平成24年9月14日、野田総理は総理大臣官邸で開催された、エネルギー・環境会議に出席しました。 本日の会議では、「革新的エネルギー・環境戦略」が決定されました。 野田総理は本日の決定を踏まえ、次のように述べました。 「本日この場で、『革新的エネルギー・環境戦略』を決定し、私たちはようやく今、新たなスタートラインに立つことができました。 過去半世紀にわたる、わが国の原子力発電の歴史を振り返れば、そこには様々な取り組み、試行錯誤、そして何より立地自治体の国策へのご協力がありました。それでもなお、最終処分地の問題をはじめ、今日まで解決できていない難しい課題を、私たちは抱えています。さらに、昨年3月11日の事故を受け、原発に依存しない社会を目指すと決めたことに伴い、一段と難しい数々の課題に直面しています。核不拡散を含む国際的要請にも、きちんと答えていく必要があります。 私たちが今はじめようとしているのは、そんな極めて困難なチャレンジです。しかし、いくら困難な課題であっても、もう、解決を先送りするわけにはいきません。 無論、これまで解けなかった問題の答が、直ちに見つかるわけではありません。半世紀にわたる歴史の中で作られた、原発を巡る現在の仕組み全体を変えていくには、かなり長い年月をかけて、数多くの関係者と誠実に向き合うことが必要です。 また、エネルギー構成を左右する国際的なエネルギー情勢などの将来展望を、今この段階で、全て確定的に見通すことは不可能です。見通せない将来について、あまり確定的なことを決めてしまうのは、むしろ無責任な姿勢だと私は思います。基本はぶれず、かつ将来を過度に縛ることなく、確かな方向性と、状況に対応できる柔軟性とを併せ持った戦略に、着手しなければなりません。 同時に、もう1つ、大切なことがあります。福島の事故現場を修復し、除染を一刻も早く進めるためにも、今ある原発の安全を確保するためにも、廃炉を着実に進めるためにも、そして最終処分問題を解決するためにも、高い技術と誇りを持った人材が、ますます重要になっていきます。事故のダメージを乗り越えて、人と技術を、国家の責任で確保していかねばなりません。 国民生活にとって、経済活動にとって、エネルギーは極めて重要です。そして、今回の戦略が目指す新しいエネルギー社会は、分散ネットワーク型のエネルギー社会であり、国民1人1人の参加があってはじめて実現できる社会です。昨年7月29日、このエネルギー・環境会議は、「原発推進か反原発か、の二項対立を乗り越えよう」と訴えました。今こそ、知恵を出し合い、負担を分かち合って、国民の皆さんと新しいエネルギー社会を築いていかなければなりません。 今こそ、スタートラインです。ふるさとを奪われたままの福島の方々に思いを致し、青森をはじめとする立地自治体や関係各国との話し合いの積み重ねをおろそかにすることなく、複雑に絡み合った糸を、一本一本解きほぐしていく時です。世界の国々に対し先例を示すためにも、未来の世代に対し責任を果たすためにも、できる所から一歩ずつ、国民の皆さんと一緒に始めていきたいと思います。 私も含め、今日ここで、この戦略を決定したエネルギー・環境会議のメンバーが、まず改革の先頭に立つ必要があります。どうぞよろしくお願いいたします。」 革新的エネルギー・環境戦略(PDF形式 |