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成層圏プラットフォーム

平成15年度

事業実施報告書



ミレニアム・プロジェクト「成層圏プラットフォーム」事業実施報告書

【府省名:文部科学省】

事  項説     明
実施施策名 成層圏プラットフォーム(飛行船分野)
実施目標 二酸化炭素等の温室効果気体の直接観測を可能とする成層圏滞空飛行船(成層圏プラットフォーム)について、飛行船を成層圏に到達可能とする技術及び定点に滞空する技術を確立し、関連する飛行試験を開始すること。
平成15年度の事業実施状況 (総括:本年度の目標に対する達成状況、来年度以降の課題)
 当初計画に従って必要な要素技術開発を行うとともに、飛行試験機の設計・製作作業を進捗させ、平成15年度夏期には成層圏滞空飛行試験を実施した。また定点滞空飛行試験に備えた試験機の製作、機能確認試験等を実施した。平成16年度は定点滞空試験機を用いて繰り返し飛行試験を実施することが課題となる。

(具体的な事業実施内容)
1.成層圏滞空飛行試験
 昨年度領収した試験機について機能確認試験等の準備作業を行い、平成15年8月4日未明に本試験を実施した。日立実験場より離陸した後予定通りの飛行を行って予定の高度15kmに到達し、約30分間成層圏に滞空した後降下に入り、無事に着水回収を行った。最大到達高度は16,400mであった。飛行試験中に計測した飛行船の挙動、材料・構造データ等を解析した。また、回収した飛行船より採取した膜材等のサンプルについて、強度試験等を行った。

2.定点滞空飛行試験
 試験機の製造・組立・浮上機能確認試験等を実施し、平成16年6月現在、飛行試験に備えて地上確認試験等を実施中である。製造・組立と平行して維持設計および設計変更に伴う審査等を行った。また、航空法11条但し書きによる飛行許可を得るため、国土交通省航空局と調整を行っている。

3.大気採取測定システム
 大気採取計測システムについては、成層圏滞空試験機に搭載し、大気中の二酸化炭素濃度を測定することを試みたが、不具合が生じて観測できなかった。不具合の原因について、成層圏滞空飛行試験原因究明合同チームにおいて検討を行い、原因の究明を行うとともに、今後の試験研究に向けての提言を受けた。

4.要素技術開発
 成層圏飛行船の要素技術として、太陽電池装備技術試験、一体型1kW級再生型燃料電池システムの試作、評価試験等を行った。

5.実験場・地上設備整備
 日立実験場を成層圏滞空飛行試験に供したのち、終了後に格納庫の解体を行った。また、定点滞空飛行試験を行う大樹実験場の整備を実施したが、受領直前の十勝沖地震(平成15年9月)により格納庫等に損傷を受け、追加工事を行った。

6.その他
 評価・助言会議の助言に基づき平成15年度に発足した関係機関技術連絡会を定期的に行い、関係機関間の調整を密にすると共に必要に応じて調整部会、分科会を設置して詳細な検討を行った。また、産学官の連携のもとに研究開発を推進するための開発協議会を開催した他、国際会議における研究発表を行うなど、広報活動に努めた。

平成16年度以降の事業実施計画・方針(本年度の改善点)  定点滞空飛行試験については、試験機の機能確認試験等を行った後、7月から11月にかけて繰り返し飛行試験を実施する。

 また、成層圏飛行船に必要なシステム・要素技術研究を引き続き実施する。

 また、定点滞空飛行試験に必要な大樹実験場の維持管理を引き続き行う。
関係機関や民間との連携の状況  本施策は文部科学省総務省及びその関係機関である独立行政法人宇宙航空研究開発機構(旧・航空宇宙技術研究所、宇宙開発事業団)、独立行政法人情報通信研究機構(旧・通信・放送機構)、独立行政法人海洋研究開発機構(旧・海洋科学技術センター)との密接な連携により実施。また、産学との連携を図るため成層圏プラットフォーム開発協議会が設けられ、本事業の方針検討、評価、普及活動などを実施。宇宙航空研究開発機構においては客員研究員、招聘研究員の制度を利用し、産学との人材交流を積極的に実施。
当該テーマにかかる外的な研究環境(国際動向、研究動向等)など参考事項  平成17年2月23日、24日に、「第5回成層圏プラットフォームワークショップ」を開催予定。
平成15年度所要経費
平成16年度予算措置
平成15年度: 2,354百万円
平成16年度: 1,048百万円


ミレニアム・プロジェクト「成層圏プラットフォーム」事業実施報告書

【府省名:総務省】

事  項説     明
実施施策名 成層圏プラットフォーム(追跡管制分野)
実施目標  飛行船の追跡管制に必要な風観測・予測システム、飛行・運用シミュレータ等の各要素技術の開発・評価等を実施し、これら要素技術を統合した成層圏プラットフォーム運用のための追跡管制技術を確立する。
平成15年度の事業実施状況(総括:本年度の目標に対する達成状況、来年度以降の課題)

