リサイクル・リユース等推進プロジェクト

リサイクル・リユース等推進評価・助言会議(第5回)議事概要


1.平成14年4月17日(水)16時00分〜18時30分

2.場所:内閣府3階特別会議室

3.出席者

・ 委員
平岡正勝議長、田中信壽委員、茅野充男委員、平野敏右委員、保科和宏委員、松田美夜子委員
・ 政府側
内閣官房副長官補室、経済産業省、総務省消防庁、文部科学省、農林水産省、国土交通省

4.議事
(1)平成13年度事業の実施状況及び今後の方針について
(2)質疑及び評価・助言

5.議事経過

 (1) 各省庁より、平成13年度事業の実施状況等の報告を行う。概要は以下のとおり。

(経済産業省)
<2.建築廃材・ガラス等リサイクル技術開発(うち、建築廃材分野)>
1) 建築解体木材の品位に対応したリサイクル技術の研究開発
○高品位木材については、接着剤の改良を進め、ホルムアルデヒドの放出量はJISのEO規格(0.5mg/l以下)を達成し、寸法安全性の高い木質ボードの作製を可能にした。今後は木質ボードの「波打ち現象」発生の抑制と、寸法安全性向上技術の実生産への適用が課題である。
○中品位木材については、木粉比率25%で、汎用品と同等の性能の接着剤を試作することができた。今後は木粉比率を更に高める予定である。
○低品位木材については、炭として利用するため材料、炭化温度及び雰囲気ガスが炭化ガスの収率や各種特性に及ぼす影響等を把握した。今後は、吸放湿性能、有機ガス吸着性能、微生物増殖活性に優れた炭化物製造技術の検討を行う。

2) 建築解体木材を用いた木質ボード製造技術の研究開発
○建築解体木材と廃プラスチックを混合して作製する木質ボードの技術開発は、建築解体木材から最適形状の木チップであるフレークを効率的に製造する方法・条件を把握し、廃家電品リサイクルプラントから回収される廃プラスチックに含まれる異物の除去方法を把握した。今後は原料の仕様(特に廃プラスチック)等を確定し安定供給元の廃家電品リサイクルプラントを選定、協力体制を構築する。
○木質ボード強度の向上のため、樹脂分散性向上手法を検討、「改良ストランド法」により、目標強度を達成できた。今後は木質ボード強度の更なる向上を目指し、廃プラスチックの相溶化、フレークの吸水防止策等を検討する。
○ コスト面においては、原料対象樹脂の分別精度と樹脂物性及び減量化コストの関係を把握し安価で高効率な分別材料化の工程を選定し、高周波加熱法による木質ボード生産ラインによる製造コストを試算し、コスト削減目標を設定した。今後はパイロットプラントにより、木質ボードの成型をし、型毎の品質・コスト目標を達成するための製造条件の明確化、製造エネルギー・コストの把握、技術の確立を目指す。

<4.廃棄物の少ない循環型プラスチック製造方法の開発>
○本プロジェクトでは、ペットボトルを例にとり、ペットボトルのライフサイクルを通じた環境負荷の観点や経済性の観点等を総合的に評価できるシステムを開発している。平成13年度までに、SCM(物流評価)、DCM(環境評価)、PCM(製造評価)の各システム及びそれらを統合したシステムの試験プログラムを作成し、動作確認した。平成14年度以降はSCM、DCM、PCMの各システムのプログラミングを実施し、これらに基づき統合システムのプログラミングを(1)全国・静的モデル、(2)地域・静的モデル、(3)全国・動的モデル、(4)地域・動的モデル(注1)の詳細な設計に基づきプログラミング指示書を作成するとともに、プログラミング終了、動作確認を行う。
(注1)全国:輸送距離等の数値を全国平均とした系
 地域:輸送距離等の数値を関東、関西等の地域別に考慮した系
 静的:需要量等の季節変動を考慮していない系
 動的:需要量等の季節変動を考慮している系
○今までのシステムでは、全体のプログラムを連続して記述しなければならず、今後、新しいリサイクル方法や新しい製造方法が追加されたときには、プログラムを書き換えなければならない。本プロジェクトで作成されているシステムでは、新しいリサイクル方法等の情報が入った箱にプログラムを予め入力しておき、線で箱同士をつなぐことによってシミュレーション中のプログラムが書き換えられ、プログラムのわからない人でも利用することが可能となる。例えば、マテリアルリサイクルだけを考慮した系のCO2排出量を計算した後、ケミカルリサイクルを加えた系で検討したい場合、ケミカルリサイクルの箱を表中に挿入し、適当な箱と線で結ぶだけでCO2の排出量が検討可能となる。

