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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成24年1月4日野田内閣総理大臣記者会見

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【野田総理冒頭発言】

 まずは、謹んで新年のご挨拶を申しあげます。本年もどうぞよろしくお願いを致します。

 まず、改めて確認をさせていただきますけれども、昨年の9月の初めに野田内閣が発足を致しました。その時に掲げた最大かつ最優先の課題、これは3つございました。1つは東日本大震災からの復旧・復興、そして原発事故の収束、日本経済の再生、この3点でございました。今年も引き続きこの3つの大きな命題に挑戦をしていきたいというふうに思います。まずは、仮設住宅やあるいは避難所でこの寒さの中、いまだに厳しい被災生活を余儀なくされている皆さまに、心からお見舞いを申しあげたいと思います。

 その震災復興でありますけれども、昨年末に第3次補正予算が成立をいたしました。併せて復興交付金、あるいは復興特区といった新しい仕組みを作ることもできました。加えて、間もなく新たに復興庁を設置をすることになっています。この司令塔を中心に、力強く復興を推進をしていく決意でございます。

 2つ目は、原発事故への対応でございますが、昨年の12月16日にステップ2、いわゆる冷温停止状態を到達をすることができたことは宣言をさせていただきましたけれども、原発事故との戦いがこれで終わりではないということも併せて申し上げさせていただきました。これからは正に賠償、健康管理、除染、これらの柱をしっかりと実現をするということが正に福島の再生に繋がるだろうと思います。力こぶを入れて取り組んでいきたいというふうに思います。

 日本経済の再生については、先般の第3次補正予算の中でも、例えば立地補助金であるとか、あるいは中小企業の金融支援等、切れ目ない経済対策を盛り込んだつもりでございますけれども、これからも特にデフレ脱却に向けて日本銀行と今まで以上に連携を深めながら、その克服に向けて努力をしていきたいと思いますし、FTAAPの実現含めて高いレベルの経済連携を図ること、あるいは新成長戦略の加速、日本再生戦略の具体化等々の取り組みを深めながら、日本経済の再生に向けて力強く推進をしていきたいというふうに思っております。

 今申し上げたのが基本的な3つの命題なんですけれども、他に、昨年与野党の協議を進めながら、残念ながら残された課題がありました。1つは郵政改革。これは郵政改革そのものの目的もありますけれども、復興財源の税外収入としても大きく期待をされていることでございます。それからもう1つは政治改革。特に議員定数の削減。更には公務員の人件費の削減も含めた行政改革。これらの、残念ながら与野党協議が進みながらも結論を得るに至っていない問題があります。こうしたテーマそれぞれを通常国会のなるべく早い時期に実現をさせていきたいというふうに考えております。

 その上で一番大きなハードルになると思われるのが、社会保障と税の一体改革でございます。昭和36年に日本の社会保障制度の根幹はできました。国民皆年金、国民皆保険。しかし、その後急速な少子高齢化によって、かなり今は様々なひずみが出てきているだろうと思っていますし、毎年1兆円以上の自然増が膨らんでくる。あるいは基礎年金の国庫負担を捻出をする、2分の1を実現するためにも、自公政権以降、かなり苦心惨憺をしてきているという状況でありますが、もうこれ以上先送りできない状況だと思います。従来の社会保障のレベルを維持することも難しい状況でありますが、これからますます少子化が進んでいく中で、支える側、支えられる側だけではなくて、支える側の社会保障も必要です。すなわち若者の雇用や子育て支援といった、こうした全世代対応型の社会保障にしていかないと、日本の社会保障の持続可能性を担保することは私は困難だと思っています。この問題は、私はどの政権でももはや先送りのできないテーマになっていると思います。

 幸いにして、昨年末、民主党の税調の中で様々なご議論をいただきましたけれども、12月の29日深夜に至るまで、100人ほどの人が残りながら、最終的には強行に意思決定をするんではなくて、拍手とそして握手で一定の結論を得ることができたことは、私は大きな前進だと思っています。素案の基本的な考え方はまとめましたので、いわゆる素案としての意思決定は今週中に社会保障と税の一体改革の本部を開いて、そこで決めていきたいというふうに思います。

