リサイクル・リユース等推進プロジェクト

リサイクル・リユース等推進評価・助言会議(第4回)議事概要



1.日時:平成13年12月19日(水)14時30分〜16時30分

2.場所:内閣府3階特別会議室

3.出席者

委員
平岡正勝議長、茅野充男委員、平野敏右委員、保科和宏委員、松田美夜子委員
政府側
内閣官房副長官補室、総務省消防庁、文部科学省、農林水産省、経済産業省、国土交通省

4.議事
(1)平成13年度事業の実施状況(中間報告)について
(2)質疑及び評価・助言

5.議事経過
内閣官房副長官補室及び各省庁からの説明に引き続き、各委員からの主な発言は以下のとおり。

(茅野委員)
○ 有機性廃棄物のリサイクルというのは、大概、肥料やメタン発酵、乳酸発酵などが対象となり、廃棄物中の炭素のみが利用される。しかし、年間9,400万トン排出される家畜排せつ物中には、窒素が1%以上の100万トンを超す量が含まれていると思われるが、こうした窒素やリンなど、放置したら富栄養化をもたらすようなものについてはどのようにリサイクルされているのか。リサイクル率というものが重量単位で考えられているが、成分単位ではどのようになっているのかを解析する必要がある。
←家畜排せつ物の場合はリサイクル率は高く、堆肥化して利用される場合もあるが、ほとんどが農地還元となっている。そのため、部分的には過剰なところも出ていると思われる。この対策としては、メタン発酵では他の技術と組み合わせており、UASB法などでもリン酸は前処理としてアンモニアとマグネシウムで沈殿させるマップ法により除去し、窒素は散水ろ床と組み合わせて対応している。これらを実施しても、水質基準の厳しい地域ではクリアできないことも考えられ、そういった場合には、再度処理のためのリアクターも付ける必要があり、それも併せて検討している。成分単位でのリサイクル率のデータは持ち合わせていないが、窒素、リン酸については概ね農地に還元されており、そのうち、水質汚濁に回っているものもあるかと思う。(農林水産省)
○農林水産省において、外国から飼料として日本に入ってくる窒素やリンの量を計算されていたかと思うが、どのように役立ているのか。環境中にかなり放出されていると思う。今後は炭素だけでなく、窒素やリンにも目を傾けていただきたい。
←かなり多くの量が輸入されており、環境中に放出されている。そのうちの一部は畑などにあり、作物に再利用されている。(農林水産省)
○文部科学省で実施しているポリ乳酸に関しても同じことが言えるのではないかと思う。ディスポーザーで乳酸を作った後の残さは、どのようにリサイクルすべきかと。
←本評価技術において、残さについては従来通り焼却することを想定しており、廃熱を利用して、再度ポリ乳酸をつくる方のプロセスに活用することを考えている。また、本評価技術とは別に、残さから石油製品を製造するための技術開発を実施する予定である。(文部科学省)

(平岡議長)
○ 現在の下水処理場は、ディスポーザーから来る環境負荷を受け入れるだけの能力がないため、大都市ではディスポーザーは進められておらず、これに関して、旧建設省や東京都からレポートが出ている。将来的にはディスポーザーを受入れる方向にはなっているが、本研究ではどのように条件を設定しているのか。旧建設省は岡山などでモデル事業を実施しているので、そうしたことも踏まえるべきである。
←直ちにディスポーザーを導入した場合にはご指摘の通り、下水処理場の処理能力が耐えられないと思われる。(文部科学省)
○ そうしたことから、本研究は団地に新たな処理場をつくる場合などを想定しているのではないか。そうした条件設定を明確にすべきである。

(平野委員)
○リサイクル・リユースについては、例えばFRP廃船や生ごみなどのように、一面では廃棄物をいかに処理するかという側面があり、処理することに重点がある。他面では資源を再利用するという側面がある。前者は処理すること自体が先決であり、そこに価値をみつけて評価しないと、単なるLCAを実施してもきちんとした評価ができない。報告を伺った限りではFRP廃船だけが、そうしたことをしっかりと表明している。他の研究も同様にそうしたことをきちんと表明すべきと思う。

