小渕内閣 官房長官談話
北朝鮮によるミサイル発射を受けての当面の対応にかかる官房長官発表
平成10年9月1日
今般のミサイル発射は我が国の上空を通過して三陸沖に弾着した可能性があるとの点で、我が国の安全保障に直接かかわることであり、極めて憂慮すべき事態である。また、本件は、北東アジアの平和と安定及び大量破壊兵器の不拡散の観点からも極めて遺憾である。この観点より、対北朝鮮政策を再検討し、毅然とした厳しい対応を取る必要がある。また、米韓両国とも対応の摺り合わせを行う。具体的には以下の措置をとる。
- 1.日韓米協議
- (1)日米間のハイ・レベルを含めあらゆるレベルで意見・情報交換を行う。
- (2)韓国との間では、本1日来日の千容宅(チョン・ヨンテク)国防部長官と高村外務大臣及び額賀防衛庁長官、並びに3日来日予定の洪淳王英(ホン・スニョン)外交通商部長官と高村外務大臣との間で意見・情報交換を行う。
- (3)日米韓三者協議をできる限りレベルを上げ、且つ早急に開催することを提案する。
- (4)9月下旬の国連総会の機会に大臣レベルの日米韓三者協議の開催の可能性を打診する。
- 2.国連における対応
- 安保理及び総会において然るべき形で問題を提起する可能性を探求する。
- 3.日朝関係
- (1)あらゆるレベルで北朝鮮側に遺憾の意を伝えて厳重抗議し、説明を求めると同時に、ミサイルの開発・輸出の中止を求める。
- (2)国交正常化交渉はこれまで無条件で応ずる用意があるとしてきたが、当面は交渉の開催に応ずることは見合わせる方針に変更する。
- (3)北朝鮮に対する食糧等の支援は当面見合わせる。
- (4)今後の動向次第では、政府全体で更なる措置につき検討する。
- 4.KEDO
- 米韓等と協議の上、当面進行を見合わせることとする。
- 5.我が国の体制
- (1)緊急時における情報会議の開催等関係省庁間の連絡体制の一層の強化を図り、また、画像衛星活用についての調査の推進等我が国独自の情報収集能力を高める具体的方策を検討していく。
- (2)我が国防衛政策との関連では、弾道ミサイルの防衛システムについては、その技術研究につき引き続き検討していくとともに、指針関連法案等については、その早期の成立・承認を期待する。
(了)
注:洪淳王英(ホン・スニュン)外交通商部長官の氏名のうち、「王英」は「王」が偏・「英」が旁の1文字である。