(内閣官房)
○ミレニアム・プロジェクト自身は関係省庁が集まって大規模な調査研究を一緒に行うということで、余りこれまでに例がないようなやり方で行い、非常に手探りな状況もあった中でそれなりの成果は出せた。また、ともすれば国の調査研究でありながらこれまでは必ずしも外部に対する透明性がなかったが、事業の中間段階での評価の公表といった仕組みを取り入れたことは、そういう透明性を増していく、制度の調査の質も上げていくという意味で非常に意味があった。
○特に、せっかく新しく関係省庁が集まって取り組み、昨年度の評価・助言においても連携するように言われてそれなりにやったつもりだが、今から考えるともう少し連携をとり、お互いがやっていることについても十分理解することにより、自分たちのやっているところも理解しながら実施する、といったことが必要だった。
○目標達成の評価法が厳密で透明なものとして共通に準備されていなかったということは、非常に難しい点ではあるが、せっかく大きな予算でやる以上は必要なことと感じている。また、お互いに連携することを通じて、個別に改善すべきとされた点についても相当クリアできた面もあったと思っている。
○このプロジェクトが発足したときにはなかったが、その後、循環型社会形成推進基本法が成立し、その中で国の循環型政策の基本となる事項を定める循環型社会形成推進基本計画を、環境省が中心となり平成15年3月までにつくることになっている。今後の課題として、いろいろな助言も踏まえ、また今回の成果が十分計画の中に生きるよう、関係省庁において取り組んでいく必要がある。また、循環型社会形成推進の年次報告(循環白書)の国会報告などの点検作業も通じて、調査研究を国として連携して総合的にやっていくことが必要である、と考えている。
(内閣府経済社会総合研究所)
○「1.世界の先進事例調査」及び「2.基礎データの収集整備、経済・社会制度的課題の解明調査研究」について。事業の意義としては、今回のプロジェクトは国際共同研究ということで国内外の研究者・研究機関と共同研究体制をとって「循環型経済社会」というものを考えた点が挙げられる。本プロジェクトを通じて客観的な研究が多面的にできたと自己評価をしている。
○今回のプロジェクトでは計4回の国際フォーラムを開催したが、その過程において日本国内の事情、海外の事情を相互に理解し合い、日本から情報発信が十分にできたという点で、意味があった。
○本プロジェクトは、単視眼的な唯一の答えを出すことを目的としておらず、1つの問題にも複数の解決策があり得る、それを客観的に議論したいという観点から始めているので、その観点でも多少今までと違う議論ができたのではないかと自負している。
○プロジェクトをデザインした段階で、循環型とは廃棄物問題、環境問題であるという理解から始めたが、実際、研究を行ってみて環境問題、廃棄物問題というのは地球環境問題の一つの取っ掛かりであって解ではないということが分かった。反省点としては、もう少し幅広い観点から議論をしてもよかったのではと思う。
○今後の課題としては、経済財政諮問会議に昨年度できた循環型専門調査会と共同歩調を合わせながら調査会からの提言を踏まえて廃棄物問題を更に研究するなど、相互に連携をとりながら政策に反映をさせていきたいと考えている。
○今回得られた成果は、ホームページのみならずCD−ROMで配布可能としている。
○本プロジェクトを通じて、ドイツ、イギリス、オーストラリア、イタリア、アメリカ、タイ等々の研究所とのネットワークができたので、そのネットワークを使いながら今後もこうした研究活動を続けていきたい。
(環境省)
○「3.欧米のリサイクル先進国における関連制度、国民意識等調査」について。本調査については、中長期的な視野に立って具体的な政策提言につなげていくための更なる解析などが必要であるという認識。また、今後定常的に情報を収集していくための基盤整備はできたが、欧米においても新しい動きが刻々と進んでおり、今後即時的な情報収集を行うための予算確保と調査実施が課題である。
○「4.循環型社会の構築のための基礎的情報収集整理」について。調査で得られた成果について循環型社会形成推進基本法に基づく循環型社会形成推進基本計画の策定における数値目標を設定する際に活用するとともに、定期的に更新を行っていくこととしている。本日開かれた中央関係審議会の循環型社会計画部会においても同様の議論がされているところ。
