内閣総理大臣演説等

内閣総理大臣の談話


 

 前内閣総理大臣小渕恵三氏は、先程逝去されました。

 小渕恵三氏は、わが国経済が極めて深刻な状況にあるときに内閣総理大臣としての重責を担われ、日本経済の新生をはじめとする内外の重要政策に果断に取り組んでこられました。わが国経済が自律的回復に向けて明るさを増してくるなど、その努力は徐々に実を結びつつありました。各国とは積極的に首脳外交を展開され世界の平和と安定に全力を傾注されてこられました。

 このたびの私のG8各国訪問の際、各国首脳から、小渕前総理の国際平和や九州・沖縄サミット開催に対する深い思いに高い評価を頂きました。

 九州・沖縄サミットは、未来を志向し、万感の思いを込めて開催を決断されたのであります。その成功を見ることなく逝かれたことは、真に無念の極みであります。私どもは、前総理の思いを継いで、その成功に向けて最善を尽くしてまいります。

 また、小渕前総理は、二十一世紀の日本のあり方、進むべき方向に心を砕かれました。今日の社会の様々な現象にいち早く心を痛められ、「富国有徳」の国造りのために、有識者をはじめ各界の意見を集約して二十一世紀の日本国家像を示されるとともに、教育改革、社会保障構造改革などの検討を積極的に進めてこられました。

 人を批判することなく、多くの人の意見に耳を傾けられていた真摯な前総理のお姿は、私の脳裏に強く焼き付いております。
 日本をこよなく愛したこの指導者の訃報に接し、悲しみの念を禁じ得ません。

 ここに国民の皆様とともに、心から哀悼の意を表します。


                            平成12年5月14日

                                 内閣総理大臣  森  喜朗