4会議経過
【椎名議長】ただいまから、コンピュータ西暦2000年問題に関する顧問会議第7回会合を開会いたします。
あれだけ案じておりましたのが何とかほとんど大過なく過ごせた。これは本当に本日お集まりの皆様方の官民全員の大変な御協力の賜物と私も感謝申し上げておりますけれども、この点を踏まえつつ、本日は内外に発生いたしました事象やその対応状況につきまして一応御報告いただいて総括をするということにいたしたいと思います。
最初に、国内における対応状況につきまして内閣2000年問題対策室から御説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
【内閣Y2K室】まず「民間重要分野等におけるシステム点検等の確認」でございますが、これはいわゆる行動計画に基づいて民間重要分野と言われる金融、エネルギー、情報通信、交通、医療などにつきまして最終的に前回の顧問会議のときに点検等をいただいたわけでございますけれども、一部その段階で未対応部分が残っておりましたが、いずれも年末までに修正・模擬テスト等の必要な対応が終了するという報告を受けて年末年始に入ったところでございます。
次に「年末年始に向けた広報活動」としましては、次のような広報活動をしたということでございます。まず政府広報としては10月29日に「コンピュータ西暦2000年問題に関する年末年始に向けた準備について」ということを、総理を中心に広報をさせていただきました。まず新聞広告で2回にわたり、全国紙と75紙について行うとともに、地方公共団体、郵便局、学校、コンビニストアなどに協力をお願いいたしまして広報の徹底を図る。またポスター、更には総理自らが出演されるテレビスポット等によって国民に年末年始の準備、それから重要なことは発生しないという趣旨のコメントを出したところでございます。
更に、「年末年始に向けた情報セキュリティ対策」といたしまして、まず事前の対策としては政府部内において不正アクセス、ウィルス対策等に向けた対策を講ずるとともに、民間や地方自治体についても注意喚起を行う。年末年始については警察庁等において犯罪捜査体制の強化を図るとともに、外部専門家等の活用を含めて官邸内に緊急時の情報連絡・対処処理体制の整備を図ったところでございます。
更に年末年始のいわゆる12月29日から1月5日までの間の対応についてでございますが、官邸危機管理センターを基点とする官民を挙げた情報連絡網を整備をして状況の監視を行ったところでございます。
具体的には31日に官邸に対策室を設け、内閣官房において総理の指示を仰ぎながら官房長官、政務・事務の3官房副長官、危機管理監が中心となって対応する体制を敷き、以下のような措置を講じたということでございます。
31日、まず大みそかではちょうど8時30分ごろからニュージーランドの情報等を総理が直接官邸対策室において聴取するとともに、零時を迎え、零時50分に総理自ら午前零時の直後の電力、通信、鉄道、核燃料施設等について大きな問題が報告されていないというコメントを発表したところでございます。
続きまして、6時に額賀官房副長官から更に零時50分以降に起こった事象について御説明したところでございます。
それ以降、その都度数回、日に2回ないし日に1回ずつ情報提供を行い、また代表事例の発表等を行ったところでございます。それから、このようないわゆる広報の一環としてホームページを活用して、適時適切にホームページを活用させていただきました。
(3)について、海外ではどのようなことが起きたかということでございますが、詳細について外務省から後ほど御説明いたしますので省略させていただきます。
年末年始の相談窓口の整備については、民間団体、それから政府の各部門において相談窓口を設置いたしました。それから、内閣についても相談窓口を設置いたしたところでございます。
以上の対応をとりましたけれども、若干の不具合等は発生したところです。本問題に関する不具合は、年の表示が適正に表示されない等本来の機能に影響のないものが多く、いずれも日常生活に大きな影響を与えるものではなかったわけですが、具体的な事例は以下のとおりということで幾つか主要な事例を挙げてございますが、不具合の原因としては修正の対象から漏れていたこと、それから越年時の状況設定が適切でなかった等のため、修正・模擬テストの実施が十分でなかったことなどが挙げられております。
