産業構造改革・雇用対策本部
1.新市場、新産業の育成による雇用創出
| ○世界最高水準の大学の実現等によるイノベーション基盤の確立、リスクマネー供給の円滑化等創業・開業の増大に向けた環境整備、インキュベーション促進のための環境整備等を通じたベンチャー振興 |
イノベーション・シーズは圧倒的に大学が保有。基礎研究力を持つ大学と産業・ベンチャー企業群の近接性こそが「国際競争力」に直結。
大学発の特許取得件数を10年間で15倍、大学発の特許実施件数を5年間で10倍にすることを目標に、世界最高水準の大学作りに向けて教育研究における競争導入の徹底、大学等の組織運営改革、大学発の新産業創出の加速を進めるなどにより「学」から「産」への技術移転戦略の構築を急ぐ。
また、独立行政法人等公的研究機関においても新産業やイノベーションの創出に努められるよう環境整備を行い、これらを総合的一体的に推進することにより、大学その他の公的研究機関からのいわゆる「大学発ベンチャー」が3年間で1000社に達することが可能となるよう、イノベーションの基盤を整備する。
【大学への競争原理の導入・徹底による世界最高水準の大学の育成】
○厳格な客観評価を基にした重点投資
- 外部有識者も参加した厳格な評価によるコンペ方式などにより、国公私立大学を通じた「トップ30」(全体の約5%)の大学に対して重点投資を行い、世界最高の教育研究水準の大学を育成する。このため、国立・私立大学等への国の助成等について、その研究ポテンシャルの発揮や、世界最高水準の大学を作るための競争という観点の反映を検討する。
- 科学技術基本計画に則り平成17年度までに競争的資金の倍増を目指すなかで、大学等において競争的な研究環境を作るため、競争的資金の拡充を図り、新産業の創出その他社会的課題の解決を促進する。また、競争的資金の効果的・効率的活用に向けて、評価方法の改善、競争的資金の一定割合を間接経費として配分することによる研究機関同士の競争促進等を図る。
○多元的評価の導入と情報公開の徹底
- 平成12年度から段階的に実施している大学評価・学位授与機構による大学評価を、平成15年度から本格実施する。また、大学の教育・研究の内容等を評価するため、大学の技術者教育プログラムの外部認定(アクレディテーション)等中立的な民間第三者による評価制度の導入に向けた取組を支援する。
- 大学ごとの経営(財務)状況や教育研究活動等に関する情報公開の徹底による外部への透明性の確保を図る。
○経済社会ニーズに対応した組織編成の弾力化
- 経済社会ニーズへの主体的機動的対応を図るため、届出制の検討も含め、学科の新設・改廃等の認可制の見直しなど大学の設置の望ましい在り方について早急に結論を得て、実施する。
○人材流動化の促進
- 任期制・公募制の推進による人材の流動化に一層努めるとともに、総合科学技術会議の議論も踏まえ、公的研究機関は、任期制及び公募の適用方針(業務や研究分野等により任期又は公募を適用できない場合はその理由)を明示した研究人材流動化の促進に関する計画の策定等を検討し具体化を図る。
- 国立大学の任期付教官について、業績、能力等を十分に反映した処遇が行えるよう給与上の特例措置を講じることについて、平成13年度に検討を行い、早期に結論を得る。また、業績に応じた給与決定の一層の弾力化、各大学の自立的な給与決定の早期実現を図る。
【大学発ベンチャー・新産業創出の加速化】
○若手人材の育成
- 可能な限り早期に、全理工系学部に起業家人材を育成するビジネス講座や技術経営(MOT)講座など実務的・実践的な講座を創設するため、各大学において公募を行う際に教員採用に関する基準の明確化等に努めることにより、公募による企業人の教員登用を促進する。
- 企業から大学への委託研究費・共同研究費のみならず、競争的資金によって優秀な若手研究者を雇用できるよう給与の扱いの弾力化を図る。
○企業ニーズに基づいたリスクマネー供給の円滑化
- 教員又は研究員として企業人の受入れの一層の積極化や、大学と民間企業の共同研究のためのマッチング機能の強化等により、研究における企業ニーズの反映を図るとともに、スタートアップ又はアーリーステージにある大学発ベンチャーへの支援を推進する。
○TLOの機能強化等によるインキュベーションの充実
- 大学発ベンチャー企業育成のため、TLO、共同研究センター等の機能強化(共同研究発掘のためのリエゾン機能、大学の基礎的技術シーズを事業化まで育て上げるインキュベーション機能等)を図るとともに、ベンチャー企業等に対する国立大学施設使用に係る規制緩和を行う。
- 大学発ベンチャーの経営面でのリスク軽減のための事業化計画の策定、資金調達、マーケティング等経営面での支援サービス(インキュベーション)の拡充を支援する。
- 産学官の連携をコーディネートし、新技術につながるような研究成果を発掘し、育成・企業化を計画していく人材の育成を図る。
- 国立大学で生まれた特許等の原則機関保有への転換、独立行政法人化後のTLOの在り方などについて平成13年度中に検討し、早期に所要の措置を講じる。
○発明に対する研究者のインセンティブ強化
- 国立大学等の研究者個人に対する発明補償金について、支払限度額(年600万円)の上限を早期に撤廃するとともに、競争的資金の選考時等教官の業績評価の際に分野を考慮しつつ特許取得実績を評価項目の一つとする。
○産学連携、研究成果の帰属・移転等に関するルール整備
- 産学連携に係る基本方針(ガイドライン)を策定するとともに、国立大学の特許権以外の研究成果(試料、試作品、プログラム・データベースの著作権等)の帰属や技術移転の考え方を整理したルールを整備する。
