他、光増幅技術の実用化へ向けた研究成果がでている。
 ○広範な課題を、専門的に深く着実に取り組んでいるが、実用的なネットワークを実現する総合化技術の取り組みが求められる。
 ○光ネットワークシステム技術以外は、実証結果の記述が少ないのでもっと成果を強調すべき。
(評価)
 ○目標は一応達していると評価できる。実用化へ向けた達成度に関しては、国際的な比較の中で競争的な研究推進体制を進めており、競争可能な成果があがっている。
 ○本年度の特許出願数が25件(海外10件)と昨年度から大幅に増えた点は評価できる。
 ○多くの新しい知見が得られたことは評価できる。技術に関する特許出願あるいは論文発表の状況は明らかにすべき。
 ○光ネットワークに集中し、使えるものに仕上げる必要がある。
 ○この時期として実証が遅れていると思われる(記述が的確でないのかもしれないが)部分があるので、最終年度を意識して精力的に取り組んでもらいたい。
(改善点)
 ○本技術分野は国際競争が激しいため、引き続き積極的な特許出願を期待する。学会発表や特許出願を行った内容については、より積極的に海外の研究者との交流を進めるべき。
 ○基礎技術の応用化達成度と、普及・実用化へ向けた量産への技術的な課題を考慮することが、超高速フォトニックネットワーク技術への期待。コスト的な展開にも挑戦しつつ進めるべき。
 ○個々要素技術の開発段階から実用化段階にいたるシナリオ(開発コスト、実用化段階での経済効果など)を示し、それらの統合化・総合化した社会システムとしてのパイロットモデルなど指針にして、具体的な予測値・目標値を示すべき。
 ○光ネットワークに集中し、使えるものに仕上げるとの観点を再確認して、成果をより魅力的にしてもらうことを期待。
 ○まだ実証が済んでいない研究開発はすみやかに実施すべき。
(その他)
 ○多くの成果が出ているので、それを実用化に結びつけることを期待する。
 ○光ネットワークシステム技術におけるスーパーコンティニューム多波長光源に関しては、同プロジェクト「アクセス系超高速フォトニックネットワーク」でも重要な課題であるため、情報交換等により技術協力・分担して進めることが必要である。
 ○e-Japan計画など総括的計画の中で、本研究の必然性と実現の可能性を理解できる合理的なシナリオが望まれる。すなわち、外国巨大事業者の光ネットワークの過大な建設投資の結果として事業を破綻した事実に対する対応策が本研究の今後の方向付けに不可欠である。


<アクセス系超高速フォトニックネットワーク技術(旧光ネットワーク技術)>
(現状)
 ○各開発項目は着実に進んでおり、諸性能で世界トップデータを達成しただけでなく、実用的に有意義な諸技術を確立してきたことも高く評価できる。
 ○光バーストスイッチを実現する目的に対しての基礎技術の研究が進んでいる。
 ○将来の通信技術の基盤をなす要素技術の基本原理を実現する世界的な研究競争の先陣を切る研究である。
 ○実証したとの記述が一定程度しかなく、実証を一層強力に推進していくべき。
(評価)
 ○光レイヤーフォトニックノード広帯域波長変換方式に関しては、一括波長変換で世界トップデータを得たこと、ネットワーク間協調動作最適化技術に関して定量的な成果が得られたことは高く評価できる。
 ○光バーストスイッチに関しては、実用化への具体的取り組みが順調に進んでいることが評価できる。
 ○評価のポイントは、基礎研究の項目が実用性に向かった展開にどのような挑戦を実現できるかというころにあり、その意味での成果を見ることができる。
 ○これまでの研究開発では、必要最低限の成果を得ているが、目標が控えめであり、研究途上の現状では研究内容が十分に報告されておらず、成果物、現状の結果ともやや期待より低い。
(改善点)
 ○実用化へ向けた光バーストスイッチとしての応用面の研究展開を、場合によっては独立して進めることも検討すべき。
 ○国際標準化を図るのであれば、海外との協力体制を確立すべき。
 ○実用化・標準化を念頭において、より精力的に実証に取り組み、すぐに使える技術とすべき。
 ○社会システムに組み込まれるための実用化技術の追求のシナリオを描くべき。
(その他)
 ○知財関連成果において、重要な特許は国内出願のみならず、外国出願を積極的に行うことを期待する。
 ○国際標準化の具体的な取り組みや戦略などを明確にする必要がある。
 ○他国より早く基本的な技術の獲得と、実用的で効果的なシステムの実現にかかっている。最終目標の数値設定および競争数値の予測を明確にし、それを達成するためのボトルネックの抽出をして、戦略的な研究開発手順を立てる必要がある。