更に主要な事例としては、金融についてはここに書いてございますように金融機関の現金計数機の不具合というような部分であるとか、電力については原子力発電所の制御棒の位置表示の不具合、通信におきましては監視系の日付処理の不具合、鉄道についてはオレンジカードの専用券の販売機の不具合、医療については骨密度測定装置の日付機能についてのトラブル、政府部門においても省庁内LANにおいてメールシステムの不具合が発生した。地方公共団体もいろいろなケースがありましたけれども、市役所の外国人登録済み証明書発行システムの日付処理の不具合、核燃料施設についても核燃料施設の運転制御の開発システムの一部表示不良というようなものがございまして、いずれも国民生活に大きな影響を与えるものではございませんでした。
このような状況を踏まえて、評価としては「コンピュータ西暦二千年問題については、社会インフラ等の分野で大きな問題は生じておらず、注目されていた年末年始の時期を大禍なく過ごすことができた」と考えます。
また、年末年始には、官邸を起点とする官民を挙げた厳重な警戒体制を強いたが、これについては十分機能したものと考える、今後は、2000年になって以降、コンピュータ・システムの表示や記録上の不具合などが報告されている点にも留意し、閏日の2月29日等を始め、引き続き注意を払っていくとともに、年末年始の対応の経験を生かして、関係分野の担当部局が中心となって、その都度機動的に対応していく必要がある、ということでございます。
【椎名議長】ありがとうございました。それでは、海外における対応状況につきまして外務省から御説明いただきたいと思います。
【外務省】「海外の全般的状況」につきましては我が在外交官、それから国連の下につくられました国際Y2K協力センターというのがございまして、そこを通じましての情報収集ということを行ったわけでございまして、2000年を迎えました直後のニュージーランドの状況については在N
大使が総理に直接電話で御報告させていただきました。いずれの国におきましても、社会が混乱するような大きな問題は生じませんで、軽微な障害が発生するにとどまったということでございました。
そこで、国連の下にございます国際Y2K協力センターの発表を2点御披露申し上げたいと存じます。1つはマッコネルという所長の声明、1月3日でございますけれども、世界中のどこからも深刻な混乱の報告はない。この協力センターの情報収集センターでも135の報告すべき国からすべて平常どおりという報告を受けた。
また翌4日の運営委員会の声明でここでは「Y2K問題への対策は成功した。今後も軽微な不具合が発生するかもしれないが、通常の体制で対応できるので、監視のレヴェルを下げることが適当である」という発表がございました。
なお、「主要国の政府発表」ぶりを御披露申し上げたく存じます。アメリカは3日にホワイトハウス直属のコスキネンというY2Kの委員会委員長が、「米国の主要インフラに関して、Y2K問題を撲滅したと言っていい。今後も不具合が発生するだろうが、米国経済に脅威を与えるようなものとはならない」と述べ、また同日の記者ブリーフィングにおきまして、世界におけるY2K問題の取り組みの好例として日本を挙げて、あのように最も自動化が進んだ国たる日本で問題を特定し、かつ解決した能力は賞賛すべきであると、特に言及がありましたので御披露申し上げたいと存じます。
このほか、英国、カナダ等におきましてもそれぞれ対策本部、あるいは委員会が順調に推移したということを報告した次第でございます。
なお、御参考までに別添に幾つかの不具合の例を付けさせていただきました。お目通しいただければそのままでございますから特に申し上げませんけれども、どこの国でも似たようなちょっとした日付の調整忘れに基づくミスとか、日本にもございましたけれどもちょっと気象のデータを取り損なう、あるいはそれを登録し損なうミスとか、そういったものが主なものであったと存じております。以上でございます。
【椎名議長】ありがとうございました。それでは国内、海外の御説明が終わりまして、ただいまの御発表に関しまして何か御質問、御意見等がありましたらちょうだいしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