○「5.廃棄物対策を中心とした循環型社会に向けての展望と政策効果に関する定量的分析」について。事業の意義としては、物の流れや物質、経済といったものの評価を構築できた。ただ、幾つか反省点、課題点もある。特にデータベースの構築等の強化については、EPA(米国環境保護庁)やOECD(経済協力開発機構)といったところで既にデータベースの収集に関する提案等もあり、できるだけそういった枠組みに従いながらデータの収集、更新と評価をしていきたい。また、企業管理ということで企業との関係についても、先週行った公開シンポジウム等でも企業がいかに参画するのかという企業側からの強い要請等があるので、一つ一つ応えていきたい。個々の研究それぞれのサブテーマについてはそれなりの評価が出ているが、全体の評価あるいはこの事業以外の評価との関係が薄いという点について、現在最終的にいろいろなことを踏まえて取りまとめを行っている。
○「6.リサイクル向け排出物に係る要対策事項調査」について。今後の課題としては、特にESM (Environmentally Sound Management)については今後もOECDの場において検討が進められていく概念であり、引き続き調査・検討を行うことが課題であると考えている。また、リサイクルが進められたものが市場において普及していくための阻害となる経済性の問題や、リサイクルを実施するに当たっての環境影響についての調査・検討は重要な課題であり、中長期的視点と相応の費用により情報収集、調査、解析・検討を行っていくことが課題と認識している。
○「7.循環型社会構築のための静脈産業のあり方の検討」について。今後の課題は、本調査を踏まえ、静脈産業育成のための政策課題の抽出・提言策定などにつなげていくということが必要である。
○「8.リサイクルシステム推進事業(a)容器包装廃棄物排出実態調査」について。課題は、容器包装廃棄物の排出実態調査に関して、今後継続して調査を実施することにより容器包装リサイクル法の施行に伴う家庭ごみに占める容器包装廃棄物の量的・質的な変動を的確に把握する必要があると考えている。また、調査対象とする市町村についても地域性・人口規模などを考慮して現在も選定しているが、政令指定都市に関しても実態を把握する必要がある。市町村が自主的に実施しているごみ質調査の結果についても幅広く収集し、その補完に役立てる必要があると考えている。市町村の費用負担の実態把握に関しては、今後本法の関係者間の役割分担を踏まえる上で極めて重要なデータであり、人口規模や分別収集の形態を踏まえ、全国規模での実態が的確に把握できるよう、さらなる調査・検討が必要である。
○「10.環境研究技術の情報収集及び評価体制に関する調査」について。事業の意義としては、情報収集や評価の施行体制の在り方を取りまとめ、今後実際に情報収集、それから評価を進めていく上での基礎ができたことが挙げられる。反省点としては、技術の情報収集に当たってその技術の進歩を的確にフォローして情報を更新していく方法についての十分な検討ができなかった点、技術評価の手法・体制の在り方について一般論的な提案にとどまっている点、技術評価における総合評価や定量評価といった課題について十分な検討ができなかった点などがある。今後の課題については、情報収集、評価の手法・体制について、更により詳細に検討し、その上で実際にその情報収集評価の事業をモデル的に行い、最終的に評価手法・体制を確立していく必要がある。国連環境計画の環境上適正な技術に関する取組など、国際的に環境技術の評価、情報発信の取組が行われており、こういった取組との連携を意識して進めていく必要がある。総合評価や定量評価、情報収集において常に最新の技術情報が自律的に集まるようなシステムの構築についても、更に検討を進めていく必要がある。
○「11.廃棄物等による環境汚染修復技術実証調査」について。今後の課題は、本事業について個別の問題に対する対策を検討するための調査として、その意義や調査方法等についての適切性は評価してもらっている。循環型社会の形成のためには廃棄物の適正な処理の確保が不可欠であり、そのための個別具体的な問題への対応方策として実験的、理論的なアプローチが重要である。その廃棄物の処理に係る個別具体的な問題について、硫化水素以外の物質を対象とするなど、予防的観点からの調査研究が課題である。プロジェクト全体の達成目的の中で個別事業の達成目的や位置付けを事前に明確化しておくことが必要である。廃棄物の処理に係る基準については社会科学的観点とは別に、自然科学的観点から検討される部分であり、本事業は安定型最終処分場における硫化水素発生問題に対する対策の検討として自然科学的根拠の裏付けの下で実施したものであるが、一方、廃棄物の処理と経済社会との関係としては、廃棄物の排出者による処理責任の明確化などのように、別途制度論として研究することが必要である。
