平成十二年十二月五日
この度、私は、内閣改造を断行いたしました。今回の改造により、来年一月六日の中央省庁改革を見据え、二十一世紀に万全のスタートをきることができるよう、改革の趣旨を体現できる強力な体制を整えることといたしました。
新たな世紀を迎えようとするいま、私は、国民が未来に向かって「安心して夢を持って暮らせる」国づくりを目指し、国政の舵取りを進めてまいります。そのためには、まず、景気をしっかりとした自律的回復軌道に乗せることが緊要であり、先の国会で成立した補正予算を始めとする「日本新生のための新発展政策」を速やかに実施に移すとともに、来年度の予算編成、税制改正等により、的確な経済財政対策を講じてまいります。
また、二十一世紀の新たな発展基盤を構築するため、引き続き、IT革命の推進、環境問題対応、高齢化対策、都市基盤整備の「日本新生プラン」の重要四分野について、戦略的な施策展開を図るとともに、これら変化に対応した経済構造改革を着実に推進してまいります。特に、IT革命の推進については、早急に基本法に基づく「重点計画」を策定し、集中的に制度改革等を実行してまいります。
さらに、私は、世紀の節目に当たり、中長期を展望し、国づくりの基ともいうべき教育や社会保障の問題に真正面から取り組み、広く国民に明確なビジョンを提示し、国民的な議論に根ざした改革を進めていく決意であります。来る通常国会は、「教育改革国会」と位置付け、一連の教育改革関連法案を提出する方針であります。
避難が長期化している三宅島の噴火を始めとする災害について、被災者の生活支援と復旧対策に万全を期してまいります。
外交については、機軸たる日米関係の安定のため、来年一月に就任する新大統領との信頼関係の構築に努めるとともに、日露平和条約交渉について、プーチン大統領との交渉の積み上げの上に立ち、最大限の努力を傾けてまいります。また、中国、韓国、ASEANを始めとするアジア諸国との関係の発展を図り、米韓と緊密な連携のもとに、北朝鮮との国交正常化交渉に粘り強く取り組むなど、アジア太平洋地域の平和と安定に努力してまいります。
私は、省庁改革を機に、内閣の首長として、一方で、行政の減量・効率化、政策評価や規制改革等の行政改革を進めつつ、国民の立場に立って、新しい組織に魂を吹き込んでまいります。また、経済財政政策、総合科学技術政策を始めとする国政の要諦については、内閣府の発足を見据え、確固たる指導性を発揮し、責任を全うしていく所存であります。
私は、「国民とともに歩み、国民から信頼される政府」を信条として、初心に立ち返り、謙虚に国民の声に耳を傾け、内外の重要課題にひたむきに取り組んでまいります。
国民の皆様のご理解とご協力を心からお願いいたします。