<6.電子・電機製品の部品等の再利用技術開発>
○ リユース・リサイクル設計支援データベースシステムの開発については、平成13年度で開発を終了し、一般公開を行った。
○ 形状記憶合金を利用した製品の易分解技術の開発については、ネジ・ツメ・ハーネス等の締結部品を採用した試作品を作成した。
○ 今後はこれを液晶テレビに導入していく。
易分解技術については、評価・助言会議の場で、昨年12月に開催されたエコプロダクツにて展示した試作品の解体デモを行った。3種類の締結部品を用いた箱が、加熱することにより締結部品がはずれていき、解体されることを実践した。
○ RFIDを用いた製品・部品のリユース・リサイクル可否判別技術については、タグの仕様を決定し、読取書込機の試作を行った。従来のタグではうまく作動しないが、今回開発したタグは金属上でも正確に認識できる。家電製品にタグを貼り付け、タグに製品の修理履歴等を書き込んでいき、リサイクル現場で表示させ、製品・部品のリユースを促進させるためのシステム作りを検討していく。
注)RFID(Radio Frequency Identification):アンテナ、メモリー及び周辺回路により構成され、無線周波数利用によるデータ送受信を行うこと が可能なタグ又はカード状の製品。
○ 平成14年度以降は、形状記憶合金については、解体容易性の評価(実証試験)、試作モデル(液晶テレビ)の改良を行い、RFIDについては、家電製品、自動車といったユーザーサイドに働きかけ、システムをつくるための実証試験行う予定。

<7.建築廃材・ガラス等リサイクル技術開発(うち、ガラス分野)>
○ 「実用可能な光照射による着色及び熱による脱色技術の開発」としては、光照射の基礎技術を完成させ、高濃度で安定な着色を得るための指針を見出した。また、「実用ガラスへの応用化技術」としては、X線を光源とする小型着色装置を開発するための概念設計を完了した。平成14年度以降は、基礎技術としては、着脱色条件の詳細な検討を実施する。特に、多色化技術については、これまで着色種類探索の方向性が定まっていなかったが、本技術開発の実用化を促進するため、リサイクル率向上に寄与し得る、需要量が多い系統の色の開発に重点化していく。また、応用化技術としては、X線を光源とした小型着色装置を完成させるとともに、レーザを光源とした小型着色装置の高性能化を図り、描画の技術を高めていく。
評価・助言会議の場で、研究成果の紹介として、着色及び描画したサンプルと着色したガラスが熱で脱色できるということを紹介した。
  • まず、実際に紫外レーザで着色したサンプル及び紫外レーザにより実際にどれくらい細かい描画が可能か、という点を紹介するためのサンプルを提示した。
  • 次に、着色ガラスの熱による脱色だが、茶色(実際は茶色と紫色の混合色)に着色したガラス片に約200度の熱を約1分間加えると、茶色から紫色に変化し、茶色の脱色が可能になったということを紹介した。

<9.処理困難物のリサイクル技術>
○エコタウンプロジェクトの一環として、秋田県小坂町において、同和鉱業の子会社である小坂製錬(株)が事業主体となり、流動床の燃焼炉技術を活用して、シュレッダーダスト等の処理困難物から銅、鉛、銀を回収する設備を整備した。本プロジェクトは、平成12年度予算をもって建設を開始し、13年度末をもって施設を完成することができた。

