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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成24年5月26日第6回太平洋・島サミット共同記者会見概要

万国津梁館(沖縄県名護市)

【野田総理冒頭発言】

 本日、太平洋の島国の首脳、オーストラリア、ニュージーランド、そして、今回初めて参加した米国の代表の出席を得て、この美しい名護の地において、第6回太平洋・島サミットを開催した。遠路はるばるお越しいただいた各国首脳、特に、共同議長を務めたプナ・クック諸島首相に謝意を述べたい。また、開催地である沖縄の皆様の温かいおもてなしにも感謝したい。


 我が国は、海洋国家として、豊かな太平洋がもたらす恵みと世界との繋がりを礎に発展してきた。歴史的な繋がりもある太平洋の島国は、かけがえのない友人である。私はそういう思いを持って、今回の島サミットに臨んだ。


 サミットにおいては首脳間で率直に議論した。その成果として「沖縄キズナ宣言」を採択し、今後の協力の5つの柱を策定した。具体的には、(1)東日本大震災の経験を踏まえた防災協力、(2)環境・気候変動、(3)持続可能な開発と人間の安全保障、(4)人的交流、及び(5)海洋問題である。


 我が国は東日本大震災を経験したが、太平洋の島国もまた、自然災害に脆弱である。私からは、日本の経験を共有しつつ、自然災害リスク保険や太平洋災害早期警報システムの整備といったイニシアティブを表明し、各国首脳から高い評価を得た。


 さらに私から、そうした自然災害への対応を含め、太平洋の島国の持続可能な発展を支援するため、今後3年間で最大5億米ドルの支援を行うため最大限努力する旨表明した。これに対し、各国首脳から深い謝意が表明された。


 こうした取り組みを通じ、私は太平洋における「キズナ」を強化していきたい。そして、島サミット参加国と共に、この地域の平和と繁栄に貢献していきたいと考える。

 

【プナ・クック諸島首相(共同議長)冒頭発言】

  自分からも、本日のサミットの成果を簡潔にまとめたい。まず、日本に到着してからの3日間に、日本政府及び日本の人々並びに沖縄の人々から示された非常に温かく寛大なもてなしに感謝したい。野田総理が述べられた通り、太平洋島嶼国の人々と日本の人々との間にある強い「キズナ」の精神がよく表れたサミットだった。強い「キズナ」、友情の精神が議論を通じて感じられ、参加国は、日本と島嶼国の協力の5つの柱について、合意に達することができた。

 

【質疑応答】

(NHK沖縄局 伊賀記者)
 第6回太平洋・島サミットが沖縄で開催されたことの意義如何。参加国である太平洋島嶼国との類似した環境にある沖縄との協力がどのように位置づけられ、また沖縄の知見を活用したどのようなプロジェクトを検討しているか。

 

(野田総理)
 ご指摘のとおり、沖縄と太平洋島嶼国は、地理的、気候的な環境が類似しており、離島を中心に水やエネルギーの確保が難しいといった共通の課題を抱えている。こうした課題に協力して取り組んでいくとの観点から、今回のサミットが沖縄で開催されたことは、大変有意義であった。
 これまで我が国は、沖縄の知見も活用する形で太平洋島嶼国に対する支援を実施してきた。具体的には、昨日、各国首脳が訪問した宮古島の知見を活用したサモアの水道事業運営、トンガにおける資源ゴミのリサイクル事業などは、そうした実例である。その他にも、本日、沖縄科学技術大学院大学において、日本政府と国際再生可能エネルギー機関の共催で、太平洋島嶼国における再生可能エネルギー普及のためのワークショップを開催した。
 また、本日の議論の中でも、昨日、宮古島を訪問した各国首脳から、高校生太平洋・島サミット(参考参照)の開催に加え、宮古島で取り組んでいる様々なプロジェクトについて大変感銘を受けたとして、質問をもっと行いたかったが時間が足らなかったとの発言が寄せられたことも付け加えたい。
 今後とも、沖縄にあるJICA国際センターの協力も得て、経済活動の基礎インフラである水やエネルギーの確保、漁業や観光の促進といった観点から、沖縄の知見を活用した協力を進めていきたい。

(参考)高校生太平洋・島サミット
高校生太平洋・島サミットは、第6回太平洋・島サミットの開催に合わせて、環境をテーマに、沖縄県の代表的エコアイランドである宮古島で、サミット参加国及び日本の高校生を招待して、初開催。高校生サミットの成果として、5月25日には、宮古島を訪問した各国首脳に対して、高校生から提言を発表した。

 