 その上で、政府・与党の考え方がまとまった暁には、次は野党の皆さんに呼び掛けをしていくということであります。来週中にはその呼び掛けを行って、野党の皆さんもこれは先送りのできない課題であると、私はご認識をいただいていると思いますので、そしてお互いに議論をしてそれをまとめて大綱として取りまとめ、その大綱をもって法案化をし、年度末に法案を提出をする、そういうプロセスをたどっていきたいと考えている次第であります。

 なお、内政の問題だけではなくて、昨年は、例えば金正日国防委員長の死去を受けて、朝鮮半島情勢において新たな時代が生起をしています。昨年末に情報収集の強化と、そして関係国と密に連携をすること、さらには不測の事態に備えて万全の態勢を取ること等の指示を出していますが、基本的にはこの指示は継続をしています。昨年末、中国やインドの首脳とも議論をしましたが、関係国ともしっかり緊密に連携を取りながら、国際社会における様々な危機管理についても万全の態勢を取っていく決意でございます。

 今年も、様々な課題がございますが、一つ一つの山を乗り越えていくということが私どもの基本的な姿勢でございます。この姿勢の下で、しっかりと良い年を作っていけるように全力を尽くしていく決意を申し上げて、まずは私の年頭のご挨拶に代えたいと思います。ありがとうございました。

 

【質疑応答】

(内閣広報官)
 それでは、質疑に移ります。指名された方は、所属とお名前をおっしゃってから質問をお願いいたします。
 それでは、どうぞお願いします。
 三浦さん、お願いします。

(記者)
 東京新聞の三浦と申します。総理、本日はありがとうございました。今年は、総理もおっしゃいましたけれども、様々な意味で日本の将来を左右する重要な年になると思います。我々としても、総理に国民への説明を求める機会が多々あるかと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。
 それで質問ですが、今しがた総理もおっしゃいましたように、一体改革、昨年末まとまりました。2015年の10月までに段階的に10%まで引き上げるという結論ですが、総理今、野党に対して来週にも協議を呼び掛けて大綱を作りたいという話でしたけれども、野党側は、自民党はそうですけれども、それについてマニフェスト違反だというふうに批判しまして、協議に応じようという構えを今のところ見せておりません。それでお尋ねしたいのですが、もし仮に野党がこのまま協議に応じない場合、そのまま野党が協議に応じなくても、大綱の作成に進んで、法案の提出に至るお考えはあるのかどうなのか。その辺をお聞かせ下さい。

(野田総理)
  まず、今週中にいわゆる素案の最終決定をした暁、来週の早い段階で呼び掛けをしたいと思います。呼び掛けに応じないというお話でしたが、まだ、正式にまだ呼び掛けていないものですから、まずは心から頭を下げて、大事な問題ですから本当に議論しましょうよと、国家国民のために建設的な議論をしましょうという呼び掛けをしっかりとしていくことが先決だと思いますので、それが整わなかった場合という、まだ仮定のお話にお答えをする段階ではなくて、誠心誠意呼び掛けていきたいというふうに思います。

(内閣広報官)
 それでは次の方。 山根さんどうぞ。

(記者)
 共同通信の山根です。よろしくお願い致します。消費税の増税に関連してお伺いします。総理もこれまで歳出削減に強い決意を示されて、去年の12月の記者会見でも、国家公務員の給与を削減する法案について、去年の年末までに与野党合意を得て早い時期に成立を目指すというお考えを示されましたけれども、残念ながら与野党合意には至っていません。ねじれ国会のなかで、野党側の協力をどう取り付けて歳出削減策を担保していくお考えなのか、それがまず1点。あと野党側がですね、参院で問責決議を受けた二人の閣僚について交替を求めています。これも与野党協議の障害になりうるかと思いますけれども、どう対応していくお考えでしょうか。

