内閣総理大臣演説等

内閣総理大臣説示

平成十一年十月五日

 初閣議に際し、私の所信を申し述べ、閣僚各位の格別のご協力をお願いする。

一 この内閣は、「対話と実行」を基本とし、国民の声に十分耳を傾けるとともに、スピーディな政策実施を心掛けていただきたい。

二 経済戦略会議の提言は、現下の最重要課題である経済の再生と二十一世紀における豊かな経済社会の構築のために、幅広く民間の有識者の方々に意見をとりまとめていただいたものであり、前内閣に引き続き積極的な取り組みをお願いしたい。
 また、二十一世紀への架け橋を作る内閣として、我が国のあるべき姿を国民に示すことが大事と考え、有識者からなる懇談会に検討をお願いしているところであり、その検討の成果についても新しい時代を切り拓く貴重なご意見として真摯に受け止め、全力で対応していただきたい。

三 日本経済の再生に向けて、引き続き財政や金融等において機動的、弾力的な対応を行い、上向きつつある景気を本格的な回復軌道に乗せていくとともに、雇用の安定・確保を図りながら、中小・ベンチャー企業をはじめとする我が国産業の体質強化が図られるよう、ご努力いただきたい。

四 実行の段階を迎えた中央省庁等の再編や地方分権の推進、公約である国家公務員定数の二十五パーセント、コストの三十パーセント削減あるいは規制緩和等の行政改革に、所管行政という狭い視野からではなく、国政全般の幅広い視野に立って、英断を持って取り組んでいただきたい。

五 国家公務員倫理法や情報公開法の制定も踏まえ、公務員の綱紀の保持や情報の公開・提供等行政の透明化に一層努めるとともに、国民に分かり易く、信頼される行政を心掛けていただきたい。

六 「国会審議の活性化及び政治主導の政策決定システムの確立に関する法律」の趣旨を踏まえ、国会への対応や政務次官との連携について十分ご留意いただきたい。

七 今般の東海村ウラン加工施設事故について、原因の徹底究明と周辺住民への必要な支援、更には核燃料製造施設の緊急総点検に迅速に対応するとともに、コンピュータ西暦二○○○年問題も含めた緊急時における危機管理対策に万全を尽くしていただきたい。

八 来年夏に開催する九州・沖縄サミットの成功に向けてご協力いただきたい。

九 内閣は、憲法上国会に対して連帯して責任を負う行政の最高機関である。国政遂行に際して活発な議論を行うとともに、内閣として方針を決定した場合には一致協力してこれに従い、内閣の統一性及び国政の権威の保持にご協力いただきたい。