- 産学連携を行おうとする教官・ポスドク・学生等からの問い合わせを受けた場合に、これに回答する「産学連携版ノーアクションレター制度」について、必要性を踏まえた検討を行う。
○エクイティを活用した利益還元手法の構築
- 平成14年度に予定されるストックオプションの付与対象拡大に伴い、財団法人型TLOによる大学発ベンチャーのエクイティ(ストックオプションや株式等)の取得及び、国立大学教官が大学発ベンチャー企業に非役員として兼業する場合(国家公務員法第104条に基づく兼業)のエクイティの取得について、その必要性を含め検討する。
○ベンチャー休職制度の創設
- 国立大学の教官が、ベンチャー企業を起こす場合等に、一定期間公務を離れることを認める休職制度についてさらなる拡充が可能か、その必要性を含め検討する。
○企業からの支援拡大のための環境整備
- 企業から大学への委託研究費を5年で10倍程度に拡大できるよう魅力的な研究環境を実現することを目標として、今年度中に、大学内インキュベーションのための施設設備使用の規制緩和、企業から国立大学への委託研究において企業が研究成果(特許権)を独占的に使用可能な仕組みの検討等の環境整備を行う。
- 民間からの教育研究資金の流入を活発化するため、大学が受ける寄附金・大学が行う受託研究の充実のための環境整備について、税制面での対応を含め検討する。
- 企業資金によるキャンパス内の産学共同研究施設の整備を促進するとともに、「冠講座」「冠奨学金」の大幅増加を図るべく環境整備を行う。
○産学官の対話による相互理解の促進
- 産学官連携を推進するため、大学における教育研究や改革の状況及び企業のニーズや取組等について、大学や国研等の公的研究機関と産業界のトップが行政の参画を得て対話する「産学官連携サミット」(仮称)を実施するなど、様々な機会を通じて大学等と産業界の相互理解の増進に努める。
○知的クラスターの創出
- 地域の大学等の特色ある研究成果と研究人材を核とし、連鎖的な技術革新が生じる世界最高水準の知的クラスターが我が国でも10か所以上形成されることが望まれる。地域のイニシアティブの下で知的クラスターの構築を促進する。
【民間の発想を活かした新しい国立大学経営システムへの転換】
○国立大学法人化の早期実現
- 民間的経営原理の導入による国立大学の法人化(経営責任の明確化、外部人材の経営への参画、学部セクショナリズムの排除、学長リーダーシップの強化、新しい人事システム等)を早期に実現する。
- 国立大学の法人化に際しては、民間との交流、兼業、能力に見合った処遇等が自由にできるよう、人事制度の見直しや非公務員型を含め、改革の方向を検討する。
【独立行政法人等公的研究機関の活用】
○独立行政法人のメリットを最大限に活かした新産業の育成
- 独立行政法人等公的研究機関においても、経営の自律性を最大限に発揮しつつ、大学における上記の取組と一体となって新産業、イノベーションの創出に努められるよう環境整備を図る。
- 研究に従事する国家公務員(特定独立行政法人の職員を含む)のうち若手研究者が原則5年間は任期付研究員として活躍できるようにするとともに一定の条件の下に再任もできるようにするため、早期に必要な措置を講ずる。
- 独立行政法人化された公的研究機関に関し、法人自らが得た収益を活用し出資する制度及び知的財産権について価格を評価した上で現物出資する制度などの可能性につき、独立行政法人制度の趣旨を踏まえつつ検討を行う。
| ○戦略基盤・融合技術分野への重点投入(産学官総力戦) |
ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の4つの重点戦略分野について、研究開発への重点投資を図るとともに、具体的な新産業創出に向けた目的指向の明確な研究開発、ロボット等の分野融合的な研究開発を促進する。
○「競争的資金」の拡充
- 科学技術基本計画に則り平成17年度までに競争的資金の倍増を目指すなかで、大学、公的研究機関、企業の各部門を通じ、具体的な新産業の創出や社会的ニーズの解決に向けた競争的資金の拡充を図るとともに、研究開発評価の充実を図る。
○4分野への重点投資と専門家による一元的プログラム管理による効率化
- ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料の4つの重点戦略分野への思い切った重点投資を図る。
- 平成13年度以降、戦略的に重要な研究開発プログラムについて一元管理する高度な専門家の配置を促進するとともに、国の研究開発予算については、その特性を踏まえ、繰越明許費の活用や会計事務の効率化を図ること等により、研究執行の弾力化を推進する。
○知的財産権保護政策の強化等
- 我が国の産業競争力強化・研究開発の戦略的推進等の観点から、知的財産権保護政策及び研究開発の成果管理への取り組みの強化を図る。
- インターネット上でのコンピュータソフトウェアや商標の保護の明確化等を図る観点から、次期通常国会に特許法・商標法等の見直しを行う法案を提出すべく、検討を進める。
我が国風土に「ベンチャー・スピリット」を植え付け、新規開業を5年間で倍増させることを目標として、人材確保・育成、資金調達、経営資源の有効活用などの環境整備を進める。
また、「地域再生産業集積(産業クラスター)計画」として、産学官の広域的な人的ネットワークを構築し、技術の事業化支援などのための支援策を効果的に投入することにより、地域経済を支え、世界に通用する新事業が次々と展開される産業集積(産業クラスター)を形成する。
○「大学発ベンチャー1000社」体制の構築
(○イノベーションの基盤整備の項参照のこと)
○産業集積の形成