(国土交通省説明部分)
<3.循環型社会の形成に資する建築解体廃棄物等のリサイクル推進に関する調査・研究>
○本プロジェクトでは、以下の2点について調査・研究を行った。
○木造建築物の解体施行技術に関する検討について、解体技術者を育てていく必要があるとの認識の下、施工解体マニュアルとして講習会のテキストを作成した。このテキストに基づき、平成13年度は全国8か所で2回ずつ講習会が行われ、受講者は約1,600 人に及んでいる。本年度も同様の講習会を開催する予定であり、約1,000 名程度の受講者を想定している。テキストの内容等については、各時点にて指摘等を踏まえ修正していく所存である。
○建設廃棄物の再資源化をするために、再資源化施設の所在やその稼働状況についての情報提供を目的としたシステムが必要との認識に基づき、建設副産物の情報交換システムの開発を行った。システム自体は昨年の8月より関東地方整備局において試験運用、その結果を踏まえた問題点等の修正を行った上で、今年度の4月より全国的に稼働を始めている。システムの稼働にあたっては、国土交通省以外に農林水産省をはじめ、関係都道府県、処理業界等との連携のもとに進めている。システムの信頼性向上にさまざまな意味で貢献することを目指し、多くの関係者に利用いただくべく、現在PR活動に努めている。発注者の加入状況については、年度当初ということもあり未集計であるが、処理業者については、現在のところ、約1,200 から1,300 社が加入手続きをとっているところである。これは、処理業者の二、三十%の加入率(平成12年度建設副産物実態調査より、全国で約5,000 程度の施設を把握していることより算出)となっており、当初としてはまず効果が見込めるのではないかとの推測をしている。建設副産物情報交換システムについても、実施段階における問題点等について対応を図り、信頼性の高いシステムにしていくよう考えている。

<5.FRP廃船>
1) リサイクル技術の確立について
○100隻程度のFRP船と工場廃材約40トンの試験体を使用し、セメント炉の影響評価や破砕機構の耐久性向上等に関する試験を実施した。
注)FRP(Fiber Reinforced Plastic):繊維強化プラスチック
○最適な破砕機構を選定するため、ハンマーミル方式及び一軸せん断方式にて試験を実施。ハンマーミル方式では、繊維が粉々になり粉塵発生が多く、また粉塵抑止及び発熱量確保のために廃油等と混合する際にハンドリングの困難性が指摘された。
○数種類の破砕刃を作成し、一軸せん断方式の破砕機にて耐久性実証試験を実施したが、耐久性等の評価には量的に不十分であったため、更なる検証が必要。
○セメント炉の長時間焼成試験では、セメント炉には影響が認められなかった。
○FRP廃材の成分分析の結果、FRP船の構造部材であるウレタンの発泡剤には塩素が混入しており、分別が必要と判明。他方、FRP材と発泡材の選別は、既存の自動選別装置では困難であったことから、技術的改良が必要である。
○実証試験ベースで処理費用試算したところ、通常の廃船処理には数十万円程度必要であるところ、約14万円というデータが得られた。
○FRP船のリサイクルシステム運用開始に向け、リサイクル制度化を図るために必要となる基本的事項の検討を開始した。

2) リユース技術の確立について
○リユース可能なFRP船を開発するため、パーツ化した取り替え可能な共通部材及び沈船化しない発泡構造船体の製造等要素技術の開発及び詳細設計を実施した。
○FRP船の接合工法に関する構造強度解析試験を実施し、十分な強度が確認された。
○FRP材の表面劣化抑止に関する試験等を実施し、耐候性ゲルコートの優位性が確認された。
○艇体の長寿命化を実現する、経済的な補修方法をマニュアル化した。

