教育の情報化プロジェクト

教育の情報化評価・助言会議(第8回)議事概要



I.日 時:平成17年8月22日(月) 15:00〜17:00

II.場 所:内閣府5階特別会議室

III.出席者:

坂元昂座長、大島克己委員、岡本敏雄委員、折田和人委員、佐伯胖委員、清水康敬委員、田村順一委員、吉田千之輔委員
(政府側)
内閣官房、文部科学省、総務省、経済産業省

IV.議 題:
1.開会
2.ミレニアム・プロジェクト「教育の情報化」
  平成16年度における取組状況について
3.質疑応答
4.個別評価書の作成及び今後の進め方について
5.閉会

V.議事経過:
1.座長挨拶
2.関係省庁よりミレニアム・プロジェクト「教育の情報化」の平成16年度における実施状況等について説明
3.関係省庁よりミレニアム・プロジェクト「教育の情報化」終了した施策の現状について説明
4.文部科学省より「学校における情報教育の実態等に関する調査」(平成16年度末現在)の結果について説明
5.委員との質疑応答等(発言要旨は以下のとおり。)
6.個別評価書の作成及び今後の進め方について説明
○岡本委員
「ITを活用して指導できる教員」の割合は実態としてはもっと低いのではないか。
校内LANの整備やコンピュータの整備に対するニーズが必ずしも強く感じられない、コンピュータが整備されないと、ニーズが生じないという意見もあるが、我々としては、IT環境の整備により、「教室が変わる、教育が変わる、学習が変わる」といったキャッチフレーズを出すだけではなく、具体的な(大学におけるeラーニングのような)メリットを現場の先生や学習者にアピールすることでニーズを発掘していくことが重要ではないか。
○折田委員
校内LANの整備については、これだけを切り離して議論することはできない。教室におけるコンピュータの整備と併せて考えなければいけない。
コンピュータを整備して終わるのではなく、コンテンツを映し出すプロジェクタなどの装置も併せて整備することが必要。環境の整備とその活用をセットにして考えなければいけない。
子どもたちのコンピュータ操作能力を含めた情報活用能力を高めるということも広い意味での学力として重要と考える。インフラの整備率が高いところでは子どもたちのコンピュータ操作能力を含めた情報活用能力が高いといった相関関係を明示することができれば、状況は変わってくると思う。
個人情報保護に伴って、教員の校務用のコンピュータの整備も急ぐ必要があるのではないか。
○田村委員
校内LANの普及については、地域格差が大きく広がってきているのとともに、学校間格差も多少出てきている。各省庁において、現在様々な推進策を講じていると思うが、引き続きインフラ整備に努めていただきたい。
個人情報保護を目的としたセキュリティ強化の関係で、学校のネットワークの形態を各都道府県単位のイントラネット化する傾向が見られる。その結果、ネットワークを用いた学習活動に様々な制約が生じる可能性がある。この問題に留意しなければ、校内LANのみが数値の上で普及しても、子どもも先生もそれを使うメリットを見出せないという結果にならないかと危惧している。
学校現場の先生方からの情報化についてのニーズや、子ども自身からの希望といったボトムアップの声が現在あまり聞こえてこない状況にあり、何らかの意義の普及や声を集める工夫も必要である。
小・中・高校の先生方が、自身の授業の中のどの部分において、ITを活用することができるかについてのイメージが明確となるようなガイドラインを出すという対策もすでに文科省は着手しているが、これ以外にも抜本的な策を打たなければ、インフラ整備の数字の上では目標を達成できるかもしれないが、実質的な中身が伴った成功とは見なされないのではないか。
○清水委員
校内LANの整備率については、「インターネットを活用して授業のできる環境の整備率」を指すと考える。最近は、コストが安い無線LANを使って、全ての教室ではないが教室でインターネットを活用して授業を行うことができる学校が出始めていることから、このような学校についても調査を実施し、校内LANが整備された学校に加えることにより、整備率の数字を上げて報告しても良いのではないか。
○大島委員
校内LANを引いたが活用されないケースが多くなることを危惧している。三鷹市教育センターの近隣の中学校では全て校内LANが敷設されており、教育用コンテンツについてもあまりあるほど充実しているので、先生方がやる気になればやれる環境ではあるが使われていない。先生方からは、ITの活用について考える時間がないことが一番の大きな理由であると聞いている。
中学校以上では、教員は教科別の担当となるので、教科別でどのようにITを活用して指導できるかについて指針等を示してもらわないと使えないという意見もがある。従って、これらに対応した研修を校種別に実施してほしい。
○吉田委員
毎年、情報化の進捗状況のデータを報告していただくが、今までは、「PDCAサイクル(プラン・ドゥ・チェック・アクション)」に移行するようなクロス分析が出ていない。
パソコンは使えるが、それを活用して指導はできない先生方の割合は大都市で高いが、その原因が、環境(校内LANの整備状況)整備の遅れにあるのか、先生方のやる気に問題があるのか、教育用のコンテンツの不足にあるのかなどの分析を行うべき。
教育の効果を数値で表すことは難しいが、何らかの方法で評価を行うことも考えていくべきではないか。
○坂元委員
昨年来の新しいテコ入れ策など様々な対応策が打ち出されており、これらにより、「ミレニアム・プロジェクト」や「e-Japan戦略」が、今年度までの成果を踏まえて2006年以降により前向きな方向でつながっていければ良いと思う。
高度IT人材の育成が、これから数年の間に国際競争力の骨格部分になると思う。これらの点から、日本の国力、国際競争力の向上と「ミレニアム・プロジェクト」における校内LAN整備とが一貫してつながるという意識変革へと結びつけるという形もあり得るのではないか。
問題点としては、一般的な教育関係者の意識改革の必要性に対する認識の温度差の問題、ネットワーク環境から発生するコピーライト、個人情報等の法律的問題、手順の問題等の制約とユーザビリティの関係などがある。
評価報告書では、2006年以降、学校経営にITをどのようにしてうまく使っていくか、ITの活用を高度IT人材の育成にどうつなげるか、についてをそれぞれ上手に発展させるような一環の路線として記載したい。「ミレニアム・プロジェクト」、さらに「e-Japan戦略」で上乗せされた部分に関する評価を総合的あるいはそれぞれについて、いい点、問題点、その問題点への対応策について多方面にわたってご報告をいただく。また、「ミレニアム・プロジェクト」の評価とともに、「IT戦略パッケージ2005」についてや2006年以降への御示唆についても「その他」欄に記入する。