- 今年度から、「地域再生産業集積(産業クラスター)計画」の推進のため、知的クラスターの形成の状況も踏まえ、地域企業、大学、公的研究機関、TLO、専門商社等の間で、緊密な相互連携のための広域的な人的ネットワークを形成し、地域企業が、そのネットワークを活用して必要な技術・人材・資金・販路等を得て、新事業を次々と展開し、産業集積が形成されることを目指す。
- 今年度から、「地域再生産業集積(産業クラスター)計画」の推進のため、上記ネットワークを通じて個々の地域企業の経営課題や特徴等を熟知した上で、地域における関連する研究開発プロジェクト等と連携を図りつつ、産学官連携のための技術開発プロジェクトや個別企業の技術開発の支援など、地域技術の実用化・事業化支援策を効果的に投入するとともに、起業家支援機関(ビジネス・インキュベータ)の整備やそのソフト面の機能強化を進める。
○地域における雇用創出
- 本年10月に施行される改正地域雇用開発促進法等に基づき、国と地方公共団体が連携して行う雇用創出事業を着実に推進するなど、地域の実情に応じた雇用創出を推進する。その際、地域の主体的な取組みを促進しつつ、関係行政機関や労使団体との間での緊密な連携を確保するための措置を講ずる。
○ベンチャー企業の事業環境整備
- ストックオプション制度について、付与の際の決議事項の簡素化、対象者の拡大等の見直しを行うための所要の商法改正を行い、平成14年の株主総会で制度を利用できるよう措置する。
- 企業の資金調達及び株式公開をより一層円滑化させるとの観点から、株式公開前の一定期間における第三者割当増資の禁止、転換社債等の強制転換等の規制(公開前規制)について、早急な見直しの実現を図る。
- 企業の円滑な人材確保等の観点を勘案しつつ、商法上のストックオプション制度の見直し(平成14年の株主総会で利用できるように措置)を踏まえた私募についての見直しを行う。
- ベンチャーキャピタルによる投資の活発化を図るため、中小企業等投資事業有限責任組合の組合員数の上限(現行49名)の引上げを早急に行う。
- 情報通信ベンチャー等ベンチャー企業の経営情報収集、交流の拡充を図る。
- 農産物の生産、加工、流通部門やサービス産業部門を一体的に展開する複合アグリビジネスの育成を図る。
○証券関連税制
- 証券関連税制については、申告分離課税への一本化後の株式譲渡益課税のあり方について、今後の与党の議論や政府税制調査会における検討を踏まえた上で対応する。
○企業再編環境の整備
- 連結納税制度については、今後、広範な論点について、検討を行う。
- 会社更生法については平成14年中に全面改正法案、破産法については平成15年度中に全面改正法案の提出を予定している。また、民事再生法についても、今後の運用実績を踏まえ、平成15年度を目途に必要な見直しを行う。
- 適切なディスクロージャーの推進という観点から、企業会計基準に関し、国際的な調和の観点も踏まえつつ、引き続き着実な整備を図る。
○SBIR制度の拡充及び中小企業・ベンチャー向け需要拡大
- 中小企業・ベンチャー向けの研究開発機会や受注機会の確保のため、研究者個人を対象とした支援制度を積極的にSBIRの対象としていくこと等によりSBIR制度の拡充を図るとともに、中小企業・ベンチャー向けの需要拡大に努める。
○「創業塾」などの創業支援の展開
- 今年度から、商工会・商工会議所における創業塾、中小企業大学校における新規創業支援研修等を週末に重点化するなど工夫して実施する。
- 新規開業者向けマル経融資制度及び信用保証協会の創業支援債務保証事業の利用促進を図る。
- 今年度から、企業組合等という形での創業に対する支援を検討する。
- 今年度から、週末においても創業など経営相談に対応できる体制の検討を開始する。
- 平成14年度から、会社設立に当たって必要な手続についての負担軽減措置を実施する。
○中小企業の経営革新支援の更なる充実
- 今年度から、都道府県及び中小企業者に対し経営革新支援施策の周知徹底を図るとともに、中小企業者に対する助言・協力体制の整備等を行う。また、3年間で2万社の経営革新を実施するように促す。
| ○情報通信、医療福祉、環境、物流、都市・土地、住宅等の分野における新たな市場・雇用創出のための規制・制度改革等 |
「健康」は最大の国民ニーズであり、医療・介護分野は、もはや「慈善事業」としてのみ捉えることは適当ではなく、21世紀のリーディング産業として考える必要がある。競争的・効率的な医療・介護システムは、財政の効率化にも資することになる。
このため、国民への安心と世界最先端の技術・技能を有する医療・介護産業を目指し、膨大な市場ニーズに応え得る競争的な医療・介護システムを構築する。
【医療システム改革と新たな医療市場の創出】
○医療機関の経営形態のあり方の見直し
- 医療機関の設置主体等に関しては多様な意見があることから、これを踏まえた上で病院の経営形態のあり方について、整理・検討する。
○病床規制の見直し
- 病床規制については、医療費の急激な増大を招くおそれがあることから撤廃は困難であるが、3月の医療法改正による病床区分の変更等の施行状況を踏まえつつ、その適切な運用について、さらに検討する。
○国公立病院経営の合理化
- 平成16年度に国立病院・療養所を独立行政法人へ移行するとともに、昭和61年策定の再編成計画を概ね完了させる。公立病院については、平成10年の自治省財政局長通知の趣旨を踏まえ、地方公共団体における合理化努力を一層推進する。
○資機材の内外価格差の検討
- 資機材の内外価格差の問題について、保険医療材料制度の見直し等についての議論を踏まえ、その是正を図る。