(文部科学省説明部分)
<10.高品質のリサイクル鉄製造技術>
◯これまでの鉄のリサイクルにおいては、不純物を出来るだけ取り除こうとしていたが、逆に、不純物が混ざっていることを有効利用するという逆転の発想の下に研究を実施している。
◯13年度は特にリンをターゲットとし、溶かした後に早い冷却速度で固めることで不純物のリンを微細に分布させ、より強度を高めることに成功した。これは、省資源、環境負荷の低減といった観点からも評価できるプロセスとなっている。
◯さらに、微細に分布させれば、リンを添加した際に強さ、伸びが向上することがわかり、従来の1.5倍の強度の再生材を得る可能性が出てきた。
◯また、評価・助言会議における「研究成果の公開を積極的にすべき」とのご指摘を踏まえ、電子メールニュースの配信、インターネットによる情報発信等を行った。
◯14年度以降については、銅、硫黄、その他の非金属元素等も対象として研究を進めるとともに、ご助言を踏まえ、具体的な製品として自動車をターゲットとして実用化研究をしていく。

<11.環境負荷評価技術の開発>
1) 材料の全ライフサイクルを通じての環境負荷低減効果予測技術
◯コピー機を対象に、個々の部品を個別にリサイクル場合、複数の部品をリサイクルする場合など場合分けをして、それぞれの環境負荷の定量的な比較を試みる研究を実施している。
◯13年度には、具体的に、潜在的な有害性やエネルギー消費関連の環境負荷のデータをとり、単一指標化して定量化した。
◯14年度以降は、経済産業省の6番のプロジェクトとも情報交換等をしながら、新しいリサイクル・リユースシステムが実現した際にどれくらい環境負荷が低減されるのかについて評価していく。

2) 有機廃棄物の高付加価値資源化を組み込んだ新たな都市環境システムの設計と評価
◯ゴミ全体の3〜4割は生ゴミと言われており、しかもそのうちの8割以上が水であるために燃やしにくいという性質がある。また、飼料にするとしても都会ではその処理が難しく、また、採算が取りにくいことから、生ゴミの処理は大きな問題となっている。
◯そこで、生ゴミから乳酸を取り出し、それを原料として環境に優しいプラスチックとして注目されているポリ乳酸を作る研究を開始した。このプロセスでは、焼却するゴミが減少することからエネルギー消費・CO2排出量を低減するものとなっている。
◯13年度まではこの生ゴミからのプラスチック生産を実現するシナリオの作成、生ゴミの排出実体調査等を行い、システム設計を完了した。
◯14年度以降については、さらに、環境負荷・エネルギー消費といった点から具体的にこういった手法を用いた場合の評価を行っていきたい。

(農林水産省説明部分)
<1.有機性廃棄物>
1) Iの21世紀を目指した農山漁村におけるエコシステム創出に関する技術開発について
○本研究は、ミレニアムプロジェクトとしてエコシステム創出に関する技術開発を推進しているものである。また、昨年度、総合科学技術会議が、重点化した4分野のうち、環境分野に位置づけられているゴミゼロ型資源循環型社会構築イニシアティブを推進することとなった。それに伴い、名称を「農林水産バイオリサイクル研究」に改め、これまでの研究とともに、新たな課題にも取り組むこととなった。
○農林水産業由来の有機性の廃棄物は、概算で年間約1.7 億トン発生している。我が国の人口一人当たり1.数トン分の量が、毎年出るという状況にある。また、農業施設等の構造物や資材の廃材等も、建設リサイクル法の対象になり、その対策が急務となっている。
○本研究は、リサイクル・リユースの技術、エネルギー変換技術について、これらの技術の実用化を図るために、経済、環境及びエネルギーの収支を分析し、循環型社会の構築に資することを目的としている。

(UASB法)
○第4回の会議で指摘のあったUASB法についてであるが、実証プラントのリアクター槽で、メタン生成菌等の顆粒状微生物群であるグラニュールの層に上昇流で汚水を通し処理をするものである。お見せしたサンプルのようなグラニュールが生成され、当初の層の厚さより1年間で30センチほど厚さを増した。グラニュールの核部のメタン生成菌によってメタン生成及び家畜尿等の汚水の浄化が行われていることが確認できた。
○今後も、独立行政法人畜産草地研究所内の実証プラントでさらに研究を進めるが、前処理段階での、懸濁物・リン除去槽で除去されるマグネシウムと窒素が結晶状に固まったMAPという物質の回収及び農地への再利用、最後の処理工程における硫黄を使っての窒素の除去等についても今年度から来年度にかけて実証規模で研究を進める予定である。