○「12.環境低負荷・自然循環型水環境改善システムに関する調査研究」について。霞ヶ浦をモデルとして水循環を明らかにして、それに乗る形で物質循環が明らかになり、それを用いて対策技術のパフォーマンスあるいはそのコストの部分でシナリオをつくっていくところまでは達成できたのではないかと考えている。排水処理対策技術の中で発生してくる汚泥や生ごみの取扱いの部分が非常に不十分で、地域における、例えば窒素・リンの受入れ可能量というような切り口でいわゆる物質循環の部分を処理をしたために、非常に環境低負荷という部分で見にくくなっており、今後はその辺を特に追加し、個別に発生する汚泥の処理方法や収集システムについて整理していきたい(特に生ごみについては、生ごみそのものを水処理側で現在の収集処理システムから水側で受けた場合に有機の物質循環がどうなるのかという点)。
また、本研究では排出の削減は見ていたが、排出されたものに対する湖側の応答という部分が欠けていたので、その辺のところもモデル的につなげていって、より反射<?>の高いものにしていきたい。
○「13.リサイクルシステム推進事業(b)分別収集の品質向上方策調査研究事業等」について。今後の課題としては、市町村における分別収集の促進やその高度化を一層進めるため、先駆的な取組を行っている市町村の状況に関する経時的な実態把握のための情報収集、またその結果を幅広く関係者にフィードバックをするための仕組みづくりがある。また、平成13年度末で既に分別収集を実施する市町村は全体の9割を超えているが、プラスチック製容器包装など取組の遅れている品目もあり、市町村に対して財政的、技術的な支援にとどまらず、分別収集の促進に向けたインセンティブの付与(例えばごみの流用化<?>)など社会システム全体から見た幅広い検討が課題。将来的には分別収集を促進、徹底していくには小中学生向けの教育の推進も重要であると考えており、環境教育の在り方を検討することも課題である。
(経済産業省)
○「9.環境ビジネス促進等調査研究 (1)環境会計」について。内部環境管理会計の手法について研究したものであるが、意義としては、実際の企業の方に協力を得て、企業等において使用できる手法を提案することができたということ。また、この成果を海外に情報提供し、特に国連貿易開発会議の環境会計プロジェクトに提出したところ、ワークブックとして情報提供される予定となったと承知している。また、環境省の外部環境会計に対して内部会計ということで、2つのコマをそろえることができたのではないか。反省点は、企業において使える手法を開発したが、一般の企業においては経理部門ではなく環境対策の部分から情報収集をしており、データを別個に1つソフトをつくる必要がある<?>ということ。ケーススタディについては、実際にケーススタディを行った場合は非常に有効であるという結果が出たが、協力企業の数が限られており、業種、業態を超えると使用が難しいということで、有効性については確認できていない。今後の課題としては、セミナー等を多く開催して、広く有用性をアピールして普及に努めていく必要がある。また、ケーススタディということで数を少し増やして、データの精緻化を図って、できれば講習会等に参加した企業等に追跡調査等を行って、アフターケア等もできればと考えている。
○「(2)地域環境ビジネス」について。地域に密着した環境ビジネスの円滑な物質循環とか、静脈産業発展のための制度的課題を明らかにするということを目的として、地方経済産業局を単位として事務委任というような形で実施してきた。経済ブロックごとの地域特性を踏まえた環境ビジネスの具体的事例について研究を行い、それなりの意義があった。一方、個別リサイクル法の施行等によって社会が変わり、地方経済産業局ごとのブロックを超えた制度的な課題等が新たに生じてきていることが反省点となって、今後は全国的視野に立った統一的なテーマを選定して調査研究を行う必要があるのではないかと思っている。いろいろ調査をしたが、なかなか各種の施策に結び付いていないことが反省点として挙げられる。
(文部科学省)
○「14.資源循環型社会の実現に資する環境負荷を逓減する物質・材料に関する調査研究」について。今後の材料開発はどうあるべきかという観点から調査を行った。事業の意義については、環境負荷や発生量の現状、それらの削減に寄与する技術、動向といったものが明らかになったこと、また産官学の連携体制を重視して、今後の研究開発における重要点を提言としてまとめたことが挙げられる。反省点としては、産官学の連携体制を重視したわけであるが、提言にまとめる段階で具体的な点について関連業界との対話が不十分ではなかったかと反省している。今後の課題としては、研究という観点でいうと、いかにこれを既存のプロジェクトあるいは将来の研究に生かしていくかが重要。また調査という観点でいうと経済性あるいはリサイクルコストということも含めた総合的な評価の検討が必要。更には東アジアを中心とした国際連携的な調査ということも今後考えていかなければいけないと考えている。
○委員の先生方からも成果の普及の重要性が指摘されているが、ホームページなどで既に普及に努めており、今後とも学会あるいはシンポジウムなどを通じて産官学への幅広い普及に努力していきたい。