20世紀は人類の創造的な知力によって、科学技術が飛躍的に発展した100年でした。わが国は欧米の先進的な基礎技術を導入し、工業国として発展してきました。しかし今、21世紀の入口に立つ我々は、環境問題や少子高齢化社会というこれまで経験したことのない時代を迎えています。その一方で、技術革新によって急速に進展してきた情報化の波が、次の時代へのファンファーレを鳴らしているように感じます。
こうした課題の解決や新たな技術革新へのチャレンジは、私たち日本人の知恵と伝統文化が貢献する、またとない機会であるように思います。歴史小説家の司馬遼太郎さんは、小学生に向けて次のように語りかけています。
「私が持っていなくて、君たちだけが持っている大きなものがある。未来というものである。21世紀をたっぷり見ることができるばかりか、その輝かしい担い手でもある。21世紀にあっては、科学と技術がもっと発達するだろう。川の水を正しく流すように、君たちのしっかりした自己が、科学と技術を支配し、よい方向に持っていってほしいのである。」
司馬さんが言うように、新たな科学技術の水脈を、私たちの手で作り上げ、世界へ貢献しようではありませんか。21世紀を、日本にとって新たな時代の風をはらんだ、大航海の船出にしましょう。「21世紀の科学技術ー夢と希望を語ろう」をテーマに、私に意見を送ってください。
内閣総理大臣 小渕恵三