(乾式メタン発酵)
○畜産ふん尿をメタン醗酵処理する際は、液分、固体分が大きな問題である。本研究では、水分含量が低くてもメタン発生活性が維持できるメタン生成菌を用い、乾式のメタン醗酵というシステムを屋久島で、実証規模の日処理量700 キロで運転をしている。ここでは、畜産ふん尿のスラリーと生ごみ・古紙などの可燃ごみをメタン発酵により、メタンガスを生成し本システムのエネルギー源に利用し、また、その際に発生した発酵残さを炭化し利用することなど、一つの循環システムの完成がある程度見えてきている。

(バイオマスガス化メタノール)
○バイオマスとして草本系や木質系が相当大量にあり、それをリサイクルするため研究を続けている。本研究では、部分燃焼法といった酸素少し絶った状態で800〜1000度で燃焼させ、バイオマスをガス化し一酸化炭素と水素を生成する。その混合ガスを触媒を用いてメタノールを合成するという方法により研究を推進している。
○これまで、農林水産省の独立行政法人、三菱重工、長崎総合科学大学で共同研究を重ね、実用規模の試作機である農林グリーン1号機が完成した。この試作機は、木質系、草木系のバイオマスからメタノールを連続的に生産できるものであり、このシステム自体は規模が小さいので、まだまだ実証研究を重ねていくが、原理的には草本・木質は、クロール等のダイオキシンにつながる物質含量も少なく、非常に炭素と酸素の含量が多く発熱量をみても石炭とか石油と匹敵する一つの燃料として扱え、このシステムで240 キロを入れて、120 キロのメタノールができるという性能を目指している。本研究について昨日プレスリリースをし、明日現地で試作機の火入れ式を行う。この方法での実用規模のシステムは、本システムが世界初だと聞いている。これから各種能力の検討を進めていく予定である。

2) IIの21世紀型農業機械等緊急開発事業のうち有機性資源循環利用システムのための農業機械・技術の開発について)
○IIの21世紀型農業機械等緊急開発事業のうち有機性資源循環利用システムのための農業機械・技術の開発については、畜産廃棄物、食品残渣等の堆肥化・肥料化の機械の開発を推進した。高精度固液分離装置については、家畜のふん尿の堆肥は、用途の異なる固体分と液体分に分離するところをポイントとして、装置の開発に向けた基礎的成果が得られた。また堆肥を混合攪拌する試験機については、試作機1号機・2号機の開発を行った。14年度はこれらをさらに改良していく予定である。

(総務省消防庁説明分)
<消火器・防災物品のリサイクルの推進>
●記述願います。

 (2)引き続き、各委員からの主な発言は以下のとおり。

(平野委員)
○ この報告書は、消火器の事業のように回収システムを構築するものと、農林水産省の事業のように技術を開発して、それをどのように活用していくかというように整理されているものの2つがある。後者の場合はどのような回収システムを構築するかが問題である。前者の場合は回収システムを構築するために大きな技術は必要なく、あるいは既存のものが使用できるかと思う。ここで気になるのは、どのような回収システムを構築するのかである。それと毎回申し上げていることだが、システムを構築すること自体にどのような資源が必要で、また、そのシステムが経済的、エネルギー的にどうなのかという情報がこの報告書には少ないと感じる。ただし、昨年の報告に比べると相当進歩しているので、それも含めて評価したい。

