リサイクル・リユース等推進プロジェクト

リ サイクル・リユース等推進評価・助言会議(第3 回)議事概要



1 .日時:平成13 年6 月26 日(火)14 時00 分〜16 時40 分

2 .場所:内閣府3 階特別会議室

3.出席者

委員
平岡正勝議長、田中信壽委員、茅野充男委員、平野敏右委員、保科和宏委員、細田衛士委員
政府側
内閣官房副長官補室、総務省消防庁、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省

4.議事
(1)ミレニアム・プロジェクト「リサイクル・リユース技術の開発・導入」平成12 年度評価報告書(案)について
(2)評価・助言を踏まえた今後の事業の取組方針について
(3)質疑

5 .議事経過
(1)議題1
各委員による評価・助言を基に作成した「平成12 年度評価報告書」について、一部修正の上、原案どおり取りまとめ。
各委員からの主な発言は以下のとおり。

(平野委員)
○非常に良くできた報告書で、この案で結構だと思う。
○ただ、こうしたプロジェクトを推進する際には、必要な費用やエネルギーなどの予測を行う。その予測が実際に信頼できるものかどうかは、実際には予測と違う結果が出ることによって分かることが非常に多い。私の疑問であるが、予測をするときには都合の良い数値だけを採用する傾向があるのではないか。そうすると必ず結果に表れてくる。予測の結果を元のデータベースにフィードバックする体制をつくっていただきたい。そうすれば、これから何年かはかかると思うが、徐々に改善されるのではないかと思う。

(茅野委員)
○本プロジェクトは現実の社会でリサイクル・リユースを実現させることが目標である。経済産業省が秋田県で実施しているエコタウン事業についても、経済性など実際に実施してみてはじめていろいろな問題が明らかとなり、それをどう解決したらいいかが分かってくるので、現実に実施してみることが必要。有機性廃棄物の問題でも、個々の技術はかなり出来上がっているが、実施してみないと分からない問題があるので、幾つかのモデル地区を設定し、実際に事業を実施することが必要であると思う。

(田中委員)
○報告書について基本的にはこれで結構だと思うが、少し気になるのが、プロジェクト全体評価の「その他」の項目にある「リサイクル材料の火災危険の高さが気になる事例が多く、」の部分である。再生品を使用することで生じるおそれのあるいろいろな環境上の問題一般について注意喚起しているのか、火災危険の事例に特に注意しなければいけないのか、また、再生品だからなのか、それとも製品自体の特性として注意しなければいけないのか、確認しておいた方が良い。

(平野委員)
○確認中で不明な面もあるが、リサイクルし易くダイオキシンを出さないようにするため塩素抜き、臭素抜きをした結果、不燃性、難燃性が欠落して激しい火災の原因になったと予想される台湾ビル火災の事例、テレビの難燃性実験で、あるリサイクルの進んでいる国のテレビにはすぐに火が着いてしまった事例などから、リサイクルを考慮した結果として、我々の安全性が損なわれないようにすべきという趣旨で記述した。

(田中委員)
○リサイクルによる金属濃縮の問題等もあることから、リサイクル品についても製品としての安全性、環境影響などを十分考慮して開発すべきというような指摘にした方が、一般的になってより良くなると思う。

<火災危険に限定せず環境影響、安全性などを一般的に考慮する表現に修正することとなった。>

(細田委員)
○このプロジェクトは、平行してそれぞれ個別のプロジェクトが独立して進むが、プロジェクト全体が進んだ場合にどう見えるのかをどこかの時点で把握する必要がある。例えば、エコセメントを進めていくと、塩素が入って腐食の問題が生じるが、セメント全てに塩素が入るわけではなく、定常状態になったとき、つまり全体が循環型になったときにどのくらい入るのか。また、例えば自動車の場合、シュレッダーダストとして電炉に投入した場合に定常状態でどれくらいの銅が鉄に混入するのかなどである。個々のプロジェクトは優れているが、全体としてみた場合に安全性や規格性、環境影響などが欠落してはいけないので、どこか統括するプログラムがあっても良いという気がする。