(野田総理)
 まず前段の公務員給与の問題でありますけれども、現時点でまだ与野党で合意ができている状況ではありませんが、来週中には通常国会の召集時期を決めていきたいと思いますけれども、通常国会が始まる前の段階にできるだけ、我々の考え方は既にお示しているし、野党の考え方も既に示されていますので、どこを我々は守らなければいけないのか、何を譲っても良いのかというぎりぎりの交渉をこれから本格的にしていきたいというふうに思っています。
 閣僚については、全閣僚一丸となってこれまで申し上げた命題や課題を実現するために、力を尽くしていきたいというふうに思います。

(内閣広報官)
 それでは、次の方。 犬童さん、どうぞ。

(記者)
 日本経済新聞の犬童です。総理は野党はこれから呼び掛ければ応じてくれるという期待感を持ってお話をされていると伺いますが、現実問題、消費税法案、これから野党の協力を得て成立させるというのは難しいと、誰がどう見ても難しいと思いますが、局面を打開するにはもう国民の世論しかないと思います。国民の世論をどう総理が引っ張っていくかというところに、今懸かっていると思うんですけれども、総理は国民に問う考えはありますか。

(野田総理)
 難しいと一刀両断でありましたけれども、まさにこれからも野党協議の呼び掛け、合意を得られるかどうか、法案提出できるかどうか、法案が通るかどうか、いろいろハードルはあります。ちょうど昨日、出身高校の同窓会があったのですが、そのときに手紙をもらいました。世界史の授業を受けていたときの記憶があるかどうかと。それは先の大戦の時のウィンストン・チャーチルの言葉。The most famous six words、覚えているかと。先生が教えてくれたこと、忘れていましたけれども。それは"Never, never, never, never give up."。私は、大義のあることを諦めないでしっかりと伝えていくならば、局面は変わるというふうに確信をしています。

(内閣広報官)
 それでは、次の方どうぞ。 江川さん、どうぞ。

(記者)
 フリーランスの江川紹子といいます。よろしくお願いします。

(野田総理)
 高校の後輩ですね。

(記者)
 よろしくお願いします。先ほど、社会保険と税の一体改革の前提条件の一つとして、政治改革、特に定数削減の問題をおっしゃいました。確か年頭のラジオのお話でも、不退転の決意でやるというふうにおっしゃっていましたけれども、これを具体的に、いつまでにどのような形でおやりになるつもりなのか、次の選挙までに間に合わせるということで良いのでしょうか。1票の格差、1人1票が確保されていないという問題と併せてどのようにされるのか、今のスケジュールとお考えを聞かせて下さい。

(野田総理)
 まず1票の格差なんですけれども、私の選挙区の船橋というのは千葉4区、日本で一番1票が軽いんです。だからということでもありませんが、当然そうすると区割り変更を余儀なくされる選挙区ですが、これは当然早くやらなければいけないと思います。基本的には違憲状態だと指摘されていることを克服しようとする国会の取り組みが見えないということは問題だと思います。それはまずやらなければいけません。
 併せて、今申し上げた一体改革もありますので、まずは隗より始めよう、まず身を切れというのが国民世論だと思います。その世論を重く受け止めるならば併せて定数削減も、早急にしなければならないと思っています。ただ、1票の格差の問題がどうも、これは早くやらなければいけませんが、それと解散権とは結び付く話ではありません。それはそれで別にあると思いますが、ただ何よりも、他の課題よりも優先してこの1票格差の問題、定数削減の問題は、早急に結論を出すために、特段まず1番矢、2番矢があるとすれば1の矢として放たれなければいけないと思っております。

(内閣広報官)
 はい、次の方。 それではフォスターさん、どうぞ。

(記者)
  AP通信のフォスターです。あけましておめでとうございます。最近の世論調査や私自身の取材を通じて感じるんですが、福島の原発事故に対する政府のこれまでの対応や情報の不透明さ、そして混乱ぶりに、多くの国民が政府に対して強い不信感を持ちました。更に消費税などを巡る、最近の与党内の対立が一層政治不信をもたらしています。総理は国民の信頼を取り戻すためにどのようなステップや政策を取られるのか、具体的に教えていただけるでしょうか。