(松田委員)
○ 生活者の立場から2つ質問がある。(RFIDを用いた製品・部品のリユース・リサイクル可否判別技術について)家電製品などを修理するときには、電気屋が修理すると思うが、電気屋がRFIDタグに記憶されたデータを見る仕組みを持っているのか。誰がデータをインプットするのか。それともう1つは、清掃工場の容器包装プラスチックの分別現場では臭いが問題となっており、健康被害とまで考えている人がいるらしい。臭いの問題はどのようにして解決していくのか知恵を出してほしい。
回収システムのご指摘、及び家電製品の修理のご質問等については、技術開発のみならず社会システムの導入についてもしっかり検討すべきとのご指摘であろうと思う。我々は今までに、回収リサイクルシステムを法制度として、あるいは事業者の自主的取組を促進する産業構造審議会リサイクルガイドラインとして、関係者にアプローチを行っている。今後ともこれらの技術開発の動向と、社会的システム導入のためのルール化といったことを併せて検討して参りたい。
修理のご質問については、メーカーが直接、あるいはどこかと提携してメンテナンスサービスを一層進めていく上で、RFIDを活用するとメンテナンスがし易くなり、長期使用が促進される。また、使用済製品の部品を再度使用することが促進される。RFIDは拡大生産者責任の考え方に基づけば、メーカーが直接、あるいはメーカーと提携している業者が利用することとなるであろう。現在、そのようなユーザーへの働きかけを行っているところである。(経済産業省)
(臭いの問題について)ごみの分別システムについては、将来的には臭いのでない回収システムを構築することや、現状では難しい面もあるが生ごみの廃棄に下水を利用するなど、そのようなことを視野に入れてシステムを検討しているところである。どこまでのシステムを提案できるかは今後の研究次第であるが、当然、臭いの問題まで視野に入れたものとしたい。また、松田委員より生活者からの視点ということを申されたが、一般の方々の意見を反映することは重要であると認識している。生活者の方々を招いたフォーラムの開催等を行っており、システムの構築に当たっては、そのような意見を十分に反映して参りたい。(文部科学省)
FRP廃船のリサイクル技術の社会システム導入については、どのようにしたらしっかりと機能するか、現在、内部で検討を進めている。臭いの問題については、船を解体するときには船に多くのフジツボが付着しており、それをしばらく放置すると悪臭が発生するという問題がある。また、船を破砕する段階では、破砕されたガラス繊維は皮膚に突き刺さるため、作業員が非常に迷惑している。平成14年度の実証試験では、どこまでこのような問題を減少できるかを含めて進めていく。(国土交通省)

(茅野委員)
○FRP廃船のリサイクルについては、輸送費が大きな問題となる。それを踏まえて、開発した技術をどのように活かすかが課題であると思う。また、消火器について、リンや硫酸を使っているとのことであるが、そうであれば、加工して消火剤として再利用するのではなく、そのまま肥料に利用することができるのではないか。ただし、集めるためには大変な問題があるが。
FRP廃船をそのまま運ぶためには、10トントラックを1台使用してしまう。そのため、日本の何カ所かにデポをつくり、そこで破砕・圧縮して、次の工程へ運ぶ方法などを検討しなければならない。また、離島問題をどうするかなども大きな問題である。どのようにしたらコストが下がるかを念頭におき、検討を進めているところである。(国土交通省)

(平岡議長)
○ FRP廃船の破砕は、非常に困難なことで知られている。破砕機自身が壊れてしまうくらいである。一軸せん断方式で行ったようだが、破砕機はどれくらいもつのか。
ある程度の量をこなして実験してみないと判らない点があるが、一軸せん断破砕機は、製品のリサイクルが増えるに連れて技術が進歩し、破砕機自身も大分向上してきている。現在では自動車でも破砕する時代であり、破砕機のニーズがある。(国土交通省)
輸送の問題についてであるが、有機性資源、いわゆるバイオマスの場合はいろいろな種類のものが地域に偏在していることから、それをリサイクル際に収集・運搬に、経費・エネルギーを掛け過ぎては意味がない。我々は20数年前にバイオマス変換の個別技術について研究を行ったが、リサイクルをシステムとして検討するとバイオマスについては地域ごとに処理しなければならず、実用化できないと考えている。 北海道では畜産での糞尿問題が非常に分散している。同じ畜産の糞尿問題でも、鹿児島や宮崎では密集している。海岸では海産物のカキ殻、九州では焼酎の廃液、いろいろな廃棄物が分散している。我々の研究は、経済性を考慮して、地域で発生するものについてはなるべく移動しない方法を検討している。経済性・エネルギー性を考慮して循環を考えている。(農林水産省)