(平岡議長)
○確かに一種の壮大な社会実験を実施しているようなところがあるので、細田委員の言うとおり、どこかで総合的にバランスをとった検討は必要であると思う。

(保科委員)
○全体の評価として、この報告書の中で表現されているとは思うが、最終的なあるべき姿のようなものをどこかに記述してあるとより良いと思う。

(平岡議長)
○これはミレニアム・プロジェクトの最初の評価で、今後5年間続くものであり、まだ始まったばかりである。そのため、それぞれの委員からの意見は、今後、徐々に反映させていきたいと思う。
○とりあえず、平成12年度評価報告書については、田中委員のご指摘部分を一部修正し、その他は原案のとおりで取りまとめるこことしてよろしいか。

<一同異議なし。一部の修正の上、平成12年度評価報告書がまとまる。>

(細田委員)
○最後に一つコメントしたい。本プロジェクトは概ね順調に進んでおり、非常に好ましい印象を受けたが、最終処分場の逼迫が非常に深刻化していることから、欲張りであるかもしれないが、もっと計画を早めるべきであり、各省庁には是非頑張っていただきたい。

(2)議題2
 委員の評価・助言を踏まえた今後の事業の取組方針について、各省庁から報告。各委員からの主な発言は以下のとおり。

(茅野委員)
○全体を見ていくと、所々に国際対応の問題が出てきており、リサイクルされて再生されたものの国際的な基準などの問題が生じている。例えば、生分解性プラスチックをごみ袋として使う場合、アメリカで生産したものの日本への輸入、日本で生産したもののアメリカ等の外国への輸出をする場合もあろうが、それぞれの国でコンポスト化されて利用されなければならない。それぞれの国で基準というものがあろうが、国際的な基準に関しては、このプロジェクトではどのように考えているのか。さらに具体的に言うと、例えば、日本でコンポストを作り、それが高く売れれば、外国からコンポストが入ってくる可能性があり、その場合に日本の基準、外国の基準が問題になる。そうしたことから、リサイクル・リユース全体の国際的な基準について、どこかで検討されるのかどうか。

←現在、経済省の日本工業標準調査会では循環型社会構築のためのJISの取組が課題になっており、具体的にはリサイクルされたものについての品質や安全性などをJIS化するという試みなどが行われている。現在までに道路用の鉄鋼スラグ等いろいろな製品についてJIS化を図っているが、課題、対象候補製品はまだ山のようにあり、今後とも、順次これに取り組んでいく必要がある。
 理想的には、JIS化されたものがISOで国際標準化され、国際的に統一的な標準になるということであり、その逆もある。ただ、現実には各国とも試行錯誤で悪戦苦闘しているというのが実態。その意味で、政府側の姿勢としては、日本でなるべくいい規格を作るようにして国際標準化していくこと。ただ、これには相当なマンパワーと予算などが必要であり、先生方にも応援していただければと思う。(経済産業省)

(茅野委員)
○将来的にはそういう方向へ是非進んでいただきたい。コンポスト1つ取り上げても、それぞれの国によってコンポストとは何かということがかなり違うような気がするので。

(保科委員)
○事業番号10番の高品質リサイクル鉄製造技術の関連で、不純物が混ざり込んだものの中から不純物を取り除くことはかなり難しい技術だと思うが、実際にものが廃棄されリサイクルされる過程で、分別・解体などをしっかりやれば、かなり純度の高いリサイクルができると思う。例えば、自動車のボディーなどは非常に品質の高い鉄なのに今は全てシュレッダーにかけてしまい、銅や鉛などの不純物がかなり混ざった状態となるが、これをしっかりした基準に従って分別・解体すればもっと純度の高いリサイクルができると思う。そのようなことを踏まえ、ソフト面のリサイクルというか、この技術を活用する前段階の取組を進めていく必要があるのではないか。
←工場の建家の建材などにはもともとかなり不純物が混ざり込んでいるので、高品質リサイクル鉄製造技術は、まさに不純物が混ざった鉄というものを前提として、そこから不純物を取り除くことは実際かなり難しいため、超微粒子化技術を使い高品質なリサイクル鉄として利用しようという技術。解体・分別は別の問題として取り組む必要があると思う。(文部科学省)

