本日は、第10回国際協同組合同盟アジア太平洋地域総会の開会式にお招き頂き、厚く御礼申し上げます。
本年は、2009年の第64回国連総会において採択された「社会開発における協同組合」決議において、「国際協同組合年」とすることが宣言された年であります。
全世界の協同組合組織にとってのこの記念すべき年に、ポーリン・グリーンICA会長、リ・チュンセンICA-AP会長を始め、国内外における各協同組合組織を代表される方々の御臨席を得て、我が国において初めての地域総会が開催されることは、誠に意義深く、慶ばしい限りであります。
日本における協同組合の歴史を顧みますと、19世紀前半における二宮尊徳の指導による報徳社の設立、大原幽学による先祖株組合の設立までさかのぼります。
その後、1900年の産業組合法の制定を機に、農林漁業者、商工業者、労働者、消費者による産業組合が全国的に組織されるようになりました。
さらに、第2次世界大戦終戦直後の農協法や生協法等の制定を経て、数多くの先人の多大なる御尽力により、協同組合は日本全国にくまなく普及をみるに至り、現在では、延べ8千万人の組合員と64万人の職員を擁する、世界でも有数の協同組合組織が実現しております。
こうした歴史的過程を経て、協同組合は、今日の日本において、地域社会に根差し、人々による相互扶助を促進することによって、市民生活を安定させ、地域社会を活性化させるという重要な役割を果たしています。
また、昨年3月に発生した東日本大震災に際しては、日本全国の協同組合により、これまで培ってきた協同のネットワークを活用して、被災地の住民のため、食料・日用品など緊急物資の提供、医師・看護師の派遣、災害復興ボランティアの派遣等の活動が行われるとともに、世界各国の協同組合からも温かい励ましと御支援をいただきました。
この場をお借りし、こうした国内外の御支援に改めて心からの感謝の意を表する次第です。
さて、本年の国際協同組合年は、国民生活に重要な役割を果たしている協同組合の認知度を更に高める絶好の機会です。
一昨年8月に発足した「2012国際協同組合年全国実行委員会」におかれましては、本年1月13日のキックオフイベントを皮切りに、7月には「2012年国際協同組合デー」記念中央集会等の取組を行ってこられたところです。
また、日本国政府と致しましても、本年6月に、「協同組合がよりよい社会を築きます~2012年は国連の定めた国際協同組合年~」と題した政府広報オンラインの記事を掲載するなど、政府広報を活用した国民への協同組合の周知に努めてきているところです。
国際協同組合年における日本の協同組合の皆様方の取組が、我が国の協同組合の大いなる飛躍につながることを祈念致しますとともに、引き続き、可能な限り支援していきたいと考えております。
日本の協同組合は、アジア太平洋地域における協同組合運動の発展に大きく貢献しているところです。
例えば、JA全中では、1963年以降、今日までに開発途上国の農業協同組合関係者5300人に対して、農業協同組合の発展のための研修を実施されており、また、日本生協連を中心とする生協組織においても、1987年以降、「アジア生協協力基金」を活用した、アジアの協同組合における人材開発や、女性・青年の協同組合への参加促進などを支援してこられています。
日本国政府におきましても、関係府省や国際協力機構(JICA)を通じて、アジア地域における協同組合の組織育成、活動強化、経営改善のほか、品質管理やマーティング力の向上などに向けた協力を行ってきているところです。
本日御来席のアジア太平洋地域の協同組合関係の方々におかれましては、こうした日本の取組を効果的に御活用頂き、各国の協同組合組織の更なる発展につなげて頂くことを強く望んでいる次第です。
最後に、本年の国際協同組合年を契機に、アジア・太平洋地域の、ひいては全世界の協同組合運動が益々発展することを祈念申し上げまして、私の御挨拶とさせていただきます。
内閣総理大臣 野田 佳彦
(齋藤 勁 内閣官房副長官代読)