平成十二年七月四日
初閣議に際し、私の所信を申し述べ、閣僚各位の格別のご協力をお願いする。
一 本内閣がまず成し遂げなければならないのは、間近に迫った九州・沖縄サミットを成功させることである。内閣を挙げて全力で取り組んでいただきたい。
二 二十一世紀に向けて、日本の国づくりはこれからが正念場であり、私は、本内閣を「日本新生内閣」と銘打って、「安心して夢を持って暮らせる国家」、「心の豊かな美しい国家」、「世界から信頼される国家」の実現に最大限の努力を尽くしていく決意である。今後「日本新生プラン」を具体化し、早急に実施に移していきたいと考えているので、閣僚各位の格段のご協力をお願いしたい。
三 とりわけ、景気の本格的な回復は現下の最大の課題であり、引き続き雇用の確保に努めるとともに、当面の対策として、公共事業等予備費を早急に執行していくこととしているので、ご協力いただきたい。また、経済発展の起爆剤となりうるIT革命の推進、産業や都市の新生、規制緩和等による経済構造改革の推進、司法制度の改革にご努力いただきたい。
社会保障や教育の改革についても、国民の意見を幅広く聞きながら、総合的かつ中長期的な視点に立って、積極的に取り組んでいただきたい。
四 来年一月六日の中央省庁等の再編まで残り半年となったが、再編が円滑に実施できるよう、一層のご努力とご協力をお願いしたい。また、こうした改革が狙い通りの効果を発揮するためには、制度や組織を実際に担う職員の資質の向上を図ることが重要であることから、省庁間の人事交流を積極的に推進し、各省庁間の緊密な連携の強化と広い視野に立った人材の養成を図っていただきたい。
地方分権の推進や国家公務員定数・行政コストの削減についても引き続きご努力いただきたい。
国民に対する行政サービスの向上に努め、国民本位の行政の確立にご尽力いただくとともに、行政に対する国民の信頼の確保や職員の綱紀の保持に万全を期していただきたい。
五 来年度予算の編成については、省庁毎の予算配分がもたらす財政の硬直化を打破し、財政の効率化と質的改善を図るため、政府・与党による「財政首脳会議」を開催し、総理のリーダーシップをより強く発揮できるような新しい方法で行うこととしているので、閣僚各位のご協力をお願いしたい。
六 北海道有珠山や東京都三宅島・神津島近海の噴火地震対策をはじめ、自然災害や事故などの危機管理と被災された方々への支援に万全を期していただきたい。
七 国政遂行に際しては、閣僚各位の所管、立場等にとらわれることなく、活発に議論していただきたい。しかしながら、内閣は、憲法上国会に対して連帯して責任を負う行政の最高機関であることから、内閣として方針を決定した場合には一致協力してこれに従い、内閣の統一性及び国政の権威の保持にご協力いただきたい。