【顧問】今回の問題は、世界でどのくらいのコストが掛かったんでしょうか。
幾ら掛かったかというのはなかなか難しいと思いますけれども、アメリカは10兆円と推計しておるようです。
【顧問】1,600億ドルという数字が出ておりましたけれども、イタリーははほとんどなくて英国は数千億で掛からなかったなどと言っておりましたが、基本的にはシステムの修正はどこもやっているはずですね。
○いわば2000年問題だけのためにやったのか、それともいわゆるシステム全体を合理化するためにやって、その中で2000年が解決されているのかというのは、実は動機であって本当の金額では分けられないわけです。それから、特に日本の場合はコンピュータのハードとソフトとを厳密に振り分けて、ソフト対策だけは幾らというのをはじくのは難しい。そういう意味で、日本はどちらかというとやはりアメリカなどに比べて若干金額は低目に出てくる。アメリカはソフトとハードをきっちり分けていますから、その辺りも異なります。
【顧問】情報サービス業界で人手について推計したことがありまして大体想定いたしましたのは、これもなかなかわからないんですが、業界として動員できる年間人員の5%ぐらいから多くても10%ぐらいじゃないか。それを2年でやるか、3年でやるかということになりますが、したがいましてその範囲で済んだのではないかというふうに思います。
○それに大体プログラマーなりの人件費が幾ら、60万と見るか、80万と見るか程度で、金額が大体2兆円を挟んで前後に触れるというぐらいかなと。
【顧問】稼働人員が概算で約40万人と言っておりますから、1割としますと4万人ぐらいが稼働したということになりますので、多く見てもその程度ではなかったのかなというところです。
【顧問】新たな雇用ではないということでは、若干のプラスアルファの問題だという感じですね。
(小渕内閣総理大臣入室)
【椎名議長】それでは小渕総理がいらっしゃいましたので、今までの簡単な御説明を申し上げて総理の方からお言葉をちょうだいしたいと思います。
今日は第7回でございまして、お陰様で何とか大過なく終わったわけでございますけれども、内外の状況というものを御説明いただきまして今、議論に入ったところでございます。どのぐらい費用が掛かったのかという御質問がございました。アメリカが10兆ならば日本は半分、それ以下ぐらいだろうというようなことを今お話ししていたわけでございます。
【小渕総理大臣】新聞で見た範囲ですが、1兆5,000億から2兆5,000億ということであったが。アメリカの10兆というのも、国防総省が日本の金で3,700億円と言っているんです。アメリカではコストを掛け過ぎだという議論もあったそうだけれども、日本はどうだったんでしょう。
○むしろ掛けなさ過ぎというのを海外から注意をされていたようです。大体GNPの半分だと5兆円ですけれども、コンピュータ化とかそういうものが日本はアメリカほど進んでいませんから、よく見て3兆とか、4兆とか、そんな数字ではないか。
ただ、アメリカに比べるとかなりレベルが日本はそれほど多くやっていないという意味では、やはり2兆を挟んだ2兆から3兆ということで、アメリカの場合も気象予報システムとか100億幾ら掛けているものがありますが、後になって米国はこれは実は余りY2K問題のためのコストではなかったなどと言い出していますから、あの10兆円という数字もどこまで本当かというのはよくわからないです。
【椎名議長】それでは、総理がいらっしゃいましたので、皆様方の御意見をちょうだいしたいと思います。
最初に、御欠席の顧問から文書の提出をいただいておりますので、Y2K対策室から御紹介いただきます。よろしくお願いします。
○「突然のよんどころない会議のため欠席せざるを得ず、紙面にて御説明することをお許し願います。コンピュータ西暦2000年問題については、一昨年秋以来、最重要課題と位置づけて都道府県・医師会長協議会情報担当理事連絡会議、日本医師会の全メディアを駆使し、鋭意対策を進めてまいりました。日本医師会としては、一連の対策の現場における進捗状況を確認し、更なる徹底を期すため、昨年9月から11月にかけてすべての会員施設、約8万を対象に緊急アンケート調査を実施いたしました。
