高齢者調査研究

「高齢者の雇用・就労を可能とする経済社会の実現のための大規模な調査研究」
初年度評価書

平成13年6月12日
高齢者調査研究評価・助言会議



 ミレニアム・プロジェクト(新しい千年紀プロジェクト)は、平成11年12月、当時の小渕内閣総理大臣の下、新しいミレニアム(千年紀)の始まりを目前に控え、人類の直面する課題に応え、新しい産業を生み出す大胆な技術革新に取り組むこととして、始まった。
 また、ミレニアム・プロジェクトの1つである「高齢者の雇用・就労を可能とする経済社会の実現のための大規模な調査研究」(以下「高齢者の雇用・就労の調査研究」という。)は、平成13年度末までに、高齢者の作業適性に関する調査を実施し、将来の勤務・作業形態、高年齢者対応機器等のあるべき姿を解明する大規模な調査研究プロジェクトを実施するものであり、7つの事業より構成されている。
 具体的な事業内容の構築に当たっては、省庁横断的な取り組みと官民の十分な連携を図ることはもとより、明確な実現目標の設定、複数年度にわたる実施のための年次計画の明示や有識者による評価・助言体制の確立を図るとの新たな試みを取り入れている。
 本評価・助言会議は、「高齢者の雇用・就労の調査研究」について評価・助言を行うために設置されているが、平成12年度が終了したことに伴い、各評価・助言委員からの意見に基づき、今般中間評価として「初年度の評価書」を以下のとおり取りまとめた。
 ※本評価・助言会議の構成員及び開催経緯については、別紙参照。

I 「高齢者の雇用・就労の調査研究」全般について

1 「高齢者の雇用・就労の調査研究」全体について

 平成12年度までに実施された「高齢者の雇用・就労の調査研究」全体については、以下のとおり評価する。
 また、全体的観点からは、以下の点を指摘しておく。

2 「高齢者の雇用・就労の調査研究」3〜6について

 「高齢者の雇用・就労の調査研究」のうち、Uの3〜6の事業についての総括的評価は以下のとおりである。なお、個別の評価はUに記載する。
 また、以下の点を指摘しておく。

II 「高齢者の雇用・就労の調査研究」における各事業について

1 世界の先進事例調査

 本事業は、社会保障制度の見直し、労働市場の伸縮性の回復など、高齢化経済社会へ向けての取組みが行われてきているドイツ、北欧諸国等における社会保障制度改革等、人口減少の経済・社会に与える影響の現況を調査するものである。
 本事業は平成11年度に当初の予定どおり終了しているが、以下の点を指摘しておく。

2 人口減少、高齢者の就労・雇用の経済社会への影響調査研究

 本事業は、人口減少下における高齢化の進展が就労・雇用及び経済活動に与える影響を分析するとともに、望ましい経済社会システムの在り方を明らかにするものである。
 本事業については、以下のとおり評価する。

 また、以下の点を指摘しておく。

3 高齢者の活用に係る国内外の先進事例の収集・分析

 本事業は、欧米諸国における高齢者雇用の制度と実態、企業の高齢者活用に係る先進事例等を収集し、分析するものである。

4 内外の専門家による高齢者の雇用・就労の促進のための経済的社会的対応に関する共同研究の推進

 本事業は、内外の高齢者雇用・就業に関する専門家による研究成果の発表、討議を行うことにより、我が国の高齢者雇用・就業の促進のための方策を研究するとともに、団塊の世代を中心として仕事と生活等のライフスタイルの実態を明らかにし、将来の引退過程におけるソフトランディングのあり方等を研究するものである。
 3(平成12年度に実施)及び4(平成13年度に実施)は、一貫した調査研究であるため、両者を合わせて、以下の点を指摘しておく。

5 産業分野別高齢者活用モデルの総合的、実証的研究

 本事業は、企業又は産業分野ごとに高齢者雇用モデルの提示と、それらの取組みを支援する一般的なシステムの構築を行うとともに、企業退職後も視野に入れたボランティア・NPO活動等多様な雇用・就業地域モデルの構築を目指すものである。本事業は、さらに[1]から[7]までの事業に細分されている。

  1. 60歳代前半層の雇用延長の制度化を進めるための方策に関する研究
     本事業は、様々な形態をとっている高齢者雇用制度と各企業の人事労務管理等の諸特性との関連を調査し、60歳から65歳までの雇用延長への移行に向けて各企業の課題解決のための実証モデルを構築するものである。
     本事業については、以下のとおり評価する。  また、以下の点を指摘しておく。

  2. 製造業における高齢者活用モデルの構築に関する研究
     本事業は、現に多くの高齢者が従事している製造業の中で、継続雇用制度の導入に向けての本格的な取組をスタートさせている電機産業における高齢者対応の製造・組立てモデルラインを構築・提供することによって、製造業における継続雇用制度の前進を図るものである。
     本事業については、以下のとおり評価する。  また、以下の点を指摘しておく。