<インターネットノード全光化技術の研究開発(旧 光ルーティング技術の研究開発+超高速光ルータの研究開発)>
(現状)
 ○研究開発は順調に進捗している。現在のインターネット高速化の重要なテーマであり、実用に耐えうる技術として前進している。
 ○本研究は次世代の通信技術の基盤を確立する国際的な競争の活発なテーマである。競合する企業が協働して進めており、製造技術においてわが国の優位性を確立する可能性を期待できる体制であると期待する。
 ○短期トラヒック変動対策の具体化に向けた活動が期待される。
(評価)
 ○IPカットスルー技術においては、当初目標以上の成果を上げている。また、波長ルーティング装置では昨年度試作の1/10以下の小型化、30倍の高速制御(2ms)を実現し、装置として完成度の高い技術を開発している。
 ○設定された目標はおおむね達成されている。成果物は十分である。
 ○設定された目標は達成しうるものと期待する。
 ○波長ルーティングに関する具体的な成果を明確にすべき。
(改善点)
 ○実用化につなげるための手順の検討や組織強化が必要である。基礎的な研究開発で終わらないようすべき。
 ○研究の成果として焦点をあてているクロストークをはじめとした技術が、従来技術、あるいは他で利用されている技術との比較の中で、どのような先端的な成果をあげているのかを明確にすべき。
 ○各社の分担、特徴、重なって競争している内容、手分けしている分担項目などわかるようにし、研究成果の開示の方針を明確にすべき。
(その他)
 ○光化技術に関する2つの他プロジェクトと連携をとりながら進めることが望まれる。
 ○特許は十分あるが、外国特許がどのくらいか示される必要がある。
 ○終了後の成果活用の見通しを具体的に予想するためには、システム分析をする必要がある。
 ○本研究の成否は最終的には総合的製造技術に依存している。実用システムの確立と製造技術の確立のリスクは鶏と卵の関係にあるので、方式上の競争にあるもの、対抗する他のシステムなどの有意差などを十分に解析・予測する必要がある。


<フェムト秒テクノロジーの研究開発>
(現状)
 ○事業部門との連携が取れ、研究成果の実用化が着実に進んでいると見受けられる。また特許出願も多く、さらに研究成果が学会で高い評価を受けている点は特筆に価する。
 ○多くの成果が出ている。
 ○問題なし。
 ○研究開発は、順調に進展していると判断する。
 ○超高速光分野の研究開発で、我が国の強い技術分野という期待があり、その中での競争的な立場である。
 ○超高速光デバイス技術の開発、およびフェムト秒高輝度X線計測技術の研究、ともに各研究ユニットが活発にかつ順調にその分担をこなしており、推進体制、方法ともに予定通り進展していると推察できる。
(評価)
 ○超高速光デバイス実現のために必要な多くのテーマ毎に着実に成果を上げている。
 ○十分達成している。成果物も十分。
 ○目標は、十分に達成されつつあると判断する。
 ○高い目標を掲げ、それに向けたさまざまな成果を達成している。
 ○研究発表、製品開発ともに当初の目標を達成している。
(改善点)
 ○実用化する技術の市場創出規模を検討して欲しい。
 ○引き続き研究開発に努力いただきたい。
 ○ヨーロッパを中心とした競争的な研究成果との方向性の中で、他とは差別化した研究成果をあげる方向で、さらに進化してほしい。
 ○技術の独りよがりにならないよう、対抗馬とのベンチマーク比較を行うなど、市場を見通した取組をしてほしい。
(その他)
 ○超高速光分野の日本の優位性を維持するべく今後とも研究開発を行って欲しい。
 ○世の中で使われる為の環境整備を地道に行う必要があるのではないか。
 ○実用化を促進するための新たな政策展開が必要。
 ○通信技術など具体的に実用化、事業化するための情報公開の方針を開示することが必要と思われる。

2−2 次世代LEO

(現状)
 ○周回衛星の通信技術に関する研究として、さまざまな通信技術、プロトコル、衛星技術を含め、取り組んでいる。
 ○社会環境の変化に適切に対処しながら研究開発を行っている。
 ○衛星本体技術、通信技術、光技術、端末技術、無線技術など、基幹技術を総合化したものであり、推進体制も極めて多岐な組織が協力している。リスクの伴う研究課題であり、限られた予算であるが、目標設定を絞り、産学官の結集を計り、効果的な体制をとっている。
 ○装置の詳細設計を開始したことは分かるが、それをどの程度まで行ったか、予定を含めての記述があいまいである。
 ○研究の進展については、当初の予定から遅れているのではないかという疑問があり、原因等を明確にし遅れがあれば取り戻す必要がある。
 ○課題設定が時宜を得ているかどうかについての検討・見直しの必要性がある。
(評価)
 ○それぞれの要素技術に関する研究開発はさまざまな外的要因に影響されているが、非常に広範囲に渡って目標を達成している。
 ○搭載機器に関する開発は概ね順調に進捗している。
 ○衛星間通信に光通信に絞り込んだ宇宙実証に向けての基本的な研究か開発が地道に進んでおり、小型衛星の詳細設計をはじめ所定の計画は予定通り進んでいると見受けられる。
 ○要素技術においては、衛星ネットワークのプロトコル評価、中継器技術に関し進捗が遅れている。
 ○特許等の数を増加させるべき。
(改善点)
 ○低軌道周回衛星の技術に関しては、通信の目的、通信アーキテクチャの中でのシステムの位置づけに関する明確な定義と、研究戦略を明らかにすべき。
 ○最先端かつ戦略的技術開発であるにしては特許の出願件数が少ない。参加企業が独自に取得しているのかを含め、改善が期待される。他国に対して日本の優位性を確保するためにも、多くの特許出願をすべき。
 ○インターネット・P2Pが今は重要でありその部分のレベル向上を図るべき。
 ○衛星ばかりでなく、地上系システムをもっと考慮し、システム全体としてのバランスを保つべき。
(その他)
 ○長期的な技術開発が必要である。実現する衛星ネットワーク技術の具体的なアプリケーションや創出される市場規模の検討も必要である。
 ○国際協力を含めた戦略性が不足している。単なる試みではなく、確実な成果を期待する。
 ○衛星間光通信技術の機器開発は、リスクを伴う長期の期間と多額の資金を要し、また長期的にも観測衛星、宇宙探査、高速データ通信など極めて国民生活の質の向上に寄与する基幹技術である。今後は、すでに商用技術で実現されているものの転用を研究開発の手法として戦略的に取り組む方策を採ることも必要である。

