総理のひとこと

 皆さん、森喜朗です。この度、官邸ホームページをとおして、皆さんに直接お話をさせていただく機会を設けました。

 私は、新内閣発足に当たり、21世紀に向けた「日本新生プラン」を打ち出しました。本日は、この中で、情報通信技術ITについて少し、お話したいと思います。

 今日の日本のインタ−ネット利用人口が約2700万人、2005年には約7600万人になるといわれております。このITは国民生活や産業構造そのものに大変大きなインパクトがあると予想されます。私は、IT技術による恩恵を子どもからお年寄りまで、国民一人一人が享受できるようなIT社会の実現を目指していきたいと考えています。

 このような話をしますと、何かパソコンに馴染みのない世代、私を含めてですが、疎外感があるのではないかと思います。何を隠そう私自身もパソコンが自由に使えるわけではありませんが、ただ今、勉強をしているところであります。使ってみるとパソコンは思ったほど難しくありません。ですから、必ずしもパソコンに馴染んでいない世代の方々にも是非挑戦していただきたいと思います。なぜなら、IT社会は、現実にそこまできているからです。

 また、IT社会とはどういった社会なのか、なかなかイメージできないのではないかと思います。ITが定着した社会とは、例えば、老人ホームなどで孫とパソコンで通信したり、お孫さんの顔を見ながら話ができる。遠く海外にいるお父さんとも、瞬時に電子メールで文字をとおし、また音声や画像をとおし、連絡できる。また、インターネットを通じた電子商取引、家にいながらにして好きな商品を簡単に購入することができる。役所への届けや書類を入手するなど、さまざまな知りたい情報がすぐにアクセスすることができる。こうした豊かな、質の高い国民生活ができるわけです。

 一方、産業においても同様です。ネットワークを通じた新しいビジネスやベンチャー企業の進展、また、こうした産業に牽引されて、既存の産業もネットワークを利用することによって、調達方法や販売の仕方が大きく変わってきます。まさに国境のない企業活動が生まれてくるわけです。これらは、好むと好まざるとに係わらず、中小企業もこうしたうねりに直面しているわけです。

 また、政府においても、同様です。現在、8800の許認可手続きがあります。こうしたものも電子化していく。それによって、例えば、居ながらにして納税手続きが可能になり、住民票の申請や発行ができる。こうした、電子政府も進めていきたいと考えています。

 私としては、国民生活や産業活動に大きなメリットがあるよう制度的な環境整備や阻害となるような法律のしくみの見直し、セキュリティーの問題や国際ルールづくりへの貢献など、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。このため、内閣にIT戦略本部を設置し、私が本部長となり、民間の方々のご協力もいただき、そこでのご提言なども踏まえ、21世紀に向け皆さんと共に、豊かな社会を築いてまいります。

平成12年7月17日