  3. 介護分野における高齢者活用モデルの構築に関する研究
     本事業は、特別養護老人ホーム等の介護施設で働くケアワーカー(寮母、寮父)等の職務の再設計(職務の細分化、それに基づく分業化及び作業の軽減化等)を行い、高齢者の雇用・就業の拡大に資するモデルを構築し幅広く提供するものである。
     本事業については、以下のとおり評価する。  また、以下の点を指摘しておく。

  4. Webを活用した作業改善支援システムの構築に関する研究
     本事業は、職場における作業負担を軽減することにより高齢者対応型の職場創出を行うため、各種産業において、"いつでも""どこでも""誰でも"利用可能なWeb(インターネット情報網)を利用した作業改善支援システムを開発・構築するものである。
     本事業については、以下のとおり評価する。  また、以下の点を指摘しておく。

  5. 情報化対応職務能力診断システムの構築に関する研究
     本事業は、IT化に中高年ホワイトカラーが適応していくために職務適応能力を自己診断するための職務能力自己診断・評価チェックリスト及びそれに付随する精神・運動機能診断テストを開発し、それに基づき職務能力を診断・評価し支援するためのサポートシステムの構築を行うものである。
     本事業については、以下のとおり評価する。  また、以下の点を指摘しておく。

  6. 中高年ホワイトカラーのキャリアデータベースの構築に関する研究
     本事業は、事務系ホワイトカラーのキャリア開発・エンプロイアビリティ(雇用能力)の向上支援を図るため、標準的なキャリアシート(職務経歴書)とその作成システムの開発等を行うものである。
     本事業については、以下のとおり評価する。  本事業については、以下の点を指摘する。

  7. 福祉・生活関連サービスにおける高齢者の雇用・就業地域モデルの構築に関する研究
     本事業は、高齢社会における高齢者の就業ニーズの多様化のなかで、福祉・生活関連サービス分野を中心に、高齢者の就業、起業・創業、NPOへの参加等の社会活動促進方策を提示するものである。
     本事業については、以下のとおり評価する。  また、以下の点を指摘しておく。

6 高齢者の就業に係る安全確保や能力開発に係る専門的研究

 本事業は、従来の学問的研究成果を元に、高齢者が安全に働きやすい職場について実証的な調査研究を実施するとともに、今後高齢者の雇用が見込まれる分野に向けての効果的な職業訓練のあり方等について研究を行い、高齢者の雇用促進に資するものである。本事業は、さらに@からBまでの調査研究に細分されている。

  1. 高年齢労働者の安全と健康に配慮した作業負荷の評価基準の開発に関する調査研究
     本事業は、高年齢労働者が過度の身体的負担を受けることによる労働災害・疾病を防止するため、作業負荷の許容基準及び事業場で作業負荷を判定できる方法の開発を行うものである。
     本事業については、以下のとおり評価する。

  2. 高年齢労働者の健康管理面に配慮したVDT作業に関する調査研究
     本事業は、高年齢労働者が過度の負担を感じることなくVDT作業を行うことができるため、高年齢労働者の健康管理面に配慮したVDT作業の進め方、VDT機器が備えるべき要件・機能等についての提言を行うものである。
     本事業については、以下のとおり評価する。  また、以下の点を指摘しておく。

  3. 高齢者に対する訓練及び訓練手法のあり方についての調査研究
     本事業は、新規・成長分野を始めとする雇用吸収力が見込める分野に高齢者が就労するための効果的な職業訓練のあり方等を調査研究し、その分野への就業誘導を目指すものである。
     本事業については、以下の点を指摘しておく。

7 高齢者対応機器の設計のための高齢者特性の解明に関する調査研究

 本事業は、高齢者が使用しやすく、安全で、効率の良い生産設備・機器の設計支援のため、高齢者の生産場面等において比較的共通的に現れる操作・作業場面を抽出し、開発した人間特性計測装置を用いて、機器を使用する際の高齢者の特性を計測し、得られたデータを統計的に分析し、高齢者の機器使用特性等の傾向・分布等を把握するとともに、「高齢者の身体特性データベース」「製品等の設計・評価指針」を策定・公表するものである。
 本事業については、以下のとおり評価する。

以上。


(別紙)

高齢者調査研究評価・助言会議委員名簿

議長清家篤慶應義塾大学商学部教授
委員袖井孝子お茶の水女子大学生活科学部教授
谷井克則武蔵工業大学工学部教授
仁田道夫東京大学社会科学研究所所長
養老孟司北里大学一般教育総合センター教授
(50音順、敬称略)

高齢者調査研究評価・助言会議の開催経緯

平成12年6月5日
第1回高齢者調査研究評価・助言会議
○各事業毎に実施省庁が定めた調査研究の内容、方法、年度毎の達成目標について事前に評価を行った。

平成13年3月26日
第2回高齢者調査研究評価・助言会議
○平成12年度までの、事業の実施報告を行った。

平成13年6月12日
第3回高齢者調査研究評価・助言会議
○平成12年度までの達成目標に照らして、調査研究内容等について、中間評価を行い、「初年度の評価書」を取りまとめた。