2−3 マルチメディアの高度化1

<映像相互利用技術の研究開発>
(現状)
 ○予定通りの成果を挙げている。
 ○実用上は非常に大きな要求がある技術であり、それに関する成果があがっている。
 ○高度映像変換ゲートウェイ構築技術、ロスレス映像符号化技術、色再現管理技術の3テーマに対し、国際標準化課題を中心に基礎アルゴリズムをベースに取り組んでいる。当初は、最終目標の設定が観念的で、研究終了時の仕様が不透明であったが、大幅に体制が改善された。
 ○研究成果に対して推進体制、進展を見た場合、問題はないと考えるが、3つのテーマの関連性が明確ではない。
(評価)
 ○研究開発のテーマの目標については問題ない。プロジェクトが終了した色再現管理技術については、研究段階であるため、引き続き研究が必要。
 ○実施目標の設定は、以前と変わりなく、基礎的技術と国際標準化技術との係わり合いでの範囲である。試作などの作業報告があれば、いつでもその実施目標が達成したと評価できる。
 ○目標達成後の波及効果についての記述が欲しい。今後の製品化検討に期待する。
 ○研究成果については設定目標をクリアしていると思うが、できた成果をどうするのかの意気込みについて強調して記述すべき。標準化の場へ持っていったのか、開発組織が商用に使うのか等を明確にすることが必要。今からでも良いので知的財産権確保に務めるべき。
 ○当初の計画の中での技術的な成果は挙げている。実用化に向けての周辺技術を含めた成果として考えると、まださまざまな課題が残されている。
 ○研究開発した成果の今後の展開等について、明確な指針等の説明が不足している。
 ○知的財産権確保に関しては一層の努力を要する。
(その他)
 ○研究開発の継続およびその成果展開を図るためには、ナチュラルビジョンへの参加も考えられるのではないか。
 ○符号化技術が多様化するなかで、国家プロジェクトとして行うべきものであるかは疑問。
 ○事業計画および商品化計画にかかわる目標設定がなされていない。本研究の成果をどのように事業推進するのか明確にすべき。


<映像メタデータ技術の研究開発>
(現状)
 ○メタデータ技術の分野は重要な役割があり、それに関しての研究成果はあがっている。
 ○AVコンテンツの応用解析技術は、簡単なテーマでないため効果は十分でないが、AVメタデータの利用技術は一定の成果を得ている。
 ○AVコンテンツ応用技術、AVメタデータ利用技術の研究体制は、MPEG7の第2フェーズを意識して推進されており、標準化会議の課題と良く歩調を合わせて推進している。
 ○メタデータの利用法は、重要な技術であるが、本プロジェクトで得られた研究成果がどう活用されていくのかのイメージを明確にすべき。
 ○応用面からの検討結果があればもっと記述すべき。
(評価)
 ○設定された目標が比較的高度であるため、十分な成果を得ることは困難であったと思われるが、必要な努力は行われている。
 ○特定の動画コンテンツをサンプルに選び、実証実験を行っている研究室のレベルでは一応の目標を達成している。
 ○実用化に向けての研究を強化すべき。
 ○目標は達成しているが、もともと目標に何に応用するかの視点が薄いので、より有用とするための応用面の検討を強化されたい。
 ○知的財産権確保についてもう少しの努力を要する。
 ○商業的なアプローチを含めた実用化されている技術と本研究との差別化がはっきりしていない。
 ○実用化に対する具体的な研究成果の応用の道筋、展開の踏み込みが少ない。
(その他)
 ○抽出する特徴情報が、どういう目的の為に、どれ程有効であるか、評価すべき。
 ○研究テーマとしての重要性は認められるが、その達成は容易ではないと予想される。今後は、実ニーズとの整合をはかり、成果の実応用を試みるとともに、研究開発の進め方などを再考した上で、目標を達成するための努力の継続を期待する。
 ○コンテンツの特徴抽出やAVメタデータのデータベースの制作は、コンテンツ制作現場およびその配信事業現場の問題意識に根ざした現実味のあるものが望まれる。
 ○本メタデータ群をどのような具体的応用に使用するかを再度設定し、項目の取捨選択等を行って、贅肉のない成果とすべき。


<超高詳細静止画像入力技術の研究開発>
(現状)
 ○ほぼ予定通りの成果が出ている。
 ○超高精細静止画像入力技術は大変重要な要素研究であり、それに関しての研究成果はあがっている。
 ○超高精細静止画像のサーバからのダウンロード処理などの復号処理としての成果としては評価できる。
 ○目標を設定した研究室レベルのシステム開発である。合理的な研究体制をとっている。
 ○推進体制には幹事会社だけではなく、他のプロジェクトとの協力関係も明らかにすることが望まれる。
(評価)
 ○目標は達成している。さらに応用について広く考えられたい。
 ○知的財産権としては概ね期待通り。
 ○目標設定は明確であり、一応の当初の目標は達成されたものと評価する。
 ○研究テーマそのものは大変重要な要素研究であるが、既存の技術と本研究における特異性、先進性を明示すべき。
 ○符号化処理時間など符号化処理全体を通しての数値に言及すべき。具体的なスペックを示し、達成度の評価を行う必要がある。
(その他)
 ○技術の位置付けをより明確とし、応用範囲を広げる検討に努力されたい。
 ○JPEG、ディジタルシネマ等外部の状況を良く見て本技術の位置づけを明らかとし、その有用性の検証が必要である。
 ○目標の合理性、必然性、およびその見通しの戦略的計画が必要。
 ○本研究開発で得られた成果の実応用に関しては、ユーザとの共同研究を含めて今後も積極的な活動が必要。特に遠隔医療では、本研究テーマが実用化のボトルネックを解決するわけではない。単なる研究で終わらせない努力を期待する。

