地球温暖化問題関係審議会合同会議

地球温暖化問題への国内対策に関する関係審議会合同会議(第8回)議事要旨



1.日時:平成11年6月28日(月)8:00〜9:30

2.場所:総理大臣官邸大客間

3.出席者

(委員)近藤次郎議長、太田宏次、清原慶子、久米豊、河野光雄、佐和隆光、椎名武雄、千速晃、中村英夫、水口弘一、吉岡初子 各委員
(政府側)小渕内閣総理大臣、真鍋環境庁長官、古川内閣官房副長官、竹島内閣内政審議室長 他

4.議事次第
(1)地球温暖化対策推進大綱の進捗状況及び今後の取組の重点について
(2)意見交換
(3)内閣総理大臣挨拶

5.議事概要

(1)地球温暖化対策推進大綱の進捗状況及び今後の取組の重点について

 近藤議長より開会の言葉、委員の変更について紹介の後、各省庁における地球温暖化対策推進大綱の進捗状況と今後の取組の重点について報告があった。 

@環境庁企画調整局長
A通商産業省環境立地局長
B通商産業省資源エネルギー庁長官
C農林水産省林野庁指導部長
D運輸省運輸政策局長
E郵政省通信政策局長
F建設省建設経済局長 
G警察庁交通局長
H科学技術庁研究開発局長

(2)意見交換

○自動車税制のグリーン化を実行して欲しい。資料での扱いが小さすぎる。自動車産業にも長期的にプラスになる。

○税の検討はやるべき。ただ、インセンティブ(軽課)はいいが、税収中立は不可能だ。まだ煮詰まっていない。

○運政審の低燃費自動車普及促進小委員会の座長、経済学者として言えば、本日の報告は規制的措置に偏重しており、民間企業、消費者に何をさせるかという施策がないに等しい中、グリーン税制は重要。市場経済の国では市場原理の活用は不可欠。経済的手法が主で、規制的手法は従であるべき。グリーン化は諸外国でも実施されており、テクニカルな問題はあるが、ここで打ち出さないと日本国政府の方向性が疑われる。

○グリーン化の議論は政府税調でも正面から取り上げることとなった(9月から議論が始まるとのこと)。ともかく、環境・運輸・通産がまとまらなければダメ。昨年の住宅税制のような大議論になるのは、今年はグリーン税制かもしれない。

○保有に係る税制とのことだが、自動車を長い間大切に乗ろうとする人にペナルティをかけるのはよくない。
 対策として、本日の報告の中では、道路や港湾への設備投資が多く報告されているが、事業実施の効果をしっかり見極めてやるべきである。
 原発20基必要という議論は今後電力需要が増大することが前提になっている。需要の抑制もしっかりやるべき。二酸化炭素だけでなく総合的な環境への影響を考えないといけない。
 国民参加のために製品の環境情報の提供、テレワーク整備とそのための教育もセットで検討して欲しい。

○グリーン化については現在保有されている自動車は対象ではなく、新たに購入される自動車が対象であり、指摘する懸念は当たらない。

○経済的手法の活用には賛成。各省庁の取組だから規制色が強いのは仕方がない。 民間の取組も次回はヒアリング等するべきである。環境産業や環境会計の取組も進んでおり、こういう動きへのインセンティブも必要だ。税制中立のみを前提とした自動車税制のみのグリーン化ではなく、直間比率是正等、基本的なところからの見直しが必要である。

○質問としては、各種対策のうち、今後の目標が書いていないものがあるが、今後の目標を設定するのは難しいのか。また、これらの対策を実施すれば6%の目標は達成されると考えているのか。
 意見として、グリーン化の流れは良いと思うが、効果の薄れたものは止め、効果のあるものは続けていくようにして欲しい。
 懸念として、サマータイムは国民参加が前提。世間的にはかなりネガティブな反応ではないか。

○(環境庁)6%の達成については、現在、排出量取引等のルール整備が進められているところであり、現時点ではどのような対策を行って6%削減を達成するかの完全な見通しまでは立っていない。CO2が増えているという現状があり、取り急ぎこれを減少傾向に転じていくことが必要と考えている。
 サマータイムについては普及啓発が重要と考えている。アンケートでは54%が賛成という結果、増加傾向にある。

○サマータイムは時期尚早ではないか。個人生活に関わるものだからこそ、54%の賛成で踏み切って良いかどうか疑問。

○近隣の途上国への協力についてもしっかり考えて欲しい。技術移転を実施する側にもインセンティブを与えて欲しい。技術開発の推進にもインセンティブが必要。

○総合的な環境負荷を考慮すると原子力が最も小さい。

○テレワークについて、モデル事業を実施しているが、現実社会との乖離が大きく、問題点が多い。税制上のインセンティブ等の措置が必要。ほかに、NPOとの連携や青少年の意識変革が大切であり、ライフスタイルにまで踏み込んだ環境教育が重要。

○(環境庁長官)温暖化対策推進法は世界的にも画期的な法律で今後意義付けしていく。また、先日企業を集め、意見交換を実施した。途上国への支援としては1月に日中韓大臣会合を実施し、リーダーシップを発揮した。特に中国への支援には力を入れていきたい。
 自動車税制については昨年初めて主導的に取り組んだが、希望していた成果までは得られなかった。今年も自工会へ働きかけたり、庁内に研究会を設けたり、積極的に取り組んでいるところ。個人的には税制は今改革の時期にあると思う。各省庁の連携が必要。環境教育もしっかりとやっていきたい。

(3)内閣総理大臣挨拶

 内閣総理大臣が入室され、近藤議長より審議の経緯が報告された後、総理大臣より次のとおり、挨拶があった。
 「委員の皆様方には御多忙のところ、御参集いただき誠にありがとうございます。ひとこと御挨拶を申し上げます。
 一昨年十二月、私も外務大臣として参加をいたしました地球温暖化防止京都会議において、六%の温室効果ガス削減目標が合意されました。この目標の達成に向け、政府は、昨年六月に地球温暖化対策推進大綱を策定し、これを着実に進めるとともに、地球温暖化対策を目的とした世界で初めての法律である「地球温暖化対策の推進に関する法律」、改正された「エネルギーの使用合理化に関する法律」を本年四月から施行しております。同時に、本合同会議のご審議を経て、「地球温暖化対策に関する基本方針」を閣議決定したところです。
 一方、京都議定書の早期発効の条件整備を図るため、排出量取引などのCOP6における国際合意に向け、国際交渉の場で、積極的に貢献しているところです。
 今般のケルンサミットにおいても、COP6に向けて先進各国が協調して地球温暖化問題に取り組むこと及びそのための国内措置を強化していくことに合意しました。
 本日お伺いした委員の皆様方からの忌憚ない御意見は、今後の政府の取組にぜひとも反映させてまいりたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。」

 挨拶の後、次のような質疑応答があった。

○(内閣総理大臣)グリーン税制の他国での進捗状況はどうか。

○デンマーク、フランス、ドイツでやっている。また、答申案は財政状況を踏まえ税収中立に配慮している。(税制の仕組みについて簡単に説明) 

○税収中立のために基準値が頻繁に変更する問題、使用車種の地域差等の問題がある。

○(内閣総理大臣)それらの問題に対する欧米での対応はどうなっているのか。

○クラス毎に基準を変化させるので、大きい車を絶対的に不利にするわけではない。

○日本は車社会、増税の影響は大きい。

○そこで、テレワーク等が重要になると思う。

○(環境庁長官)低燃費車・低公害車の技術開発も重要(燃料電池車等)であろう。

(了)