その結果、要対策施設についてはほぼ対応が完了していることが確認されましたので、次の段階としてライフラインの障害発生等の不測の事態に対応するための危機管理計画並びに体制づくりの徹底に取り組み、特に越年時においては日本医師会及び47都道府県医師会の越年時Y2K対策本部から成る全国ネットワークの通報連絡体制を強化いたしました。越年時から1月4日までの診療開始日にかけて、誤表示等の数件のトラブルを除いて患者の生命、健康にかかわる事故発生もなくて経過できましたことは、厚生省による重点医療機関に対する指導の徹底と日本医師会の全医療施設に対する対策等、関係者の努力が効を奏したものと考えております。日本医師会としては、2月末のうるう日においても万全を期する所存であります。」
以上でございます。
【椎名議長】ありがとうございました。
それでは、皆様方のお言葉をちょうだいしたいと思いますけれども、まず僣越でございますが、私は顧問の皆様方を代表いたしまして総理に一言御礼を申し上げたいと思います。小渕総理が号令を掛け始められたころからがらっと変わりまして、民の方も非常に対策が進みました。
それからまた、私自身もシンガポールへ出させていただきましたけれどもAPEC、それからG7等で総理の非常に適切な御発言があったということを伺っておりますけれども、これも大変よかったと思います。アメリカその他の評価も日本に対して大変高くなったということは御同慶の至りでございます。
それからまた、元旦の零時50分の総理の御発言は勇気のある時間の設定でございまして、本当に零時から50分しかたっていないところで御報告のタイミングを選ばれたというのは大変敬服しております。幸い何事もなかったわけでございますけれども、そのときにきちんと総理に御発言いただいたということは、本当に安心させて頂いたということで、これも本当にすばらしいリーダーシップと敬服しております。以上、感謝申し上げます。
では、お一人2、3分で御感想その他を言っていただければとありがたいと思います。
【顧問】お陰様で電力には全く停電問題というのは起きなかったということで大変ほっとしておるところですけれども、皆さんの御指導、御協力に御礼申し上げたいと思っています。
ただ、電力の制御、発電の制御につきましては当初から、これはカレンダーを使っていないんだから2000年問題はそもそもないんだということで停電はあり得ないということをこの席でも私は申し上げてきたつもりですけれども、残念ながら一部の識者とか、評論家の方が2000年問題で停電が起きるというようなことで主張されたということで、何となく皆さんのY2Kの問題も電力が震源地だというような感じでいろいろ御対応いただいてしまったのではないかと思って、これは非常に残念だと思っています。一の御家庭の方も炭を買うとか、石油ストーブを買うとか、水をためるとか、大変御苦労いただいたんですけれども、これは我々のPRが少し足りなかったかなというような感じでおります。ただ、一部の原子力発電所や何かでは制御系などの位置表示にトラブルがありまして、これは大変申しわけなかったと反省いたしているところです。
ただ、一部のホームページに電力の施設はこうすれば破壊できるというような記事が載ったんです。そんなことがありまして、大変そういう意味では年末年始に緊張いたしましたけれども、要員を増やしまして、ともかく無事に乗り切れたということでほっとしております。
いずれにしましても、今回経験いたしましたトラブルの徹底的な原因究明ということで、一部不具合がありましたけれども、また2月29日にこういうことが起きないように鋭意努力するつもりでおりますので、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
【顧問】石油の場合は大きく分けまして連続運転でございますから、取り分け年末から年始に掛けての装置サイドの運転が順調にいくかどうか。それから、年明けになりますと4日間休みでございまして、4日目から出荷が主導し出すのでそういう動きへの対応、それから4日から年末までのデータをいかに順調に処理するかという立ち上がりという4日目の動き、それからもう一つは海外からの製品輸入、取り分け原油の輸入が順調であるかどうか、この3つの点に絞られたわけでございますけれども、この問題に各社トップダウンで体制を整えて、もともと持っておりますシステムの修正と、それから実証テストと危機管理計画というものを踏まえながら対応いたしまして、連盟として一応順調な対応ができたというふうに考えております。既に石油連盟の方では危機管理センターをつくっておりましたけれども、政府の体制に合わせまして1月5日の5時に解散いたしまして、現在は連盟の事務局の調査部というところに一応縮小して置いて引き続き管理をしていくということにしております。
