地球温暖化問題関係審議会合同会議

地球温暖化問題への国内対策に関する関係審議会合同会議(第9回)議事要旨



1.日時:平成12年9月19日(火)8:45〜9:55

2.場所:総理大臣官邸大客間

3.出席者:

(委員)森嶌昭夫議長、茅陽一議長代理、今井敬、太田宏次、河野光雄、佐々木惠彦、佐和隆光、椎名武雄、鈴木継美、高木郁郎、鶴田卓彦、中村英夫、藤井弥太郎、水口弘一、村上周三、鷲尾悦也 各委員
(政府側)森内閣総理大臣、古川内閣官房副長官、竹島内閣内政審議室長 他

4.議事次第
(1)内閣総理大臣挨拶
(2)地球温暖化対策推進大綱の進捗状況及び今後の取組の重点について
(3)意見交換

5.議事概要

(1)内閣総理大臣挨拶
 冒頭、内閣総理大臣から次のとおり挨拶があった。
 「おはようございます。早朝からお出掛けいただきまして、ありがとうございます。開会に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。

 平成九年十二月、我が国は、議長国を務めた地球温暖化防止京都会議におきまして、六%の温室効果ガス削減を、世界に約束いたしました。

 政府といたしましては、この目標の達成に向け、平成十年に「地球温暖化対策推進大綱」を策定するとともに、昨年度から施行された「地球温暖化対策の推進に関する法律」や、改正後の「エネルギーの使用の合理化に関する法律」に基づき、各種の対策を推進しているところであります。
 一方、昨年のCOP5においては、我が国をはじめ、他の国からも、二〇〇二年までに京都議定書を発効させることが必要であるとの表明がなされました。また、私自らが出席いたしました、先日の国連ミレニアム・サミットでも、できうるならば地球サミットから十周年にあたる二〇〇二年までに、京都議定書の発効を目指して各国が最大限の努力を行うことが、宣言として採択されたところであります。

 これらの国際的な議論の進展を受け、まずは、間近に迫ったCOP6を成功させることが課題となっております。私といたしましては、国際交渉の進捗状況も踏まえつつ、関係審議会の皆様方や国民の皆様の御理解と御協力を得て、京都議定書の締結に必要な国内制度に、総力で取り組んでいく所存であります。

 本日は、政府の取組みの進捗状況等について御報告申し上げ、皆様方から忌憚のない御意見をいただきたいと考えております。
 限られた時間ではございますが、今後の取組みに反映させていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。」

(2)地球温暖化対策推進大綱の進捗状況及び今後の取組の重点について
 森嶌議長の挨拶及び委員交代に関する紹介の後、関係省庁から、各省毎に地球温暖化対策についての報告があった。

@環境庁企画調整局長
A通商産業省環境立地局長
B通商産業省資源エネルギー庁長官
C外務省国際社会協力部審議官
D農林水産省林野庁次長
E運輸省運輸政策局長
F郵政省通信政策局長
G建設省大臣官房審議官
H警察庁交通局長
I科学技術庁研究開発局長

(3)意見交換
 引き続き、意見交換が行われた。概要は以下のとおり。

○原子力については、2010年までに16〜20基増設するという計画の達成は困難であり、原単位で1990年比20%削減するという目標についても達成できない懸念あり。
 新規立地の困難を打破する措置とともに、設備利用率の向上(点検期間の短縮等)への取組が必要。実際この10年間で設備利用率は10%上昇しており80%台になっており(最大で84.2%)、CO2削減効果がある。今後も、原子力対策への支援をお願いしたい。
 COP6では、シンクの問題が重要。3.7%が認められない結果となったときにそのしわ寄せが産業界にくるのは困る。外圧で足下がふらついてはいけない。また、京都メカニズムは、、地球全体で効率的に温室効果ガスを減らせる費用対効果が高い対策であり、我が国の優れた技術を活用することができるので、積極的に交渉に臨んで欲しい。