1.システム技術
 定点滞空飛行試験に向け、追跡管制設備(TTRAC)、風観測・予測技術(MEWS)及び飛行・運用シミュレータ(FLOPS)相互間のインタフェースを構築し、追跡管制システム(ITACS)の開発・構築を完了した。システム実証試験として、ドルニエ機による飛行試験を実施し、TTRACの機能・性能を確認した。引き続き、定点滞空飛行試験機の飛行試験におけるITACSの運用への最終調整を行っていく必要がある。また、運用方法の検討を進め、進行手順案をまとめた。今後、更に検討・調整を経て具体化する必要がある。

2.風観測・予測技術(MEWS)
 成層圏滞空飛行試験においては、詳細・的確な局地予報等を提供できる環境を整え、成層圏プラットフォームの飛行試験に要求される気象観測予測情報を提供、成層圏滞空飛行試験の成果に大きく寄与した。定点滞空飛行試験に備えた局地気象の観測、開発した局地予測モデルの予測精度評価、地上風の予測精度向上を行った。引き続き、局地気象の観測、取得データの解析によるデータの蓄積を行っていく必要がある。

3.飛行・運用シミュレーション技術(FLOPS)
 定点滞空試験機設計進捗に伴う機体モデルのFLOPSへの組み込みを行うとともに、飛行船パイロット等による試験、評価・検討を行い、良好な操作性及び視認性並びに最適な飛行情報の取得を実現するための改修を実施した。更に、FLOPSの大樹町実験場への据付、ITACSへの統合・調整を実施した。今後は成層圏プラットフォームの飛行・運用シミュレーション技術の基盤確立に向け、総合的な評価を行う必要がある。

注)ITACS : Integrated Tracking And Control System(追跡管制システム)
TTRAC : Telemetry, TRAcking and Command subsystem(追跡管制設備)
MEWS : MEteorological, especially Wind observation and prediction (Sub)System (風観測・予測システム)
FLOPS: FLight and OPeration Simulator(飛行・運用シミュレータ)

(具体的な事業実施内容)
1.システム技術

(1)追跡管制設備(TTRAC)
 平成14年度に引き続き、TTRACのハードウェア、ソフトウェアの製作・単体試験を実施した。搭載テレメトリコマンド装置、航法システム、航空交通監視用中継器(ATCトランスポンダー)及び搭載用GPSゾンデの製作・試験を完了し、飛行船本体側に引き渡した。地上テレメトリコマンド装置の主系及び従系は、製作・試験を完了して11月には大樹実験場への整備を完了した。12月にはシステム実証試験(ドルニエ機による飛行試験)を実施して、これらの機器・装置の機能・性能を確認した。
 更に、主に計算機とソフトウェアで構成した運用管制、運用計画及び地上設備監視制御の各装置等について、テレメトリコマンド処理、地上設備の監視制御に必要なソフトウェアの製作・試験を終了するとともに、運用端末の表示画面の評価確認を行い、その結果必要となった改修を行った。

(2)追跡管制システム(ITACS)
 平成15年度は、TTRAC、MEWS及びFLOPS相互間のインタフェースを構築し、各装置の間でテレメトリ及びコマンドデータ、その他の制御情報が正常に授受できることをシステム実証試験により確認し、ITACSの開発・構築を完了した。
 これらと並行して、航空法に基づく飛行許可の取得に必要なITACSの耐空性基準への適合性の立証を行っている。

(3)運用方法の検討
 SPF関係機関技術連絡会定点システム設計・運用調整部会において、定点滞空飛行試験における作業内容、作業分担、試験実施体制等の検討・調整と併せて進行手順の検討を行い、これらをシーケンス・オブ・イベント(SOE)の一次案としてまとめた。

2.風観測・予測技術(MEWS)

(1)成層圏滞空飛行試験における気象情報提供
 成層圏プラットフォーム運用への気象情報提供技術実証のため、成層圏滞空飛行試験で気象観測予測情報の提供を行った。飛行試験期間中は、TAO(当時)より気象予報士である研究者2名と班長他2名が気象班として実験隊に加わり、7月初めから日立実験場において作業を実施した。
 日立実験場では、今まで実験場に整備してきたドップラーソーダ(高度400mまでの風向風速測定)、地上風観測装置に加え、GPSゾンデ(高度15kmまでの気温、湿度、風向風速測定機器)及びパイロットバルーン観測システム(高度2kmまでの風向風速測定)、専用回線を使用したオンライン気象情報兼GPV(気象庁数値予測)受信端末を配備し、更に日本気象協会から局地予報を配信して、必要な観測予測情報を収集した。これらのシステムを用いて、主にGO/NOGO判断時に必要な気象情報を実験隊に提供した。これらにより、効率的な飛行試験実施が可能となり、併せて風観測・予測技術の研究開発方針の妥当性を確認できた。