(平岡議長)
○ UASB法もメタノール変換技術も非常に成果が出ており、すばらしいと思う。ところで、収集のところで間伐材は含まれているのか。
林業の間伐材も含まれている。木質系の廃棄物というと建築廃材はしっかりカウントできるが、間伐材は、山では間伐後に放置されるが、それがどのくらいあるかというのは、林道を基本にして、100メートル範囲で集めた場合の統計と、500メートル範囲での統計では、数値が倍程度異なる。この数値は、林道から100メートル範囲で集めた場合の統計である。(農林水産省)

(平岡議長)
○ 北海道などで間伐材が集まれば相当な資源となる。私もバイオマスに関する研究を2年間行ったことがある。たくさんあるのだが、集まらないものである
(消火器について)先ほどの肥料に再使用するという話しについてだが、燐酸アンモニウム、硫酸アンモニウムは、現在は埋め立てる以外になく、これらはあくまでも主成分として使用しているだけで、肥料として効果があるという検討はまだ行われていない。しかしながら、消火器というのは様々な場所で使われているため、今回の検証では消火薬剤としての基準は満足したが、更なる検討が必要だと感じている。必要に応じて今後検討していく。

(茅野委員)
○我々は硫酸やリンを樹脂でコーティングして暖効性肥料して使う。恐らく消防庁の方では水が入らないようにすると思うが、我々は少し水を入れる。水が入ることによって中の成分が溶けて外へ出ていく。そこをコントロールすることが一つの技術である。そのため、そのまま良い肥料になるのではないかと思う。

(平野委員)
○ それは、恐らくコーティングの問題である。
○ リサイクル・リユースというものは技術と書いてあるが、リユースは移動が主である。そのため、農林水産省の報告にもあったとおり、リユースはどこでどのように発生するかで大分違ってくる。経済産業省では処理技術を行っているが、当然その前にLCAなどがある。そういう意味ではリサイクル・リユースは総合技術である。そのため、ポイント毎の技術開発を深く行うだけでなく、全体的なスコープをはっきりさせる必要がある。

(平岡議長)
○ 技術が昨年に比べて非常に進歩している。そのため、次の段階では社会システムに導入するための議論が必要となってくる。
○ 通常、自動車の部品などは新品であればいろいろな基準がある。そのため、リユース部品として利用するときには、その基準がしっかりと守られているかが議論となる。リユースを進めていく上ではこれが大きな問題である。先ほどの形状記憶合金のネジを利用した製品の易分解技術などは非常に良かったため、社会システムに導入するための検討を途中段階であっても行うことが望ましい。

(平岡議長)
○ 防炎物品は、昔は難燃にするため臭素系を入れていた。臭素系を含んでいるためダイオキシンが出ると言われていた。電子部品についてもそうである。

(平野委員)
○ 防炎物品には臭素系のみならず、リン、塩素、場合によってはフッ素も含まれている。意外と多様である。バランスの問題であるが、防炎物品で火災が減って死ぬ人が少なくなったと同時に、燃やすとダイオキシン系のものが発生したり、火災のときに有毒ガスが出るなど非常に厄介なものである。

(平岡議長)
○今日の報告を伺って、非常に良い成果が出ていると感じた。今後は社会システムに導入するところまでの議論ができれば良いと思う。

6.今後の進め方等
 本評価・助言会議の今後の進め方として、6月中下旬頃に第6回評価・助言会議を開催し、評価報告書のとりまとめを行うこととされた。また、本会議の議事概要については、官邸ホームページに掲載することとされた。