○特定療養費制度の積極的な活用の検討
- 特定療養費制度の積極的な活用等、保険診療と保険外診療のあり方について、診療報酬体系の見直し等についての議論を踏まえ、検討する。
○電子カルテ・レセプト電算システムの普及などIT化の推進
- 電子カルテ・レセプト電算システムの普及など医療分野のIT化の推進について保健医療情報システム検討会で検討し、今年度早期に戦略的グランドデザインを策定する。なお、一層のIT化を医療機関へ働きかけ、インフラ整備を進める。
○医療データベースの構築
- 医療データベースの構築について、保健医療技術情報普及支援検討会を設置し、今年度中に具体的な運営手法や設置場所などの詳細を詰める。
○慢性期疾患への包括払方式の促進等診療報酬体系の見直し
- 慢性期疾患への包括払方式の促進等診療報酬体系の見直しを図る。
○保険者自らがレセプトの審査支払いを行うことの検討
- 現在、膨大な診療報酬請求の審査支払事務は、適正かつ効率的に実施するため、社会保険診療報酬支払基金において一元的に行われているところであるが、保険者自らが支払基金を通さずにレセプトの審査支払を行うことについて、審査・支払システムの公正性・効率性の確保等の観点も含め、早急に検討する。
○情報開示ルールの確立
- 情報開示ルールの確立については、医療サービスにおける情報の格差がある中、消費者の選択を通じた医療サービスの向上を図っていくために必要不可欠である。現在、既に医療従事者の自主的な取組が行われている状況を十分に踏まえ、医療機関の情報提供のあり方について検討する。
○医療評価システムの構築
- 医療評価システムの構築については、日本医療機能評価機構による医療機能評価の普及を図るとともに、その評価項目・方法について引き続き改善を図る。
○個人の体質に応じた革新的医療及び機能性食品の開発・普及のための環境整備
- 革新的な医療の実現を目的として平成12年度から5ヶ年計画で開始した遺伝子解析関連事業について、今年度から遺伝子の機能解析に重点をおいて積極的に展開する。また、機能性食品について、本年4月に創設された保健機能食品制度の普及並びに今後健康維持に資する食品に対する需要の動向等を踏まえて制度の一層の充実を図るとともに、機能性食品の開発を推進する。
○画期的な新薬の開発を促すための治験制度の整備や薬価制度の見直し
- 画期的新薬の薬価算定ルール等薬価制度の見直しについて検討する。また、我が国において画期的な新薬の開発が促進されるよう、諸外国に匹敵する臨床試験(治験)の実施体制や環境を整備するため、国立大学、国立病院等において、治験コーディネーター(CRC)の一層の活用を進めるとともに、独立行政法人に係る検討状況も考慮しつつ、治験の実施を推進する。
○持続可能な「高齢者医療制度」の検討
- 平成14年度に高齢者医療制度の見直しをはじめとする医療制度改革を実現する。
【競争的な介護システムの構築と新たな介護サービスの育成】
○ケアハウスへの民間参入及び公設民営方式
- ケアハウスへの民間参入については、規制改革推進3カ年計画に沿って、今年度中に公設民営方式の活用も含め、関係省庁と連携しつつ検討する。
○ケアハウスに対する助成措置のあり方を見直し、公的機関と民間事業者との競争条件を整備
- ケアハウスへの民間参入を認める場合には、その運営費等について社会福祉法人と同等の支援を検討する。
○高齢者の多様なニーズに応えうる民間介護サービス事業者の育成
- 高齢者の多様なニーズに応えうるよう、多様な事業者の介護サービスへの参入促進の観点から、介護サービス関連の情報提供や事業立ち上げ相談等を行うサービス事業者振興事業を実施する。
【保育サービスの充実】
○保育所の待機児童ゼロ作戦の推進等
- 保育所における低年齢児の受入れ拡大、延長保育、一時保育、幼稚園における預かり保育の充実など新エンゼルプランを積極的に推進するとともに、今後、保育所の待機児童ゼロ作戦を推進する。
- 必要な地域において放課後児童を受け入れることのできる体制を整備する。
○認可保育所への民間参入の促進
- 平成12年の保育所設置主体制限の撤廃、設置基準の緩和をはじめとする規制緩和等を進めることにより、認可外保育施設の認可保育所への移行促進等、認可保育所への民間事業者の参入の促進を図る。
- 現在全国で6件の空き教室を活用した保育所設置を一層推進するとともに、商店街の空き店舗の保育サービスへの活用も今年度中にスキームを検討する。また、公設民営方式の一層の普及に努める。
○保育サービスの第三者評価の充実
○地域における子育て支援策の推進
- 子育て不安の解消や虐待防止、地域交流の活性化など、地域社会の協力を得ながら多様な子育て支援策を推進する。
環境問題への対応は、21世紀の産業競争力の鍵を握る。すべての産業構造・経済システムを「環境共生型」に作り替えることが、大きな市場創造をもたらす。
循環型社会、温室効果ガスの排出削減が組み込まれた社会の「新国家モデル」を目指し、ゴミゼロやエネルギー効率の更なる向上のための制度改革・技術革新を加速させる。
○廃棄物・リサイクル関連法の運用強化・見直し
- 廃棄物・リサイクル関連法の運用強化を図り、リデュース(抑制)・リユース(再使用)・リサイクル(再利用)の「3R対策」を網羅的に展開する。
- 優良な処理が市場で優位に立つような自己責任徹底型の廃棄物処理への構造改革を加速する。
- 廃棄物処理法の廃棄物の定義・一般廃棄物と産業廃棄物の区分の見直し
処理責任との関係、適正かつ効率的な処理の推進、排出抑制やリサイクル推進などの観点から、廃棄物処理法の廃棄物の定義・区分の見直しの検討を進める。本年夏から検討を開始し、平成14年末を目途に取りまとめ、その検討結果を踏まえ、所要の措置を講ずる。