(2)風観測・予測システムの評価
 大樹実験場において無人運用中であったMEWSは、平成15年9月26日早朝の十勝沖地震に伴う点検整備のために短期間の欠測が発生した以外は、特に大きな問題もなく、現在も気象観測・予測データの蓄積を継続中である。
 定点滞空飛行試験における気象情報提供に先立ち、開発した局地予測モデルの予測精度評価を行い、観測データとよく合っていることを確認した。また、気象庁との連携のもと、地上風予測にカルマンフィルタを導入し、予測精度の向上を図った。

3.飛行・運用シミュレーション技術(FLOPS)

(1)定点滞空飛行試験機の機体モデル組み込み
 定点滞空試験機の設計進捗に伴って、定点滞空試験機の機体モデルは飛行制御則を含めて更新された。これをFLOPSの飛行経路予測シミュレーションプログラム及び実時間処理飛行シミュレーションプログラムとして組み込み、最新状態の定点滞空試験機の飛行シミュレーションを可能とした。

(2)地上無線操縦者とのインタフェースの改修
 定点滞空試験機の設計進捗に伴って、試験機の操縦入力および飛行状態情報表示の詳細を調整・確定した。これらの情報をシミュレーションにも反映するとともに、特にFLOPSの地上無線操縦者とのインタフェース部分について、定点滞空試験機の円滑・安全な運用を実現するために必要な改修を行った。
 改修方針の検討に当っては、飛行船パイロット等による評価試験を実施し、その結果を踏まえて定点滞空試験機の運用に適した外部視界画面、計器表示画面の表示内容及びその画面内配置を検討した上で、計器表示画面と外部視界画面との分離、計器の配置変更及び追加並びに航法支援機能の追加を含む地図表示画面の改修を行った。改修の結果が定点滞空試験機の遠隔操縦に適したものであることを、マン・マシンインタフェース確認試験を実施して確認した。

(3)総合調整
これまでに製作した各機器を大樹実験場に設置し、単体動作及びITACSとしての各サブシステム間インタフェースの最終確認を実施した。

平成16年度以降の事業実施計画・方針
(本年度の改善点)
 平成15年度の研究開発の成果を踏まえ、各技術の研究開発を継続する。

1.システム技術

(1)提示される定点滞空試験機の最新の設計情報、試験手順情報(データベース)をTTRACへ変更登録する。

(2)ITACSと定点滞空試験機とのインタフェースの確認、ミッション機器を含むend-to-endの確認を実施する(地上確認試験)。

(3)飛行試験のための準備作業(SOEの見直し、飛行試験手順書の作成、訓練・リハーサル等)を実施する。

(4)定点滞空飛行試験を関係機関と協力して実施し、ITACSを運用して試験実施に寄与するとともに、飛行試験データを取得する。

(5)ITACSに関わる飛行試験データを解析し、ITACS及び運用技術の評価を実施して研究開発成果を取りまとめる。

2.風観測・予測技術(MEWS)

 本年度の、実際の飛行船運用に対する気象情報の提供により、飛行船が安全に運用可能な場合の気象情報、運用不可な場合の気象情報のデータベースを蓄積し、将来の成層圏プラットフォーム運用に対する気象情報提供方式を確立する。

3.飛行・運用シミュレーション技術(FLOPS)

(1)FLOPSへ組み込んだ機体モデルの最終確認を行う。

(2)定点滞空試験機、ITACSを含めた総合確認を行う。

(3)運用模擬及び操縦訓練(操縦及び自律制御飛行)による確認を行う。

(4)定点滞空試験機の運用計画立案、実運用及び運用結果の評価を行う。

(5)(1)〜(4)により技術データを取得し、飛行・運用シミュレーション技術の総合的

な評価を行う。

関係機関や民間との連携の状況  本施策は総務省、文部科学省及びその関係機関である独立行政法人情報通信研究機構(旧・通信・放送機構)、独立行政法人宇宙航空研究開発機構(旧・航空宇宙技術研究所、宇宙開発事業団)及び独立行政法人海洋研究開発機構(旧・海洋科学技術センター)との密接な連携により実施。また、産学官の連携を図るため成層圏プラットフォーム開発協議会が設けられ、本事業の方針検討、普及活動などを実施。独立行政法人情報通信研究機構においては、招聘研究員、特別研究員等の制度を利用し、産学との人材交流を積極的に実施。
当該テーマにかかる外的な研究環境(国際動向、研究動向等)など参考事項  平成17年2月23日、24日に、「第5回成層圏プラットフォームワークショップ」を開催予定。
平成15年度所要経費
平成16年度予算措置
平成15年度:1,051百万円
平成16年度:  650百万円の一部