【顧問】金融業界では、1月4日の営業開始を万全の体制で迎えるべく、年末年始にはいろいろな対応を実施いたしました。
まず、全銀システムなど、全銀協が運営する各決済システム、これは非常に重要なわけでありますけれども、全銀システム、外為円決済システム、個人信用情報システム等でこございますが、年が明けました直後からセンターシステムの稼働確認等を行うとともに、1月2日には各銀行等参加金融機関との最終的な接続確認テストを実施いたしまして、2000年日付のデータの接受及び各システムのネットワーク全体の接続が正常に行われるということを、1月4日の営業開始に先立って確認を終えました。
また、手形交換業務につきましては全銀協が呼掛けをいたしまして、全国に法務大臣指定の手形交換所が117ございますが、この交換所すべてが通常であれば1月4日に行われる手形交換を12月31日に前倒しで実施いたしまして万一の問題発生に備えました。
この会議でも御報告申し上げました西暦2000年問題情報センターでございますけれども、昨年9月1日にこの情報センターを設置したわけでございますが、12月31日から1月4日までの間は24時間体制で対応に当たりました。具体的には全銀協の会員各行や各決済システム等からの2000年問題に関する情報の迅速な把握や広報活動、あるいは消費者からの照会対応などを実施いたしました。各銀行は万が一の場合でもお客様の預金データが消失することがないよう、これがいろいろとマスコミ等でも話題になったわけでありますけれども、年末時点におけるお客様の預金データのバックアップを保存するというような対策を実施いたしました。また、こういう対応状況を御理解いただくように、全銀協としてリーフレットの発行や新聞広告を行ってまいりました。
加盟各銀行の状況につきましては、一部の銀行で法人顧客向けのファームバンキングの顧客端末ソフトや内部管理システムなどに軽微な障害が発生した例が見られましたけれども、いずれも業務に大きな支障を来すものではなく、既に復旧済みと聞いております。
今後も2月29日を始め、西暦2000年問題の危険日を控え、引き続き対応に遺漏なきを期していきたいと考えております。
【顧問】コンピュータベンダーでございますけれども、12月31日から1月4日までの間、延べで50万人ぐらいの動員をしまして24時間体制で対応をいたしました。お陰様で大過なくということで済みましたのは、やはり先ほど椎名さんからお話がありましたように、政府中心での広報、それからユーザーの皆さん方の御理解があったからこういう結果になったんだというふうに思っております。
ただ、やはり一部不手際が発生してデータが狂ったとか、絵が消えたとか、そういうふうなことがございましたのは、極めて反省をいたしております。今回の貴重な経験を基にして、更にネットワークの進展その他、私どもの業界といたしましては更に積極的に情報化社会の発展に取り組んでいきたいというふうに思っています。
それから、2月29日の対応に関しましても暮れ、正月の対応と同じような状況で、一日当たり約10万人の準備スタンバイはさせるということで考えています。
それから、お客様からの問合せでございますけれども、コンピュータメーカー6社に来ました問合せが暮れから正月で約5,000件ございました。その5,000件あったうちでY2Kと全く関係のないものは半分以上ございまして、それ以外のところはカレンダーの問題ですとか、ほとんど大きな問題のお問合せはなかったということでございます。以上でございます。
【顧問】第1回の会議で総理大臣から、飛行機は乗っていて大丈夫かと言われたのが記憶に新しいところでございまして、航空分野におきましてはこの問題については事前に三社合同でデモフライトをいたしまして、マスコミの方にも400人ほど乗っていただきましてロールオーバーを機上でやったということでございます。
それから、事前に地上のシステムの対応をやりまして、それに対しましてはICAOとかIATA、国際的な機関から情報収集しまして、危機管理体制は万全の処置をもって臨んだと思っておりまして、問題なく終了いたしております。