2−4 マルチメディアの高度化2

<オブジェクト連動データ放送システムの研究開発>
(現状)
 ○研究開発は、きわめて順調に発展している。
 ○映像データからのメタデータの形成を含めたオブジェクト識別として、実用化に向けた大きな期待がある。
 ○番組制作者および視聴者との関係に着目して研究を推進していることから多用な放送番組の形態のあり方を示唆する研究であり、今後のデジタル放送の進展に寄与すると期待する。
 ○目標に対して着実に進捗しており問題はない。
(評価)
 ○目標を達成している。知的財産権確保状況も可。
 ○95%精度の抽出目標に対して現状90%であり、ほぼ目標が達成されてきている。より高精度な抽出に向けた開発の継続を期待する。
 ○実施目標はある程度達成されている。
 ○設定された目標は、おおむね達成されつつある。
 ○当初の実施目標が抽象的で、無期限に研究をやり続ける可能性があったが、目標項目を具体的に列挙することで、改善が見られる。成果としては、実証的デモで評価せざるを得ない。
(改善点)
 ○今後も継続してシステムの利便性の向上を図るべき。
 ○インターフェースの目的でオブジェクトと連動するサービスを作ること、映像データの中でのオブジェクトの認識とをどのように新しい発展性を持たせるかということを明確にすべき。
 ○指差しによるオブジェクトの指定も一つの方法であるが、その他の方法についても利用者の意見を基に検討すべき。
 ○解決すべき又はチャレンジすべき具体的な技術の課題が抽象的である。技術開発のシナリオ及びキーとなるチャレンジすべき目標技術を明確化すべき。
 ○オブジェクトを利用者が容易に指し示すことを可能とするこの技術を現状の方式に捕われず種々の状況に応じて使い分けるというスタンスで評価すべき。
(その他)
 ○本開発成果が実際に広く利用されるための仕組みづくりを期待する。特に、本システムを製作者側、視聴者側が理解し普及させるためのシナリオが研究開発とは別途に必要である。
 ○データ放送とオブジェクトの連携、とユーザインターフェイスの開発は別の技術である。これらを統合するならば、得られる効果と実用可能性のバランスをとることも必要である。
 ○オブジェクトと指さしモデルが、有効な応用を多く開発するための体制の工夫が望まれる。


<次世代放送方式の研究開発>
(現状)
 ○研究開発は、概ね順調に進展している。
 ○実務的に問題の専門性を把握している担当者によって効果的に推進している。
 ○受信ハードウェアによらずにひとつの放送ソースを利用できるスケーラブル変換と、多数の放送ソースの中からユーザの好みに対応した番組を表示する検索ナビゲーション技術の開発である。13年度、14年度の実験結果に基づき課題を抽出して15年度に第2実験システムによる実験を行っている。
 ○HDTVのコンテンツに関する受信ナビゲーション技術に関しては、応用と実用化へ向けたかなり具体化した技術である。
(評価)
 ○発表件数、特許申請件数などを見る限り、十分な目標を達成していると評価できる。知的財産権確保については期待以上。
 ○設定されている目標が具体的であり、順調に達成されつつある。
 ○改良第2実験システムを試作し評価実験を行った結果はほぼ実施目標を達成している。
(改善点)
 ○H16がプロジェクトの最終年度になるので、実用化への道を明らかにすべき。
 ○実際に試作システムを用いて、一般の視聴者などから広く意見を吸収するなどの実験を行うと効果的。特にナビゲーションシステムは、ユーザの多様化した要求にフレキシブルに対応するものであるべき。
 ○こうした技術が、ドメスティックな一つ一つの技術が発展するということではなく、今後の取り組みとしては国際的な標準化を視野に入れて提案されることが望まれる。
(その他)
 ○成果技術の公開および普遍化の方針が望まれる。
 ○開発された手法は、国際標準への提案などを含めた積極的な対応が強く望まれる。そのためには、知財を確保するとともに技術をオープンにすることが必要である。
 ○事業終了後の成果活用について、積極的に動きをとる必要がある。研究の早い段階でニーズを取り入れ、普及のためのシナリオを描いておく必要がある。
 ○受信個別化ナビゲーションは個人にとってありがたい技術であるが、その個別情報は機密情報でもありうる。放送が片方向である間は問題にならなくとも、双方向になってくるとこの種の情報の機密をどうするかの工夫も必要になってくる。この辺りの考慮も考えておく必要がある。


