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首相官邸 Prime Minister of Japan and His Cabinet
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平成24年6月30日読売国際経済懇話会(YIES)講演会

【冒頭発言】

 内閣総理大臣、野田佳彦でございます。今日は、このように親しく皆様にお話させていただく機会を頂戴を致しまして、心から感謝を申し上げたいと思います。今言うべきこと、言いにくいこと、いっぱいありますが、なるべく率直なお話をさせていただきたいと思います。

 社会保障と税の一体改革を中心にお話をさせていただこうと思いますが、どうも世の中は私を「ミスター増税」としか見ていなくて、そればかりしか考えていないように思われています。そうではありません。昨年の9月2日に野田内閣は発足を致しました。その時に、私どもの内閣の大きな課題は三つあると申し上げました。震災からの復興、原発事故との戦い、日本経済の再生。これらを最優先、最重要の課題として位置付けております。余りにも一つのテーマに皆さんの関心が行ってしまっているので、その他の取組をやっていないように思われていることが残念です。

 9月2日に内閣が発足してまず最初にやったことは、予備費を使って、例えば除染、あるいは中小企業のグループ補助金等々の措置をしました。これは9月9日の段階です。復興の取組は、手を抜いたことはありません。懸命にやってまいりました。少なくとも今年に入って2月10日に復興庁という復興のための司令塔を作りました。「復興交付金」という被災地の皆さんにとって使い勝手のいいお金も用意しました。これは5100億円程度、既に認定をしています。「復興特区」も作って、思い切った再生に対する後押しをする仕組みも作りました。こういう取組をしっかりとやり続けているということを、ぜひ皆様にはご承知おきいただきたいと思います。ちなみに、2月までに被災地の高速道路あるいは直轄国道で全面通行可能になりました。そして、約370の岸壁のうち8割が利用可能となりました。被災3県の鉱工業生産指数、震災前の9割強まで回復をしています。宮城県の主要市場の水揚げは3月時点で93%に回復を致しました。しっかりと着実に復興に向けた取組もしております。

 一番困っていることが、災害廃棄物、がれきの問題です。これは政府から強く全国の自治体にお願いをさせていただきまして、被災地だけでは自己完結できませんので、いわゆる広域処理という形で、広く多くの自治体にご協力いただくことをお願いをしていますが、これも着実に進んできております。昨日も北九州の北橋市長さんとお会いしましたけれども、ネックになっているのは風評の問題です。その風評防止の対策もしっかり取り組んで、広域処理がさらに進むように全力を尽くしていきたいと考えております。

 それから、原発事故との関連でありますけれども、福島において何よりも賠償、そして住民のみなさまの健康管理、除染、これらに力を入れております。原発との関連で言うならば、これは被災地を越えて原発政策をどうするかということも、国論を二分する中での決断が迫られておりました。これは先般、6月中旬に大飯3号機、4号機については再稼働をさせると政府としての決定をさせていただきました。安全性はきっちりとチェックをしました。必要性についても勘案をしました。少なくとも関西地区においては15%の需給ギャップが出てきそうなときに、節電の要請はしっかりしていかなければなりませんけれども、その上で、国民生活、あるいは経済への影響等、総合的に勘案して、政府が最終的には責任を持って判断しなければなりません。国論を二分しておりましたけれども、その決断をさせていただきました。

 あわせて、問題はこれからの中長期のエネルギーの計画をどうするかなんです。昨日、いわゆる3つの選択肢というものを発表させていただきました。要は、2030年までに原発をゼロにするのか、依存度を15%にするのか、20~25%にするのか、この3つの選択肢であります。これまでは原発約50基を稼働させながら、2050年までに原発の依存度を、震災前は50%に持っていこうとしていたんです。震災後、大きくこのエネルギー政策を変えざるを得ない。「脱原発依存」という方向については、もう国民の一定程度の合意は出来ていると思います。ただし問題は、ゼロにするのか、15%にするのか、20~25%にするのか。これはまさに国民的な議論が必要であります。なるべく原発はつくらない方がいい。けれども、そうするとエネルギーを何に頼るのかというと、再生可能エネルギーと化石燃料に頼るしかないんです。再生可能エネルギーをどこまで普及拡大できるのか。本当にゼロに持っていくためには相当厳しい規制等々の誘導策が必要になってまいります。一方で、化石燃料の比率が高まったら温暖化の問題と矛盾をしてまいります。経済の影響をどうするのか。そういうことを真剣に国民の皆様に考えていただく7月にしたいと思います。この3つの選択肢について、幅広く皆様の声をお聞かせいただいて、8月にこのエネルギーに関連する中長期の計画というものを政府としてまとめてまいりたいというふうに考えております。このように、震災、原発事故との戦い、これは引き続きまだまだ課題はありますが、全力で取り組んでまいりたいと思います。