(松田委員)
○生活者の立場から意見を述べさせていただくと、研究のための研究に陥っているようなものは好ましくない。下水道のディスポーザー導入に関する評価研究は、生活者の立場からも納得のいく研究にしていただきたい。
○FRP廃船に関する研究は評価できる。また、消防庁で実施している消火器に関する研究は、仕組みが出来たら、問題解決が図れるという感じがした。
○もう一つ生活者の立場からこだわるのが、ペットボトルの研究である。CO2の排出はケミカルリサイクルが最小であるが、見方を変えると焼却が最小になるという説明を受けると、何か政策の中でケミカルリサイクルや焼却を誘導したくなるような炭酸ガスの持ち出し方をしているように感じる。また、平成12年度に1億5千万円、13年度には2億2千万円もの研究費を大学の研究室に出している割には、成果が未熟ではないか。
←先ほどのプレゼンテーションのソフトは、平成12年度事業において、我々がどういったシュミレーションをつくるべきかをとりあえず考えたモデルであり、炭酸ガスは一例として取り上げた。最終的にできるシュミレーションは、松田委員のご指摘の通り、炭酸ガスや重油など環境負荷に関するファクターを全て数字として算出するものとなる。その中で我々がどれを選択するかということであり、ある一定の方向に誘導するために、答えが一つしか出ないというようなものではない。
 また、研究費については、平成12年度以降も、生産工程を変更した際にはエネルギーはどう変わるのかや、再利用の手法も繊維ではなくペットボトルに戻す場合などを想定し、シュミレーションを改良している。このシュミレーションをつくるためには、階層的にプログラムを組まなければならず、これは最も初期的なものであることから未熟なものとなってしまってる。大学の研究室には企業のプログラマーの方やペットボトルに携わっている方が共同で研究をしており、研究のための研究というものではなく、産業界が必要としているものを、大学の先生方のシュミレーションに関する新しい技術を活用しながら実現していこうと考えているものである。また、紹介ではあるが、12月11〜15日に開催されたエコデザイン2001で、本研究は240点の論文の中から一番良い賞を受賞して、専門家の方々から評価をいただくことができた。(経済産業省)
○プログラム開発に費用を掛けすぎて、研究本来に必要な部分に費用が使われていないとの懸念がある。また、研究は専門家の方から評価されるのではなく、生活者から評価されなければいけない。240点の論文の中で、研究にどの位の費用を使い、その中でシュミレーションにどの位の費用を使ったのかを情報公開しなければ正当な評価はできないはず。

(平野委員)
○ペットボトルの研究は、加工系のグループの方々が主体で進められているようなので、アドバイザーとして生活者の方や、機械、物理系の方も入った方が良いと思う。そうでないと、熱のサイクルや物質のサイクルなどのセンスが欠けてしまう。

(松田委員)
○ペットボトルについては、マテリアルリサイクルの中でも、ヨーロッパで行われている洗浄して再使用するときのLCAについて、学者がしっかりと評価していただきたいと思う。
←松田委員、平野委員のご指摘はごもっともであると思う。プログラムの専門家だけの研究となるのではなく、生活者の視点、研究者の視点がしっかりと反映されるよう、プロジェクトの進め方については注意をしていきたい。
 また、本研究は適切なリサイクルの手法を客観的に評価できるようなプログラムの開発であって、リサイクル手法を一定方向に誘導する目的のものではないことを是非、御理解いただきたい。それから、LCAを検討する際、CO2の量と廃棄物の量はよくトレードオフの関係になり、これについてはいろいろな議論があり、その前提になるものをしっかりとつくろうというものである。また、どうしてもこうしたプログラムをつくるためには多少研究費が掛かってしまうが、研究の基盤をしっかりさせようとする我々の意図であるということも是非、御理解いただきたい。(経済産業省)
←(ディスポーザー導入に関する評価技術)ディスポーザーに焦点が当たってしまったが、本研究の主眼は評価技術の確立ということである。ディスポーザーという技術があるという前提で、それに対してLCAの手法を適用して、どのように活用していくのかを重点的に説明すべきだった。(文部科学省)

(平岡議長)
○LCA手法は前提条件が変わると結論も変わる。松田委員からのご指摘もあったとおり、いろいろな評価関数を入れて、プログラムをバージョンアップしていくべき。

(平岡議長)
○FRP廃船の処理に当たっては、昔から破砕機が壊れるほど破砕が困難であったが、今度の破砕機の状況はどうか。この問題が解決できればすばらしいと思う。
←舶用FRPは、硬度が高く熱伝導率が悪いため、破砕時に高温になることから、特に刃に悪影響を与える。本研究では、炭素鋼、クロモリ、ハイスピード鋼、ダイス鋼等で実験をし、ダイス鋼で少し良い結果が出ている。今年度後半には実験回数を増やして、結果を見極めていきたいと考えている。(国土交通省)
○破砕できなければ何も解決できない。FRP廃船は昔から破砕が困難とされているし、猛烈に動力も必要とすることから、大きな炉で熱をかけた上で、ばらばらにしたらどうかと思う。そうすれば、セメント工場でリサイクルすることも可能である。
←全体を蒸し焼きするという考え方もあるが、建機(バックホー)により大ばらし解体後、破砕機で粉砕すれば、セメントキルン炉に少しずつ放り込むことができ、セメントの質にあまり影響は出ない。(国土交通省)

(茅野委員)
○先ほど生活者の立場とあったが、有機性廃棄物を堆肥化した場合には、堆肥化した段階で話しは終わらず、それを受け入れる農家の立場が重要である。農家から、畑をごみ捨て場にするなとの懸念が出るなど非常に感情的なものなので、リサイクルから先の問題を農林水産省で考えていくべき。

(平岡議長)
○UASB法によって、これほどBODの高いものから、うまくグラニュールができたのか。かなり難しいと思われる。
←BODの除去状況をみると、かなり除去されており、うまくいっていると聞いている。(農林水産省)

6.今後の進め方等
 本評価・助言会議の今後の進め方として、4月下旬を目途に13年度の事業実施報告を行い、5月に各委員に個別に評価をしていただき、6月を目途に会議全体の評価報告書のとりまとめを行うこととされた。また、本会議の議事概要については、官邸ホームページに掲載することとされた。