<ISDB技術の研究開発>
(現状)
 ○研究開発は、おおむね順調に進展している。
 ○平成14年度の助言を受けて、推進体制、研究開発方法ともにかなりの進展があったといえる。
 ○研究目標に対し、成果を定量的なデータで示しており、積極的に国際的なアピールも実施している。階層化技術、統合化技術などの各要素技術について、以前の仕様を拡張するにとどまらず実証するためのシミュレーション実験に至っている。
 ○ISDBは、通信におけるISDNに対比できる方式である。このたびは、通信事業者の研究所および製造会社によるIP技術と融合したISDBの見直しであり意欲的な取り組み体制と理解できる。
 ○通信と放送の融合を目指した、統合的な技術をめざしている。実際には、放送技術にほぼ特化しており、そこに通信技術をどのように使うかという体制になっている。
(評価)
 ○階層化技術に関して、シミュレーションによる検証を行っている。さらにヒューマンサイエンスの立場も重視しており、映像中における各オブジェクトへの視覚優先度に関する検討まで行い、これを踏まえてグレースフル・デグラデーション技術を用いて最適映像配信技術を確立した点は評価に値する。
 ○設定されている目標は、達成されつつある。
 ○標準化を視野に、学術会議に関して国内外を問わず発表件数を増やしており、積極的なアピールを行っている。移動端末向け位置適応放送に関しては、定量的なデータを示して目標が達成できることを示しており、明確な改善が実現されている。
 ○目標設定が、個々の技術の確立にあり、定量的な仕様設定がなされていないが、個々の課題の洗い出しは行われており、一応の研究成果はでている。
 ○IP網に関してより高い目標設定を考慮するなどより精力的な検討を期待する。現状の設定での知的財産権確保については十分。
(改善点)
 ○通信技術の利用ということに関する関連技術と、国際的な競争状況の中で研究活動に対する評価を考えていくことが重要。
 ○IP網に関わる検討に今後注力して欲しい。
(その他)
 ○ISDB技術は、従来の放送よりも効率的に映像、音声、データなどの異種データを伝送可能であり、さらにデータ種ごとにプライオリティを付し、伝送上のトラブルが生じた場合でも、ある程度のサービス品質が保証できるなど、新たな放送サービスとして非常に期待される。今後、研究を推進させると同時に、標準化に向けた取り組みに対してもさらに邁進することを期待する。
 ○実用化に向けた更なる努力の継続を期待する。
 ○実ネットワークでのモデル実験の計画が望まれる。
 ○最終的な報告では、階層化技術について他所に同種のものが無いにせよ、現状の方式が備える特徴や位置付けに関する明確な評価結果が語られることを期待する。


<高精細・立体・臨場感コンテント技術に関する研究開発>
(現状)
 ○研究開発は、概ね順調に進展している。
 ○着実な成果を挙げているが、各成果について、より定量的な評価が望まれる。
 ○複雑な形状の3次元計測技術、立体物映像の合成システム技術において、一定の到達度が見られる。
 ○CG技術を基調とした放送用高品質コンテンツ制作ツールの開発であり、現場技術に精通した担当者による実務的な開発体制である。
 ○映像の中の部品化に関しての研究開発は長く取り組まれている。
(評価)
 ○現在のグラフィックのデジタル化にともなった研究成果は進んでいる。
 ○目標設定は、現状の技術でできることの機能の確認が主であり、最終的な目標仕様や定量的な技術的条件が不透明。実務的な現場技術の融合が目的と考えるなら、目標を達成したと言える。
 ○数値目標をもう少し明確とし、それに対する達成度を示すべき。
 ○もう少しアルゴリズム特許を出せるのではないか。
 ○複雑な形状の立体物に対して、約30分で外形形状の計測を可能にした点、従来の1/10以下に時間を短縮できた点で評価できるが、さらなる短縮化が必要である。
(改善点)
 ○数値的要求条件を明確にすべき。
 ○映画その他も含めた国際的な競争の激しい分野であるので、国際的な競争力を目指して進めていくことが望ましい。
 ○映像制作現場に密着した技術開発のあり方を戦略的に立てるべき。
 ○本研究開発テーマを遂行するにしたがって、技術的なブレークスルーの必要性が明確になってきているのではないか。今年が最終年度であることを考えると、明確な成果を出すことが強く望まれる。
 ○各技術の定量的な評価は難しいとは思うが、たとえそれが一ポイントであってもよい。示すのと示さないのとでは大違いである。是非定性的な記述以外に、定量的な部分を評価に加えることを望む。
 ○実用化に向けて、さらなるデータ処理の高速性が必要となるため、重点をおいて開発すべき。
(その他)
 ○3Dのオブジェクトデータベースは、さまざまな形で応用が可能になると予想する。これらについての公開を含めた利用可能性を明確にすべき。
 ○手法の標準化、同業社に対する開示の方法を検討する必要がある。
 ○3次元空間での画像合成の評価については、画像の3次元化を数値で表すなど、絶対的な評価ができると良い。


<ユーザーオリエンテッドマルチメデイア技術の研究開発>
(現状)
 ○研究開発は、概ね順調に進展している。映像抽出の技術としても評価できる。
 ○比較的少数の担当者で開発が可能であり、独創性のあるアイデアの実用化作業の体制と評価する。
 ○映像コンテンツのオブジェクトの抽出技術の研究を目指している。研究の位置づけは大事である。
 ○人間の生理、心理に関わる部分があり、その専門家の見解を加えるべき。
(評価)
 ○設定されている目標は、達成されつつある。15年度で200項目以上のユーザの嗜好情報とリアルタイムでのマッチングが行えるという目標が完了しているため、十分に評価できる。16年度は最終年度になるため、総合システム化、製品化に期待する。
 ○意欲的なアイデアの実用化に対し、荒削りな成果が出ている。
 ○設定目標は達成しているが、有用度の高い目標だったかやや疑問。知的財産権確保は十分だが、生理、心理がからむ知的財産権の確保は今後の検討を期待する。
(改善点)
 ○国際的な評価と、競争の体制が重要である。実用化に向けた議論を含めた比較評価に取り組んでいくと良い。
 ○より完成度の高いものにするには、対象映像の組織的かつ論理的な分類を行うべき。
 ○実際の放送での処理が可能であるかを確認し、製品化することを検討すべき。
 ○商用品の差別化技術に閉じないよう、他企業との連携や標準化などの方策も積極的に展開すべき。
 ○人間の生理、心理面からの検討を深めるべき。
(その他)
 ○ハードディスクメモリーの将来商品化の企画を検討する価値がある。
 ○公的な研究開発として、研究結果の公開・普及を図るなど、公的な必要性を明確にする必要がある。