○自動車リサイクルの推進
- 我が国において発生する年間500万台にのぼる使用済み自動車のリサイクルの高度化及び適切な処理の確保を図るため、自動車リサイクル法(仮称)の制定に向け、関連する現行制度との関係も含めて検討を行い、遅くとも平成13年度中を目途に成案を得る。併せて、関係者の取組を促進するための所要の措置を講じる。
○ゴミゼロ作戦の推進
- 「ゴミゼロ作戦」を実行するために大都市圏をエコタウンのようなゴミゼロ型の都市に再構築する。このため、都市再生本部において、東京圏をはじめとした大都市圏の臨海部等における廃棄物処理施設、リサイクル施設等の広域的、総合的な整備を内容とする具体的プロジェクトを選定し、集中的、重点的な推進を図る。
○ダイオキシン対策の推進及び安全で適正な廃棄物処理施設の整備の推進
- ダイオキシン対策の推進及び循環型社会への転換に向け、安全で適正な廃棄物処理施設の整備を強力に推進する。
○廃棄物埋立跡地等の環境修復事業の展開等
- IT技術等を活用した監視システムの導入を含む不法投棄の未然防止対策を強力に推進するとともに、不法投棄の原状回復を図り、廃棄物埋立跡地、大規模不法投棄現場及び最終処分場の再生利用・自然再生に向けて環境修復事業の展開を図る。
○技術開発等の推進
- 自動車、家電、容器包装、繊維、建設等の重点領域において革新的3R技術に係る基盤的研究開発や実用化開発の推進、バイオプロセス等の環境にやさしい生産技術、有害物質の分別・処理技術などの開発、データベース構築等を強力に進める。また、公共事業における建設廃棄物のゼロエミッションを推進し、平成17年度までに、直轄事業において最終処分量をゼロにすることを目指す。
- 都市部農村部の役割分担に留意しつつ、有機質資源の循環利用のための技術開発、事業展開を推進する。
○事業活動における環境保全のための取組の促進
- 循環型社会を構築し、事業活動における環境保全のための取組を促進するため、環境マネジメントシステムの導入や環境報告書の作成・公表による取組状況の開示、環境会計の導入の推進を図るとともに、環境報告書を整理して情報提供することにより、企業の環境配慮型経営やグリーン投資(環境に配慮した経営を行う企業への投資)を促進する。
○新エネルギー・分散型電源の開発・導入の強化
- 太陽・バイオマス等新エネルギーに関する技術開発の推進、導入補助・先進的モデル事業を通じた導入促進等を強化する。
- 今年度から、新電力供給システム技術に関する検討を開始し、分散型電源を含めた柔軟な電力供給構造の実現等を図る。
○低公害車等の開発・普及の促進
- 低公害車等の開発・普及に関し、具体的な取組み策を早急に検討する。
○グリーン調達の推進
- 今年度から、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)」(平成13年4月1日全面施行)に基づき、国等の公的部門による環境への負荷の低減に資する製品等の率先的調達(グリーン調達)等をできるだけ広い範囲で計画的かつ着実に推進する。また、環境物品等に係る情報提供等を通じて、地方公共団体における取組を働きかける。
- 平成14年度以降3年間を目途に原則として全ての一般公用車について、これを環境物品等の調達の推進に関する基本方針に即して切り替える。一般公用車以外の自動車についても、同方針に即して切り替えるよう努力する。また、地方公共団体における取組を働きかける。
- 国が特に重点的に調達を推進すべきグリーン購入法の特定調達品目に関し、幅広い観点から検討を行い、品目の拡大を図る。
- 公的部門等への省エネ診断の導入や施設の省エネ改修などにより、施設の省エネルギー化を図る各種事業を推進する。
○住宅等の省エネ・新エネ対策の推進
- 住宅・建築物におけるエネルギー需要マネージメントの普及等の省エネルギー対策及び太陽エネルギー利用等の新エネルギー対策を推進する。
- 官庁施設において、グリーン庁舎及びグリーン診断・改修を率先的に推進する。
○温室効果ガスの排出削減が組み込まれた社会
- 公共交通機関の利用促進を含め、交通需要の調整等の交通政策を推進する。
- 都市・屋上緑化の推進、都市の未利用エネルギー活用等温暖化防止のためのインフラ整備等による都市・地域構造の改革を目指す。
- 政府など公共機関による低公害車や太陽光発電などの「グリーン調達」を促進する。(再掲)
日本の事業環境の国際競争力を高めていくためには、港湾等の国際物流拠点の機能強化、各種輸送モードのアクセス改善等を通じた高度・効率的な物流システムを築き、革新的な物流サービスを生み出す公正かつ競争的な物流サービス市場を構築していくことが急務であることから、早期に「新総合物流施策大綱」を策定し、政府一体となって施策を推進する。
都市の土地・空間の利用効率の最大化を図り、快適な生活環境を増進するとともに都市関連産業を活性化させ、国際競争力のある世界都市の形成を推進する。
○都市関連産業の活性化等に資する施設の積極的な整備
- 都市再生本部において、東京圏をはじめとする大都市圏をエコタウンのようなゴミゼロ型の都市に再構築するため具体的なプロジェクトを選定し、廃棄物・リサイクル施設等の広域的・総合的な整備を重点的に推進する。
- 地域振興整備公団を通じた都市型起業家支援機関(ビジネス・インキュベータ)の整備を実施する。また、地方自治体等による起業家支援機関(ビジネス・インキュベータ)の整備を資金面から支援する。