 日本経済の再生については、これまで円高対策等々、あるいは累次の補正予算などを使いながら対応してまいりました。いま世界の主要国、先進国、新興国の足元、1-3月期はそれぞれが成長率は減速傾向です。非常に私はこの点を憂慮しています。一方で、日本は1-3月期のQEは、実質成長率、年率で換算すると4.7%。日本だけ比較的高い数字が出てまいりました。これは何かというと、復興需要の顕在化と、個人消費の伸びが出つつあるということです。この流れを、この緩やかな景気の回復状況を、流れを確実なものにしていかなければいけないと思いますし、復興需要で頑張ると同時に、合わせて民需主導への体質への転換も図っていかなければなりません。こういう取組も様々な政策の総動員をかけながら、実現をしていきたいと考えております。こうした基本的な取組をやっているということをご承知おきいただき、社会保障と税の一体改革のお話をさせていただきたいと思います。

 政策論に入る前に、まず私の問題意識の背景からお話をさせていただきます。それは去年の7月、イギリスのエコノミスト誌をご覧になった方は覚えていらっしゃるかもしれませんけれども、"日本化する欧米"というタイトルでした。イラストが出ていまして、オバマ大統領とドイツのメルケル首相、二人が並んで、メルケル首相はかんざしを挿し、着物を着ています。オバマ大統領も和服です。富士山がバックに掲げられている、というものでした。中身は何かというと、当時アメリカは債務上限の問題で大変厳しい状況にありました。欧州においても、今と同じようにいわゆる財政の問題に端を発した信用不安の問題がありました。それらの問題に対して、「決断できない」「物事を先送りする」欧米の現状を"日本化"と表現していたんですね。"日本化"――失われた20年という言葉がありましたけれども、日本は必要な時に決断すべき時に決断をせずに先送りをしてきた。その象徴的な国として欧米は見ているということがその記事に端緒に現れていたというふうに思います。私はこの記事を見て、改めて思ったんです。震災の後、様々なテーマがありましたけれども、そのことをきっちりやりぬかなければいけない。議論をしたら、結論を出してそして、実行していかなければならない。"日本化する"などという言葉が、世界から消えるような政治をつくらなければ、この国は滅んでいくのではないか。そういう危機感を持ちました。

 日本は、大きな課題がたくさんあります。むしろ世界の国がこれから直面するであろう課題を先取りしてしまっている状況です。少子高齢化が然り、温暖化の問題、エネルギーの問題の取組も然り。そして、成長と財政再建の両立は、どの国も直面している問題です。こうした大きな課題にしっかりと応えていくという政治を実現しなければならない。これが私の問題意識の一番の根底でございます。

 その中で、税と社会保障の議論がスタートしたわけですが、まず「社会保障」とは何ぞや、ということです。まさに国民生活に直結をしています。いま、一枚の保険証があれば、どの病院でもどの診療所でも、治療を受けることが出来ます。学生さんだったら自己負担3割。一定割合に決まっています。どこでもそういう治療を受けられる、そんな便利な国は他にはない、と私は思います。今の日本は世界一の長寿国です。新生児の死亡率も世界で一番低いんです。そういう医療をつくってまいりました。課題はいっぱいあるけれども、この国民皆保険という制度はわたしは世界に冠たる制度だと思っています。2000年からは介護保険が始まりました。いままではお嫁さんやあるいは娘さんや、そういう人たちが、あるいは奥さんが、介護を家庭の中でするということから、社会の中でしっかりとこの介護というのを受け持っていこうという流れになりました。これも今の介護という問題を考えた時に国民生活に欠かせない大きな私はひとつのステップだったと思います。老後はどうか。高齢者世帯の平均年収は約300万円です。うち、約220万円は年金収入。お年寄りの収入の7割は年金でございます。