3. コンピューティング・ソフトウェア分野

3−1 次世代ソフトウエア対応

<未踏ソフトウエア創造事業>
(現状)
 ○IPA・プロジェクトマネージャ・開発者・プロジェクト管理組織が一体となった体制により、順調に推移している。事業化/起業など市場や研究機関で高い評価を受けるソフトが多くなり、成功事例がメディアでも取り上げられるようになってきた。
 ○着実な成果を挙げている。
 ○問題なし。
 ○きわめてユニークな取り組みであるが、プロジェクトは順調に進展していると判断する。
 ○ユニークなシステムの中での事業であるが、今年度も非常に高い成果をあげている。
 ○PMの数はともかくもスーパークリエータを発掘するための体制はそれなりに評価できる。
 ○意欲的で斬新な事業である。プロジェクトリーダの視点に依存するところが強く、テーマや手法がそのために固定化する恐れがある。問題意識や視点の異なるメンバーの参加や新領域のテーマにも対応できる柔軟性の仕組みを期待する。


(評価)
 ○昨年度に比べて応募件数が減少しているが、採択件数が増えている。PMに採択されるソフトというものを、応募者達がある程度判断できる様になってきたのではないか。いわゆる「手堅い」ソフトが多くなって人材の平均化が起らないように、多岐に渡るソフトの採択やそれらの細かい評価・分析・公開がプロジェクトマネージャに求められる。
 ○この種の事業は継続性が大切故、支援をしっかりするべきであろう。
 ○十分な成果を上げていると考えるが、成功側でなく、失敗側の問題分析をもっとやって体験集積とすべき。また、成功者をもっと宣伝せよ。
 ○設定された目標は、達成されつつあると判断する。
 ○新しい試みで評価できる。
 ○着実に成果をあげており評価できる。
 ○目標の達成度は今の時点で明確にできない。長期的にこの制度を育てる必要がある。
(改善点)
 ○わが国のソフトウェア人材を発掘し、突出した才能を見つけ出すには多くの人が応募する状況にならなければならない。プロジェクト自体の宣伝もさることながら、これまでの成功例や失敗例について詳しく分析して公開していく必要があるのではないか。これにより応募者がプロジェクトの中でどう動けば成功していくのかが明確になり、安心して応募できるようになると思う。IPA・プロジェクトマネージャ・プロジェクト管理組織によって、個々の事例に関して問題点の抽出・分析を抜かりなく行って欲しい。
 ○失敗が有るはずで、その問題分析と体験集積をつくるべき。
 ○より多くの優秀な人材が発掘される可能性を、これまでの経験をもとに新たに検討いただきたい。
 ○今後も同様に取り組んで欲しい。
 ○一般へ広く周知させる努力をすべきである。
 ○『未踏ソフト創造』の概念は語感から理解できるが、明確な定義が必要。特に将来にわたり普遍的かつ透明な運営体制を確立することが必要。特に未踏ソフトの領域、レベル、機能、開発手法、環境などによって対象の広がりを誘導する施策が必要。
(その他)
 ○フォローアップを行うことにより、更なる支援の必要性を明確にすることが必要。

3−2 アーキテクチャ対応

<インタラクティブ情報網基盤技術の研究開発>
(現状)
 ○グリッド技術、ヒューマンインターフェース技術ともに順調に推移している。グリッド技術に関しては、スーパーコンピュータ同士の接続からPCクラスタ型コンピュータへの転換により、大規模接続時の実践的なノウハウや問題点などがより明確になったのではないか。ヒューマンインターフェース技術に関しては、マスメディア等に多数取り上げられるなど、一般社会からの期待が大きいことが評価できる。
 ○着実な進展を見せていると思われる。
 ○特に問題なし。
 ○研究開発は、順調に進展していると判断する。
 ○グリッド技術に関する研究は、国際的に競争力のある成果をあげつつある。
 ○大きく分けての2題話、インターフェースに関してはさらに3題話にとどまっており、各々の重要性は認められ、それぞれそれなりに成果を出しているようであるが、プロジェクトとしての意図が明確でない。
 ○技術開発の目標、事業概要ともに記述が冗長であり、観念的であるため、それを推進している体制の姿が見えない。目標設定の機能と必要性の説明はあるが、研究開発方法は不透明である。
(評価)
 ○グリッド技術に関しては、クラスタコンピュータへの転換が評価できる。この構成で実際に1テラフロップスが達成されたことで、最終目標である10テラフロップスへの方向性が明確になったのではないかと思われる。ヒューマンインターフェース技術に関しては、前年度の評価を踏まえたものもあり評価できる。
 ○GRIDに関しては、世界のトップ技術を開発するという意気込みはよいが、それがどういう技術を開発したことになっているのかの明示が欲しい。また、世界的に研究が進められているとはいえ、開発技術がどう現実に使われるかの方向性を示したり、実用性を評価することが必要である。その作業がスコープに入っているのであれば明確に評価して欲しい。
インターフェスについては、利用環境や方式限界など、技術の適用範囲を、今後明確にしていって欲しい。
 ○達成されている。知適財産権確保の確保状況を示して欲しい。
 ○設定された目標は、着実に達成されつつあると評価する。
 ○ある程度成果が達成されている。
 ○どのような状況でどのようなことをやろうとしているのかが明らかでない。
 ○作業報告は明確になっているがエンドレスに作業した報告になっており、目標に対する達成度を評価することは難しい。
(改善点)
 ○グリッド技術に関しては、クラスタコンピュータへ転換した事で超大規模接続が可能となるため、安全で安定したスケーラビリティの高いソフトウェアの開発・改良・検証が更に必要であると思われる。特にセキュリティに関してはこれまで以上に力を注ぐ必要があり、大規模接続時の検証などをソフトウェアの公開も含めて更に進めていく必要がある。ヒューマンインターフェース技術に関しては、認識率を高めるために今後研究・改良が必要なものもあるが、音声インターフェース技術など完成度の高いものもあり、グリッド技術も含めて更なる知的財産権の確保に勤める必要がある。
 ○きわめて挑戦的な研究開発であることは明らかであるが、研究が進展するとともに、新たな課題や問題点も明らかになってきているのではないかと推察する。グリッドといえども、何でもできるわけではないので、これらの点を明らかにすることも重要である。
 ○競争力を広げていくという意味で、国際的に通用する成果をあげることを期待する。
 ○グリッドの研究開発は極めて重要である。グローバス/IBMの牙城を切りだすようなOS、ミドルウェアの研究・開発に向けてさらなる努力を望む。
 ○本研究の最終形態・ゴールあるいは本研究の予算と人員で推進する目標となる仕様を明確にしてほしい。
 ○単体のコンピュータではできないアプリケーションの具体例を探してきて進めるべき。
(その他)
 ○目的に依存して、ハード・ソフトの構成要件が異なるのではないかと考える。例えば、特定人物とその動きを捕捉するために物理的に離れたコンピュータを連携させる場合と、多数のコンピュータを用いて実質的に超並列コンピュータと同等の能力を実現する場合の違いである。このことを明確にすることが必要と考える。
 ○事業化に対するイメージ・シナリオを描くことが望まれる。