- 21世紀型産業・頭脳拠点都市について、地域の知的センターとして機能する大学、研究機関やハイテク企業、文化・スポーツ施設、国際会議場、集合住宅等を一体として整備することにより、21世紀に相応しい新しいタイプの都市再生を実現する。
○遊休地を含む土地の有効利用
- 都市基盤整備公団の土地有効利用事業等による土地の有効利用を推進する。
- 大都市圏臨海部の再生と都市における自然再生のため各種事業を実施する。
緑や自然海岸などの自然環境が失われた東京湾、伊勢湾、大阪湾等大都市圏の臨海部において、遊休埋立地や工場移転跡地を活用し、大規模な森や渡り鳥の飛来する干潟として再生する。
うるおいを失った都市に、豊かな自然と生き物の生息環境を再生し、水と緑のネットワークの形成と自然とのふれあいの場の整備により、活力ある都市を再生する。
○不動産の証券化
- 投資物件のパフォーマンスを示す指標である「不動産投資インデックス」に関するガイドラインを平成14年までに整備するとともに、不動産投資顧問業の育成などを通じ、不動産の証券化を推進する。
○都市再生、土地の流動化のための規制改革等
- 民間都市開発事業促進プラットホーム(仮称)を設置し、民間事業者の申請により、国と地方公共団体が一体となって事業促進のための条件整備を機動的かつ迅速に行う。
○住宅市場整備の推進
- 今年度中に、消費者がアクセスしやすい住宅市場の環境整備のための住宅市場整備のアクションプログラムを策定し、中古住宅等の評価システムの確立や取引価格情報の開示など、市場情報の提供体制の整備により、中古住宅市場、リフォーム市場、賃貸住宅市場等の整備を推進する。
○違法駐車、駐輪対策
- 違法駐車、駐輪が問題となっている地域において、嘱託職員等の雇用や民間委託による違法駐車駐輪防止事業を推進する。
すべての国民がITのメリットを享受した豊かな生活を実現し、ITの活用を通じた新規産業の創出と既存産業の効率化を達成するために、高度情報通信ネットワーク整備と人材育成により高度情報通信ネットワーク社会の実現に不可欠なインフラを形成し、電子政府・電子商取引等の促進により、このインフラを活用した取引や活動を活性化することは喫緊の課題である。
具体的には、電気通信分野における徹底した規制改革の推進など公正競争条件の整備、公正取引委員会の機能強化、電子商取引の促進・電子公告などITによる会社負担の軽減の促進のための法制度等の整備、申請・届出の電子化等電子政府の推進、国民に対するIT学習機会の提供等教育の情報化及び情報化人材の育成、ITS・GIS等公共分野の情報化、情報家電、ICカード、IPv6等の研究開発・普及促進などITを活用した経済社会システムの実現を急ぐ必要がある。
このため、「e−Japan重点計画」を着実に実行するとともに、IT革命推進の中間目標を定めた「e−Japan2002プログラム」を作成し、IT施策を集中的かつ戦略的に推進する。
近年、介護福祉、環境・リサイクル、まちづくり等の分野で先駆的な社会事業を実施する新たな組織形態であるNPOの設立が相次いでおり、その団体数(公益法人等を除く)は約9万に及ぶとの調査結果もある。こうしたNPOは、高齢者、女性、障害者の社会参画や雇用を促進し、充実した自己実現の場を提供するものとして我が国経済社会にとって益々重要な役割を果たすことが期待される。
このため、経済社会システムにおけるNPOの位置づけについて分析をするとともに、NPOが事業主体、雇用主体として発展する上で隘路となっている人材、資金、活動基盤等に係わる課題を明らかにし、その解決のために必要な環境整備を図る。
○NPOの位置付けについて分析
- 今年度、国民生活審議会の報告等を踏まえつつ、更に経済社会におけるNPOの役割とその発展がもたらす影響を具体的に分析し、健全な発展に向けた課題と解決策について提言する。
○NPOによる経済社会インフラ整備の促進
- 環境NPOの政策提言を行政施策につなげるための事業の推進、NPOと連携した社会資本マネジメント、NPOへの委託訓練を活用した能力開発の推進の検討、高齢者・障害者の情報通信利用を促進する非営利活動の支援等、NPOと行政の連携による経済社会インフラの整備を促進する。
- まちづくり、介護福祉、生涯教育、起業支援、地域産業振興、新エネルギー・省エネルギー、技術開発等の各分野におけるNPO活動を促進する。
○NPO活動の環境整備
- 地球環境基金の活用等による環境NPOに対する支援を強化する。
- 勤労者マルチライフ支援事業の推進により、勤労者のNPOへのボランティア参加を 促進する。
- NPOと他の経済主体とのイコールフッティングを図る観点から、企業、公益法人等を対象とする補助金、委託費、政策融資等へのNPOの対象追加等、必要な事業環境の整備について検討する。
○NPO法の見直し
- 特定非営利活動促進法(以下NPO法と略称)の見直しについては、今後、立法府等で本格的な検討が行われることから、立法府等での見直しの議論に資するため、特定非営利活動の対象分野の追加、申請書類の簡素化等について、検討材料の提供を行っていく。
○NPO会計基準に関する考え方の整理
- 特定非営利活動法人に係る会計基準については、NPO法に定める原則以外は各法人の判断に任せられているため、NPO側のニーズを踏まえ、具体的な基準について考え方の整理を図る。
○NPO法の適切な運用
- NPO法の普及定着を図る観点から、引き続き法人の設立申請等に際しての相談を実施していくとともに、法人制度の広報、法人に関する情報公開を一層充実させていく。
- 今年度から施行されるNPOに関する税制上の優遇措置につき、広報活動等を通じ制度の定着を図る。
2.人材育成・能力開発の推進
○個人の主体的な能力開発を推進するシステムの整備