(プナ首相)
 沖縄でのサミット開催は、「We are Islanders」というテーマによく合致したものであった。沖縄が島であるという環境だけでなく、昨日本日と沖縄の人々から示された暖かいもてなしにより、非常にくつろいだ気持ちになることができた。先ほど野田総理が述べられた通り、島嶼国が沖縄から得られる教訓は多い。たとえば安全な水へのアクセスに関し、沖縄には、地下水ダムというユニークな技術があるが、これは多くの島嶼国においても有用。また、クック諸島を含めた多くの島嶼国において必要不可欠となっている再生可能エネルギーについても、沖縄には数多くのイニシアティブがある。さらに、自分が特に関心が持ったのは、水曜日に東京で行われた展示会で見た、廃棄物ガラスを粉砕して水の浄化剤に再生するというもの。クック諸島の離島では水をタンクに貯水して使用しているが、雑菌混入等の危険があるため、長期保存は難しい。しかしこの浄水技術があれば、隔離された島に住んでいる人々の生活を改善することができる。このように島にとって学ぶことの多い沖縄でのサミット開催を非常に喜んでいる。

 

(EMTV(パプアニューギニア) ベルナデッテ記者)
 太平洋の島嶼国には、特にODAに関して、日本への非常に強い期待感がある。こうした期待を踏まえ、この地域に対する野田総理のコミットメントについて伺う。

 

(野田総理)
 昨年3月の東日本大震災の際には、160以上の国、40以上の国際機関から大変温かい支援が寄せられた。その背景には、これまでの日本の地道な国際社会に対する貢献があったと考えている。今回サミットに参加した太平洋島嶼国からも温かい支援を頂いた。震災復興という課題に直面して厳しい財政事情ではあるものの、ここで内向きになることなく、日本は、今後も世界の繁栄と安定に積極的に貢献していく国であるべきだと考えており、その考えの下、私は今回のサミットに臨んだ。 
 太平洋・島サミットは1997年から始まったが、参加国である太平洋島嶼国とはもっと長い歴史的なつながりを有している。このつながりを念頭に、私はこのサミットを成功させたいとの強い思いを持って、これまでの支援と同等の規模である、具体的には今後3年間で最大5億ドルの支援を行うために最大限努力することを表明した。

 

(プナ首相)
 質問への回答にあたり、「天の下では、何事にも定まった時期があり、すべての営みには時がある」という聖書の言葉を引用をしたい。道理をわきまえない期待をしてはいけない。我々は、日本が東日本大震災後、国内に切迫した課題を抱えていることに留意し、十分に配慮しなければならない。日本は、これまでも太平洋地域における重要な開発パートナーであったが、野田総理が発表された今後3年間で5億米ドルという多額のコミットメントは、特に日本が直面する現状を考えると、よりその重要性を増す。したがって、島嶼国は、日本の支援と協力の精神に対し、謙虚に感謝しなければならない。

 

(日本テレビ 斉山記者)
 首脳宣言に国連海洋法条約の重要性を強調する旨明記されたが、太平洋地域での権益拡大を図る中国をけん制する狙いか。また、太平洋地域での影響力を強める中国と今後どのような戦略で対峙するのか。

 

(野田総理)
 我が国を含む太平洋・島サミットの参加国は、いずれも四方を海に囲まれた海洋国家であり、貿易・投資や環境を含む生活のあらゆる側面で太平洋に依存。こうした認識の下、今回のサミットでは、初めて独立した議題として海洋問題を取り上げた。
 議論の結果、太平洋の潜在能力を持続可能な形で活用するため、参加国が協力していくことで一致。首脳宣言では、こうした協力を進める上での基盤を提供し、海洋の平和と安全に大きく貢献している国連海洋法条約の重要性を強調したが、これは特段の領域の紛争が存在しているわけではなく、特定の第三国を念頭に置いたものでは全くない。
 中国について言えば、中国も太平洋島嶼国の重要な援助パートナーであり、今回のサミットでは、中国を含む新興ドナー国が援助協調の枠組みに関与し、援助の透明性を高めることが重要である旨確認した。

 

(タイミ・オ・トンガ紙(トンガ) アダムス記者)
 太平洋の島嶼国が環境面で持続可能な経済開発と持続可能な漁業を実現するために、日本として果たしうる役割如何。


(野田総理)
 太平洋島嶼国は国土が狭く、廃棄物や水資源の管理を含む多岐にわたる環境問題に直面。太平洋諸国と多くの共通点がある沖縄の知見も活用しつつ、持続可能な開発に向けた取組を引き続き支援していきたい。先ほども述べたとおり、サモアやトンガにおいて具体的な取組が進んできており、それらを更に拡充していきたい。
 また、我が国にとって、太平洋地域はかつお・まぐろの漁獲量の約8割を占める水産資源の極めて重要な供給元。その意味で、この地域における持続可能な漁業の推進は、我が国にも 直結する課題。これまでにも、例えば、ミクロネシア3国においてはJICAを通じて水産資源管理の技術協力などを進めてきており、今後ともこうした取組を促進したい。

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