3−3 高齢化対応

<福祉支援情報通信システムの開発・展開>
(現状)
 ○研究開発は、順調に進展した。
 ○研究開発方法は、実際の実験環境下で被験者へのヒアリング等を行い、システムを改善・システムの制度向上に寄与していくなど、積極的な開発活動が行われている。概ね順調に成果が出ている。
 ○地方公共団体の協力を得たフィールド実験を伴う研究であり、推進体制の組織を作ることで、本研究の半分は達成している。
 ○高齢化社会を迎える日本にとって大変重要な技術である。
(評価)
 ○独居高齢者や福祉関係者の協力を得た研究であり、一応の目標は達成したものと評価でき、十分な成果と考えられる。特許等の知的財産権の確保を検討されたい。
 ○実証実験を行ったことは高く評価できる。今後は普及を図るための成果展開が望まれる。
 ○ネットワークシステムの負荷の問題やセキュリティー問題については、現段階で問題点が明らかになった段階であり、今後も研究開発が必要。その点で、当初の目的を完全に達成したとは言えない。
 ○ペットロボットなどの機能や目的等が明らかでないことから、達成度がどの程度なのか判断することが難しい。
 ○実利用者からのフィードバックをより濃く行い、システムのチューニングを更に深く行うことが実用化には不可欠の作業として求められる。
(その他)
 ○必要な技術に関する絞り込みを行ない、革新的な提案を、具体的に表現されるべき。
 ○今後の成果が大いに期待されるテーマであり、普及に向けた民間事業者などとの連携及びサービスを実施するための方策等について引き続き検討することが必要。
 ○将来、福祉・医療関係者と一体になって、真に高齢化社会に役立つ事業の検討が不可欠である。
 ○事業化を考えた際にはビジネスモデルの構築が非常に難しい。事業推進には、国・地方公共団体が主導的な役割を果たすと同時に、データ回線を保持・販売している事業者を巻き込む形で進めていく必要がある。


<視聴覚障害者向け放送ソフト制作技術の研究開発>
(現状)
 ○研究開発は、順調に進展した。本研究に関与する研究連絡会が組織され、よく機能している。
 ○十分着実に成果をあげている。
 ○(1)自動要約技術、(2)自動同期技術、(3)自動字幕画面整形技術、(4)統合化システム技術の課題に対して、これまでの問題点などを修正し、実用モデルシステムとして構築し、評価を行っている。また、製品化の要望などが既にあり、対応している。
 ○この研究が具体的にどう貢献していくかといった評価が重要な分野である。
(評価)
 ○期待通りの成果である。技術的な目標達成だけではなく、実用化に向けての活動がしっかり行われている。
 ○目標が明確であり、実用化するための困難な課題の抽出もなされており、目標に達した成果を出している。
 ○難しい研究開発課題にもかかわらず、目標を十分に達成できたことは評価できる。
 ○技術的な評価だけにとどまらず、臨床実験その他を含めた形で評価すべき。その部分でのアプローチを展開して研究成果が生かされていることが重要である。
(その他)
 ○今後の事業化において、システムをさらに向上させるためのユーザと開発者との間の意見交換の場や、他言語への取り組みもさらに重要になると考えられる。このプロジェクトの今後の発展に期待する。
 ○放送事業に使われるだけでなく、国際会議などに出しても応用が可能、一般化したシステムとして公開することが望まれる。
 ○本テーマの意義を考えると、技術開発のみではなく、実サービスが提供される環境の整備などの検討も必要。