○民間活力を生かした能力開発の抜本拡充等民間機関の活用、社会人教育・能力開発面での大学・大学院等高等教育機関等の積極的活用などによる多様な能力開発機会の確保・創出に向けた環境の整備 |
労働移動の増加、就業ニーズの多様化等により、様々な変化に対応できる職業能力の開発・向上が求められる中で、企業主導の能力開発だけでは限界が生じている。
このため、こうした企業の取り組みに加え、個人の主体的な能力開発を推進するシステムを整備する。
○個人の主体的な能力開発を推進するシステムの整備
- キャリア・カウンセリングのための体制を早期に整備し、個人の主体的な能力開発を支援する。
- 新規・成長分野や大学・大学院等における高度な社会人向け教育訓練コースの指定等教育訓練給付制度を重点的・機動的に活用することにより、個人の主体的な能力開発を強力に推進する。
- 能力開発に関する事業主助成制度を見直し、労働者の自発性を活かした訓練に取り組む事業主への支援等個人の主体的な能力開発を重視する方向で早期に制度を整備する。
- 生涯を通じて個人が主体的に能力開発を行えるシステムを早期に構築する。
- 育児で退職した者などの再就職希望者に対する職業能力開発を推進する。
| ○民間活力を活かした多様な職業能力開発機会の確保・創出に向けた環境整備 |
経済のグローバル化や技術革新、労働者の就業意識の多様化等に的確に対応した人材育成を展開するため、民間活力を活かした能力開発を抜本拡充するなど、多様な職業能力開発機会の確保・創出に向けた環境整備を図る。
○民間活力を活かした多様な職業能力開発
- 公共職業訓練の役割を踏まえつつ、民間機関による能力開発を抜本拡充することにより、民間活力を最大限に活かしつつ官民相互の連携の下に、多様な能力開発機会を確保・創出する。
- 社会人向けの高度な職業教育訓練の充実等、民間機関や大学・大学院等を活用した高度な人材育成に速やかに取り組む。
- 職務の明確化や能力評価基準の策定に対する支援を推進する。
- インターンシップ制度の拡充へ向け、早期に取り組む。
経済のグローバルな競争が激しくなる中で、我が国の財産である人的資源を有効に活用し、中長期的に安定した発展をしていくためには、成長を支える高度な人材を育成していくことが不可欠である。
このため、大学・大学院等の積極的な活用により、世界にも通用する高度な人材育成のための環境整備を図る。
○高度な人材の育成
- 大学院への企業人の受入れの促進に必要な環境整備を行い、早期にこれを倍増(2万人)する。
- ロースクール、ビジネススクール等プロフェッショナルスクールの設置促進に向け重点的整備を図る。
- 各大学における教員採用に関する基準の明確化への配慮等を通じて企業人の教員への採用を促進するとともに、連携大学院制度の充実等を行うことにより、企業の能力の大学教育への活用を積極的に図る。
- 世界最高水準の研究や専門家育成を行う海外の大学、研究機関等への派遣事業を活用し、即戦力の若手人材の育成を推進する。
- 大学教員の国際公募の推進を図る。
- 理科や数学に対する興味・関心を喚起し、創造力ある人材育成を図るため、大学、研究機関等の教員、研究員、施設及び最先端の研究成果を活用した小中学生向けの公開講座や体験的学習プログラム、ITを活用した教育用コンテンツの開発・普及を図る。
- e−ユニバーシティ、サテライト・キャンパス、社会人向け短期集中コースの整備等により、大学等への社会人受入を今後5年間で100万人規模に拡充する(社会人キャリアアップ100万人計画)。
- 自ら新しい技能・知識を獲得しようとする個人を支援するため、キャリアアップを目指す人材へのインセンティブを付与する。また、意欲ある人材、海外へ留学しようとする人材等に対する奨学金制度を充実する。
- 我が国の技術者240万人が専門分野・所属組織(産学官)を越えて、生涯にわたって能力開発を行うことができる環境を社会全体の責務として整備していくため、産学官の総力を結集して、教材開発、新しい教育手法の開発、カリキュラム等に対する評価システムの構築等を通じた技術者生涯教育システムの構築を図る。
3.安心して働ける就業環境の整備
○女性・高齢者等の就業環境整備
○パート・派遣労働者に対する社会保険の適用の在り方の見直しを含めた就業環境の整備 │
○有期雇用の見直し等就業形態の多様化に対応した労働法制の在り方の検討 |
| ○女性が働き続けられる経済社会基盤の構築(M字カーブ・ボトムアップ) |
男女がともに暮らし、子供を産み育て、安心して働ける社会を実現するため、また、安定的持続的な成長を実現していくためには、女性がその能力を活かしながら働き続けられる環境を整備するとともに、職場及び家庭における男女の共同参画についての意識を醸成することが必要である。
このため、「保育所の待機児童ゼロ作戦」の推進などにより、子育て支援サービスの充実や、仕事と子育ての両立支援のための雇用環境の整備を図るとともに、女性労働者の能力発揮を促進するため、男女の均等な機会及び待遇の確保のための対策を推進する。
○保育所の待機児童ゼロ作戦の推進等(再掲)
○認可保育所への民間参入の促進(再掲)
○保育サービスの第三者評価の充実(再掲)
○地域における多様な子育て支援策の推進(再掲)
○子供を産み育てるための安全な環境整備
○雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保
- 男女雇用機会均等法の周知徹底を図るとともに、女性の能力発揮のための積極的取組(ポジティブ・アクション)を促進する。
○仕事と子育ての両立支援の推進
- 子育ての時間確保等育児を行う労働者が働き続けやすい環境を整備する等、仕事と子育ての両立支援策を推進する。
