森 内閣総理大臣演説等

内閣総辞職に当たっての内閣総理大臣談話

平成十三年四月二十六日

 森内閣は、本日、総辞職いたしました。

 私は、昨年四月、病に倒れられた故小渕総理のあとを受けて、内閣総理大臣に就任して以来一年余りの間、わが国と国民生活の将来に希望と活力をもたらすよう「日本新生」を内閣の目標として掲げ、諸般の課題に全力で取り組み、様々な分野で一定の道筋をつけることができました。

 中でも二十一世紀の経済社会の発展を左右するIT革命に関しては、いわゆるIT基本法を成立させるとともに、「e―Japan戦略」を決定し、官民挙げて強力に推進することとしております。

 本年一月には、国の行政組織としては、明治維新、戦後改革に匹敵する歴史的な大改革である一府十二省庁の新体制を無事発足させ、更に、この新しい「器」に魂を吹き込む公務員制度改革等の行政改革を進めました。

 外交面では、故小渕総理がその実現に強い意欲を示しておられた九州・沖縄サミットの開催を成功させたほか、二十一世紀日本外交の新たな多角的展開をめざし、日米、日露首脳会談をはじめとして、南西アジア訪問や現職総理としては初めてとなるサハラ以南のアフリカ諸国訪問等精力的にこなしてまいりました。

 現下の最大の課題である景気回復と新世紀の基盤整備を図る平成十三年度予算が成立するとともに、去る六日には、緊急経済対策を決定し、日本経済の構造調整とデフレ回避に取り組む断固たる決意を内外に示すことができました。

 他方、現在のわが国の政治に対しては、相次ぐ不祥事等の発生もあり、国民の皆様から極めて厳しいご批判があることを真摯に受けとめ、この際、新たな体制のもとで、政治に対する信頼の回復を図りつつ、山積する内外の諸課題に取り組む必要があると考え、総理の職を辞することといたしました。

 わが国の経済社会は、現在厳しい状況におかれていますが、新しい展望を開いてゆくためには、国民全体が力を合わせ、勇気をもって抜本的な改革を進めてゆくことこそが重要であると考えております。

 これまでの国民の皆様の暖かいご支援とご協力に対し、心より御礼申し上げます。