内閣総理大臣演説等

内閣総理大臣説示

平成十二年十二月五日



 初閣議に際し、私の所信を申し述べ、閣僚各位の格別のご協力をお願いする。

一 二十一世紀に万全のスタートをきるため、来年一月六日の中央省庁改革を見据え、予算編成等に一貫して取り組める体制を敷くこととした。

二 閣僚各位は、省庁改革後を見通し、その本旨である「国民の立場に立った総合的、機動的な行政」を常に心に留め、新組織が円滑にスタートできるよう、行政各部を督励し、セクショナリズムを排し、連帯感の醸成と使命感の喚起に努め、改革のメリットを国民にとって確かなものとするため、全力を挙げて取り組んでいただきたい。また、並行して進められる行政の減量・効率化、政策評価や規制改革等の行政改革にも格段のご尽力をいただきたい。

三 内閣にとって、当面の最優先課題は、景気を確実な自律的回復軌道に乗せることである。このため、補正予算等「日本新生のための新発展政策」を速やかに実施し、引き続き、来年度の予算編成、税制改正等に取り組んでいかなければならない。経済財政の運営に当たっては、二十一世紀の新たな発展基盤を構築するため、IT革命の推進、環境問題対応、高齢化対策、都市基盤整備の「日本新生プラン」の重要四分野について、戦略的な施策展開を図るとともに、これら変化に対応した経済構造改革を着実に推進願いたい。

四 とりわけ、IT革命の推進については、早急に基本法に基づく「重点計画」を策定し、時期を逸することなく、超高速ネットワークインフラ整備及び競争政策、電子商取引ルールと新たな環境整備、電子政府の実現、人材育成の強化といった重点政策分野において、集中的に制度改革等を実行していただきたい。
 また、IT革命の推進等に伴う事後監視型行政への転換等の経済社会の変化に対応し、司法が国民にとってより身近で利用しやすい制度として、十分機能が発揮されるよう、積極的に改革に取り組んでいただきたい。

五 「心の豊かな美しい国」の礎である教育の問題については、教育改革国民会議等の国民的議論を踏まえ、幅広い改革を実行していく決意であり、通常国会を「教育改革国会」と位置付け、関連法案を提出していく方針であるので、全力を挙げて取り組んでいただきたい。

六 社会保障については、有識者会議の報告を踏まえ、今後、与党とも連携を図りながら、国民が「安心して夢を持って暮らせる国」を築くため、関連諸制度との関係も含め、総合的な観点から改革の方向を検討していく方針であるので、関係閣僚のご協力をお願いする。

七 避難が長期化している三宅島の噴火を始めとする災害について、被災者の生活支援と復旧対策に万全を期されたい。

八 内閣は、憲法上国会に対して連帯して責任を負う行政の最高機関である。国政の遂行に当たっては、所管や立場にとらわれず活発な議論を期待するが、内閣として方針を決定した以上は一致協力してこれに従い、内閣の統一性及び国政の権威の保持にご協力いただきたい。