 このように、国民皆保険、国民皆年金、半世紀前にスタートしたこの制度自体は、私は素晴らしい制度だと思いますし、まさにどなたでも人生のどこかの段階において、困ったとき、怪我をした時、病気をした時、老後を迎えた時、この社会保障のお世話にならない人はいません。そういう状況をどのように維持していくのかが問われているところであります。しかも社会保障の分野というのは、成長戦略の中でも位置づけなければいけないような分野でもあります。社会保障の給付は約100兆円です。国民一人当たり83万円が還元をされております。この分野で医療と介護の分野における雇用の吸収力はどんどんと高まってきております。現在、医療・介護、直近では653万人の方が就業をしているということです。ちなみに小売業は約1000万人、製造業も約1000万人。小売、製造に次ぐ分野なんですね。この分野にイノベーションが起こってしっかりと雇用を吸収し、例えば再生医療がどんどん進むであるとか、介護ロボットの開発がどんどん進む等々があれば、これは間違いなく成長産業になり得るんです。社会保障の分野なら息切れをしないように、お金が回るようにするということは経済成長にも資するはずであります。そういう観点から、この社会保障を持続可能なものにしていかなければなりません。

 ただ問題なのは、待ったなしの状況というのは、社会保障を担う、支える人たちの数が少なくなっている。まさに現役世代、子育ての世代が疲弊をしているということです。人口構成が大きく変わりました。国民皆保険、国民皆年金がスタートしたころは半世紀前。多くの働き盛りの人がお年寄りを支える。これはよく言うのですが、野球でいうあの優勝のシーンの「胴上げ」のような構図だったんです。今は三人で一人を支える、行ってみれば「騎馬戦」の社会になりました。ほどなく一人が一人を支える「肩車」の社会になります。肩車の下になる人は大変です。そういう支え手にも社会保障の恩恵を感じられるように、人生前半の社会保障にも力を入れていくということが、社会保障改革の一つの視点だというふうに思います。

 しかも、給付があれば負担があるんです。負担なくして給付はあり得ません。その負担を誰がしているかというと、さっき申し上げたように、現役世代でございました。保険料然り、所得税然りです。だけれども、だれでもがこの社会保障のサービスを受けなければいけないという時に、特定のだれかがその負担をしていく。あるいは、今を生きている人たちではなくて、将来世代のポケットに手を突っ込んで社会保障の給付が行われる。こういうことでは持続可能性がありません。将来世代にツケ回しをして、今の社会保障の様々な事業が行われるということは持続可能性がありません。給付においても現役世代も恩恵が受けられるように子育ての部分に力を入れていく、こういう措置を取らなければいけませんし、負担の面においても特定の世代が過重な負担を負ったり、将来の世代が負荷を負うような構図はやめなければなりません。となると、基幹税でいうとこれは消費税。すべての国民が助け合い、支え合うという税金。この税金を安定財源として、社会保障を支える財源として位置付けて行かなければいけない、そのように思っているわけであります。

 こうした現状の中で、特に、私も政権交代の直後から予算編成等に関わってまいりました。強く感じましたのは、この社会保障を充実させるところは充実させなければいけないんです。年金・介護・医療等、安定させなければいけないところは安定させなければいけないんです。その予算組みというのが大変困難を伴うんです。いまだいたい90兆円の予算を組んでいます。20兆ちょっとが国債の償還です、利払いも含んで借金の返済です。16兆、17兆がこれは地方交付税です。国も財政は厳しいですけれども地方も大変です。この交付税もしっかり確保しなければなりません。そうすると残りの政策的な経費、限られてまいります。その経費のうちの半分以上がいま、社会保障なんですね。一般歳出の半分以上が社会保障です。その社会保障を支えるために防衛費を伸ばさないようにしたり、ODAを削ったり、公共事業を削ったり。他の分野でももっと本当は余裕があれば予算をつけたいところを削りながらやってまいりました。しかも高齢化が進んでおりますので、医療・介護の分野でのこれからの給付の伸びはもっと出てまいります。これが自然増と言って毎年1兆円規模なんですね。1兆円規模です。とかくこの世界にいると1兆2兆の話をします。でも豆腐じゃありませんから(笑)。1万円札を平積みすると1兆円というのはエベレストを越えてしまうんです。10000mです、JALやANAが飛んでいる世界まで行ってしまいます。持つことはできません。1万円札の重さは1グラムです。1兆円というと、100トンになります。持ちきれません。そんな自然増が毎年増えていく。その分どこかを削るか、結局は将来世代へのつけ回しにするかというのを続けているわけです。