まず6点ほど申し述べたいと思います。
本社系のホストコンピュータというものがございます。これは運行、旅客、貨物、制御でございますが、この各業務の重要システムについて問題は全く発生しませんで、順調にお客さまの輸送をしたということでございます。
それから、空港系の各端末がございます。これは各空港によって問題の発生は全くございません。計画どおり実施されました。
それから予約センターがございます。お客様からの電話の予約がございまして、市内の案内もございますけれども、この問題についても問題の発生なく通常どおりの業務を実施いたしております。
それから航空機の運行でございますけれども、全運行航空機について問題の発生は全くございませんでした。これは国内、国際とも計画どおりの運行を実施いたしております。それから、お客様のためということでございますけれども、年末年始における相談窓口と情報提供ということでホームページ、それから自動テープにて御案内いたしましてお客様皆方にも安心していただけるということをいたしました。
最後に、官民が連携した情報連絡網をつくられるということで、2000年問題で何が起こっているかの把握、万一の事態の対応についての運輸省航空局のY2K対策本部との連絡、こういうものも実施いたしまして十分な対応をいたしまして今、申し上げましたように何も問題なく終わったということでございます。
2月29日については、一応各社で対策本部だけは設けようと思っておりますが、危機管理ということで対策本部を設けたいと思っています。以上です。
【顧問】それでは、鉄道関係について御報告申し上げます。
私たち鉄道事業者といたしましては、年末の問題で事前の対策といたしましてはまずシステムの改修をやる。それから模擬テストの実施をする。更にまた危機管理計画の策定、そのようなことをメインにしまして総合訓練を実施して、より万全な対応ができるような準備をしたわけです。
また、年末年始でございますけれども、終夜運転等をやっておりますから駅の従業員等を含めましてJR、それから大手の民鉄など37社で約1万5,000人の増員を行いました。これは通常の従業員の5割増で対応したわけでございます。そこで、やはりシステムの稼働状況の確認をしたり、運行状況のトラブルがなかったかということを情報を把握して対処したわけでございます。
その結果、お陰様で鉄道関係におきましては4件の障害がありましたが、そのうちY2Kの2000年問題については1件だけでございまして、あとは通常のちょっとしたトラブルで、これはすべて解決しております。それで、この1件については先ほどちょっと御報告がありましたように券売機の問題でございますから、運行上の支障は何もございませんでした。そんなようなことで、年末年始は無事クリアしたということでございます。
また、2月29日の問題は第2のハードルでございますけれども、これも更に心して乗り越えるように努力したいと思います。
【顧問】情報サービスの関係でございますが、お話が出ておりますようにこの24時ということが世界中徐々に動くものですから、ニュージーランドから始まりましてアメリカが最後になるということで、各国の我々と同じような団体と連帯しまして、何か問題があったらお互いに通報いたしまして同じことが他国で起こらないように防止しようという体制をとったのでございますが、幸い余り問題がなくて、どこの国の報告も問題ない、問題ないというようなことできたということでございます。
それから、国内におきましては特に中小企業事業団と協力いたしまして、中小企業の相談の窓口を大みそかから年初にかけまして開きましたけれども、これも余り取り上げるべきような問題がなくて済んだということでございます。
それから、私個人として非常に心配しておりましたのは、いわゆハッカーの問題でございまして、これは幸いなことに今までのところ出ていないということでございますので、やはりこれは国民性ではないのかなという感じがいたしまして大変安堵しております。
中央の方に上げる故障データについてはある程度スクリーニングしておりますので、そのスクリーニング以下のところが問題だと思うんですが、これはやはり現場でもって技術者が張り付いてすぐ直すということを結構小まめにやりました結果、余り大きな問題も出なかったということでございまして、いずれにしても大変結構な結果だったと思いますが、これは中央官庁を始め事業団その他の御協力があったことを感謝しております。
