成層圏プラットフォームプロジェクト


第3回成層圏プラットフォーム評価・助言会議 議事概要


1.日 時 平成14年6月26日(水)15:00〜16:50
 

2.場 所 内閣府5階特別会議室
 

3.出席者(順不同敬称略)
(委員)
 加藤寛一郎議長、小林 修委員、中澤高清委員
(事務局)
 内閣官房、総務省、文部科学省
(研究実施機関)
 航空宇宙技術研究所、通信・放送機構、海洋科学技術センター
 

4.議 事

(1)平成13年度における研究開発の事業実施状況について

 ア 飛行船分野(大気採取システム含む)における研究開発の進捗状況
   航空宇宙技術研究所及び海洋科学技術センターより説明

 【主な指摘】

(中澤委員)
・成層圏滞空飛行試験が平成15年の夏とのことだが、具体的にいつからいつまでと限定することはできないのか。

(航空宇宙技術研究所)
・6月から9月を想定している。風を考えると、他の時期は都合が悪い。

(中澤委員)
・定点飛行を行う15年度の年度末は一番風が強いのではないか。

(航空宇宙技術研究所)
・年度末に行う試験は、4kmまで上げるわけではない。徐々に高度を上げ、本格的に飛行を行うのは、6月から9月になる。

(中澤委員)
・大気採取測定の分析器の試験において、実際には高度が変化すると圧力も変化していくが、そういう条件の中で試験を行ったのか。そのような実験をやっておかないと、赤外線吸収を利用して測定しているため、分析器が温度計や圧力計のようになってしまい、きちんと測定できるのかどうか疑問。

(小林委員)
・実用機まで考えているとのことだが、ミレニアム・プロジェクトとしてはここまでという発想はいかがなものか。本プロジェクトを将来的に本当に役に立つものにするためには、理論的、スケジュール的、予算的にきちんと議論して詰める必要がある。

(文部科学省)
・ミレニアム・プロジェクトの計画は今の技術で何ができるかというものであるが、今後は小林委員のご指摘を踏まえ、将来の開発シナリオに結びつく形で進めていきたい。

イ 追跡管制分野における研究開発の進捗状況について
  通信・放送機構より説明

 【主な指摘】

(小林委員)
・飛行船の定点滞空のとき、対気速度は機体で測定するのか。

(通信・放送機構)
・ADS(Air Data System:周囲の大気の状態とそれに対する航空機の相対的な動きを静圧、全圧、温度、流れの方向等として検知し、その結果を誘導制御装置等に出力するシステム)データを用いる。また、ADSデータを風観測予測のシステムに取り入れることも重要なので、検討していきたい。

(小林委員)
・風予測の方はそれで良いが、飛行船自身が上空で定点を保持しようとするときに使うデータは、何時間も前に測定したものでは困る。飛行船は瞬時瞬時位置を制御しなければならないため、対気速度は機体で測定すべきではないか。

(航空宇宙技術研究所)
・制御は予測データによってではなく機上で測定したデータで行う。なお、定点滞空の制御は無風状態と風のある状態で切り替わるようになっている。GPSとADSから取得した情報をもとに風がどのくらいあるのかを判断して、無風のときは旋回し、風のあるときはそれに逆らうような形で留まるようになっている。

(加藤議長)
・例えば、飛行機であると自動操縦で飛ぶときには必ずフライトディレクターがいる。そういう概念がないというのはミレニアム・プロジェクトとしては良いかもしれないが、3,4年も成層圏で飛ぶという発想があるのであれば、将来を見据えてフライトディレクター機能を導入するべき。

(航空宇宙技術研究所)
・飛行試験の初期は完全に自律飛行というところまでいかないだろう。ある程度遠隔操作が必要。最小限飛べる状態で特性を確認した後、徐々にそのような部分を入れていきたい。

(通信・放送機構)
・フライトディレクターという発想はなかったため、今後検討してみたい。

(加藤議長)
・水平飛行ではなく、まず高度を上げ、徐々に降下することを繰り返す方法(ドルフィン飛行)の方が、エネルギーを節約できるのではないか。

(航空宇宙技術研究所)
・飛行船の場合、一度ヘリウムを捨ててしまうと、上がることができなくなってしまう。

(加藤議長)
・高さの制御も含めた制御系でスタートしておいて、後は場合に応じて行った方が良い。

(通信・放送機構)
・このような高さを含めた制御を管制等の設計に取り入れるかを検討する段階に達しており、将来に向けて検討していきたい。

(2)「平成13年度評価報告書」について
  事務局より説明

 【主な指摘】

(小林委員)
・ミレニアム・プロジェクトは、その範囲だけで終了するのではなく、得られた成果を将来の実用機開発という視点から整理する必要があるという主旨を報告書に入れていただきたい。

(内閣官房)
・議長とも相談しつつ、御趣旨を含めるよう検討させていただきたい。

(中澤委員)
・機体本体と追跡管制を統合化したときに、新しい問題が出てくるのではないか。

(航空宇宙技術研究所)
・確かに、一番トラブルが出てくるところだと認識しており、計画の段階での対策を考えているところである。

・飛行試験の詳細の検討を報告書とは別に行うこと、ミレニアム・プロジェクトと将来の実用化との関係を再考察することを踏まえて評価報告書(案)をつくるということで、詳細は議長に一任された。

・本報告書及び本日の議事概要は、官邸ホームページにより公開する事が了承された。

・内閣官房より、本日いただいた評価・助言を今後の事業推進にいかして参りたい旨の発言があった。