 社会保障は大事です。でも財源の問題を真剣に考えなかったら持続可能性が出てきません。ということからもはや待ったなしの状況に入ってきているということを、多くのみなさまにご理解をいただかないとならないんです。どなたも社会保障が削られるのは困ると思っています。年金がなくなってしまうというようなことはもちろんありませんけれども、不安を持っている方はいっぱいいます。そういう状況の中で安定財源を確保することに、そして財政健全化を同時達成することに結論を出さなければいけない時期が来ていたということでございます。

 もはや、しかも欧州の危機というのは対岸の火事ではございません。イタリア、スペイン等々、あのリーマンショックの後、彼らだって懸命な努力をしてきました。でも、いったんその国の財政に光が当てられ、「財政規律を守らない国なんだ」と市場にみなされた時にどういうことが起こるかということを、我々は強く意識していかなければいけないと思います。私は、そのことに対する危機感が、日本にはまだ少ないように思います。債務の残高は多いけれども、その国債を買っているのは日本人ばかりじゃないか。個人の金融資産がまだあるから大丈夫だといった「大丈夫だ」論や楽観論はあります。だけれども、「財政再建のシナリオ通りにちゃんとやっていかない国なんだ」とみなされた時の日本の姿というものを、是非、皆さんはお気づきをいただきたいんです。そのことも強く意識しながらの政治判断をしていかなければなりません。

 先般、わたしはG20、メキシコに行ってまいりました。一泊四日の強行軍でございました。その一泊四日の一泊の間でも、その危機感をひしひしと感じることが出来ました。どの国も成長と財政再建、この難しいふたつの命題をどう乗り切るか真剣にやっています。我が国は、それぞれの国が困っているこの命題について、最初に結論を出し踏み出す国、そうあるべきだと私は痛感をした次第でございます。こうした現状の中で私どもが政府案を提出致しました。そして、自民党公明党との協議が進み、三党の合意を形成することが出来ました。それは、こうした問題意識・危機意識を有する政治家が、永田町に与野党を越えていたからこそ、こうした三党合意ができたというふうに思います。

 とかく「社会保障は棚上げして先送りをして、税制だけ決めたのではないか」というご指摘・誤解があります。とんでもございません。社会保障に関連する5つの法案、年金が2つ、子ども子育ての部分が3つ。これらを修正して前進をさせています。税に関わる法律は2つです。その上に、もうひとつ中長期でこれからの社会保障を考えていくための枠組み、国民会議や三党で合意を形成していこうという枠組み。こういうものを作ることで合意をし、そうした基本法、推進法も作ります。決して「社会保障を手つかずで、税だけ決めた」という俗論に惑わされないでいただきたいと思います。

 この結果、被用者年金、さらに民間のサラリーマンの皆さんの年金と公務員の共済。これらの一元化がスタートすることになります。あるいは、年金をもらえるようにするためには25年間入らなければいけないという受給資格の問題がありました。受給資格を10年に短縮するなどの様々な前進があります。そして何よりも、今回は、消費税の引き上げ分は全部、社会保障に充てるということを決めています。その結果、例えば、基礎年金の2分の1は国の負担にするとしながら、なかなか2分の1の国庫負担が出来ないでおりましたけれども、その財源が確保できるようになるという「安定化」も進みます。さっき言った毎年1兆円の自然増ということに対する対応もできることになります。

 子育ての部分については「総合こども園」という形で我々どもは訴えておりましたけれども、いまある「認定こども園」制度を拡充することとし、名称は私どもの民主党・政府の案はひっこめましたけれども、実態としては幼保の一体化が現実に進むということになります。そして幼児教育、保育、質量の充実に向けてのスタートを切ることができるし、そのことに0.7兆円の安定財源を確保することになります。これも大きな前進だと思います。

 具体的に社会保障が前進をさせる、そして安定財源を確保する。これが三党合意の中身であります。ぜひ衆議院では6月の26日に賛成多数によって可決をすることが出来ました。参議院、これからの審議になりますけれども緊張感を持ってこの法案が成立をするように全力を尽くしてまいりたいと思います。

 なお、この社会保障と税の一体改革はこの二つの分野だけの改革ではありません。経済の再生をしっかりやらなければなりません。消費税を引き上げるのは2014年の4月に8%引き上げます。それまでにしっかりとデフレを脱却し、そして経済活性化を図ることに全力を尽くさなければなりません。こうした一体改革をお願いをするがゆえに、経済をさらに強くしていくということを遮二無二やっていかないといけないと思います。経済とも一体の改革なんです。

