教育の情報化プロジェクト

教育の情報化評価・助言会議(第7回)議事概要



I.日 時:平成16年7月23日(金)12:40〜14:30

II.場 所:内閣府5階特別会議室

III.出席者:

坂元昂座長、大島克己委員、岡本敏雄委員、折田和人委員、佐伯胖委員、清水康敬委員、田村順一委員、長屋龍人委員、吉田千之輔委員
(政府側)
内閣官房、文部科学省、総務省、経済産業省

IV.議 題:
1.開会
2.ミレニアム・プロジェクト「教育の情報化」
3.質疑応答
4.個別評価書の作成及び今後の進め方について
5.閉会

V.議事経過:
1.座長挨拶
2.内閣官房よりミレニアム・プロジェクト「教育の情報化」の概要等について説明
3.関係省庁よりミレニアム・プロジェクト「教育の情報化」の平成15年度における実施状況について説明
4.委員との質疑応答 (各委員の発言要旨は以下のとおり)
5.内閣官房より個別評価書の作成及び今後の進め方について説明

○岡本委員
  国の政策として、すべての先生がITを活用して良い授業をすべきというのには、同感だが、実態としては、別にITを使わなくても良い授業はできるではないかという考えの教員も多い。受験問題を抱えているような学校だと、ITを活用するのは、むしろ余計な仕事だと考えている人がたくさんいると思われる。このような教員をどのように説得するかが問題。
  指導上のIT利活用の促進については、制度的に大学の教育や試験、研修、教員免許の更新などの場において、教育の中身としてITを使わざるを得ないようにしていくことがよい。

○折田委員
  無線LANを設置しようとしている学校は結構多いが、学校の校舎が鉄筋コンクリートの場合は電波がかなり遮断されてしまうため、アクセスポイントを廊下において教室でLANを使おうとすると、特定の場所でしか使えないなどの問題があり、なかなか普及しない。また、職員室などに無線LANを設置した場合、暗号化とか認証をしっかり設定しないと、非常に危険なことになるので、そういったところの配慮が必要。

○田村委員
  これからは、校内LANをどう利用していくかというのが普及の一番の鍵となる。校内LANを導入すると、今までのパソコンを使った指導のためのスキルとは違うスキルが必要になってくるだろうと想定されるが、そういったスキルの研修はあまり聞き覚えがなく、一部できる人がいたとしても、LAN接続ができる者が校内に誰もいないという状況も実際に起きている。次の戦略を考えるとすれば、校内LANの普及と、それに関連するスキルを伸ばすことを考えていくことが求められるのではないか。

○長屋委員
  教育の情報化をなんのために行うのかという目的意識が必要。本当の意味での利便性についての指標が設定されていない。また、地方や個々の教員に任せるのでは国家政策にはならない。この政策を行うことによって、どんな利便性が発生するのかを整理して国の意思を表明した上で、ある程度強制する方法論を考えていくべきだと思う。せっかく投資するのであるから、国民にとってのリターンが見えるようにする必要がある。

○清水委員
  重要なのは教育研修。どこの国でも国家的に教員の指導力向上を目指して、IT活用を考え、抜本的に教員研修のあり方を変えた。まずは、ITを活用することのメリットを、皆に知ってもらう必要がある。IT活用をすることによって、確かに子供たちの学力が向上するんだということをきっちり示し、先生や生徒のほか、政策的に地方で予算をつける仕事をする人に分かってもらう必要がある。その上で、従来の伝達式の研修でなく、一斉に横並びで教員研修を行う。その際、研修の受講について強制することがあっていい。

○佐伯委員
  教育のためにITをどう使ったらいいかということを考え、IT技術と教育技術を結びつけた新しい学習をデザインできる人間を本来トレーニングすべき。いまの研修は、ITの工学的なテクノロジーの研修になっており、ITの技術は身につくけれど、それを、学習効果を高めたり、いい教育にしていくにはどういうことが可能で、どういうことを考えなければいけないかというトレーニングがないように思える。

○大島委員
  検討の視点として3つほど。1つは、三鷹市は小中一貫校をやろうとしているが、その中で、中学校の先生は多忙を理由にITをあまり使わないことについて、小学校の先生が責めている。ITをITとしてやるのではなく、別角度の何かがなければ、そういうものが表面化してこないというのを感じた。2つ目は、今研修会シーズンなのだが、ある学校で研修会をやったら、アクセスが集中したことによるトラブルが発生した。ITというのは、まじめにやろうとしたときにトラブルが起こる。とすると、一生懸命やっている先生ほどトラブルを抱えていることになる。そういったITのトラブルへの配慮は必要。3つ目は、校内LANの話。今、地上デジタルテレビ放送が始まっているが、教室にはすでに同軸ケーブルが引かれていて、これを活用すればテレビでウェブを見るのも可能になる。

○吉田委員
  校内LAN整備の格差がこれほど広がったのは残念。教育情報化推進協議会による後押しがあるということなので、期待したい。先生の指導力の話があったが、今の学生たちは、大学で単位を取ったり就職するにはITが不可欠であり、なんとかやっていくようになる。そういった現状を先生方がどうするのかが大事。回線や機器の価格の問題やフィルタリングの問題など、この数年で大きく変わり、改善された。残りの期間、どこに重点をおくかを絞って、考えてほしい。

○坂元委員
  現場の先生や子供たちは、学校生活、社会生活の中で、ITだけでなく、色々なことをしなければならない。その中でITを取り上げて使うとか、研修するとかということの理由付けが必要。そういったところにも配慮して、具体的な方法論を考えていくべき。