(田中委員)
○それぞれの分野でリサイクル率の定義が異なっても良いと思うが、細かな議論をすれば、まだ統一されていないのではないか。例えば、事業番号1番の有機性廃棄物の場合には、リサイクル率80%とは80%再生資源ができるのではなく、発生した家畜排せつ物の80%を再生利用施設へ持っていくというように考えないと実現不可能であるのに対し、缶や電子部品の場合は、おそらく実際に回収されたものの率を言っているように思う。分野ごとに違ってもよいが、リサイクル率という言葉だけ使うと混乱が生じるので工夫をお願いしたい。
○また、循環基本法ではサーマルリサイクルを一部認めることになったので、是非そうした数値も目標値などに入れていただきたい。今度の循環基本法でもっとも良い点はサーマルリサイクルを認めたことであると思う。
○さらに、リユースについては今般のルール作りでかなり重点をおいていることから、リサイクルのみならずリユースとしての目標値を入れるようにすべき。例えば、事業番号5番のFRP廃船の場合、リユースが大事と言いながらリサイクル率の目標しかないので、そういう点をきめ細かくしていけば、非常に目標が具体的になってよい。

(平野委員)
○こういうプロジェクトの一番基本になるのは、文部科学省の11番の環境負荷評価技術であり、これがしっかりしていなければいけないと思う。文部科学省はいろいろな注文がつき過ぎて少しやりにくいのではないかと思うので、国際化問題や全体から見た場合の社会的位置づけ、サーマルリサイクルなども含めて、もう少し自由度を広げてやっていけば良いのではないか。

(平岡議長)
○この会議での評価・助言が今後の事業に活かされることは非常に重要であるが、一年間、間が空くと忘れてしまう。そこで私からの提案として、平成13年度の途中で各事業の実施状況や本会議での指摘に対する対応状況を一度報告してもらってはどうかと思うが、いかがか。

<異議なし。平成13年度の途中で中間報告を行うこととなる。>

(細田委員)
○国土交通省の2番の建設解体廃棄物の問題だが、アスファルト、コンクリート、木材ということで基本的には建設リサイクル法対応となっていると思うが、さらに応用できる気がする。解体業者の解体技術マニュアル等は発展性があり、当然将来は範囲が広がるので、その辺の柔軟性があると考えてよいか。
←建設リサイクル法では3品目であるが、1月に作成した建設リサイクル法の基本方針では、その他のものも可能な限り分別することとしている。(国土交通省)

(細田委員)
○最近は建築解体に関する意識が高まっているので、こうしたことがしっかりと進んでいくと、解体業者もしっかりやっていかざるを得ないと思う。応用力をもって今後とも是非進めていただきたい。
←確かに相当関心が高まっており、最近は建築物を解体している現場を見かけても、非常に丁寧に解体している。(国土交通省)

(細田委員)
○経済省の7番のガラスびんについてだが、1本当たりのコストが2〜3円とあるが、容量に係わらずあまり変わらないということなのか。
←ざっくりと試算すると、グラム当たり単価で計算して、それをビールびん1本くらいで評価すると、添加剤のコスト次第であるが、銀のような高価なものを使用したとしても、工程と添加剤とを合わせてビールびん1本で換算して3円程度。現在、ビールびんが1本30〜40円なので、1割程度のコストアップでこのようなことができるという目算。(経済産業省)

6.今後の進め方等
 平岡議長より提案があった13年度事業の中間報告については、11月くらいに各委員に提供することとなった。
 平成13年度事業の評価・助言については、今回と同様に、年度終了後に事業の実施報告のための評価・助言会議を開催し、各委員に個別評価報告書を作成、提出していただいた上で、評価報告書を取りまとめるための評価・助言会議を開催することとなった。
 また、本会議の議事概要については、官邸ホームページに掲載することとされた。