4.コンピューティング・ハードウェア分野

4−1 半導体

<革新的電子材料技術(強相関エレクトロニクス)の研究開発>
(現状)
 ○研究開発は順調に進展している。
 ○基礎研究であるが、順調に推移している。
 ○研究開発は、きわめて順調に進展していると判断する。
 ○基礎研究として関心の高さのある分野である。
 ○産総研と民間企業との共同研究の体制であり、よく機能している。
(評価)
 ○良い。
 ○設定されている目標は、十分に達成されつつたると考える。
 ○ある程度の目標は達成されている。
 ○材料開発の目標が明確であり、開発手順も順調に来ていて当初の目標を達成している。
(改善点)
 ○こうした研究がどのような可能性を持ち、どのような位置づけにあるかということをきちんと表現していくことが重要である。
 ○いくつかの要素技術のうち、実用化に結びつくものをなるべく早く見抜いた上で、その技術を生かすためにどういう技術・材料が必要になるかを提案して頂きたい。
(その他)
 ○国際的に見ても最先端の研究開発であり、これまでにも多くの成果を得ている。今後も、積極的に研究を推進することを期待する。
 ○実用的な商品(システム)開発のシナリオがほしい。


<クラスターイオンビームプロセステクノロジー>
(現状)
 ○研究は順調に進展している。
 ○研究開発は、順調に進展していると思われる。
 ○高速の記憶装置への期待が大きい技術なので、競争する数字ははっきりしている。
 ○産官学の連係によるプロセス技術の開発である。実用化に対する組織の取り組みが今後の課題として残されている。
(評価)
 ○ビーム電流他についても目標を達成している。
 ○技術の当初目標は達成されておらず、また、イオン電流も当初目標に少し足りない。しかし、現在のレベルでも実用には可能であるし、研究期間が1年短くなったことを考えれば順当な成果である。
 ○設定された研究目標は、おおむね達成されていると思われる。
 ○実施目標はある程度達成されている。
 ○実用的なプロセスデバイスの開発が実現できた時点で本研究の達成度が評価できる。
(その他)
 ○いろいろな産業界に対する応用の可能性の高い技術である。より完成度の高い技術として応用できる体制の確立が望まれる。


<次世代強誘電体メモリの研究開発>
(現状)
 ○研究開発の推進体制であるが、1T型と1T2C型というコンセプトの大きく異なる方式の両方を研究しているが、これをどう収束させていくかが重要と考える。BLT,SBTなどへSi,Moなどの元素の添加などにより、残留分極量の増大、薄膜化による動作電圧の低減など材料開発においても精力的な研究を行ったと考える。
 ○研究開発は、順調に進展したと判断する。
 ○重要な分野であり、推進体制も整っている。
 ○大学が軸となり、関係企業が会員となっている開発協会(財団法人)による研究体制である。材料の基本技術の開発とその製造技術への移転が重要な鍵となる。
(評価)
 ○1T型トランジスタにおいて10日間のデータ保持特性を実現し、目標を達成している。疲労劣化特性に関しては、1012回の目標設定に対して、3×1011回までは実証し成果をあげている。従来よりも疲労劣化特性も改善していると思われるが、これはSiなどの元素を添加したことによるのか、または成膜方法によるのかをより明確にアピールし、成果を強調していただきたい。
1T2C型メモリを作製し、データの読み書きを実証している。また、データ保持の外挿値ではあるが、データの保持時間が10年を超えることを明らかにしており、目標を達成している。
 ○目標はほぼ達成されている。
 ○設定された目標は、ほぼ達成されたと考える。今後は実用化につなげるための努力を継続していただきたい。
 ○実施目標はある程度達成されているが、どのような研究成果でどのように貢献できるかはっきり表現されるべきである。
 ○目標に達していると考えられる。
(その他)
 ○一貫性のある最終目標を明確化し、すべての研究、研究開発方法、推進体制が、この目標の達成のためのものであることが望ましい。1T型、1T2C型のどちらが最終的な目標であるのか。例えば、1T型が目標であるならば、残留分極はより小さく、また、ある程度の大きな抗電界を有する強誘電体膜を開発する必要があると思われる。強誘電体ゲートトランジスタメモリの製品化に向けてさらなる研究の発展を期待します。
 ○実用的な商品開発の手順は今後の企業の事業化の判断に委ねられると考えられる。


<超高密度型電子SI技術の研究開発>
(現状)
 ○本研究は、デファクトスタンダード化が特に要求される実装総合技術に関わり、複数の企業が緊密に連携して取り組まなければならないエレクトロニクスの根幹を担う重要なテーマである。参画している多くの企業が連携して精力的な研究開発を行い、当初の実施目標を充分達成したといえる。推進体制、研究開発方法については高く評価できる。
 ○研究開発は、順調に進展したと判断する。
 ○NTT-ATが幹事役となり、製造事業者の団体である超先端電子技術開発機構との研究である。推進体制は有効に機能していると思われる。
(評価)
 ○超高密度三次元LSIチップ積層実装技術
 当初の目標を上回る5層の積層を達成するなど、当初の実施目標は十分達成されているといえる。作成した積層チップについて温度サイクル試験で1000サイクルまで接続不良が無いことを確認するなど、実用化に向けた積極的な取り組みも評価できる。
光・電気複合実装技術
 当初の目標を上回る1Tbps級光実装技術の実用性を検証するなど、当初の実施目標は十分達成されているといえる。
電磁干渉を低減する最適配線構造設計技術
 電磁界プロービング技術については当初の実施目標は達成された。
 ○ほぼ目標を達成している。
 ○本プロジェクトとしては一定の成果を得ていることから、目標はおおむね達成されたと思われる。
 ○要素技術としての研究成果が上がり、応用への展開が期待される。
 ○目標は達成している。
(その他)
 ○本研究で得られた成果をもとにさらに実用化開発を行うとともに、企業間の連携により新実装技術に関するデファクトスタンダード化を推し進めることにより、競争力のある高性能エレクトロニクス製品を多数世の中に送り出していただきたい。
 ○本プロジェクトで得た知見などを、今後の実用化に向けうまく活用されることを望む。
 ○今後の発展に対する新しいシナリオが必要と思われる。