高齢社会の進む中、働く意欲のある高齢者が、その能力に応じて十分に働ける環境を整備していくことが必要である。経済社会の活力を維持する観点からも、高齢者の就業は重要である。
また、高齢者が自らの資産を活かしながら、満足のいく消費生活を送ることができるようにしていくことが重要である。
このため、高齢者等の就業環境や、充実した消費生活の実現へ向けた環境の整備を図る。
○高齢者等の就業環境の整備
- 本年10月の改正雇用対策法の施行等を通じて、募集・採用時における年齢制限の是正を促進する。
- シルバー人材センター事業の活用等高齢者のニーズに応じた多様な就業機会の確保のための施策の充実に速やかに取り組む。
- 障害者の雇用の確保・安定に向けた施策の充実に速やかに取り組む。
○リバースモーゲージ制度普及促進の検討
- 本年度、リバース・モーゲージ事業化促進に向けての具体的課題について検討する。
就業形態に対するニーズが多様化してきている中、様々な働き方を選択できるような環境や、パート・派遣労働のような雇用形態でも安心して就業できる環境を整備する。
また、個々の労働者と事業主との間の紛争の迅速かつ適正な解決を図るため、個別労働紛争解決の着実な推進を図る。
○有期雇用等の見直し
- 有期雇用については、弾力化の必要性や効果等を把握した上で見直しを行う。
- 裁量労働制については、企画業務型の実施状況等を把握した上で、制度運営の適正化等所要の検討に取り組む。
○パート・派遣労働者等の就業環境整備
- パート労働・派遣労働等雇用形態の多様化に対応した雇用保険の適用をはじめとする雇用保険制度のあり方について、労働法制の見直しの状況等を踏まえ、検討する。
- 年金保険・医療保険における被扶養配偶者の取扱いや短時間労働者への適用のあり方等の検討を着実に進める。
○個別労働関係紛争解決の着実な推進
- 個別労働関係紛争の増大と多様化に対応し、その実情に即した迅速かつ適正な解決を図るため、個別労働関係紛争解決システムを早期に整備し、その着実な推進を図る。
4.労働市場の構造改革に適した雇用面のセーフティネットの整備
○不良債権処理に関係する業界との連携による労働移動の円滑化
○労働者派遣・職業紹介の規制改革、雇用情報のワンストップ・サービス化の促進 |
経営環境の激しい変化の下で、事業者側からは、雇用に対する機動性、柔軟性へのニーズが高まる一方、労働者側からも条件の良い職場、働き甲斐のある職場に円滑に移動できる環境が求められている。
このため、円滑な労働移動と就業促進を行える環境を整備する。
○円滑な移動と就業を支える環境整備
- 労働者派遣制度については、その見直しに向けた総合的な実態調査の結果を踏まえ、派遣期間の延長や適用対象業務の拡大等の弾力化を含む制度全体のあり方について所要の検討を行い、労働者派遣制度の規制改革に着実かつ積極的に取り組む。
- 職業紹介事業制度については、その見直しに向けた総合的な実態調査の結果を踏まえ、職業紹介責任者に係る要件緩和等の弾力化を含む制度全体のあり方について所要の検討を行い、職業紹介事業制度の規制改革に着実かつ積極的に取り組む。
- 公共職業安定所の機能をより効果的・効率的なものとするとともに、民間職業紹介事業者の能力が十分に活かされるような環境を早期に整備し、相互の連携の下に、職業紹介をより円滑に行う。
- 職業紹介と職業訓練の連携を強化し、離職者の早期受講とその円滑な就業を促進するための施策の充実に速やかに取り組む。
- 本年内のできる限り早期に「しごと情報ネット」を実施する等雇用情報のワンストップサービス化を推進する。
○年金のポータビリティの確保
- 年金のポータビリティ確保のため、確定拠出年金法案の早期成立及び円滑な施行を図る。
構造改革の過程では、一時的な失業に対するリスクが高まるおそれもある。
こうした不安を解消するため、再就職支援の拡充など、適切なセーフティネットを整備する。
また、不良債権の最終処理に伴う直接・間接の影響が中小企業の事業展開に悪影響を及ぼすことのないよう、万全な対策を講じる。
○再就職支援の拡充
- 倒産・解雇等による離職者に対して手厚い給付を行うこととした改正雇用保険法の円滑な施行を図る。
- 改正雇用対策法等に基づき、在職中からの計画的な再就職支援を行うための再就職援助計画制度の創設、求人年齢条件の緩和指導の強化等を図る。
- ハローワークにおける大規模離職者発生時における情報把握の強化、離職予定在職者支援コーナーの機動的な設置、委託訓練の活用による積極的な職業能力開発機会の確保、訓練延長給付の効果的な活用など、不良債権処理の本格化に対応した再就職支援策の拡充強化を図る。
○不良債権処理に対応した就業促進
- 不良債権処理に関係する業界と連携しつつ、官民連携の出向・移籍の専門機関(産業雇用安定センター)を活用した、新規成長産業等への失業なき労働移動(出向・移籍)の支援、職業能力開発情報の提供や職業能力開発計画の策定に関するきめ細かな支援等による労働移動の円滑化に早期に取り組む。
○中小企業の連鎖倒産防止など金融面での適切な対応
- 不良債権のオフバランス化及び企業再建の促進に伴って、対象となる企業と取引等の関係にある中小企業が、連鎖倒産の危険など経営の安定に不測の支障を生じないよう引き続き金融面での施策の適切な活用を図る。
- 民事再生手続き等の再建型倒産手続に入った企業等を対象とした資金供給(「DIPファイナンス」)については、民間金融機関の対応状況等を踏まえ、その償還確実性の確保やモラルハザードの防止等に適切に留意して、商工組合中央金庫による融資の実施について早急に検討を進める。