○シンクは最大の問題。3.7%が大幅に縮小されると目標の達成は容易でない。
 経団連のフォローアップが過去3回行われており、すべてに参加した。産業界の自主行動計画はいい加減なものではなく、真剣な取組行われている。ただし、日本の技術は元々進んでいるので、大幅な削減は困難。社会経済国民会議では、COP3以後、大規模なシンポジウムが全国で60回行われた。その結果、廃棄物・ごみ問題に関しては身近な問題でもあり、意識が高く、環境に配慮した行動にもつながっているが、地球環境温暖化問題は、長期的なテーマであり、環境に配慮した行動はなかなか根付かず、ライフスタイルの変更は難しい。したがって、森林に関する環境外交については、国益を踏まえるべき。 ただ、交渉がうまくいかなかったときに備え、経済的措置の検討が必要であるし、実際検討も進められている。税もそうだが、排出量取引も真剣にやっていくべきである。自主行動計画とセットで考えられる可能性がある。今から議論を始めておく必要がある。自動車税制のグリーン化なども良いことだと思うが、経済への負担をかけずに対策を進めて欲しい。

○経済的に大きな負担のない対策を進めるべき。国益を踏まえた国際交渉を是非行ってほしい。各省の取組は進んでいると思う。対策にはあめとむちが必要であり、税も議論になることは避けられないが、それ以外の対策がないか、検討が必要。 例えば、サマータイム等、小さなコストで効果があがる対策があるのではないか。

○運輸部門の自動車税制のグリーン化は世界にアピールできる対策であり、積極的に支援してほしい。

○エネルギー起源の二酸化炭素排出量は、1998年度は前年度比3.5%減。97年度は前年度比0.2%減のはず。1998年の数字は予想外であると思われるが、政府の要因分析(どの施策が効いたか等)があれば教えてほしい。

○(通産省)オイルショック以来、16年ぶりにエネルギー消費量が1%マイナスとなった。景気低迷の影響も大きいが、産業界の取組も効いていると思う。オイルショック以後、エネルギー消費量は、産業部門は横這いであるが、民生、運輸部門は倍増している。今回の減少により発射台は低くなったが、右上がりの分野が問題。産業部門では景気低迷により、省エネ設備を含む設備投資が低調で、温室効果ガス対策にマイナスになる要因も出てきている点に留意が必要。排出総量の減少は政策の自由度を生み出したが、これを相殺する要因もある。

○ITの影響はどうか。アメリカでは1995年から98年まで、好景気にもかかわらず、エネルギー起因の二酸化炭素排出量は減少。ITの進展等の産業構造変化がその理由と言われているが、どうか。

○(郵政省)ITの進展が地球温暖化に与える影響について、まだ具体的な調査はしていない。調べたいと思っている。

○ITの影響は地球温暖化問題に対し、プラスかマイナス(電力消費量の増大等)かについて、各省で調べてほしい。

○(外務省)国益を踏まえた交渉が重要との御指摘は、その通り。8月1日に各国のシンクへの考え方が条約事務局に提出された。日本は3.7%を主張しているが、かなり一方の極(幅広にシンクをとらえる)に位置する考え方。議定書中の「人為的な作用」の解釈が問題。

○シンクはCDMに入るのか。

○(外務省)我が国(アンブレラ)は含めるとの考えだが、EU等は含めないとしており、やや劣勢。

○共同実施に植林を含めるのは合理的だと思う。将来伐採されるときも、先進国全体の中で、二酸化炭素の増加量として処理できるので(CDMだと、先進国の削減のみカウントされ、将来途上国で伐採されても二酸化炭素の増加として処理されず、不合理である)。

○(環境庁)サマータイムについては、大綱フォローアップの22Pに載っている。現在、参議院の議員連盟で検討されているが、各政党の中でもいろいろ議論がある状況。役所としては導入したいと考えているが。

○(通産省)排出量取引については、産構審において検討を開始することについて相談させていただいている。

○関係審議会においても、政府の温暖化対策の進展にできる限りの協力をしていただきたい。また、各省庁においても、本日の意見、指摘を踏まえた上で、より一層の対策の進展をお願いしたい。

(了)