【顧問】NTTとしては前からコンピュータに関しては準備していたので特に何もございませんでしたけれども、もし何かあったら電話を掛けるとか通信が行われるんじゃないか。それが今度は心配になって、みんながそれをやり始めると通信は大混乱だと、こちらの方の話でコンピュータ自体の話よりそういう間接的な話の方が心配になってきて、年末から年始はそちらの方を一生懸命見ていました。幸いなことに例年並みのコールで、零時から3分までの間に大体115万コール、これは例年並みなんですけれどもそれで済みましたので、特にコンピュータの関連で混乱が起こって通話が増えてふくそうを起こしたというようなことはありませんで、例年並みで終わりました。
イベントなど随分夜中にありましたから心配したんですが、イベントには移動体の電話を持って参加はしていて、掛ける人も多いですから当然なんですけれども、イベントがあったときはいつも混みますからその程度で終わっておりまして、特にコンピュータ問題ということで変わったことはございませんで終わりました。以上でございます。
【椎名議長】私なりに総括させていただきますが、やはり特筆すべきは先ほど申し上げた総理のリーダーシップと、それから多分初めてじゃないかと思うんですけれども、国家レベルでの危機管理体制を敷かれてきちんとそれが機能したということは、余り不吉なことを想定したくないけれども、今後何らかのときに実践するということは重要なあれがあったと思うんです。
それから、昨年の3月、政府の力で企業に危機管理のマニュアルを配布いたしましたね。これはよかったと思うんです。ですから、今後また何らかの地震その他があるときに危機管理というものに対しての理解と、それから対応の仕方というのが徹底できたということはよかったんじゃないかと思います。
それから、国民の冷静な対応というのは大きかったと思うんです。やはり政府広報その他で、大変だけれどもそうものすごいことにはならぬだろうというような認識が幸い広まっていたからパニックは起きなくて、石油ショックみたいなことになったらえらいことになると思ったんですが、それはなかったということで本当によかったと思います。そういうことで私なりに総括させていただきます。
それでは、総理からお言葉を賜りたいと思います。
(報道陣入室)
【椎名議長】それでは、総理からよろしくお願いします。
【小渕総理大臣】本日のコンピュータ西暦2000年問題に関する顧問会議の締めくくりに当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
2000年問題については、先の顧問会議の結果を踏まえ、私は昨年10月末に国民の皆様に対し、年末年始においては小規模な不都合に対する備えは必要であるが、重大な問題は生じないと申し上げました。更に私自身、年末年始にかけて官邸で政府の対応について陣頭指揮をとりました。結果的には、注目されていたこの時期を含め、現在までのところ、金融、エネルギーなどの社会インフラとなる重要分野を始めとして、日常生活に深刻な影響を与えるような問題は生じていない状況であります。これも、行動計画に基づく事前のシステム点検や、年末年始における危機管理など、官民を挙げた対応の賜物であり、なかんずく深夜未明にわたるまでシステムの点検、手直しに当たられた多くの方々の努力の結果でもあります。関係各位の御尽力に心から敬意を表します。
今後も、うるう日の2月29日等、注目すべき日があるとのことでございます。このため、官民ともども年末年始の経験を生かしながら本問題の対応に引き続き遺漏なきを期していかなければなりません。顧問会議におかれましては、一昨年の9月以来、7回にわたり民間重要分野におけるシステム点検の促進等、行動計画のフォローアップなどについて熱心な御議論を行っていただきました。お陰様で所期の目的を達成いたすことができました。この間における顧問の皆様の御協力に心から感謝を申し上げまして、私のあいさつといたします。どうもありがとうございました。
(報道陣退室)
【椎名議長】このあと、本日の顧問会議の報告ということでプレスに発表させていただきます。お忙しいところ誠にありがとうございました。