 国民の皆様にご負担をお願いするということは、政治家として本当に切ないことです。逃げられるならば逃げたい。避けて通ることができるならば避けたい。これまでみんなそう思ってきました。だから「決断」が延びてきたんだろうと思います。中小零細企業では、日々の経営で悪戦苦闘し、資金繰りに苦労をされている皆さんもいる。家計のやりくりで本当に、1円、2円を切り詰めてがんばっている人たちもいる。そういう皆様にお願いをするということは政治家としては避けることが出来るならば避けたいと思う。それが心理です。だけど、その結論を先送りをしたがゆえに、社会保障の持続可能性に赤信号が伴い、そして、そのことは先送りをすればするほど将来世代に負担と負荷を残すことになります。もはや多くのみなさまにご理解をいただく努力を懸命にしなければいけないと考えております。経済も懸命に強める努力をする。あわせて国民の皆様が強く希望しているのは、「自分たちに負担をさせる前に、まずは隗より始めよ」「行政改革をやれ」「政治改革をやれ」という声だと思います。行革についてはこれまでも一生懸命やってきたつもりです。その上でさらに特別会計の改革や、独立行政法人の改革、これからも仕上げていきたいと思いますし、既に国家公務員の人件費はマイナス7.8%の減額という、かつてない減らし方をしました。こういう取組をこれからも力を入れてやっていきたいと思います。

 政治改革も、これはあんまり伝わっていないのですが、議員歳費は年間270万円カットになっています。少なくともこれを2年間続けることはもう決まっています。一人当たり540万のカットです。わたしの総理大臣の給与も3割カットになっております。あんまりご存じでない方がいっぱいいます。歳費の問題ともうひとつ、定数の問題があります。これもやり遂げなくてはなりません。一票の格差の問題は違憲であり、違法という状態です。これを正さなければ、「決断する政治」「決める政治」からほど遠いと思われてしまいます。1票の格差是正と、国民の皆様が求めている定数是正を両方実現するための法案を、民主党として今、提案をしています。定数削減は小選挙区の部分、0増5減、これによって定数是正が出来ますけれども、小選挙区は5を減らす。比例区は40減らす。2段階目に80を目指すという法律です。これを早く実現をしなければいけないと思います。こうした行政改革、政治改革もしっかりやりぬいて国民の皆様にご理解をいただきたいと思います。

 すなわち、一体改革も、経済の再生も、行革も、政治改革も、「何が先か」じゃないんです。ありとあらゆることを今やらなければいけないんです。今までは、「もっと無駄をなくしてから消費税の議論をしなさい」「経済をもっと良くしてから消費税の議論をしなさい」「何かが先、それをやらなかったらこの本質的な議論をやらない、避ける」ということが通ってきました。それがあったればこそ、今日のような待ったなしの状況が生まれたんじゃないでしょうか。「増税の前にやるべきことがある」――非常に国民の皆様には響きのいい言葉だと思います。そう言い続けてずっと今日に来たんじゃないでしょうか。国難に立ち向かう政治をいま実現しなければなりません。国難から逃げる政治ではなくて、「増税の前にやるべきこと」ではなくて、そのことも併せていま、ありとあらゆることをやり遂げるという改革が日本に求められていると私は思っています。是非、そのことを皆様、ご理解をいただき、ご支持をいただければ幸いであります。

 残念ながら、今回、我が党からも衆議院の採決の際に反対票を投じた人、あるいは、欠席・棄権という人が出てしまいました。誠に残念な結果でございます。先般、記者会見でも申し上げましたとおり、党のルールにのっとって厳正に対応する、これが基本的な方針です。党のルールというのは役員会で発議をし、常任幹事会で承認決定をし、倫理委員会に諮る、これが党のルールです。この党のルールに基づいて厳正に対応したいと思いますが、来週、早々にもその役員会を開くつもりでございます。その役員会には私も出席をするつもりであります。こういうプロセスをこれからしっかりやっていきたいと考えております。色々ともっとお話をしたいことがありますが、おそらく「何か言いたいな」という顔の方があちこちに見られますので、若干ではございますが質疑の時間を取らせていただきたいと思います。どうもご清聴ありがとうございました。

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