(野田総理)
 福島のいわゆる原発事故の問題、あるいは東日本大震災の問題、初動の頃からですね、きちっと情報が流れていない、適切なタイミングではない、正確ではないというご指摘をずっと頂いてまいりました。そのことはその都度反省をしながら改善をしてきたつもりでありますけれども、なおそういうご意見があるとするならば、これは猛省しなければならないだろうと思います。それは福島県民の皆さんに対してだけではなくて、国の内外問わず、この原発の問題というのは多くの皆さんが我がこととして心配していることですので、その情報をしっかりと正確に、適切に公開するということが基本中の基本だろうと思います。そのことを改めて心掛けていきたいと思いますし、特に関係する大臣はまめに福島に入ってご説明をしているつもりであります。政務三役もご説明しているつもりでありますが、これはもっと力を入れていかなければいけないというふうに思います。またなお、8日の日には私も福島に入りますので、そうした皆さんの声をしっかり受け止めてまいりたいというふうに思っております。

(内閣広報官)
 それでは、次の方。 それでは高田さん、どうぞ。

(記者)
 フジテレビの高田ですが、おめでとうございます。今年1年ということで見ますと、9月には民主党の代表選挙が予定されています。引き続き国政を担うということであればそこで再選を目指すということになりますが、その9月の代表選挙で再選を目指すおつもりがあるのか、そして目指すとしたら何を訴えて行かれるのか、また、代表選挙の前後で、解散総選挙は代表選挙の前に考えているか、後に考えているか、以上代表選挙を巡って3点、お答えお願いいたします。

(野田総理)
 そんな先のことまで。今は一日一日、一つ一つの課題を乗り越えていくということに全力を尽くすということであって、9月云々というよりもまずは次の国会で、やり遂げなければいけないテーマが沢山あります。それらにしっかりと結論を出すことに全力を尽くすということであります。それ以上、何もまだ考えておりません。

(内閣広報官)
 それでは、次の方。 それでは坂尻さん、どうぞ。

(記者)
 朝日新聞の坂尻です。普天間移設問題についてお伺いします。防衛省は昨年末にいわゆる普天間移設を巡る環境影響評価、アセスメントの評価書というのを提出したんですけれども、県庁のほうに市民の反発する方々が座り込みなどをしている関係で、夜間の午前4時頃、夜間窓口を通じて段ボール箱を搬入するということになりました。このことについては、地元から政権の対応としてあまりに姑息なのではないかという批判も出ていますが、総理自身はこの一連の経過をどのように考えられていたのかということと、こうなるとなかなか普天間移設の見通しというのは立てにくいかと思いますが、総理自身は普天間移設問題、どのように見通されているのでしょうか。

(野田総理)
 政権の基本的な姿勢としては、日米合意を踏まえながら普天間の危険性を一刻も早く除去をしていくということと、併せて沖縄の負担軽減を図るということが、何よりも基本的な姿勢です。その基本姿勢の中で、環境影響評価書を提出をするという運びとなりました。引き続き、これは防衛省で適切な対応をしていただきたいというふうに考えております。

(内閣広報官)
 それでは時間が迫っておりますので、最後の質問とさせていただきます。 山口さん、どうぞ。

(記者)
 NHKの山口です。先ほどの定数削減とも関連するのですけれども、民主党が考えている比例の80削減というのは、小さな政党はとても受け入れられないと思うんですね。それにその、成立を図ると言っているのですけれども、どうやって妥協点を見いだしていくのかを教えて下さい。

(野田総理)
 この間まとめた税調の中の文章でも、最初は比例80云々と入っていたと思いますが、定数削減に変わったと思うんです。我々の考え方はもちろんあります。まとまっています。ただし、ほかの野党のご意見もあるんですね。それを踏まえてどうやって削減に持っていくかというところに最後まで心を砕くことになると思いますが、どっちにしろですね、定数削減は最後には実現しなければいけないというふうに思います。各党のご意見もよくお伺いしますけれども、我が方はこういう考え方を持っているぞというものを強く打ち出しながら、それぞれの意見を建設的に出してもらうという状況のなかで結論を出していきたいと思います。

(内閣広報官)
 それではこれをもちまして、年頭の記者会見を終わります。どうもありがとうございました。

 

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