○李家委員:飛行試験でよくある不具合として、システムを全体として組み立てたときにうまくいかないことがある。今回の経験を通じて、成層圏プラットフォームだけではなく、飛行試験全体で、何か役立つような提言なりアドバイスを出せないだろうか。
○情報通信研究機構:飛行船側もミッション側も十分に気をつけていたが、それに対応したシステム設計や確認が不十分だった。定点試験機では、運用システム、気象観測、シミュレーションそれ自体が技術研究課題だが、うまくいかなかったときにばったり止まってしまっては仕方がない。飛行試験では失敗があることを十分念頭に置いて、失敗してもひるまずに進んでいくという実施体制を組むことが重要である。
○中澤委員:科学気球の実験でも同様である。一番重要なのは、だれが指揮を執るのかである。それから、チェックするときに相手方を信用し過ぎてはいけない。特に、今回の場合は、多くの機関にまたがっており、調整が非常に難しいと思うが、ピラミッドのような指揮命令系統が必要だと思う。
○情報通信研究機構:ご指摘のとおりであり、成層圏滞空飛行試験よりも定点滞空飛行試験の方が困難であろう。そのため、それに見合った実施体制を組んでいくべきだと思っている。
○中澤委員:体制の問題は非常に重要である。
○宇宙航空研究開発機構:システムが重要であることは十分認識しており、できる限りのことは実施した。しかしながら、気象などの問題でスケジュール的に厳しい状況でもあり、残念ながら最後のところで少々抜けがあった。
○中澤委員:私も科学実験で失敗したことがある。一生懸命やっても失敗することがあるということは理解できる。
○小林議長:こういう抜けは、デザインレビューでも見つかりにくい。体制や管理の強化も大切だが、実際に作業する実務者が心を込めて注意を払いながら作業しているかということが重要である。マネージングとして、実務者が本当にそうなるような環境や雰囲気を作り出せているのかという問題がある。実務担当者に適切なモチベーションを与えて、プロジェクトのグループ全体がベクトルを合わせて前に進むようにする配慮が必要である。
○宇宙航空研究開発機構:ご指摘のとおりであり、いくら体制ができていても、人間が車輪を常に動かして、モチベーションを持ってやらなければどうにもならず、最後は人材だと思う。最近、経験と実績を積んでモチベーションが上がってきていると感じている。これから先も助言をお願いしたい。